劇場公開日 2023年8月25日

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エリザベート 1878のレビュー・感想・評価

全54件中、41~54件目を表示

3.5観たい度○鑑賞後の満足度○ 【自分に課せられた皇帝の伴侶、皇室の象徴としての任務・義務に徹しられなかったワガママ女と見るか、籠の鳥の様な宮廷生活からの自由を求めた進んだ女性と見るか、で評価別れるかな】

2023年8月27日
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鑑賞方法:映画館

①19世紀後半の欧州における超セレブ「エリザベート皇后」の一年間を追った映画。
私にとっての映画におけるエリザベート皇后としては、ルキノ・ヴィスコンティ監督の『ルードウィヒ~神々の黄昏』(1972)でのロミー・シュナイダーが一番印象深い。
この映画に出演依頼したときにヴィスコンティはロミー・シュナイダーに「シシィをやってくれないか?」と言ったそうだけど、ロミー・シュナイダーの娘時代の代表作がエリザベート皇后の娘時代を描いたシシィ三部作(もちろん、私、観たことありません)。かなりお転婆に描かれているそうだから本作のエリザベート像には繋がるようだ。
他にはジャン・コクトーの『双頭の鷲』(確か美輪明宏さんも舞台で演じた筈)のヒロインもエリザベートだし、本作にも登場するルドルフ皇太子の有名な心中事件を扱った『みじかくも美しく燃え』にも出ていた筈(誰が扮したかは知りません)、その再映画化の『うたかたの恋』(なんとオマー・シャリフがルドルフ皇太子!)ではエヴァ・ガードナーが貫禄たっぷりに演じてました。
②事程左様に言わずと知れた人で且つ様々な劇・舞台・映画に取り上げられてきた人ですから、新たに取り上げるには何か新解釈があるのかと思ったけれど、もともとかなり奔放な人だったらしく、その点では新しい驚きはない。
「狂王」と呼ばれたルードウィヒ2世との関係(ゲイだったルードウィヒ2世が唯一愛した女性だったらしいが勿論肉体関係はなし)も『ルードウィヒ~神々の黄昏』で描かれていた通り。
③それを言えば、皇帝と皇后とのセックスシーンを描いたのは映画史上初めてではないだろうか。
④「男社会」という籠の中で女性が少しでも強く自己主張すると奇異な目で見られるのは古今東西、現代に至るまで何時でも何処でも一緒。というか現代でも人類はその籠を取り払おうとしているのかと思う。
『バービー』のテーマと通底しているが、『バービー』の方が一歩先に進んでいるかな。
そういう意味から言うとテーマとしてはそう斬新なものではない、という感想です。

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もーさん

3.0可哀想なビッキー・クリープスとなってしまった。

2023年8月27日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

俳優より格段に本物エリーザベトが美し過ぎる。

しかし、製作総指揮はビッキーなんだから、
この自信にはビックリーです。

そして史実はもっと無惨で、
さらにこれから大戦へと展開される序幕なのだ…

彼女の苦悩は、
時の令和皇后雅子様が皇太子妃で在られ病弱だった頃を思い出す。

公務と言うのも大変なお勤なんですね…

それよりも映画を見る前に、
サラエボ事件を紐解いておいた方があの陰気な時代が分かり良いです。

ラストは史実とは違う様ですが、
喪服を纏っての⚫︎⚫︎⚫︎は圧巻でした。
お楽しみください。

(o^^o)

ヨーロッパ宮廷一の美貌と称されたエリザベートの40歳の1年間にスポットを当て、

若さや美しさという基準のみで存在価値を測られてきた彼女の知られざる素顔を大胆な解釈で描き出す。

1877年のクリスマスイブに40歳の誕生日を迎えたエリザベートは、
世間のイメージを維持するために奮闘を続けながらも、厳格で形式的な公務に窮屈さを感じていた。

人生に対する情熱や知識への渇望、若き日のような刺激を求める彼女は、
イングランドやバイエルンを旅して旧友や元恋人を訪ねる中で、
誇張されたイメージを打ち破ってプライドを取り戻すべく、ある計画を思いつく。

オーストリアの気鋭マリー・クロイツァーが監督・脚本を手がけた。

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カール@山口三

4.5ある程度の知識を要する映画。予習してみていくのをお勧め。

2023年8月27日
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今年287本目(合計937本目/今月(2023年8月度)26本目)。
(参考)前期214本目(合計865本目/今月(2023年6月度まで))。

 この映画を見ていろいろな感想はできると思うし、個々人のそれを否定するものではないですが、少なくとも「コルセットの是非」とかといったことを問うものではない、ということは明確に言えます。

 映画では明確に固有名詞が出てくる割に何の説明もないのでわかりにくいのですが、映画で描かれているのは、彼女と彼女の夫となるヨゼフ1世による、オーストラリア・ハンガリー二重帝国という特殊な成り立ちで成立した、「国王と国王の配偶者」というところが結構あり、この「二重帝国」に関してはかなりの知識が必要な映画です(映画内ではこれらの単語は1回しか出ないし、二重帝国についてそのあとの流れの説明もない)。

 ※ この説明がないのは、本映画はオーストラリア映画枠であり(より広く解しても、西洋一般程度)このことは常識扱いされているものと思われます。

 彼女の夫、つまりこの二重帝国の国王であったヨーゼフ1世は、この当時(1850~)の中では国王であった割に、当時、国王に一般的に求められていた「憲法成立」についてかなり後退した思想をお持ちの方で、「ドイツやフランスのような国民の権利を認めるのはけしからん」ということで、なんと300年も400年も前の「王権神授説」を持ち出して、19世紀中旬~の時代にはちょっとあり得ない憲法を制定させて国中が混乱させてしまった部分は確かにあります。

 これに対して映画内で描かれているエリザベートは「自由にさせるものは自由にさせればいいじゃない」という考え方であり、そもそも「性格が違っていた」のです。そう書くと、ヨーゼフ1世をはじめとする側近たち「だけ」がそういう思想だったのか?と思われるかもしれませんが、オーストリア・ハンガリー帝国(二重帝国)の特殊性故(世界史ではこのようなことを経験した(近現代の国は)ここがはじめてだった)から、「国王がそうお考えなら仕方なし」というのが多くの(宮廷内での)考え方で、そこでエリザベートが浮いてしまった点はどうしてもあげられます。映画内ではこの点明確な描写がないのですが(この憲法制定の話等出ないため)、エリザベートが心を病んだのは、「考え方が違う一人が宮廷内で取り残されてしまって誰に相談するのも難しかった」という部分は言えます。

 映画内ではこれらの説明が一切ないので、「150年ほどの近現代といえる40代女性の美しさ」「コルセットはありかなしか」というような行き方になってしまいそうなところ、映画ではその話は一切出ないので注意です。

 採点にあたっては、以下を考慮しています。

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 (減点0.3/高校世界史での当該部分を復習しておくのが前提になってしまう)

 ・ ここは復習が必要かな…という気がします(「オーストリア・ハンガリー二重帝国」という語句がわかる方には不要?)。一つの目安にどうぞ。

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yukispica

2.5Cut

2023年8月27日
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皇妃エリザベートが40歳になり、世間での自身のイメージと実際の自分の葛藤に苦悩する話です。エリザベートについての知識が全くと言っていいほど無いので、要所要所というか、分からない場面が多くありました。これは勉強不足ってやつです。

40歳から41歳までの期間に変化する環境を生々しく描いており、歴史を知らない自分でも、注目される人の苦労や建前が画面上からひしひしと伝わってきました。
ただまぁワガママで周りの人を振り回しまくるので、共感性はそこまで無かったです。物語も淡々と進んでいくので、その面でももっと起伏が欲しかったなと思いました。

終盤、自分の長い髪をバッサリ切って、ある種生まれ変わって清々しい表情になって光を浴びているシーンはなかなか良かったと思います。

エリザベートの事を知らないとスッとはこの映画の事は飲み込めないんじゃないかなと思います。もっと世間体に反抗するものを求めていたというのもあると思いますが、刺激が欲しかったです。惜しい。

鑑賞日 8/26
鑑賞時間 15:15〜17:15
座席 B-2

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ブレミン

4.5自己を解放する方法

2023年8月27日
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後年のエリザベートの姿を新解釈した設定に舌を巻いた。
本編ではエリザベートが宮殿に居つかない生活に至った経緯や、美の「維持」ではなく「追求」のために彼女自身も主体的に動いていたことがあまり説明されないので、史実のエリザベートを知らずにこの作品を観た人には、劇中の彼女の振舞いが有閑マダムの気まぐれやぶっ飛んだ身勝手のように見えたのではないだろうか。
そういう意味では、予備知識なしに観た人には、彼女自身も執着し公的な存在理由でもあった「美貌」について決断を下すシーンの重みが十分に伝わらないのでは、という心配が過った。

エリザベートをテンプレ的な「抑圧され続けた女性」として描かなかった点や、他者からだけではなく自分からも解放する物語とした点は非常に面白く、ポスタービジュアル同様に挑戦的なものを感じた。しかし、彼女を構成してきた個人史をカットすることで観客が感情移入しづらくなったり、その結果劇中のエリザベートの選択の重みが理解されづらくなったとしたら、アイディアが良い作品なのに勿体ないとも感じる。

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うぐいす

3.5【”40歳までは我慢して窮屈な宮廷生活を送って来たけれど、40歳を超えたら自由に生きるわよ!”。一人の皇妃が自由を求める姿を虚実綯交ぜにした演出で、アーティスティックに描き出した作品。】

2023年8月26日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

知的

幸せ

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NOBU

3.51800 年代後半のヨーロッパ王妃の風景を堪能。メッセージ性は・・

2023年8月26日
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知的

幸せ

萌える

ワシ、前述のとおり、日本史は詳しいが世界史無知、

教養の意味は知識ではないと思われる。
オーストリア🟰ハンガリー帝国は全然知らない。ただ第一次大戦への雰囲気は知ってるよ。それで良し。

時代がゆえの、皇室の王妃の息苦しさ、コルセットの締め付け
ただ、当時は「描写中 エジソンならぬ ルイ・ル・フランスという人の映像の発明は出てくる」
映像なんてないから
意外と、素顔は隠せた可能性大、イギリスのダイアナさんと時代が違う。

ということで、上映中は予備知識なく
1800年代後半の風景、王妃の行動 堪能した。
史実に基づくフィクション 盛り とも言う

当時の庶民は、農作業に追われ、化粧や美容どころでは無いはずだが
主人公は 閉ざされた皇室しか知らないから
行き詰まるような閉塞感を 裏で発散。
ここはフィクションも入るのだけど、実際も性に奔放だったり、あちこち気晴らしは事実だと思う
いゃぁ今のデジタルネイティブ世代は知らんだろけど
昔は、公式行事以外は、全部秘密にできた。写真ですら、撮りにくいモノクロ時代だから

有料パンフで事後的に確認。イヤイヤ 目次のあるパンフ初めて見た。
知識としての歴史ではなく、映画内容に沿った補足で面白いパンフだった。

勿論メッセージ性は明白、敢えて言わない
政治問題に敢えて口を出して、皇帝が激怒。
イングランド🏴󠁧󠁢󠁥󠁮󠁧󠁿バイエルン漫遊、性の奔放、麻薬、乗馬、タバコ🚬、刺青

負傷兵病院慰問での スミレの砂糖漬けは 食ってみたい
ただ、今のイギリスの ハイ・ティー🫖みたいな皇帝の食卓除けば
料理はあんまり美味くなさそうなのは、奇妙にリアル
昔はスポーツジムもジョギングの概念もなかったから、体重維持は大変❗️

なんで着衣のまま浴槽入るか不思議❓

でも本作は、映像に身を委ね、1877の風景に感じ入る作品。不便だけど優雅、優雅だけど窮屈でクーラーないから暑苦しい
本人物は、ミュージカルや映画で取り上げ済みの人物であるが、新解釈で斬新。

当時の 時代の香りを感じて、疲れない 好作品でした。まあまあです。

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満塁本塁打

2.5ベンガル虎

2023年8月26日
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悲しい

楽しい

オーストリア皇后エリザベートの40歳の頃の話。

歴史に疎くこの方が有名な方なのかは存じ上げませんが、オーストリア=ハンガリー皇帝の妻で母親でありつつも奔放な様子をみせる主人公。

鑑賞後Wikiで調べたけれど、なんだか映画の様子とはだいぶイメージが違うような…どちらが実際に近いのか、どちらも全然違うのかわかりませんが。

奔放が故に窮屈さを感じる生活に疲れ発奮しつつも、慰問の際等にみせる顔やそれを経て口にする国への思いとか、ある意味意外な一面もみられて面白くはあったけれど、特段功績がある訳でもないし映画の題材の人物としてはありがちな感じもして、ふ〜ん…という感じ。

Wiki情報ではあるけれど、没し方にインパクトがありそうなのに何でそれはみせなかったんだろう…。

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Bacchus

3.0迂闊

2023年8月26日
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ポスターに惹かれ何の下地もなく観賞。

置かれた所で咲けばいいじゃん、
食うに困らないと余計なことしか考えないって
大体なんでこんなに混んで…
あ!
ここ日比谷だった!!!

ガチ勢の皆さんスミマセン
勉強し直します

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うー

4.0加齢で存在意義と生き方に悩む女性の姿

2023年8月26日
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エリザベートと言えばミュージカルや映画でお馴染みな、オーストリア=ハンガリー帝国皇妃をこんな描き方で!とおどろきました。

宝塚などでは結婚初期の姑との確執だったり、しきたりの多い宮殿を嫌って自由に(外遊を口実の)海外旅行をしたり、(愛人との)恋多き女像だったりを描くことが多く。
また、ドラマでは、晩年に息子(皇太子)の死を経て鬱になり、旅行中にテロで刺されて死ぬまでを描くことが多いのですが……

本作では、40歳!
『Corsage』の原題通り、美貌で人気を得てきた「飾り物」、皇室の「象徴」「宣伝素材」のような女性が、老いと共に美しさを失いつつあり、すべての視線を息苦しく感じるようになる。
締め付けたコルセットや様々な飾りのように、美醜へのこだわりを続けるのか、外すのか?
存在意義と生き方に悩む姿を描いていました。

ルッキズムにとらわれている人や、妙齢に達した女性に観てほしい作品でしたね。

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コージィ日本犬

3.5美しいという公務があるのね。

2023年8月26日
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これはフライヤーの王妃が中指立ててるポーズが気に入って、観に行こうと思って楽しみにしていた作品。

先日観に行ったエルツおもちゃ博物館のミニチュア展でも、ドールハウスの壁にかかっていたエリザベートの肖像。
美しさと憧れの象徴のような女性だったんだろなと思ってみたのだけど。

映画の中の彼女は美しさをはじめとする自分の公的な役割と、自分らしく生きられないことの生きづらさで、とてもとても美しいのにとてもとてもしんどそうだった。
目に映るどこまでも美しい世界観とは反対に、我慢と忍耐の日々に耐えかねて息抜きしようとすると、それも裏目裏目に出てしまう。なんとも言えない閉塞感の中、ただただ美しい彼女。

これを観て、私は美女に一生なれんと心から思った。(まず美女に産まれるかどうかは別としてよ!)
食欲を捨てるという選択肢を死んでももてないから。
死ぬほど相手が好きかお金と権力が好きなら楽しい世界なんかもしれん。。
楽しいと美味しいを自由に楽しめない世界で生きていけないので、観てるだけでしんどかったわ!

昔話にでてくる美しいお姫様も表向きは幸せに暮らしました、だろうけど、裏側まで取材したらこういう我慢があった、かもしれない。
ラストシーンは幸せになったのか不幸になったのか私には分からなかった。
面白かったので、是非ご覧になってください。

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icco

5.0よくできた王朝フェミニスト映画

2023年8月25日
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よくできた王朝フェミニスト映画である。皇后として与えられた役割に拘束され、空虚と退屈に対する自我の闘いが気まぐれと受け取られる苦しみに加え、美貌に翳りが出てくる中年女性としての普遍的な苦しみもある時期の主人公を演じる女優が力演している。エリザベートの肖像を知る人が映画のポスターを見たときの違和感は映画を見ると解消される。脇役の、あのバイエルンのルートヴィヒ2世もいい感じで筋に絡んでくる。

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Boncompagno da Tacaoca

4.0シシィを自由にしてあげた映画!

2023年8月25日
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鑑賞方法:映画館

笑える

悲しい

楽しい

声は再現されないとカメラマンから聞いたから、(多分)罵り言葉を叫んでジャンプして沢山動いている自分を撮影させたモノクロ動画の中のシシィが愛しい。シシィという愛称にも彼女はうんざりしていたかもしれない。お土産物で映画でミュージカルで博物館で、そして今もストリーミングで消費し尽くされ続けているエリザベート。ハイネを尊敬し詩を書き文学を愛し運動神経に恵まれ外国語習得能力が高く、いとこであるルートヴィヒⅡ世は心の友、そもそもが野生児でお転婆でワイルドでエネルギッシュで知的なエリザベート。その天分が生かされず飼い殺しの見世物状態、何のための人生かと誰が思っても不思議でない。

当時の平民女性の平均寿命は40才だとシシィの主治医は言った。拒食で過度な運動をしてひたすらウィーンから離れる旅を続け、スイスのレマン湖畔で本来のターゲットでなかったにも関わらずエリザベートは暗殺された。60才で。この映画を彼女が見たら笑って喜んだと思う。思う存分泳ぎ馬に乗り、大好きなケーキを食べ、人前でお構いなく煙草を吸い、失神する演技をするお茶目、そんな笑顔の彼女は自由で心から幸せそうだ。

シシィを演じた女優を見て思ったが、ヨーロッパの俳優には色んな側面があって普段の顔もあることを自然に示すから面白い。ハリウッドの女優は皆が24時間「ザ・女優」業をしてます!に見える。

この映画は「バービー」同様、監督は女性で主演女性が製作に入っている。軽やかで自由で音楽がいいし、楽しんで映画を作ったんだろうなと思った。

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talisman

5.0外は白鳥、内は虎

2023年8月25日
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鑑賞方法:試写会

40才という設定が絶妙!
「同じでいること」に相当努力が必要となってくるお年頃です。
たとえば暴飲暴食をして体重が増えても、1〜2日節制すれば元に戻っていた筈が…
暴飲暴食をしなくても体重が増えていくのが40才。
確実に代謝が悪くなっているので、今までと同じカロリーを摂っていてはダメ。
つまり“同じ”を保つ為には、これまでと同じことをしていてはダメになってくるお年頃なのです。
見られることが商売ではない私なんかは、抗わずに老いを受け入れておりますが。暴飲暴食最高!笑
エリザベートのように、国の広告塔として美しさを外交に利用している立場としては、美しくなくなる=存在価値が無くなるという恐ろしいことに…
は、なりません!

我らがエリザベート1878は、ムカついてます。
中指立ててファッキューです。
“美しさよ永遠なれ”なんじゃそりゃ?
美しさを褒めるしか能のない奴らとは話す価値ナシ!
でも、老いたと思われるのも癪にさわるし、政治の話しができないと思われているのにも腹が立つ。
みんなおべっか使いの嘘つきばかりで、自分の美しさがまだ保てているのかどうかすらわからなくなるから、本心しか言えない相手を探すしかない。

物語のキーとなる挿入歌が、いちいちかっこ良いです!
言葉にしないエリザベートの苛立ちや憤りが伝わるうえに、伏線にもなっています。

伏線と言えば…試写会に参加された方のなかには、舞台ミュージカルのエリザベートのファンも多いようでしたが、私にとってのエリザベートはビスコンティ監督の『ルードウィヒ 神々の黄昏』なのです!
騎乗の姿も麗しい。
あの映画の中では、ルードウィヒの一番の理解者であり同類。唯一彼が渇望した存在として描かれていましたが、本作はそのイメージをエリザベート側から更に強く裏づけてくれました。
少ないセリフのやり取りですが、濃厚で痺れます。

ビッキー・クリープスが流石の演技で、国王との心のすれ違いが本当に辛い。
双方の気持ちが理解できる丁寧な心理描写に心が痛かったです。
レモンティーとウィンナコーヒー(?)も対照的。

お衣装に調度類に建物にうっとりして、見どころ満載。

でも一番の見どころは、全てを自分でコントロールして完全なる自由を手に入れた瞬間の清々しさ!!
外では白鳥。内では虎。
女性に外見しか求めない奴らへの復讐。
見事に欺いた後には、誰にも手の届かないところで得意げに語る彼女がいる。

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shiron