イノセンツのレビュー・感想・評価
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〝体感型〟サイキックスリラー
これだけの数の人が同時に息を飲み、次に起こる出来事を、見たくないと思いながらも直視しないわけにはいかない。
あのシーンやこのシーンで、ゴクリと唾を飲む音やウワッ、とかヒー、それだけはやめて!
と観客全員が反応してるのが、館内の空気を通じて分かる。
うん?このこと自体、ある意味〝念動力〟とか〝テレパシー〟じゃないか。
主人公はあの悦ちゃんと同じ。
率直な感想
ドキュメントタッチな人物描写、場面設定は良。◯
脚本家出身の監督ということで納得。
ESP.PK能力描写が何気に地味△ 。監督が特撮とい
うものをよく知り得ていない印象。自分が特撮映画
の観過ぎで感覚麻痺なのか?それとも予算がない?
小道具をもう少し工夫して別のものにすれば、現代
のエフェクトではもっと効果的でインパクトのある
画が撮れたのではと勝手に感じてしまい映画に没入
出来ず。まぁそれが、北欧映画らしいといえばらし
いかも。
子役の俳優陣は自然な素晴らしい演技。◎
特にイーダ役のラーケル・レノーラ・フレットゥム
は秀逸。
総合的には
本作監督の社会的弱者の視点に立って見るという観
点から製作が始まり、意図が最終的に大友先生の童
夢へのオマージュと合致したというところか。
その昔、童夢を初読した時の衝撃とその視点、画の
構成、物語の斬新さにはゆうにおよばず、内容的、
またビジュアル的にも物足りない印象を受けた。
現代ではもっと大胆に創れたと思うが、仕方がない
のであろう。
童夢を知らない人たちには絶賛の作品。
⭐️2.0
移民家族いじめ?
久し振りに心底怖い映画で上映中に声を出しそうになったり体がびくっと動いた。
セリーヌ・シアマ監督の「トムボーイ」と同じ季節。多くの家族は夏休みで不在。色んな理由で休暇に行かない家族、新たに引っ越してきた家族の子ども達の出会いから始まる。でも映画の方向性は真逆。
アナ、イーダ、アイシャの3人の女の子役それぞれの演技は本当に素晴らしかった。とりわけイーダはつねってやりたいほどの憎らしさをうまく演じていた。そして男の子ベン。孤独で無垢でとても可愛らしい(と見えた)。
金髪頭の年上サッカー少年にコケにされたのがきっかけなんだろうか。悔しさ、怒り、寂しさ。家にはお父さん不在でお母さんはちょっと変な感じだ。そのベンがトリガーになったのか、イーダの姉で言葉を発しないアナと移民の子のアイーシャは意志疎通がすでにできていた。アナは話せるようにもなった。両親が感動して喜んだほどに!
ベンからイーダを守るためにアナは行動した。その守り方はあれでよかったんだろうか?引っ越してきたばかりで友だちがいない一人ぼっちのイーダに話しかけて友だちになってくれたのはベンだった。
移民の母親達。夫不在で巨大な団地で子ども一人と住んでいる。仕事をしているのかどうかもわからない。孤独、辛い、心を病んでいたのかもしれない。そんな移民の母を持つ子ども達が結果的に犠牲になった。アナは妹を守った。ふた親揃っているアナもイーダも移民の子どもではない。
冗談を真に受けて、本気で怒りだす面倒なヤツは大人にもいますよ
大人は全く役に立たない。
むしろ、分かった振りをして、自分たちの常識を押し付ける大人は邪魔にしか見えない。
これはガキたちの世界の争いだからか。
覇王別姫の後に見てしまったのでピンときてないけど、結構いい作品では...
覇王別姫の後に見てしまったのでピンときてないけど、結構いい作品ではなかろうか。大傑作でも何度も見るものでもないけど。もう少し最終マッチが盛り上がったらなー。悪くないんだけどね。
無垢な悪意が暴走するとき
こいつはやばい。へなちょこJホラーに慣れてしまった体では、ダークでヘビーな衝撃を受けきれない。
固唾を飲んで成り行きを見守るなんていつ以来だろう。
子供同士のありふれた会話だけなのに彼らの気持ちが手に取るようにわかる。子役の演技の上手さもあるし、彼らの気持ちを表す情景描写やショットの切り替えが絶妙。
テレパシーやサイコキネシスを使える少年少女は、何らかの身体的障害や精神的障害を持っている。そのうち1人は、境界線上にいると思うが。
主人公の少女イデアの姉は、自閉症で喋ることができない。この設定が抜群に生かされていて、最初のうちは、姉のアンナの行動にイライラしていた気持ちが、徐々にアンナの気持ちに寄り添っていくようにシナリオが組まれている。
強引な誘導もなく、あのラストへ持っていく手腕はホントに素晴らしい。クライマックスでは、彼らに全く気が付かなくて夏休みを楽しんでいる人々をバックに、池を挟んで対峙する彼らのショットは芸術的でもある。
超能力を手にしたことによって歪んだ全能感を感じてしまう少年は、過去の悲惨な連続殺人事件を彷彿とさせる。
少年少女の中に北欧で社会問題となっている移民を配置したのは、格差を放置する危険性への暗示かもしれない。
無垢な悪意が暴走する恐ろしさをこれでもかと、感じさせてくれる作品でございました。
かなり胸糞悪い映画
2023年劇場鑑賞181本目。
多分主人公と思われる妹が障害のある姉に虐待をしたり、小動物をいじめたり、そこらの高い所からつばはきまくったりと好感度マイナスからスタートしますが、その主人公を遥かに超えるサイコパス坊やが登場してどんどん不穏な様相を呈していきます。
容赦ないラストにもこれまでの犠牲が大きすぎてカタルシスを感じられませんでした。この脚本書いた人子供嫌いなのかな!
まぁでもある意味かなりヤバい映画だと思うので怖いもの見たさで観るのもいいかもしれませんね。
子どもの無自覚な残虐性に覚える恐怖
劇場予告は流れてなかったのですが、紹介サイトの内容がおもしろそうだったので鑑賞してきました。率直に言って、思ったよりはおもしろかったです。
ストーリーは、ノルウェーの郊外の団地に引っ越してきたイーダと自閉症の姉・アナが、近所に住むベンとアイシャと仲よくなるが、4人は遊びの中でそれぞれが特殊な能力に目覚め、その力をいろいろ試しているうちに、遊びの範疇を超えたことに使い始め、やがて子どもたちの間に敵意や恐怖が生まれていくというもの。
物語の舞台は郊外の団地で、夏休みを迎えた子どもたちの明るく元気な様子が描かれるはずなのに、冒頭から不満そうな表情の子どもや無機質な団地の様子を描き、不穏な雰囲気を醸し出します。そんな中、偶然出会ったイーダとベンがすぐにうちとけ、ベンがちょっとした超能力を披露し、それをたわいもない遊びとして楽しむ、ほのぼのとした様子が描かれます。その力の特殊性や意味に気づかない無邪気な様子と二人の関係性が、終盤との対比で効いてきます。
初めは能力を試すように遊んでいた4人でしたが、しだいに好奇心とともに能力が高まり、一時の感情に任せて後先考えずに濫用したことで、たがが外れ一線を超えてしまいます。子どもたちの無自覚な残虐性と無邪気な悪意がエグく、暴走していく過程にゾクゾクします。自身を振り返ってみても、子どもの頃に何の理由もなく生き物の命を絶ったことが確かにありました。今なら絶対にしないのに、あの時はちょっとした好奇心で、なんの罪悪感もなく行っていたことが思い出されます。本作の残酷描写も、子どもたちが顔色ひとつ変えずに淡々と行っているように描かれ、恐ろしさが増しているように感じます。
また、子どもたち同士の超能力を使った攻防の描き方もよかったです。荒唐無稽で大仰なサイキックバトルにしてしまうとアクションエンタメと化してしまいますが、あえて地味な演出に抑え、それでも能力のある子たちにはちゃんとそれとわかるような描き方をしています。そんな静かなバトルが人知れず行われて、大人が気づかぬうちにけりがついているというのもよかったです。おかげで、最後まで一貫しておどろおどろしい雰囲気を持続させていました。
ただ、できればアイシャとの関係を経たアナにもう少し大きな変化があるとよかったかなと思います。それでも、イーダのアナへの接し方が変化したことはよかったです。この姉妹にはこれからも仲よくしていってほしいです。また、3組の母子の関係性ももう少し丁寧に描かれると、母子関係に悩む子どもたちの姿がもっと浮き彫りになり、作品に深みが増したように思います。それにしても子役の4人が全員とても上手で驚きました。
後から来る…
それぞれに鬱屈や不安、孤独を抱えた子供たちが出会い、常人離れした能力に目覚める。仲間内でその力を使って戯れ,楽しんでいたのは束の間。やがて小さな仲違いをきっかけに、その力が玩具から武器に変貌し、周囲を巻き込んで悲劇へと向かっていく。
前半、比較的早い段階で、子供らがサイキックパワーを持つことが明かされるが、全体に展開はゆっくりめ。子供がパワーを他者にふるう場面でも過剰な演出や描写がないので、観ていてもどかしさや冗長さを感じたりもした。
でも観終わってみると、ある意味淡々としたその描写が、まさに子供達が感じていた漠然とした不安や、そんな力を持つ友が少しずつ敵に変わる恐怖を、実にうまく表していたんだと感じる。そこに気づくと、後からじんわり怖い場面がけっこうてんこ盛り。この、控えめだけど重厚感があるところ、北欧映画だなぁという感じ。
とにかく子供ら、凄いです。まったく演技してる感が無い。特に、主人公といえる位置付けの少女イーダ。両親の関心を独り占めしている自閉症の姉に対する苛立ちや憎しみ、孤独感が、共に危機を乗り越えようとする中で親しみや絆に変化する様が素晴らしかった。
これ、もしハリウッドリメイクしたら、めっちゃアクションと悲鳴に溢れたサイキックバトルものになったりするんだろうな😆
ちゃんと怖かった
オープニングから心を掴まれた。
子供の残酷さや無邪気さをうまく描けていたと思う。
子供には子供の世界があるし、子供には子供の正義がある。
良くも悪くも適度な距離感のあるテイストで、個人的には大好き。
ラストの余韻も良かった。
いい意味で説教や教訓的な要素が少なめに感じられて、そこも好印象。
普通にエンタメとして楽しめて、そのあとにじわじわと「あれはどういうことだったんだろうか」などと思いを馳せる感じ。
大ヒットするタイプの作品ではないだろうけど、こういう地味な映画を映画館で観られるって本当にありがたいことです。
子供の超能力は…
色々な問題を抱えた子供たちが、お互いに距離を縮めたり、伸ばしたりしながら自分の秘めた能力を高めていく
高まった能力を悪いことに使ったことで、友達関係がギクシャクしてきて最悪の結末に向けて…
現実味がなく(子供の能力を否定する訳ではない)、私にははまらなかったが、はまる人にははまると思う
『童夢』
マンガ『童夢』に影響を受けたらしいですが、
同作がベースになってるのが分かります。
胸クソわるくなってます。
動物を傷つける描写があり、その時点でテンション爆下がり。
一気に、観る気が失せた(苦笑)
この映画キライ👎️
『童夢』はデヴィッド・リンチが実写化する話あったそうですが、その話は流れ、実質この映画が実写化になりそうですね。
ノルウェー、デンマーク、フィンランド、スウェーデン、4ヶ国の合作みたい、珍しい。
話はモタつくし、映像も地味だが、ハリウッドにはない「味」がある
子供だからこその残酷さや残虐性、あるいは、そうしたところに歯止めが効かなくなることの恐ろしさはよく描かれていると思う。
はじめは、自閉症の姉をつねったり、ミミズを踏みつけたりしていた主人公の少女が、そうした行為をだんだんエスカレートさせていくのかと思ったのだが、そうはならない。
そのうち、4人の少年・少女のキャラクターが分かってきて、誰が「正義」で誰が「悪」かが明らかになり、これから両陣営が対決するのかと思いきや、話がモタついたまま前に進まず、なかなか怒涛の展開とはならない。
何よりも、なぜ、主人公が母親に真実を打ち明け、相談しないのかがよく分からない。しかも、自分と姉の身に死の危険が迫っていることを認識しているにもかかわらずである。それとも、ノルウェーの親子は、あんな風に他人行儀であることが普通なのだろうか?
超能力も、サイコキネシスやテレパシーくらいなら、まだ、それなりの説得力があるが、「人を操る能力」というのは、ちょっとやり過ぎ感が強く、何がなんだか分からなくなってしまっている。わざわざ人を操らなくても、サイコキネシスで相手をやっつけることはできるだろうし、実際、ラストも、それで決着がついている。
そんなこんなで、ようやく対決の時を迎えるのだが、休日の団地の前の公園で、多くの人が余暇を楽しんでいる中での超能力合戦という絵柄は、なかなかシュールで面白い。
団地のベランダから顔をのぞかせる子供たちの姿によって、超能力者は4人だけではない(あるいは、これからも増え続ける)ということを暗示する描写も、良い雰囲気を出している。
ただし、如何せん、映像が地味過ぎる。
何も、ハリウッドのような派手な超能力合戦を期待していた訳ではないのだが、それにしても、地面や水面の揺らぎだけでは、クライマックスの見せ場として、インパクトが弱すぎるように思えるのである。
まあ、所詮は子供同士の喧嘩なのだから仕方がないと言えば、その通りだし、それが、ハリウッドにはない「味」にもなっているのは確かなのだが・・・
親と子関係を考えさせるホラー
夏休みにノルウェー郊外の団地に引っ越してきたイーダと家族。姉のアナは自閉症であり、母がアナにだけ愛情を注ぐことに嫉妬していた。同じ団地で友だちとなったアイシャとベンの四人で超能力を自慢し、だんだんと能力が強くなります。強くなった能力を試していくが、事件が立て続けに団地内で起こります。イーダとアナはこの件を通してだんだんとコミュニケーションをとっていき、二人の姉妹関係改善されていきます。
かなりホラー映画を見てきていますが、描写の怖さはさすが北欧のホラーでした。
子どもがある程度の年齢になると自分を大人と思って、相談は親とするが、自分で解決しようとします。そして親は気づいてはいるが、どのように接することが一番正しいのか。イーダとアナ、ベン、アイシャのお母さんは違う教育をしていて、違う悩みを持つ母親でした。アイシャとベンは嫌な思いからその能力を手に入れたのではないかと思います。ベンの母がベンと向き合っていたらベンがこのようなことをしなかったのではないか。アイシャの母は最後後悔していたが、アイシャのサインに気づいていればまた違う結果になったと思います。
親は子どもと正しく向き合い、甘えさせることを忘れずに。子どもは大人ぶらず、甘えたいときに甘えればいいのです。
失礼だけど、予想より遥かに良かった イーダ役の人、とってもかわいい...
失礼だけど、予想より遥かに良かった
イーダ役の人、とってもかわいい
アナ役の人、表情とか演技がすごい
思わずアナ役の人のインスタ確認しちゃったけど、
やっぱり普通の人すぎて、
当たり前だけど、改めて演技に感心した
オチ以外は満点。
久々怖い映画見たわ。
北欧映画の飾らないリアリティに襲われて客席で凍りついた。目を背けたくなる描写もあるがアリアスターみたく汚いナマモノ並べず、最小で良くここまで掘り込んだと思う。確かに子供って、、、いや、自分の子供の頃思い出してみても怖いし弱者に容赦なく、残酷だ。ハリウッドだと人は何人殺してもいいが動物はやめろ、、といわれるらしい、、まあそれも変な話だ。
監督も大友の「童夢」は参考にしたと発言してる。漫画「童夢」は大人目線のクライムサスペンス的な話だが本作は完全に子供にフォーカスしている。
オチがまあそういう事なんだけど、そこに辿り着くまでは見事だと思うし、わかって見ててもエンディングは盛り上がったよ。子供の残虐性とその中で揺れ動く子供達の描写が絶妙であった。大人が何にもわからないうちに事が終わってるのも怖いよね。
子供の頃って、やはり見えない物が見えたり、ちょっと先の事を夢にみたり、身近な人に聞いてもポツポツあるんだが、そんな事出来た事自体忘れちゃってる人も多いんじゃないだろうか、、、、。
特殊な力が無くても誰もが成長過程で可哀想とか、善悪とか気づいて大人になるんだけど、自分は何がきっかけだったんだろうか、、思い出せない。
観ていられない!
途中、ネコが出てきます。
うちのネコにそっくりでした。
そのネコにあんな事やこんな事しないで!
かわいそうで観ていられないよ!
泣きそうになりました。
ここ数年、映画館やアマプラでホラーやスリラーはたくさん観ていますが、目を反らしたくなったのはこれが初めてかも。
作品としては、なかなか良かったのではないかと。
子供ならではの無邪気な悪意・抑えられない怒り・短絡的な思考。
大人ではやらないであろう行動も、子供の視点になって見るとやっちゃうのかなぁと思う。
ハデな怖さは無いけど、そこそこ面白かったです。
団地ってところがいいよね
2023年7月14日
映画 #イノセンツ (2021年)鑑賞
サイキックパワーを手に入れた子どもは、感情のままに無邪気に使ううちにエスカレートしていき…
北欧の静かな風景が恐怖を増大させます
鑑賞後は、#大友克洋 の #童夢 を読んで比較したくなります
@FansVoiceJP さん試写会ありがとうございました
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