中村義洋監督が再び伊坂作品を映画化「フィッシュストーリー」現場公開
2008年6月10日 12:00
[映画.com ニュース] 中村義洋監督が「アヒルと鴨のコインロッカー」に続いて人気作家・伊坂幸太郎の短編を映画化する「フィッシュストーリー」が5月17日にクランクイン。6月7日、東京・新宿区にて同作の撮影現場がマスコミに公開された。
「フィッシュストーリー」は、70年代半ばに売れないロックバンドが最後のレコーディングで放った曲が、はからずもその後それぞれの時代に生きる人々の運命を繋ぎ、やがては世界の危機を救うというストーリー。
この日公開されたのは、物語の鍵を握るバンドのアマチュア時代のライブシーン。73年の昭和の雰囲気漂うキャバレーに、突如として現れた時代の早すぎるパンクバンド。怒りをぶちまけるかのような荒々しいサウンドに、客のサラリーマンたちからブーイングの嵐が巻き起こる。バンドメンバーは、「西遊記」の伊藤淳史がベース兼リーダー、「サッド ヴァケイション」の高良健吾がボーカル、「キャプテントキオ」の渋川清彦がドラム、映画初出演の大川内利充がギターという役どころだ。
このキャスティングに際して、中村監督は「演奏経験の面でバランスを考えた」とのこと。ほとんどゼロからのスタートだったという伊藤と高良の脇を、バンド経験豊富な渋川と大川内でガッチリと固めた。高校時代にギターをかじったことがある程度で、ベースに触るのは本作が初めてだったという伊藤は「2カ月間みっちり練習しました。(演奏面で)メンバーの足を引っ張らないように、役柄の上でのリーダーとして皆を引っ張っていきたい」と抱負を語った。また、撮影中は鬼気迫る表情でマイクを握っていた高良は、ステージを降りると一転してシャイな素顔をのぞかせ「最初は人前で歌うのが恥ずかしかった。でもメンバーと仲良くなるうちに、この4人なら何でも出来るような気がしてきた」と顔を赤らめながら話した。