ネクスト・ゴール・ウィンズ

劇場公開日:

解説

「ジョジョ・ラビット」「マイティ・ソー」シリーズのタイカ・ワイティティ監督が、世界最弱のサッカーチームがワールドカップ予選で起こした奇跡のような実話をもとに映画化。2014年に「ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」としてドキュメンタリー映画化もされたエピソードを、ワイティティ監督独自の世界観とユーモアを交えて描き出す。

米領サモアのサッカー代表チームは、2001年にワールドカップ予選史上最悪となる0対31の大敗を喫して以来、1ゴールも決められずにいた。次の予選が迫る中、型破りな性格のためアメリカを追われた鬼コーチ、トーマス・ロンゲンが監督に就任し、チームの立て直しを図るが……。

主人公トーマス・ロンゲンを「それでも夜は明ける」のマイケル・ファスベンダー、米領サモアのサッカー協会会長タヴィタをオスカー・ナイトリー、ロンゲンの元妻ゲイルをドラマ「ハンドメイズ・テイル 侍女の物語」のエリザベス・モスが演じた。

2023年製作/104分/G/イギリス・アメリカ合作
原題または英題:Next Goal Wins
配給:ディズニー
劇場公開日:2024年2月23日

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(C)2023 20th Century Studios. All Rights Reserved.

映画レビュー

4.0ポリネシア文化の面白さをふんだんに見せてくれた

2024年6月30日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

タイカ・ワイティティ監督は、大作よりもこういうほんわかした作品の方が力を発揮できていて良い。米領サモアのサッカー代表の実話を映画化したものだが、サッカー云々よりも、ポリネシアのカルチャーを描くことと、主人公の白人男性の心の成長を描くことに主眼がおかれている。 これが米領サモアが舞台であるというのも一つキーポイントで、この地では白人は歴史的には占領者でもある。南国の新鮮な文化に触れて触発される欧米人というのは、オリエンタリズム的な観点でよくあったわけだが、そうなりすぎないに描いている点はさすが。結局のところ、主人公の教え方では勝てないと悟り、サモア人たちに合ったやり方を尊重することで勝利するという展開に、啓蒙する欧米、啓蒙されるポリネシアという図式も壊している。陽気なサモア人はいつでも楽しもうとしている。楽しんだもの勝ちであるという風土をリスペクトするということで決着する点や、ファファフィネが自然にチームにいるという状況など、欧米とは異なる歴史と文化の重みをきちんと感じさせてくれるのがいい。米領ではあるが、完全に欧米化されない部分をふんだんに描くことで、欧米視点とは異なる多様性を見出すことに成功している。

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杉本穂高

3.5タイカ・ワイティティ監督がポリネシア文化圏の歴史を描く意義

2024年2月24日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会

笑える

楽しい

ニュージーランド出身のタイカ・ワイティティ監督が国際的に知られるようになったのは、2017年公開の「マイティ・ソー バトルロイヤル」に大抜擢されてから。以降、俳優としての出演も含めアメコミヒーロー物にはいくつか関わっているものの、満を持してオリジナル脚本で臨んだ「ジョジョ・ラビット」(2019)はユニークな切り口で偏見や差別を克服する可能性を示した愛らしい作品だった。 ワイティティ監督はニュージーランドの先住民マオリの血を引いており、アメリカ領サモアや本作でのライバルチームであるトンガなど南太平洋の島国の多くもポリネシア文化圏に含まれる。本作はドキュメンタリー「ネクスト・ゴール! 世界最弱のサッカー代表チーム 0対31からの挑戦」(2014)を原作としているが、劇映画化にワイティティ監督はまさに適任だっただろう。多様性尊重という観点では「ジョジョ・ラビット」から(人種とジェンダーという違いはあれど)メッセージもぶれていない。 サッカー好きからすると、試合やプレーの面白さという点では少々物足りないか。それでも、大作ではなかなか描かれない南太平洋の小国で生きる人々の暮らしぶりや文化を劇映画で伝える意義は確かにあるし、ワイティティ監督にはこれからもポリネシア圏を題材とする作品に取り組んでほしい。そうそう、実写版「AKIRA」の企画もまだワイティティ監督の線で存続しているようなので、そちらもがんばってほしいが。

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高森 郁哉

3.0異文化理解にはいいが?

2024年9月21日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD

単純

配信(DMMTV)で視聴。 よくあるスポーツストーリーで実話。 しかし、監督の方針なのかちょっと癖がある。 面白いストーリーにしたいのだろうが、退屈感を感じた。スポーツストーリーは選手をテーマにしないと厳しいと観て感じた。

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ナベウーロンティー

お土産ネタもたっぷり

2024年9月15日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 史上1点も入れた事のないアメリカン・サモア・サッカーチームがゴールを決めるまでを描いた実話ベースの『クール・ランニング』的物語です。結末はお約束として分かっているけど、『がんばれベアーズ』型物語は最後にはやっぱりグッと来るなぁ。  タイカ・ワイティティ監督らしくとぼけた妙味も散りばめられており、それ故、物語のエンジンが掛かるまでにちょっともたつく感じもありますが、それもよしとしましょう。  そして「これは作り過ぎだろ」と感じた人物が実在するとエンドロールで知りビックリ。また、南太平洋の国々ではサッカーでも warcry (サモアではシバタウ)がある事、サモアもサモア独立国とアメリカン・サモアの二つがある事など、お土産になりそうなネタもタップリでした。

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La Strada

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