新境地を開いた「魂萌え!」阪本順治監督が語る
2007年1月23日 12:00

“男を描く”監督として認知されていた阪本監督が藤山直美主演の「顔」で女性映画を手がけ多くの観客を驚かせたのが00年。それから、「ぼくんち」(02)を経て、今回手がけたのは桐野夏生による団塊世代の主婦を主人公とした新聞小説の映画化だった。「“これは自分の映画とは関係ないだろうなあ”と思って手に取ったのが、たまたま桐野さんの『魂萌え!』だったんです。桐野さんの本はずっと読んでいて、『グロテスク』や『残虐記』なんかを無責任に“(作るのも)いいんじゃない?“とか言う人はいましたが、『グロテスク』だと僕の中で小説を読んだ時点で、映像を見たような気分になって完結したんですよね。だけど、この『魂萌え!』では逆に映画化するには難しいなと思ったんです。レストランで食事して話しているとか、そば屋で話しているシーンとか、映画としてのシーンを想像しにくいことが多いんですよね。それが逆に僕に挑戦させたんだと思います」
本作の主人公である世間知らずの敏子は59歳、団塊世代の専業主婦だが敏子を好演した風吹ジュンの実年齢は54歳と少し若い。彼女を主演に選んだ理由を聞いてみると「やっぱり59歳の役なので、60歳前後の女優さんを考えたんですけど、どうも噛み合わないと感じたんですね。というのも今60前後の女優さんとなると、皆さん撮影所時代の大スターが多いわけです。吉永小百合さん、富司純子さん、梶芽衣子さんたちがトイレに行っている姿はなかなか思いつかないですよね(笑)。彼女たちは主婦業をやってらっしゃるでしょうけど、生活臭がないんです。もちろん演じることに関してはプロだと思うんですけど、もう少し年齢を下げたときに、主婦もやって、母親もやって、妻もやってという女優さんで、いい意味で勢い、主張がない感じ。そして弱くもないけど強すぎないイメージ。それが敏子のイメージで、風吹さんにお願いしたんです」
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