ペナルティループ

劇場公開日:2024年3月22日

ペナルティループ

解説・あらすじ

「人数の町」の荒木伸二監督が「街の上で」の若葉竜也を主演に迎え、オリジナル脚本で撮りあげたタイムループサスペンス。

岩森淳は素性不明の男・溝口に恋人の唯を殺されてしまう。自らの手で溝口に復讐することを決意した岩森は、綿密な計画を立てて殺害を実行するが、翌朝目覚めると周囲の様子は昨日と全く同じで、殺したはずの溝口も生きている。なぜか時間が昨日に戻っていることに気づいた岩森は戸惑いながらも復讐を繰り返すが、何度殺してもまた同じ日に戻ってしまい……。

岩森の復讐相手・溝口を伊勢谷友介、恋人・唯を山下リオ、謎の男を「ドライブ・マイ・カー」のジン・デヨンが演じる。

2024年製作/99分/PG12/日本
配給:キノフィルムズ
劇場公開日:2024年3月22日

スタッフ・キャスト

監督
荒木伸二
脚本
荒木伸二
製作総指揮
木下直哉
プロデューサー
武部由実子
アソシエイトプロデューサー
椎井友紀子
撮影
渡邉寿岳
照明
水瀬貴寛
音響
黄永昌
美術
杉本亮
装飾
山川邦彦
スタイリスト
伊賀大介
ヘアメイク
大宅理絵
編集
早野亮
音楽
渡邊崇
音楽プロデューサー
緑川徹
助監督
甲斐聖太郎
製作担当
松田憲一良
アシスタントプロデューサー
座喜味香苗
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映画レビュー

3.5 面白いと思う人にだけ分かればいい、というスタンス

2024年3月24日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:試写会

悲しい

知的

デビュー作に続きオリジナル脚本で臨んだ荒木伸二監督は、この第2作で「これ以上のループものは出てこないよね」というものを作るつもりだったという。確かにサスペンス系のループものでは、主人公が殺されて意識がなくなるとその日の朝に戻っていたり、大切な人が殺されてしまうのを回避するために何度も戻ってやり直すなど、被害者側の視点で描かれる筋が多い。一方本作では、恋人を殺された主人公・岩森(若葉竜也)が復讐のため犯人の溝口(伊勢谷友介)を殺す行為が繰り返される、つまり(仇討ちとはいえ)加害者側の視点でループするという点が斬新だろうか。

ただし、意図的なのか、あるいは予算や尺の事情なのかはわからないが、観客の理解や感情移入を助ける説明になりうるストーリー上の要素をかなり省略しているので、そうした要素を想像で補完しながら鑑賞しないと楽しめないだろう。恋人・唯(山下リオ)との出会いは描かれるが、犯人を殺して復讐したいと思い詰めるほど深い仲になる過程は描かれない。ループが起こる“仕組み”は途中で説明されるが、どんな理由でどういった経緯でその仕組みが作られたのかは語られない。ループ内で殺される側の溝口の意識や記憶をめぐる状況も次第に明かされ、そこから少しばかりユーモラスな転調もあるのだが、そうした状況を実現させる“仕組みの裏側”を想像すると、倫理的なまずさを思ってしまう。

ネタバレを避けるため具体的なことは書かないが、最後まで観てこういう話だったと知らされたところで、独創的というよりは独善的だったかなという感想。CMやMVでキャリアを築いた監督らしく、たとえば水耕栽培工場の広大な屋内で若葉竜也がただ一人働いているシーンなど印象的なビジュアルもあっただけに、面白いと思う人にだけ分かればいいとでも言いたげな間口の狭さがもったいない。次はほかの脚本家のシナリオを演出するか、共同脚本で撮ればもっと視野が広がり客観性が増すのではと期待する。

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共感した! 7件)
高森郁哉

3.5 【今作は復讐の相手を殺して目が覚めると”おはようございます。6月6日、月曜日。晴れ。今日の花はアイリス。花言葉は”希望”です。”とラジオから流れるループの日々を送る男の姿を描いたSF作品である。】

2025年12月17日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

知的

幸せ

■朝6時に目覚めた岩森(若葉竜也)は”おはようございます。6月6日、月曜日。晴れ。今日の花はアイリス。花言葉は”希望”です。”と流れるラジオを聞きながら、身支度をして家を出て、水耕栽培の会社に行き、恋人・砂原唯(山下リオ)を殺した溝口(伊勢谷友介)を殺害する。
 翌朝目覚めると周囲の様子は昨日のままで、溝口もなぜか生きている。状況が掴めないまま、岩森は何度も復讐を繰り返ししていく。

◆感想<Caution!内容に触れています。>

・東大卒の荒木伸二監督の初長編作のディストピア・ミステリー『人数の町』は、可なり異色な作品であったが、今作も可なり異色である。
 作品の中で展開される世界には現実感が最初から無いのだが、その理由が再後半の明かされる作品設定はナカナカである。

・岩森と溝口が何度も殺し殺されを続ける中で、徐々に会話を交わし、途中では一緒にボーリングもするのである。そして、溝口が岩森に言う台詞。”今日も俺を殺すのか。”

・砂原唯と溝口は何か関係があるようだが、それは敢えてか明かされない。砂原唯を最初に岩森が見つけるシーンで、彼女は何処かの海岸で、書類を燃やしている。質問をする岩森に彼女は言うのである。”質問禁止。”

■途中から、徐々に物語構成が分かって来るところが、チョイ惜しい。どこかの事務所で”何度でも復讐する”と言う契約書に同意する岩森。
 そして、最後半に彼が見ていたのは、”何度も岩森を殺す事で、復讐を果たした気持ちになるVR世界”に居た事が分かるのである。
 多分、砂原唯は自分が望んだように岩森に殺されていて、岩森は何処かで生きているのだろう。
 だが、ラストの自動車を運転する中で、事故を起こした岩森が、心配して声を掛けた女性に血だらけの笑顔で”大丈夫です。”と答える表情は爽やかなのである。

<今作は”復讐の相手を殺して目が覚めると”おはようございます。6月6日、月曜日。晴れ。今日の花はアイリス。花言葉は”希望”です。”とラジオから流れる復讐の日々を描いた作品なのである。>

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共感した! 5件)
NOBU

2.5 新鮮味が欲しいタイムループSF?

2025年11月26日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 9件)
琥珀糖

0.5 伊勢谷友介もここまで落ちたか

2025年11月23日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

怖い

あの伊勢谷友介がこんなクソみたいな役に出るようになったか、、、それしか残らないような映画。

そもそも一回殺されるだけでも相当痛くて嫌だろうに、最後は全然「ほら、殺せよ」みたいな感じになっちゃっているだけで、もう白けるんだわ。自分が殺されることに協力的になっちゃダメでしょ、緊張感全然無くなるんだわ、それやられると。

そうなったら、あとはもうどうぞ勝手にやっちゃって下さい、と観客は置いてけぼり。もうはよ終われ、と思うも、面倒くさいことにどんでん返し的なオチまで付けちゃって。もういいんだって、そういうのは、遅いの、もう何したって手遅れ。

あー、伊勢谷友介もお金困っているんかねえ。全然オーラ無くなって、肌も全然ガサガサしているし。やっぱり薬やっちゃダメだよねえ。広末と一緒に落ちるところまで落ちそう。

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Koji