イノセンツのレビュー・感想・評価
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北欧ホラー感たっぷり。
子供達の狂気すぎるサイキックホラー。北欧製らしい静かすぎる緊張感がすごい。セリフだってたいしてなく、表情と仕草だけで淡々と狂気の世界に転がり落ちてゆく。子役たちの演技がすごいね。
最後、鳥肌の立つ表情
子供らの小さな世間の出来事の割には不穏な音楽が気になってた。
次第に積み重なる恐怖が音楽に追いつく。予想外の展開で終わるけどすっきりとはしない。
夏休みのバカンスに取り残された子供たち、という背景も最後には分かる。ちょっと物悲しい感じはそんな所からも来るんだろう。
低予算ぽいけど子供らの演技や設定のおかげで印象深いドラマになってた。
童夢と混同してはいけない。
演出、描写の技術が高い。
ジャック・オーディアール作品や
「トップボーイ サマーハウス」「アテナ」等の団地を舞台にした作品を、
考えるための補助線にした方が、
理解しやすいかもしれない。
「童夢」と混同してはいけない。
派手なサイキックウォーズにしない。
コントロールできない能力に目覚める子供達の作品も、
もうたくさんだろう。
と言わんばかりの、
117分は最後まで引きつける。
セリフも少なく、
子供たちの表情と、
あくまでも個性の延長、
大人たちは気づかない意味も問う。
イーダ、アナ、アイシャ、ベン、
それぞれを社会学的に、
あるいは医療的にカテゴライズするくだらない文言はあるだろう。(もちろんカテゴライズする事が大事な状況もあるだろうし、カテゴライズしない事への過信も良くない。)
病名をつけて、
カテゴライズして、
解決した風にみせて、
知らないふりでやり過ごす等々。
子どもたちは自分たちの、
感覚と力で解決する。
解決したのは、、、
イーダを救ったのは、、、
本作は、
ホラーでもサスペンスでもなく力のある人間ドラマだった。
やっぱり言葉にすると、
作品の良さ、
子どもたちの素晴らしさが、
半減してしまう。
倍速、早送りは苦手な方、
こどもたちの小さな気持ちが感じられる方、
各シーンの荒々しくて、
ガラスのように痛々しくて、
それでいて豊かで、
あらすじやプロットには、
現れない見落としてはイケナイ細部を、
じっくり味わいたい方にはおすすめ。
なんかおしゃれにしたかったんか?
最初は普通におしゃれだなぁとか、なんか面白くなりそうってワクワクして見始めた。
まず、人操る能力のとこ全部いらんし、おしゃれ感出してくる割になげえわ笑
あの長さなら、ラストバトルもっとダイナミックでバチバチな戦いにしろよ笑
あと、おしゃれ感出すわりに長いから、おしゃれ感がいつのまにかうっとおしい感に置き換わってたわ
愛猫家は観ない方がいいですよ。
今年観た映画の中でもっとも恐い映画です。
心のうちにじわじわ滲みてくる恐怖はなんとも言えません。
ジャンルとしてはホラーではないけれど、そこいらのホラーは太刀打ちできないでしょう。
清水崇や中田秀夫が束でかかっても勝てませんね。
惜しむらくはラストが平凡ですね、サプライズが何にもないのは残念でした。
あと猫の件、要りますか?
あまりに下衆すぎて、最初帰ろうかと思いました。2023年にあんな下衆な表現でしか男の子の残虐性を画けないとしたら、あまりに非常識すぎる。もっと他の表現方法はなかったのか?
制作スタッフの品位を疑いますね。
ジュニアサイキッカーの物語
はじめは子供特有の無邪気な残酷さを繊細に描いた映画なのかなと思い見てた。
前半から目を背けたくなる描写があり、ヒリつく緊張感が全体を覆う。
やがてひとりの少年がその能力を誤った方向へ使いはじめると、その惨さと恐ろしさにスクリーンを直視するのも難しくなる。
大きな音で驚かすだけのホラーや失笑してしまうようなJホラーよりも、ある意味では怖い…。
しかし、終盤にかけてハリウッド映画のようなサイキッカーたちの対決が始まってしまい、これまでの張り詰めたトーンとのギャップに思わず笑ってしまう。もったいない。
人の痛みが分からない人間が過剰な力を持ってしまう事へのアンチテーゼ…というのも無理があるような気がするし。とにかく最後がもったいないなぁ。
純粋な悪。
ビリーアイリッシュが主題歌を歌った、フライトバーンに少し通じるものを感じました。
人は成長するにつれ善悪の判断を身につけていきます。
やりたい放題したくても理性が邪魔します。
赤ちゃんはどうだろう?泣きたい時に泣くし笑う、寝たい時に寝る。
そう言った意味で純粋な悪魔であり天使だと思います。
自分にも思い当たる子供の頃の純粋な残虐性にぞっとしました。
今年の猛暑にお勧め、下手なお化け映画よりよっぽど涼しくなると思います。
雰囲気は良かったですが地味なサイキックスリラー
レビュー評価が良いのと知り合いがお勧めしてたので見てきました。
北欧発のサイキックスリラーという触れ込みですが心理描写が多く派手なアクションは皆無でした。
罪悪感のない少年少女たちが徐々に未知の能力に目覚めていく過程にかなり時間をかけて描いています。
後半はその能力を制御できない少年が様々な理由で暴走して行きさてどうなるか・・・、という展開でサイキック物としてはかなり地味ですが雰囲気はあり見て飽きなくて良かったです。
団地が舞台で大友克洋「童夢」と「AKIRA」の影響がかなり大きいのがわかります。ラストもそのままでした。
おススメ度は普通のちょい上というところでしょうか。
「童夢」を劇場アニメで実現してほしいです。
特殊な能力を持つ子供の喧嘩かな、、
キャリー、炎の少女チャーリーといった特殊な能力を持った子供が些細なことで喧嘩して大惨事になる感じの作品です!
後半は先が読めてきますね、、この手の映画は、、
良くもなく悪くもなくって感じです!
気になる方は観てください!
北欧チルドレンの隠れた超能力。
ノルウェー・デンマーク・フィンランド・スウェーデンの合作映画。予告編は観てなかったので、勝手にハードル上げて着席。
主人公は夏休みに引っ越してきた、女子小学生のイーダちゃん。結構優しい両親と喋れない自閉症の姉アナとの4人家族。夏休み中なので同級生と友達になれない彼女は、友達作りに近所のグラウンドに行く。そこで出会った男の子ベンジャミンが、面白いものを見せてくれるって
、2人で森に遊びに。うそ!こいつ超能力者かよっ!?しょぼいけど。
えっ?猫ちゃんにどうしてそんな事しちゃうのよ。こいつ、結構悪い奴なのかなって思っていると、それから始まる超能力スリラー。ベンは、物体を動かせる、他人の考えが分かる、他人を動かすことができる。へぇ〜って思ってると、女子のアイシャにも超能力が!
とにかく、ベンが感情をコントロールできなくて次から次へと犯罪を犯していく。何だか不思議なのが、自分が犯してるのに、毎回反省してる感じ。この能力、危険。反省しすぎて、自分を誰かに殺させるんじゃないかと思ったくらいだった。そのうち、イーダとアナにも超能力が。特にアナの症状の変化で泣けた〜。
予想をこえた展開で、ずっと不安でハラハラドキドキ。凄く楽しかったです。
ただ、最後は中途半端だったのが残念でした。もしかして団地の子供達、皆んな超能力あるのかな?だったらなぜ大人には分からないの?
〝体感型〟サイキックスリラー
これだけの数の人が同時に息を飲み、次に起こる出来事を、見たくないと思いながらも直視しないわけにはいかない。
あのシーンやこのシーンで、ゴクリと唾を飲む音やウワッ、とかヒー、それだけはやめて!
と観客全員が反応してるのが、館内の空気を通じて分かる。
うん?このこと自体、ある意味〝念動力〟とか〝テレパシー〟じゃないか。
主人公はあの悦ちゃんと同じ。
率直な感想
ドキュメントタッチな人物描写、
場面設定は良。◯
脚本家出身の監督ということで納得。
ESP.PK能力描写が何気に地味。△
監督が特撮というものをよく知り得ていない
印象。
自分が特撮映画の観過ぎで感覚麻痺なのか?
それとも予算がない?
小道具をもう少し工夫して別のものにすれば、現代のエフェクトではもっと効果的でインパクトのある画が撮れたのではと勝手に感じてしまい映画に没入出来ず。まぁそれが、北欧映画らしいといえばらしいかも。
子役の俳優陣は自然な素晴らしい演技。◎
特にイーダ役のラーケル・レノーラ・フレットゥムは秀逸。
総合的には
本作監督の社会的弱者の視点に立って見るという観点から製作が始まり、意図が最終的に大友先生の童夢へのオマージュと合致したというところか。
その昔、童夢を初読した時の衝撃とその視点、
画の構成、物語の斬新さにはゆうにおよばず、
内容的、またビジュアル的にも物足り
ない印象を受けた。
現代ではもっと大胆に創れたと思うが、
仕方がないのであろう。
童夢を知らない人たちには絶賛の作品。
移民家族いじめ?
久し振りに心底怖い映画で上映中に声を出しそうになったり体がびくっと動いた。
セリーヌ・シアマ監督の「トムボーイ」と同じ季節。多くの家族は夏休みで不在。色んな理由で休暇に行かない家族、新たに引っ越してきた家族の子ども達の出会いから始まる。でも映画の方向性は真逆。
アナ、イーダ、アイシャの3人の女の子役それぞれの演技は本当に素晴らしかった。とりわけイーダはつねってやりたいほどの憎らしさをうまく演じていた。そして男の子ベン。孤独で無垢でとても可愛らしい(と見えた)。
金髪頭の年上サッカー少年にコケにされたのがきっかけなんだろうか。悔しさ、怒り、寂しさ。家にはお父さん不在でお母さんはちょっと変な感じだ。そのベンがトリガーになったのか、イーダの姉で言葉を発しないアナと移民の子のアイーシャは意志疎通がすでにできていた。アナは話せるようにもなった。両親が感動して喜んだほどに!
ベンからイーダを守るためにアナは行動した。その守り方はあれでよかったんだろうか?引っ越してきたばかりで友だちがいない一人ぼっちのイーダに話しかけて友だちになってくれたのはベンだった。
移民の母親達。夫不在で巨大な団地で子ども一人と住んでいる。仕事をしているのかどうかもわからない。孤独、辛い、心を病んでいたのかもしれない。そんな移民の母を持つ子ども達が結果的に犠牲になった。アナは妹を守った。ふた親揃っているアナもイーダも移民の子どもではない。
冗談を真に受けて、本気で怒りだす面倒なヤツは大人にもいますよ
大人は全く役に立たない。
むしろ、分かった振りをして、自分たちの常識を押し付ける大人は邪魔にしか見えない。
これはガキたちの世界の争いだからか。
覇王別姫の後に見てしまったのでピンときてないけど、結構いい作品では...
覇王別姫の後に見てしまったのでピンときてないけど、結構いい作品ではなかろうか。大傑作でも何度も見るものでもないけど。もう少し最終マッチが盛り上がったらなー。悪くないんだけどね。
無垢な悪意が暴走するとき
こいつはやばい。へなちょこJホラーに慣れてしまった体では、ダークでヘビーな衝撃を受けきれない。
固唾を飲んで成り行きを見守るなんていつ以来だろう。
子供同士のありふれた会話だけなのに彼らの気持ちが手に取るようにわかる。子役の演技の上手さもあるし、彼らの気持ちを表す情景描写やショットの切り替えが絶妙。
テレパシーやサイコキネシスを使える少年少女は、何らかの身体的障害や精神的障害を持っている。そのうち1人は、境界線上にいると思うが。
主人公の少女イデアの姉は、自閉症で喋ることができない。この設定が抜群に生かされていて、最初のうちは、姉のアンナの行動にイライラしていた気持ちが、徐々にアンナの気持ちに寄り添っていくようにシナリオが組まれている。
強引な誘導もなく、あのラストへ持っていく手腕はホントに素晴らしい。クライマックスでは、彼らに全く気が付かなくて夏休みを楽しんでいる人々をバックに、池を挟んで対峙する彼らのショットは芸術的でもある。
超能力を手にしたことによって歪んだ全能感を感じてしまう少年は、過去の悲惨な連続殺人事件を彷彿とさせる。
少年少女の中に北欧で社会問題となっている移民を配置したのは、格差を放置する危険性への暗示かもしれない。
無垢な悪意が暴走する恐ろしさをこれでもかと、感じさせてくれる作品でございました。
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