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「今の宗教は生よりも死を肯定している」アリ・フォルマン監督「戦場でワルツを」

2009年11月27日 19:36

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愛息は深作映画とともに成長
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[映画.com ニュース] 08年度のアカデミー外国語映画賞で、受賞作「おくりびと」と競ったイスラエル映画「戦場でワルツを」が11月28日に日本公開を迎える。1980年代初めの第1次レバノン戦争にイスラエル軍兵士として従軍したアリ・フォルマン監督が、当時の戦友を訪ねながら欠落した戦争の記憶を探っていく姿をアニメーション・ドキュメンタリーという特異な手法で描いた作品である。

「“戦争”というものは、この世に存在する最もシュール(超現実)なもの。それを表現するにはアニメーションが最も適していると思ったので、製作の過程で実写にすればよかったと思ったことは一度もなかったよ」

だが本作はイスラエル映画史上2本目のアニメーションで、その上内容はドキュメンタリーという前例のないプロジェクト。資金集めからスタッフ集め、アニメ製作まで苦労の連続だったという。

「フランス資本で20分を断片的に作って映画祭に出品、次にドイツ、イスラエルでそれぞれ20分作って……ということを繰り返したので完成まで4年もかかってしまった。だが、それよりも大変だったのがスタッフ集め。結局アニメーターが8人しか集まらなかったんだ。アニメのこともよく分からないので勉強しながら撮っていった。もちろん、日本のアニメも参考にしていて、宮崎駿監督の全作品や今敏監督の『パプリカ』や『東京ゴッドファーザー』などには大きな影響を受けた」

製作期間は2004年~08年。製作のちょうど折り返しとなる06年に第2次レバノン戦争が勃発。その後イスラエルはガザ侵攻を開始した。

「第1次レバノン戦争の体験がトラウマになっている人間としては、デ・ジャブのように感じ、あまりにひどい惨状に耳をふさぎたくなる思いだった。私自身は、暴力に反対する人間であり、99%の戦争は防げると考えているが、宗教というものによって、あまりにも多くの破壊が生まれてしまった。宗教とは縁のない家庭で育った私のような無神論者からみると、今のキリスト教、ユダヤ教、イスラム教は、生よりも死を肯定しているとしか思えないね」

そんなフォルマン監督が傾倒している映画作家が、「仁義なき戦い」「バトル・ロワイアル」など反戦をテーマにした作品を数多く遺した深作欣二監督。夫人に「子供の名前をKINJI(欣二)にしたら?」とからかわれるほどのファンだという。

「息子が生まれて4カ月くらいのとき、彼は毎朝4時に目を覚まして、3時間ほど起きて、また寝るという日が続いていた。その頃、私はちょうど日本映画にはまっていて、息子と一緒に深作のやくざ映画を2本立て続けに見ていたんだ。深作映画では、4秒おきに誰かが殺されるので、赤ん坊にどんな影響を与えてしまったか、少し心配だね(笑)」

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