ボーはおそれているのレビュー・感想・評価
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現実と虚構の間の話し
アリ・アスターらしさ全開
些細なことでもすぐ怖がるボーが怪死した母の元へ帰省するだけの話。ちょっと難しめの話ではあったが、3時間イカレタ映像が続く。
半年前からずっと期待していた今作がついに公開したので、見に行った。感想としては、アリアスターらしさ全開でそこは良かった。前半展開がゆっくりで、「大丈夫!?」って思ったけど、後半は色々やばかった。そのヤバさがアリアスターらしいと感じた。そのヤバいせいで話の筋がいまいちわからないところがあった。後半からは話も普通に面白い。
↓↓↓↓考察?↓↓↓↓
彼は作中で母親離れできていないことがわかる。
彼は「オーガズムによる心雑音が原因で、父親は亡くなった」ことを母親から伝えられ、セックスの恐怖を植え付けられてしまっていた(ラストで、それは嘘だったことが明かされるのだが)。ボーは、他の女性を知らない、純粋な存在のまま。母親は極めて巧妙なやり方で、彼を依存的な幼児のままにすることに成功している。
また、作中にボーの人生を舞台にしたような芝居が出てくるが、あれは妻がいて、子供もいる。だが、母親にコントロールされていなかったらきっと実現できていたであろう。
このように、母親は子供をコントロールすることができ、人生を破壊することだってできるということに母親の狂気を感じた。
で、ラストの結末だが、アリアスター監督なので最高のハッピーエンドなんだろうということは確信していた。過去2作品も最高のハッピーエンドだった。
今回ボーはやっと母親からの支配から抜け出したと思いきや、母親の怒りによって裁判をかけられ、ボードは転覆し、彼は溺死する。
今回もまた、いつも通り最高のハッピーエンドで幕を閉じるのであった。
親子のお話
アリアスターの過去作と比べ抜きん出てわかりづらく、その上長尺なので神経を使いすぎて疲れてしまった。
確信が持てないのであくまでも想像でしかないが、一言で言えば「母親のお仕置き」というところか。
ボーは父親の命日のために実家へ帰省しようとするが、多くのトラブルに遭い予定通りの行動ができなくなってしまう。
が、それは全て母親が仕掛けたある意味テスト?であったということかと思う。
母親は常時ボーを監視ししており、自分を最優先に思い帰省してくれるかを試したのではないだろうか。
自宅のアパートから実家までの道程で起こったトラブルは全て母親が仕組んだ障害であり、出逢った人達も全て会社関係者が演じ(会社の年表にそれぞれの写真があったような)、さながら「トゥルーマン・ショー」のようにそれを大勢の観客が観ており、最後に母親への愛情が疑われ公開裁判で断罪される。
ボーが過度の不安症で定期的にカウンセリングを受けているが、そこで自分の過干渉に対しあまり良い感情を持っていないことを知った母親自身も元々ボーへ不満を持っており(いつまでも自発的に行動できなかったり、子供の頃自分が怪我をしたにも関わらず迷子からわざと出てこなかったりなどで)、なんとなく親子で憎しみあっているような構図が伺える。
ビジネスマンとしては相当有能な母親のようだが、その支配下にいなかった人物として監視されている事を耳打ちしたグレースと、数週間前に母親の会社を辞めたためこの計画を知らずにボーと性交渉を持ってしまったエレインの2人がいるが、エレインに限って言えば家系的に性交渉でオーガズムに達すると死んでしまうという嘘がバレてしまう最悪の計画外を起こし、結果重い罰を与えられてしまう。
名前や地名、またトラブルに関して要所要所で「水」が関係しており最後も水に落ちて死んでしまうが、あれはやはり母親の胎内に戻るというメタファーという事になるのだろうか。
森の中の芝居や童貞なのに3人の男の子がいたり説明できないシーンも山ほどあり結局よくわからず、と言うかわかってもらおうとしてつくってない映画なので、全く分からなくても良い映画だと開き直ってます。
※パンフレット買えばよかったかな。
エンドレス理不尽展開
こちらの頭も「ボー」っとしてきます。。
さて本作、鑑賞前から何やら「難解?」そうな評判を聞いており、ならばと、前情報は予告すら観ない徹底した状態で挑みました。さらに『ミッドサマー ディレクターズカット版(170分)』に味を占めたのか?今回は179分。。それもあったので昨夜は早めに寝たのに、寄る年波で寝貯めが出来ずに夜中に目が覚め、結局「寝られないから確定申告を終わらせる」始末。とは言え「面倒くさいことが終わった!」と喜んで映画館に向かったのですが。。。
いやぁ、、難解というか、正直言うと殆ど解りません(苦笑)。
序盤はディストピア×カオスでその内容どころか、ボーの身に起こることの一つ一つが変過ぎて笑えます。と言うか、あまりの変さにこの世界観がどうして成り立っているのか、或いはこれはボー(と私たち)だけに見えているのか?と思えるほど、「おかしな人」と「そうは見えない人」が同居している中、明らかに平常心でないのがボーだけという状況。そのきっかけきっかけでボーが気を失い、そして目が覚めるとまた状況が一変しているという繰り返しなのですが、少しずつ展開のある物語はボーに試練を与え、且つ解決せずにどんどんと山積みされていきます。
序盤に続き、前半、中盤、後半そして終盤と大きく5つほどの構成だったと思いますが、ちょいちょい臭わせるように挟み込まれる「過去のシーン」と「ボーの見る夢」で、徐々に明かされる因果に対し「見ないよう」にしたり、「記憶から消す」ことで「平然と生き続けている」ことを責められているようで、観ている私もボーと一緒に身につまされます。そして皮肉なことに、これだけ追い込まれてもまだ「死にたくない」ボーに対しまた苦笑。ある意味図太いです。
とは言え、やはり179分は長い。。その上、後半から終盤にかけてはかなり宗教的であったり、いよいよあからさまに現実と非現実を行ったり来たりするボーに対して、こちらの頭も「ボー」っとしてきます。観客は私同様に「おひとりオジサン」が多かったような気がしますが、いびきは聞こえてこないまでも私の周辺も「半ば気を失っているんじゃないか?」という雰囲気。そしてようやくエンドクレジットまで行き着いても「実はまだ何かあるんじゃないか?」と殆ど席を立つ人はおらず。完全に終わって客電が点き、難しい顔をしてバラバラと帰り始めるオジサンたちに交じり、私は「ああ、映画評に何を書いていいやら」と思いながら映画館を出ました。その後、この作品を特集したラジオ番組を聴きたい気持ちを押さえ、いつも以上に何も言ってない映画評を書いております(すいません)。。
『ヘレディタリー 継承』『ミッドサマー』と続いてホップ、ステップからの、かなり難度の高いジャンプは正直言うと万人受けする作品ではないと思いますが、アリ・アスター監督作品ファンなら観る前からめげずに是非挑戦してもらいたい一作。とは言え、一度観て解ったという人は早々いないなと思いますのでその点はご留意ください。
さて、これ以上書くことも思いつかず、、聴かずに保存していたラジオ番組の「監督インタビュー」や「感想戦」のポッドキャストを聴いてみて味わいなおします。お粗末様でした~
監督、きがへんになりそうです
意味深な予告に惹かれ、名優ホアキン・フェニックス主演ということで、公開初日に鑑賞してきました。先に観た「ハイキュー‼︎、」はほぼ満席でしたが、こちらの観客は10人程度で、話題性はあったと思うのですが、観客動員には結びついていない感じでした。
ストーリーは、不安障害を抱えてセラピーを受けながら一人暮らしをしている中年男性ボーが、アパートの隣人、街の住人など、全ての人に恐怖を感じながら生活している中、実家の母が事故死したらしいことを知り、入浴中に天井から見知らぬ男が降ってくる、全裸で車にはねられる、若い女の子から理不尽になじられる、森の中で不思議な芝居を観るなど、奇異な出来事を経験しながら、実家を目指す姿を描くというもの。
そう言われてもどんな話かわからないと思いますが、だいじょうぶです。私もわかっていません。はっきり言って、序盤から何がなんだか、わけがわかりませんでした。でも、終盤に、やっとの思いでたどり着いた実家で、ことの発端と一連の不可思議な体験の謎の真相がわかりかけます。「なるほど、そういうことか」とわかりかけたと思ったのですが、その後やっぱりまたわけのわからない展開へと続き、そのまま終幕となります。
全編通して、現実と妄想や幻覚、あるいは記憶とトラウマが複雑に絡み合った、得体の知れない気持ち悪さが漂います。観客の感じるこの感覚は、おそらく不安障害を患うボーが味わっている感覚そのものだと思います。これは以前に観た「ファーザー」とよく似た感覚です。ありふれた日常の中の些細な出来事が、最悪な事態に発展したり、悪意をもって自身に降りかかってきたりと、ボーは常に不安や恐怖を感じているのでしょう。
そんなボーを形成したのは、母・モナでしょう。全ての愛を注ぎ、いろいろな意味で自分の管理下に置こうしたことが、ボーの親離れを妨げ、外の世界への恐怖を植えつけたのではないでしょうか。モナにとってそれは、自分を穢す性器としか見えない夫への不満、出産の痛み、育児の苦しさから、自分を癒す行為でもあったのかもしれません。
本作では、水がキーアイテムとして描かれます。セラピストの処方薬を水なしで飲んで焦り、母の死の動揺を入浴で落ち着かせ、幼き日の浴室での出来事を回想するなど、水は安心感と恐怖心をもたらす表裏一体のアイテムとして描かれます。もしかすると、羊水のメタファーとして母そのものを表しているのかもしれません。そう考えると、ラストシーンの巨大プールのもつ意味もいろいろと解釈できそうです。
主演はホアキン・フェニックスで、これまでの出演作とまた一線を画す、さすがの演技で魅せてくれます。脇を固めるのは、ネイサン・レイン、エイミー・ライアン、ドゥニ・メノーシェ、パティ・ルポーンら。
アリ・アスター考
わたしも恐れている
アリ・アスター監督って昔のゴダールとかトリュフォーの立ち位置になりつつあるな…これ観て面白さがわからない人は映画好きじゃない、とかとか。
久々の気合いの新作「ボーは恐れている」は今までのわかりやすさ?を全て捨て去った虚実入り混じりの脳内ムービー。多分これ発達障害への理解と関心の度合いで入り込みかたが変わってくるのかも?あと毒親に育てられてるかどうかで全然印象違うんじゃないかな?と思ったり。2回観ると視点がポピュラスみたいな神視点になるのでオススメです。
とはいえもーね、映画3時間はもーね、ボー無理なのよ多動には…ポンポさーん!のちにもう一回見たけどー!
(このタイミングでSNSに流れてきた監督の卒業制作のお父さんが好きすぎるやつ後味悪くてボウ!)
3時間見終わったあと後どっと疲れた
漫画かよ‼️❓ナンセンスホラー‼️❓
意味不明だが、ホアキンの演技が最高だった。
『ボーはおそれている』鑑賞。
*主演*
ホアキン・フェニックス
*感想*
久々の映画レビュー。ホアキンが出てるので、観に行きました。
日常のささいな事でも不安になってしまうボーが、怪死してしまった母親の元へ帰省しようとしたら、色んな事に巻き込まれてしまう映画で、また、とんでもない映画だったな~(^^;
3時間、、長かったな。。主人公のボーを見ていて辛かった。ストーリーを全てに理解するのは、ハッキリ言って無理です。妄想と現実を交互に繰り返しているので、途中からワケ解らなくなります。
コメディなのか、ホラーなのか、摩訶不思議な映画でした。。
ホアキン・フェニックスの演技が凄まじかった。。ジョーカーとはまた違った雰囲気で、たまげました。。
ハチャメチャ感、エロあり、意味不明だったけど、ホアキンの演技が最高でした。
予定不調和、極まれり
へー、純愛でクローズするんだと思ってからの、物語の進み方がダッチロール。あまりの乱高下で、酔いそう。
しかも、プロローグと韻を踏む、キレイなエンディングと思わせてからの、断末魔プレイがすごい。◯◯オチであってくれ!
そうボーが思ってもおかしくはない。
こんなヤバいヤツしか住んでいない街から引っ越しできないんだったら、善行を積んで、来世に期待するしかない。
とにかくヤバさのレベルが違う。全身タトゥーの追い剥ぎからダッシュで逃れないと、自分のアパートにたどり着けないし、全裸の殺人鬼もウロウロしている。ホアキンさん、ジョーカーに続いての全力疾走、お疲れ様です。
一番ヤバかったのは、ゴスロリ感のあるトニちゃん。全身にトゲがあるような感じで、絶対近づきたくない。
少年時代のトラウマが、ところどころでインサートされて、ポーの母親の輪郭が徐々に見えてくる。毒親に人生を狂わされた男の物語には間違いないが、予定不調和な展開で、怪我したボーを世話する奇妙な家族、ファンタジーな劇中劇、阿鼻叫喚なシーンなどたっぷりとしか時間を使って観客を惑わせる。
鬼才アリ・アスターと怪優ホアキン・フェニックスの組み合わせは、とんでもない作品を産み出してしまった。
変わった映画
この映画は以前、NHKの朝番組で紹介され気になっていた映画です。紹介文にもありますが、完全なるコメディスリラーです。
映画を見だしてから気が付いたのですがA24の作品でした。だから出だしはまず不気味です。そして主人公は絶えず怯えています。中盤からはそれが可笑しくなって来ます。しかし時々スリラー部分もあるので、まるでジェットコースターに乗っているようです。
映画を通してこれが現実なのか、主人公の頭の中の物語りなのか釈然としません。それが多分この映画の魅力なのだと思います。また主人公役のホアキンの演技が特筆ものです。まぁそれだけでもある意味観る価値はあるでしょう。
全352件中、281~300件目を表示