ワインスタイン社がUAに続き、米脚本家組合と単独合意!
2008年1月15日 12:00
[映画.com ニュース] トム・クルーズの映画製作会社ユナイテッド・アーティスツ(UA)が、昨年11月5日からストライキを決行している米脚本家組合(WGA)との間で合意を成立させたことが先週報じられたが、これに追従する形でワインスタイン・カンパニー(WC)もWGAとの合意に至った。
「WCと合意に達したことは喜ばしいことであり、他のスタジオもこれに続いてほしい」とWGAは声明を出している。さらに、「大手スタジオは、我々との交渉を拒絶しているが、今回の合意により我々脚本家とスタジオ側との合意が可能だということが証明された」と強気に出ている。また、WC側も「我々はストライキが一刻も早く終わるよう願っている。ストが続くことで、日一日と職を失う人々が増えている」と、他スタジオに追従を促すような声明を出している。
WCは07年、クエンティン・タランティーノ、ロバート・ロドリゲス両監督による「グラインドハウス」や、ジョン・キューザック主演のドラマ「グレース・イズ・ゴーン(Grace Is Gone)」、スカーレット・ヨハンソン主演のコメディ「ナニーズ・ダイアリーズ(The Nanny Diaries)」などの話題作をリリースしたが、いずれも興行成績は伸び悩んだ。ボブ・ディランを題材にした「アイム・ノット・ゼア」がオスカーレースを賑わせているものの、興行的成功が至上命令だ。
今年の製作リストのトップにあるのは、ハビエル・バルデム、ペネロペ・クルス、マリオン・コティヤールらが出演するロブ・マーシャル監督(「シカゴ」)のトニー賞受賞ミュージカル「ナイン(Nine)」の映画化だが、現在製作準備も中断中。
また、スティーブン・ダルドリー監督(「めぐりあう時間たち」)のロマンティックドラマ「朗読者(The Reader)」も主演女優ニコール・キッドマンが妊娠降板でケイト・ウィンスレットが代役になるなどして製作開始が今年の2月か3月に延期されている。
加えて、黒澤明監督作「七人の侍」のリメイク企画や、コーマック・マッカーシー(「ノーカントリー」)の核で崩壊したアメリカを描く黙示録的小説「The Road」の映画化企画などの新作の調整に入っている。
なお、UAの合意に対して「単独の合意は、今回の問題の本質的解決にはつながらない」と苦言を呈していた米映画テレビジョン製作者連合(AMPTP)は、今回のWCの合意に対してはまだコメントを出していない。