T・ギリアムの弟子、奇天烈映画「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」で来日
2007年1月16日 12:00

テリー・ギリアムが主演にジョニー・デップを据えてクランクインするも、撮影6日目であっさり頓挫してしまった未完の大作「ドン・キ・ホーテを殺した男」(原題“The Man who Killed Don Quixote”)。その無期延期となった映画製作の顛末をドキュメンタリー「ロスト・イン・ラ・マンチャ」として世に送り出し、世界中から注目を集めたキース・フルトンとルイス・ペペ監督の新作「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」が、まもなく劇場公開される。昨秋の第19回東京国際映画祭の開催時に来日した2人の監督に話を聞いた。
本作は70年代のイギリスを舞台に、生まれながらの結合性双生児がロックスターとなり、やがて破滅していく姿をドキュメンタリーの手法で撮った劇映画。ドキュメンタリーとフィクションの境界線上を歩いているかのような本作だが、監督たちはドキュメンタリーとフィクションを分けて考えていないという。「僕らにとっては、どちらも同じストーリーテリングの方法。僕らはいつもどちらかにとらわれるのではなく、フィクションとドキュメンタリーの両方を作りたいと望んでいたんだ。今回初めて、割と大きな製作費で劇映画を撮ったわけだけど、特に不安もなかったよ」(ぺぺ)と語る。
そんな本作で目を引くのは、神秘的な雰囲気を醸し出しているイギリスのロケーション撮影だ。「僕らはリサーチでロックスターのドキュメンタリーをたくさん観たんだけど、彼らはいつも大きな城のような大邸宅に住み、その家の中で、素っ裸の子供が走り回ったり、グルーピーの子たちと酔っぱらっているんだ(笑)。僕らはそんな雰囲気をあの奇妙な豪邸の中で再現したかったんだよ」(ぺぺ)、「あの屋敷はイギリス北部の街ハンブルトンにあるんだけれど、僕らはロンドンから離れたところで、まるでサーカス団のような生活を送っていたんだ。あの生活のお陰でスタッフ・キャストの間にいい雰囲気が流れ、撮影もスムーズにいったんだ」(フルトン)。
アメリカ人監督ながら見事に“イギリス映画”を作り上げた2人だが、2人の師匠であるテリー・ギリアムも「モンティ・パイソン」のメンバーではただ1人のアメリカ人だった。「テリーは間違いなく師匠だね。僕らは「12モンキーズ」のプロダクションで、大きな作品の経験を積んで、その映画製作の複雑さも学んだんだ。彼はいろいろな意味で厄介な男だが(笑)、彼より良い師匠は他にいないよ」(フルトン)と語っていた。
「ブラザーズ・オブ・ザ・ヘッド」は1月20日公開。
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