ベルリン映画祭金熊賞はブラジル映画に!若松孝二監督作フォーラム部門2冠
2008年2月18日 12:00
[映画.com ニュース] 2月17日、第58回ベルリン国際映画祭が閉幕。コンペティション部門(審査委員長コスタ=ガブラス監督)の表彰式が行われ、金熊賞グランプリには、ホセ・パティーヤ監督のブラジル映画「The Elite Squad」が輝いた。
米アカデミー賞で最多8部門ノミネートされているポール・トーマス・アンダーソン監督のアメリカ映画「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」(GW公開)は、銀熊賞監督賞と銀熊賞音楽賞(ジョニー・グリーンウッド)の2冠に輝いた。「マグノリア」(99)での同映画祭金熊賞受賞に続く快挙を成し遂げたアンダーソン監督は「素晴らしき俳優ダニエル・デイ=ルイスには心から感謝しています。彼は一緒に組む監督の力を引き上げてくれる人です。この賞をいただいたことを心から感謝します」と、喜びのコメントを述べた。
また、日本映画で唯一出品されていた山田洋次監督作「母べえ」(吉永小百合主演)は受賞を逃した。
一方、2月16日にはフォーラム部門とパノラマ部門の授賞式が行われた。前衛的な作品を集めたフォーラム部門では若松孝二監督が72年のあさま山荘事件を再現した「実録・連合赤軍 あさま山荘への道程(みち)」(ARATAなど出演。3月15日より東京・テアトル新宿ほか全国順次公開)がアジア映画の振興を目的としたNETPAC(最優秀アジア)賞と国際芸術映画評論連盟(CICAE)賞の2冠を受賞。パノラマ部門では荻上直子監督作「めがね」(主演小林聡美)が同部門のザルツゲーバー賞(元ディレクター、マンフレート・ザルツゲーバー氏を讃えて00年に創設)を受賞した。
若松監督は「41年前(「胎児が密猟する時」)はバカにされたので、これで胸を張って日本に帰れる」とコメント。荻上監督は「(2月15日生まれで)いい誕生日になりました」と喜びを語った。
このほか、フォーラム部門に出品された、都会のラブホテルの屋上に作られた公園に集う人々の交流を描いた「パークアンドラブホテル」(熊坂出監督、りりィ主演。GW、ユーロスペースにて公開)が、コンペティション、パノラマ、ジェネレーション、フォーラムの各部門の作品の中から最も優れた新人監督に贈られる最優秀新人監督賞を受賞した。
第58回ベルリン国際映画祭コンペティション部門の結果は以下の通り。
▽銀熊賞審査員グランプリ 「S.O.P.: Standard Operating Procedure.」(エロール・モリス監督/アメリカ)
▽銀熊賞監督賞 ポール・トーマス・アンダーソン(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」/アメリカ)
▽銀熊賞女優賞 サリー・ホーキンス(マイク・リー監督「Happy-Go-Lucky」/イギリス)
▽銀熊賞男優賞 レザ・ナジエ(マジッド・マジディ監督「The Song of Sparrows」/イラン)
▽銀熊賞芸術貢献(音楽)賞 ジョニー・グリーンウッド(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)
▽銀熊賞脚本賞 ワン・シャオシュアイ(ワン・シャオシュアイ監督「In Love We Trust/中国)
▽アルフレッド・バウワー賞 「Lake Taho」(フェルナンド・エインビッケ監督/メキシコ)
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