小さな悪意と小さなやさしさの混在する社会の中で
13年ぶりに出所した元ヤクザの三上が、堅気としての地道な自立を手に入れようと精神的にもがく様が、淡々と描かれる。
三上は私生児として産まれ、母親は施設に彼を置いて失踪したため、親の愛を知らず育った。劇的な展開のある物語ではないが、直情的な彼が感情の制御に苦しみながら一進一退で歩んで行こうとする様をつぶさに見せられているうちに、その不器用さにはらはらしながらもいつの間にか応援していた。
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私は嘘つき……と言う芳根京子ですが、もしかすると「私は嘘つき」という言葉自体が嘘なのではないかと思わせる、まるで気が触れたかのような女性を演じていて、これは凄かったと思います。
しかし、なんだかなーと思ったのが、ストーリーの拙劣さです。
登場する数名に同一種のトラウマが設定されていたり、人間関係を設定=偶然に頼り過ぎている点など、ストーリーとして許せる限度を超えており、鼻につきました。
誰であれ、人間である以上は、親にまったく反発を抱かないことはあり得ないはずです。
しかし親を許せないと考える人の気持ちを安易に尊重してしまっている現代の風潮はどんなものなのでしょう... 続きを見る
良い意味で裏切られた、こういうテーマなのね
予告通り、、と話だと思ったらちょっと違った。
なるほど「ファーストラブ」ね。
女優二人の涙の演技はさすが。
芳根京子の狂気から○○の変わり方はさすが。
特に、北川景子の涙のシーンは、どれも違った印象で良かったです。
中村倫也は裁判シーンがカッコよすぎだね(笑)。
さらに窪塚洋介は力の抜けた男前です。初め、誰か分からなかった。カメレオンというか。いい役者です。 これからもずーと観ていきた... 続きを見る
現代日本映画界を代表する名優役所広司も私にとってはどの映画を観ても先ず思うのは“顔デカ!”。今回は顔のデカさが気にならないくらい見事な映画だったのにラストの落ちの付け方が不満。で、減点。
①残念ながら(?)塀の中に入ったことのない身としては、冒頭の旭川刑務所のシーンが興味深い。令和の刑務所は大分キレイになってるんだね。②前科のある人間が更正する或いは社会に受け入れられることの難しさを描いた映画は古今東西いくらでもある。しかも元ヤクザ者とあっては困難さは倍返し(言葉の使い方間違ってます…わかってます)。③しかしこの映画が一頭抜きん出ているのはその映画としての見事さ。西川美和とい... 続きを見る
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