キリエのうたのレビュー・感想・評価
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異邦人~♪
それぞれに辛い過去を抱える若者たちの人生を、キリエの力強い歌が彩りみせていく物語。
上映時間は3時間‼興味深い内容ではあるが、最初から最後までしっかり観れるか心配していたが…これがまったく長さを感じさせない良作だった。
感想はというと…う~ん、何と書けば良いか。。
実際に観て感じてくださいとしか言えないかな(笑)
ただ、登場人物達の心情を歌がよく表しているし、序盤は時系列を行ったり来たりでやや混乱するも、終盤に向けて繋がっていくストーリーは爽快。
好きな歌を歌って暮らしているキリエ。だが、その生活は常に困難がつきまとい。。
イッコさんもねぇ…女を武器にして生きてきた母たちをあぁ言いながらねぇ…。
燻った若者たちの暮らしは辛そうでもあったが、ワタクシもギター弾きとして、そんな彼らがうらやましくも感じたりした。
観るのが辛いシーンも多々あれど、死生観を強く感じさせる作品だった。
壮大なドラマだった。
長いから避けようかと思ったが観て良かった。ストーリーに奥行きが深く、時間は気にならずの3時間だった。
※ただ、観る人、観る時の気持ちによるかも。
ゆっくりした気持ちの時に観ると入ってくる映画。
私は今週分のメニューを大体観尽くしたので、本日は1本だけと決めていたのが正解。
ストーリーは、現在と過去、度々行ったり来たりして、しかも姉の名前を妹が使ったり、、、んんん?って。
映画は上手く作られてはいたが、これも人によっては断片的で把握しずらいかも。
私個人的にも幼少期から順を追って話しをみせて貰った方がより分かりやすかったかな。
ともかく話は壮大で面白かった!!キャストもちょっとした場面のみに有名人を多数起用してたり、これは岩井俊二作品だからできたのかな。
雪のシーンは、中山美穂のラブレターを思い出した。
歌の感じはスワロウテイルを。
ちょっとした懐かしさ?青春を思い出す。
やっぱり岩井俊二ワールドだったし、今の年齢で若い俳優を起用し若い世代の、あの時の感覚のまんま変わらぬ、らしい映画を作れるのは凄いなって思いました。
良作だが……
歌は素晴らしいけど、結局は?
歌うことでしか声を出せないキリエ
意味不明な女性イッコ
フィアンセを探すなっちゃん(夏彦)
カットが変わるたびに年代、場所が変わり、頭の中がグルグル・・・
石巻や大阪、帯広、そして東京
切り替わるたびに、いまどの年代?どの話?
となりつつも、少しずつ伏線を回収する展開、
これはこれで面白いか。
それにしてもキリエ役のアイナ・ジ・エンドさん、素晴らしい歌声。
ただ・・・伏線回収していったんだけど、このストーリーの落としどころ、
結末がよくわからなかった。
途中で東日本大震災と結びつくのか、と気づいたけど、描写もきつかった。
そして、キリエ・ルカ姉妹を同じ人が演じたことも賛否分かれそう。
そのため、どの時代のシーンなのかさらに混乱。
他の方の点数、高めですが、個人的には3時間もの長編なのに、ちょっと残念。
アイナの持つ歌声のチカラは本当に心が揺れる
よさげな雰囲気が漂う、よくわからない話
予告でのアイナ・ジ・エンドさんの歌声と、公開初日のレビュー評価の高さにつられて鑑賞してきました。
ストーリーは、歌うこと以外では声を出せない路上ミュージシャンのキリエが、偶然彼女の歌声を聴いてマネージャーになることを申し出たイッコとともに活動の幅を広げる中で、二人の過去が紐解かれたり、新たな出会いが生まれたりするというもの。
鑑賞後の率直な感想としては、「え? どういうこと?」って感じです。ストーリーについていけないということではなく、3時間という長尺で結局何を描きたかったの、本作は何だったのって感じです。雰囲気重視のよくわからない話という印象です。
ざっくりいえば、前半は路上ライブからのメジャーデビューを目指す話で、後半はキリエの生い立ちにまつわって東日本大震災が絡んでくる展開です。ことさらキリエの家がキリスト教徒であることが強調され、妹のルカが姉の名であるキリエを名乗っていたことから、鎮魂をテーマとしていたのかもしれません。だとしたら、彼女の歌が、震災で失われた命を悼み、大切な人を失った悲しみや埋めようのない喪失感などを優しく癒し、そこからまた一歩踏み出す勇気を与えるものであったと感じさせてほしかったです。しかし、終わってみれば、震災がテーマということもなく、最後は投げっぱなしな印象です。
他にもモヤモヤした思いが多く残りました。イッコの絡みもメインストーリーにどう影響していたのか、よくわかりません。キリエとイッコの友情をメインに描きたかったのでしょうか。だとしたら、うーん、伝わりにくいです。終盤での警察絡みのシーンも「これで何を?」と思ってしまい、モヤモヤしたままです。そもそも時系列をいじりまくっていて、目の前のシーンをどんな感情で観ればいいのか戸惑ってしまいました。
とはいえ、歌声は確かに圧巻でした。普段はあまり音楽を聴かないので、ライブシーンにもさほど心を動かされないのですが、カフェでいきなり歌い出すシーンと村上虹郎さんとの初コラボシーンだけは、なぜか熱くなり目が潤んでしまいました。
主演はアイナ・ジ・エンドさんで、初主演とは思えない演技が魅力的です。体当たりの演技も好印象で、本当によく頑張っていたと思います。それだけに、この伝わりにくいストーリーがなんとも歯痒いです。脇を固めるのは、松村北斗くん、黒木華さん、広瀬すずさん、村上虹郎くん、北村有起哉さんら。
時間の無駄だった
アイナちゃんの歌声や演技は鳥肌が立つほど素晴らしかった。
半年前から本当に楽しみにしていたのでこんなひどい話だとはかなりショック。
シナリオと演出が本当に残念。
発生するイベントは全て安っぽく、細部にもリアリティがない。
3時間もの尺も厚みがあるのでなくただ取捨選択出来てないだけ。
登場人物たちの心の傷がキリエの歌声を介して伝える様な素敵なストーリーのはずが、場面構成も演出も稚拙で特に脚本上理由の無い女優の露出シーンを見てからはこの映画に意味は無いと思った。
色が綺麗って言う人多いけど別にこのレベル褒める程でもない。
海に行けば雰囲気で観客を誤魔化せると思っているのか。
吉田ユニさんの美しいパッケージの中身は文化のかけらもない監督の自己満足。
この映画を無知な大衆が評価するなら邦画に未来はない。
鑑賞後は最悪の気分だったし、無意味なレイプシーンの後すぐ帰れば良かった。
アイナちゃんの天才的な歌唱力で成り立つ映画なのになぜ無意味に下着になる必要があるのか。
綺麗になる為にシャワーを浴びるくだり本当に気持ちが悪かった、あんなことを素晴らしい才能あるアイナちゃんに演じさせる必要ないのに…
監督への嫌悪が止まらない。
役者陣は一級なのにシナリオと演出がチープ過ぎるし、ミソジニー甚だしい所も本当に嫌な気持ちになる
不思議な
映画だった。
さらっと感想をサマルと超豪華なPVだね。
みたいな感想になる。
それと同時に音楽担当の小林武史の好みが
明確にでた作品だなぁ。だった。
で、そんな感想はさておき
映画を観ながら思いついたことをメモする感想にすると
震災、音楽芸能、メディア。
出現する要素は、第二政党とその背後にいる団体の利権
がんじがらめな領域だよね。ってことだった。
描く上で偶然か成るべくしてなのか?不明だが
ラストシーンの帯広の雪原で感じ取ったメッセージで
勝手に締めて視聴後の肯定感想としたい。
明治維新という政変により歪んだ我が国の今。
これを変えるのは国民一人一人の自覚と認識と行動による
と◎
映画を観るきっかけに感謝にしたい。
追記
きっかけは道明寺での面会
岩井俊二さんって、出身が
宮城仙台になってるんですけどね
幼少期を道明寺で過ごされたそうなんですよ。
と言うお話しでした。
その道明寺駅前シーンの演者
黒木華さんは良い役者ですね(^^)
「揺れてないよ、俺決めたから・・・」
アヴァンで始る真っ白な雪とスクリーン右下の雪に埋もる鳥籠のような置物 拙いハスキーボイスで朗々と響くオフコース「さよなら」のAメロ
昭和55年、中学生だった自分に話してやりたい 「半世紀近く経ってもこの曲は映画で使用されているんだよ」と・・・ いや、別に今作品に思い入れが肥大しての称賛ではない 単にオフコースが好きだったというだけだ
歌謡曲にありがちなAメロ→Bメロ→サビという構成ではなく、洋楽でポピュラーな作曲方式である
次に途中で唱われる久保田早紀「異邦人」 前年の昭和54年 邦楽スタンダードであるAメロ→Bメロ(ブリッジ)→サビ だ しかし中東を思わせる音階スケールが異国情緒を誘うメランコリックな名曲である
両曲とも主役である元アイドルグループのボーカリストが唱い、そして小林武史、岩井俊二がフックアップさせた作品である
一寸前に、AV監督がドキュメンタリーを撮っていたと思いだし調べたが前身のアイドルグループだったが、クレジットにも所属グループ名が載っていたので関係しているようだ(未視聴)
或る意味、キワモノというか変則的売り方をしているグループということで余り世間一般(少なくても初老な自分には)届いておらず、どんなシンデレラなのか皆目検討もつかない しかし予告編のしつこいくらいのラッシュで大体あのハスキーボイスと絞るようなそして甘ったるい粘着音質に、おじさん2人は参ってしまったのかな?ま、2人だけでなくもっと大きなパワーと経済(権力)が動いているのか判らないが、音楽界の闇の部分を醸し出すイメージについつい光に誘われる蛾の如く観賞してみた
先に小説(監督執筆)が刊行されているそうだが未読 どうも広瀬すず演じる役の人物の背景が映画ではバッサリ切られているとの事で、その部分の重要性を訝しみつつだったが、総じて岩井節を感じつつ、壮大な数々の芸能人お歴々のカメオ出演なんていう祝祭的(ハレ)なイメージもありつつ、しかし東北大震災の(ケ)の部分をストーリーにコミットさせるバランスもみせている内容であった 今一番のドラマ起用依頼トップレベルの広瀬すず&黒木華を、時間と空間、登場人物の群像毎にクローズアップさせつつ、同じ行動を取らせる事でその繋がりを表現しようとする試みが明確に提示される構成である
その何本かあるシークエンスの中でも、やはり主人公姉(主役2役)のフィアンセと主人公とのセッション後の抱擁シーンにはガッツリ落涙してしまった
あのストーリー構成はさすが監督の力だなと しかし、どうも私の解釈と他のレビュアーさんとの見解が違っているようで、私の間違いだったかなと気付いてしまったのだ それが表題の台詞 あの台詞の意図は"別れる"決心を伝えようと捉えたのだが、反対の"一緒になる"が大勢のようだ
そうなると、レビュー冒頭の二曲の取り上げが全く意味を成さなくなる
「さよなら」を告げ、そして「只の通りすがり」というミーニングを心に残しながら、それでもあの未曾有の天変地異という運命を経て、その結論への悔恨と裏切った自分への責めが、医者の息子というボンボンから脱皮し、妹を引き取り、それでも大人の事情で引き裂かれてしまい孤立を生んでしまった自分に対する"赦し"と"贖罪"の咆吼の感情が集約されていたのではという考察は、もし違っていたらご指摘願いたい
とはいえ、主軸とすれば主演と高校時代に友達になった先輩の女性との成長譚であろう 一番成りたくなかった『女を使う』生き方だった筈が、その最右翼である『結婚詐欺』として生かざるを得ない転換は、学費の約束頓挫になった母親とパトロンの別れだけでは確かに空想が追いつかず、この辺りが小説で描かれているであろう だが、それは監督の意図が働いていると解釈するのだが、先程の感動パート以外はその他の部分、少しずつカタルシスをズラすようなシナリオや編集を敢えてしているのかなと
ラスト前ならば、あの西新宿公園ライブでは、警察の声や拡声器は消すべきだろうし、なによりも丸一曲あの代表曲をエモーショナルに映し出す事を優先すべきかなと・・・ 刺された自称マネージャー(色々な肩書きがあって迷うが(苦笑)の血だらけの歩みとのカットバックは幾らでも感情を高めやすい材料だったと思うのだが、それ程響かない というか響かせないように、それは冒頭の初めて路上ライブで電気を使ったマイクのハウリングを起させないように調整するかの如く、抑制を効かせた構成であろうとその理性を感じさせる内容である
それとは逆に、わざわざ地震の前に風呂に入らせて、下着姿を演出し、(自分の観方がおかしかったら撤回するが)どうも映像処理なのか本人の肉体改造なのか、腹の膨らみが感じ取れる後ろ横ショットを描いている部分に、少女愛的な性的倒錯を感じさせる印象も興味深い
全体的にキリスト教的な思想や実存的な哲学観も横たわっていて、奥行きの深さと闇の深さは岩井節の成せる技ではないだろうか 笑えないコントも必要であり、泣けないヒューマンドラマも又必要なのである
評判良かったから期待値を上げ過ぎちゃったのかな……
音楽ムービーかと思いきやまさかの震災映画。石巻での震災の様子を描写したシーンではただただ恐ろしかった。震災のことを風化させるべからず。
歌うときは魂のシャウトをするのに日常会話では震災以後声が出ないという謎設定。
13年の時間を行ったり来たりする割には松村北斗の風貌が一定過ぎて妙ちくりん。一体何歳なんだよっ!
『Sing2』の吹き替えで聴いたアイナ・ジ・エンドの歌声が良かったから期待したら今回の映画での彼女独自の歌声は自分の好みではなかったし、そもそも初めて姿を見たアイナさんは予想とあまりに違い過ぎてて見た目が好きになれなかった。
ナミダメのレイプ未遂シーンには吐きそうになるし、お母さんが男に逃げられた話も具体性がなく尻切れトンボに。学費出すとか受験に向けて勝手にカテキョ付けてくれるような気のいいおっさんが、合格パーティーまで開いたあとで逃げ出すとかあるの??
ストーリーは本当に意味わからん。アイナさんの歌が好きなら至極の3時間かもだけど、それも無い自分にとっては途中から「一体これは何を見させられているのか……」の連続で😂😂😂
とりあえず、自分にとってのイケオジランキング上位のカールスモーキー石井と北村有起哉が出ていたから星は2.8くらいかな。
シンガーソングライターを応援したくなる映画
喋れない、なぜ歌を歌うのか、キリエという名前の由来、マブダチとの関係など、見ていて感じる謎の部分を、その都度過去に戻って伏線回収していく。
子供時代、高校時代、同一人物が演じるお姉さんと妹、時間と場所が急に変わるので、観るのに忙しく、3時間という長さをあまり感じなかった。
路上ライブの部分はエモいです。周りで聞いている観衆の表情やリアクションが良く、歌に感動したり、歌詞に共感している様子が伝わってくる。
ストーリーは全体的には好きですが、イッコをもう少し掘り下げて欲しかった。
高校時代の親友が、大学受験に受かったのに大学に行かせてもらえなかった事をきっかけに、堕落して結婚詐欺師になるのですが、急に人が変わりすぎだし、盛り上げるためにとってつけたような最後だった。
場面と歌の感動がすごい映画なので、細かいことはいいんだけどね。
好みがわかれるー
悲しい事があっても歌がある
歌の価値
例えば映画が面白い面白く無いだけで評価されがちみたいに、歌の評価も上手い下手の基準だけだと思われがちですよね。
アイナジエンドの歌も確かに上手いんだけど、上手い歌。それが彼女の歌の価値なんでしょうか?
ほら、今作ラスト近くのライブシーン、権力との対峙構図になって、ロックライブのように描かれるじゃないですか。
でも彼女の意思にはそんな物も無くただ歌いたいから歌う。
思い返せばファーストシーンの路上から彼女は歌しか歌えないから歌っているんです、特にシンガーを夢見てる訳でも無く、怒りをぶつけてる訳でも無い。
ても描かれた彼女の人生を思えば怒りや悲しみを歌に表現しても不思議じゃ無いのに。
彼女は歌う事しか出来ない、言葉の代わりに歌う。
たぶんラストシーンライブの彼女は自覚の無い怒りや悲しみを歌に乗せているんだろうな。
そしてこの映画の登場人物って全員いい奴なんだけど、全員少しづつズルいんだよね、なんか俺らに似てるんだわ、ちょっとズルい所が。
そんな俺らが彼女の歌にちょっと救われ、彼女をちょっと助けたくなる。
歌の価値ってそれなんだと思う、別に俺たちは世界一上手い歌を聴きたくてそれを探してるんじゃ無いからさ。
アイナはかわいい
岩井監督作品て感じ。アイナをかわいいと思うかそうでないかで作品自体の評価も変わりそう。
アイナの歌声は既に知っているから、歌い出してすぐ感動!すごっ!みたいな音楽映画によくある驚きみたいなものはないが、長い上映時間でじっくり聴かせてくれる感じ。私はそもそも歌声が好きなのでとても良かった。
松村北斗も役を嫌味なく演じていて良かった。
演出の技かも知れないが。
脚本も時系列の入れ替えがあり、主人公たちの過去、過程が次第に明かされていく。3時間飽きずに観れた。
しかし、いくつか気になる点が…
まず3.11を映画で使うのがなんかずるさを感じてしまう。不謹慎だなんだと言うつもりはない。風化させない、被災者応援になるのかも知れない。でもこれが出てくるともうそれだけで日本人としては悲しい雰囲気が出てくる。
もういろんな作品に使われてるけど、その度に思う。物語の舞台としてずるい。私が潔癖なだけかなぁ。
それと音楽映画なのでラスト見せ場ライブがあるが、対警察って…しかも完全主催側の落ち度だし…なんか時代を感じてしまった。昔の映画ってそうだったなあって。いや令和の映画だよなこれ。
広瀬すず演じるイッコの結末も取ってつけたよう。3.11で命が奪われるのがでたあとにこうゆう展開やられてもチープにしかみえない。わざとなのかも知れないし、セルフオマージュみたいな感じもあったのかな。それでもちょっとない。
もう一つ、ラストレターでも感じたのだが少女に対する幻想が膨らみすぎてないか?昔の作品からその雰囲気はあったが、この2作品からは着せている衣装などに強く感じた。
私は好きだが…
岩井監督作品の公開初週なのに私のみた上映回はガラガラでした…
不満点も上げたが、アイナ・ジ・エンド魅力でとてもよかった。
アイナ・ジ・エンドという生き物
一概に音楽映画だと片付けられない。
人生は音楽のようなもの。キリエ、そしてアイナ・ジ・エンドという生き物の全てが詰まっている。歌しか歌えない。歌"でしか"歌えない。彼女の壮絶な人生は、言葉を羅列して語れるものではない。音楽こそ、彼女にとっての居場所であり、人生そのものだ。
洗練された178分。
決してあっという間ではない。キリエの想像を絶する人生を目の当たりにしたため、そう思うのも必然だろう。だが、無駄も一切ない。むしろ、よくこの短い時間でまとめたなと。ドラマだったら3~4話分になるわけだから、そう考えると見事だなと思う。単に時系列をバラバラにさせるのではなく、映像の透明度で過去と現在を表現するという綺麗な演出を取り入れており、流石、岩井俊二といったところ。おかげで、全くもって退屈する場面がなく、行間ですら愛おしい映画だった。
本作はなんと言っても、アイナ・ジ・エンドだ。
演技初挑戦でありながら、作中に登場する曲の作詞・作曲も手掛け、果てしなく響き、尋常じゃなく胸に刺さる歌声を披露。こんな偉業、彼女にしか成し得ない。とんでもなく繊細で、上品な演技。そして色気も半端じゃない。本作の主人公・キリエと共通する部分が多いのも、彼女の魅力が存分に発揮された理由だと思う。キリエとルカが、姉妹でありながら全く違う人物に映るのもすごい。監督の見せ方あってのことだろうけど、アイナ・ジ・エンドの"声"を使った表現がとんでもなく美しいから、ここまでハッキリと違いを感じられる。後半なんて、彼女を見ているだけで泣きそうになる。
キリエの歌う曲は哀愁漂う、寂しい曲調だが、歌詞はとても前向きで、後ろを振り返らない強い人物像が表れている。過去の苦しみから逃れたい、ものすごく心の弱い人物とも考えられるが、彼女は違う。後悔以上に、感謝で溢れ、姉のことをずっと心に刻んでいる人生だと思うから。この映画に登場する人物全て、結局どんな人間なのか全然分からない。だが、そこには何らかの愛があり、音楽という名の人生があり、キリエという人間が心に残っている。その前、その後、どんな人生を送ったのかさっぱりだが、誰しもキリエに愛がある。背中を押すわけでも、寄り添ってくれる曲でもない。たまたま隣に居て、自分の気持ちを代弁し、手を振ってそっと消えるような、儚い存在。だから、イッコは彼女が遠くに行きそうで怖かったはず。もう、自分のことを過去の人物にされそうで。
鑑賞から2日が経過した。
未だにレビューが書けていない。それも、暇さえあればひたすらスマホとにらめっこしているというのに、この映画を表す言葉が思い浮かばない。でも、キリエのうたを聴いていると、自然と心が救われ、涙が込み上げてくる。そう。この映画を見る前は、数多くある音楽のひとつだと思っていた彼女のうたが、鑑賞後には歌詞と音の1つ1つにドラマがあるんだと気付かされる。音楽を通して人生が見えてくる。そういうことだ。なにも、この曲に限ったことじゃない。全ての曲に、歌う人、作った人のこれまでがある。冒頭に音楽映画と片付けていいのかと書いたが、本作は音楽がもつ力と輝きを知れる、究極の音楽映画だと思った。
まだまだ書きたいことが沢山あるが、とにかく見に行って欲しい。かなり長い尺だし、東日本大震災の描写もしっかりある。受け入れられない人だっていると思う。だが、これまでの当たり前がこの映画で変わるはず。岩井俊二最新作「キリエのうた」。監督の集大成で、人間ドラマのゴールと言える作品。歌を聴く時、歌う時。泣きたい時や苦しい時だって、自分はこの映画を思い出すだろう。
ある意味集大成。だけど君たちどう〜に近いか
岩井俊二にとって震災に分断された青春はどうしてもやっておきたかったのだろう。まったくそういう題材だとは知らなかったのだけど描かれる時代と石巻などのワードでああ。それか、と。
ひとりのアイコンをもとに様々な人を配置して時代を描くのは岩井俊二のパターンといえばパターン、音楽満載で尺も長そうなのでこれが期待していた岩井俊二ではあるのだけど、これは今の若い人たちはどう見るのだろう。バブル期の日本で撮られた「スワロウテイル」とその崩壊後と震災後を繋いだ岩井俊二のクロニクル手法によるクロニクルな感じもする。
そして今度はアイナジエンドと広瀬すずにそれらのバトンが渡されたのだけど、ほとほと岩井俊二がロマンチストなのだというのがよくわかる。それは物語の終わらせ方に。
テーマは女の子同志の友情なのだけど、その同志を成り立たせる松村北斗がかなり複雑で文学的な十字架を背負っているが、これは元ネタでもあったのだろうか。そんなに好きではなかったちょっとヤバい女子高生キリエとその生き写しのような妹ルカと仲良しの親友の年代記。偶然繋がれた三角関係ではるが、時代の並べ替えと一人二役が、ストレートに切なさを感じられないようにつくられている。本来ふたりを強く結びつけるルカの原始の歌声は劇中でなく、冒頭と締めにイメージで出てくる。また、松村はルカの踊りを目にするが、歌声を知る印象的なシーンがあるわけでもない。それらがあればもっとドラマとして効きそうだど、あくまでイメージで終わり、広瀬すずも結婚詐欺で稼ぐ生き様のドラマは回避され、ファッションとして描かれる。なんだか初期の王家衛っぽくて面白くもあるのだけど。
なのでラストシーンの感慨が長尺を費やした割には心に響くわけではない。かなり複雑な仕掛けが多かったかな。
全て「ご想像にお任せします」な感じでした。
演技も映像も不満はありません。
主人公を演じるアイナジエンドさんは
雰囲気があり体を張る演技もしっかりされていて
素晴らしかった。
女子高生二人が雪の中はしゃいだり、
広大な浜辺で寝転がったり、
「エモい」映像も良かったです。
ストーリーは色々と気になる点が多かった。
まず主人公のるかちゃんの心情描写があまりにも
無さすぎてどんな子なのか最後まで分からなかったです。
姉の名前を使って歌手活動をする
「るか」自身がどんな人物なのかもっと知りたかった。
※歌は歌えるけど会話は上手く出来ないことに対する葛藤
※お金。里親さんとはどうなった?家も身よりもない人間が金銭面の不安が無いとかありますか・・・?
※路上生活と言ってたけど女性一人で恐怖や不安とかそういう感情湧きませんか?(あと音楽機器とかよく盗られなかったですね・・・)
最後の方はネカフェ的なところにいて生活感出てましたが、そういう主人公がどういう暮らしをしていたかを表現して欲しかったです。
主人公以外のメインの登場人物も表面的な感じ。
登場人物全員、その人物たちが
どうなったのかは観客が好きに解釈していい展開。悪く言うと投げっぱなし。
複数人に焦点を当てているため、
個人的にはのめり込める人物がいなかったのが残念でした。主人公のるかちゃんをメインに、焦点を当てるならイッコちゃんまでにして欲しかった。
それから話の展開となるきっかけが
思わぬ妊娠や男女の関係のもつれというのが
ベタで展開がある程度読めてしまうので
新鮮味が無かったです。
個人的にめちゃくちゃ不服なのが
路上ミュージシャンのフェスの許可取ってるか取ってないかのくだりです。
許可取ってたのか取ってないのか(多分取ってなかったんですかね?)分かりませんが、
〇許可を取っていない場合→
路上ミュージシャンを盛り上げるための
せっかくのイベントなんやからしっかり許可とれよ。
〇許可を取っている場合→
許可証持ってきてないとか責任感無さすぎるやろ。
と、どちらに転んでも腹が立つ結果です。
警察を出したいための展開だと思いますが、
路上で頑張ってるミュージシャンを
盛り上げるためのイベントで、
警察が出動してしまうような事になれば
路上ミュージシャンの活動の幅を狭める事に
なってしまいます。
話の展開のためではなく、
そういうディテールは大事にしていただきたいです・・・。
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