来日したフランソワ・オゾン監督に、夏木マリが猛アタック?
2007年9月11日 12:00
「エンジェル」は、英国の人気作家エリザベス・テイラーの小説が原作。19世紀初頭のイギリスを舞台に、主人公の女性作家エンジェル(ロモーラ・ガライ)の栄光と凋落を描き、オゾン監督にとっては初めての英語劇で、かつ初めての時代劇となった。
オゾン監督は「原作を読んで、主人公エンジェルに恋をした。舞台をフランスに置き換えても無理が出るし、イギリス的な雰囲気を出すために原作のまま(英語で)映画化した」と本作を手掛けた理由を語り、自らの才能だけを頼りに人気作家へ成り上がったものの、空想世界に生き現実を直視せず、やがて落ちぶれていく主人公エンジェルについて「アーティストとして同じ生き方をしてはいけないという自戒も込めた。アーティストは常に現実と接点をもち、進化し続けなくてはいけない」と話した。
また、「まぼろし」「8人の女たち」「スイミング・プール」などで、女性心理を巧みに描いてきたオゾン監督の手腕は本作でも健在。女性を描くことが多いことについては、「そもそも映画監督というものは、カメラの後ろに回って作品に自己を投影するもの。主人公を女性にすることで、少し距離を置いた状態でキャラクターに自分を投影することが出来るから」と明かした。
会見の最後には、オゾン監督の大ファンだという女優の夏木マリが花束贈呈に来場。「若いのに大人の女をよくわかってるフランス男」と監督に熱い視線を送り、「私は日本のシャーロット・ランプリング(本作にも出演)を目指している。『スイミング・プール』みたいな(若い娘に嫉妬する)役は得意なので任せて」「年上の女性を若い男が支える物語なんてどう?」などと、監督に熱烈にアピールして会見場を盛り上げていた。
「エンジェル」は12月ロードショー。