米ニューズウィーク誌恒例オスカー座談会で、アンジーが撮影秘話を語る
2008年1月22日 12:00

[映画.com ニュース] 毎年オスカーノミネート発表直前に行われる、ニューズウィーク誌恒例の「第11回オスカー候補者座談会」が開かれ、主演女優賞候補のアンジェリーナ・ジョリー(「マイティ・ハート/愛と絆」)、エレン・ページ(「JUNO/ジュノ」)、マリオン・コティヤール(「エディット・ピアフ/愛の讃歌」)、主演男優賞候補のジョージ・クルーニー(「フィクサー」)、ダニエル・デイ=ルイス(「ゼア・ウィル・ビー・ブラッド」)、ジェームズ・マカボイ(「つぐない」)の男女優6名が参加した。
「真夜中のカーボーイ」「帰郷」のジョン・ボイトを父を持ち、候補者の中で唯一、映画一家に育ったジョリーは、「私は家族の中でも“演じて”いたから、映画をあまり好きではなかった」と告白。「憶えているのは『欲望という名の電車』と(マーロン・)ブランドだけど、演技の良さは分からなかった」と語った。また、13歳の時からリー・ストラスバーグの元で演技を学んだことに関し、「“メソッド”(ストラスバーグが提唱する演技法)は、13歳ではかなり奇妙だったわ。7年も前のことだから(爆笑)、全ては思い出せないけど」と語った。
また、マイケル・ウィンターボトム監督の風変わりな演出についても明かした。「撮影初日はマイケルの信じられないようなやり方に、終始落ち着かなかった」と語るジョリーは、リハーサルなしのワンシーン・ワンカット撮影を敢行し、「カット」の声すらかけなかった同監督の“一発撮り”に面食らったという。「あるシーンで、私は部屋に入り5行ぐらいのセリフを喋るの。マイケルはそれをカメラに収めるんだけど、そのシーンが終わって私がトイレに行き、出てくると、まだカメラが回っているの。私は『分かったわよ』という感じで、また5行のセリフを喋る。そんなことが10分も繰り返されるの」
そのパキスタンの撮影現場では、スタッフとキャストが非常に親密な関係だったという。「常に皆が一緒にいたわ。昼食の時も、散歩に行くのもみんな一緒。ずっと映画の中に身を置いているといった感じで、女優としてこんな貴重な経験はなかなかできないわ」
しかし、監督の熱意に戸惑いを感じた瞬間もあったとか。「マイケルは一線を越えていたわ。ある女の子が体調を崩して吐いてしまった時、彼は『次はきちんと私たちに言ってくれ』だなんて怒るの。ちょっとやり過ぎ。でもそんなところに、私は惹かれもするの」と、ウィンターボトム監督の情熱がパワーの源になったようだ。
撮影時妊娠中だったジョリーの力強い演技は、1月22日(米時間)に発表される第80回アカデミー賞ノミネーションでも主演女優賞候補入りが期待されている。
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