キリエのうたのレビュー・感想・評価
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歌の価値
例えば映画が面白い面白く無いだけで評価されがちみたいに、歌の評価も上手い下手の基準だけだと思われがちですよね。
アイナジエンドの歌も確かに上手いんだけど、上手い歌。それが彼女の歌の価値なんでしょうか?
ほら、今作ラスト近くのライブシーン、権力との対峙構図になって、ロックライブのように描かれるじゃないですか。
でも彼女の意思にはそんな物も無くただ歌いたいから歌う。
思い返せばファーストシーンの路上から彼女は歌しか歌えないから歌っているんです、特にシンガーを夢見てる訳でも無く、怒りをぶつけてる訳でも無い。
ても描かれた彼女の人生を思えば怒りや悲しみを歌に表現しても不思議じゃ無いのに。
彼女は歌う事しか出来ない、言葉の代わりに歌う。
たぶんラストシーンライブの彼女は自覚の無い怒りや悲しみを歌に乗せているんだろうな。
そしてこの映画の登場人物って全員いい奴なんだけど、全員少しづつズルいんだよね、なんか俺らに似てるんだわ、ちょっとズルい所が。
そんな俺らが彼女の歌にちょっと救われ、彼女をちょっと助けたくなる。
歌の価値ってそれなんだと思う、別に俺たちは世界一上手い歌を聴きたくてそれを探してるんじゃ無いからさ。
映像も美しく物語もいい劇伴も心地よい。 そして、アイナ・ジ・エンド...
映像も美しく物語もいい劇伴も心地よい。
そして、アイナ・ジ・エンドの歌、声。
いい映画でした。
が、とあるワンシーンのキャスティングだけが??
モブのがいいのになぁ…
いいシーンなのにもったいない
アイナはかわいい
岩井監督作品て感じ。アイナをかわいいと思うかそうでないかで作品自体の評価も変わりそう。
アイナの歌声は既に知っているから、歌い出してすぐ感動!すごっ!みたいな音楽映画によくある驚きみたいなものはないが、長い上映時間でじっくり聴かせてくれる感じ。私はそもそも歌声が好きなのでとても良かった。
松村北斗も役を嫌味なく演じていて良かった。
演出の技かも知れないが。
脚本も時系列の入れ替えがあり、主人公たちの過去、過程が次第に明かされていく。3時間飽きずに観れた。
しかし、いくつか気になる点が…
まず3.11を映画で使うのがなんかずるさを感じてしまう。不謹慎だなんだと言うつもりはない。風化させない、被災者応援になるのかも知れない。でもこれが出てくるともうそれだけで日本人としては悲しい雰囲気が出てくる。
もういろんな作品に使われてるけど、その度に思う。物語の舞台としてずるい。私が潔癖なだけかなぁ。
それと音楽映画なのでラスト見せ場ライブがあるが、対警察って…しかも完全主催側の落ち度だし…なんか時代を感じてしまった。昔の映画ってそうだったなあって。いや令和の映画だよなこれ。
広瀬すず演じるイッコの結末も取ってつけたよう。3.11で命が奪われるのがでたあとにこうゆう展開やられてもチープにしかみえない。わざとなのかも知れないし、セルフオマージュみたいな感じもあったのかな。それでもちょっとない。
もう一つ、ラストレターでも感じたのだが少女に対する幻想が膨らみすぎてないか?昔の作品からその雰囲気はあったが、この2作品からは着せている衣装などに強く感じた。
私は好きだが…
岩井監督作品の公開初週なのに私のみた上映回はガラガラでした…
不満点も上げたが、アイナ・ジ・エンド魅力でとてもよかった。
アイナ・ジ・エンドという生き物
一概に音楽映画だと片付けられない。
人生は音楽のようなもの。キリエ、そしてアイナ・ジ・エンドという生き物の全てが詰まっている。歌しか歌えない。歌"でしか"歌えない。彼女の壮絶な人生は、言葉を羅列して語れるものではない。音楽こそ、彼女にとっての居場所であり、人生そのものだ。
洗練された178分。
決してあっという間ではない。キリエの想像を絶する人生を目の当たりにしたため、そう思うのも必然だろう。だが、無駄も一切ない。むしろ、よくこの短い時間でまとめたなと。ドラマだったら3~4話分になるわけだから、そう考えると見事だなと思う。単に時系列をバラバラにさせるのではなく、映像の透明度で過去と現在を表現するという綺麗な演出を取り入れており、流石、岩井俊二といったところ。おかげで、全くもって退屈する場面がなく、行間ですら愛おしい映画だった。
本作はなんと言っても、アイナ・ジ・エンドだ。
演技初挑戦でありながら、作中に登場する曲の作詞・作曲も手掛け、果てしなく響き、尋常じゃなく胸に刺さる歌声を披露。こんな偉業、彼女にしか成し得ない。とんでもなく繊細で、上品な演技。そして色気も半端じゃない。本作の主人公・キリエと共通する部分が多いのも、彼女の魅力が存分に発揮された理由だと思う。キリエとルカが、姉妹でありながら全く違う人物に映るのもすごい。監督の見せ方あってのことだろうけど、アイナ・ジ・エンドの"声"を使った表現がとんでもなく美しいから、ここまでハッキリと違いを感じられる。後半なんて、彼女を見ているだけで泣きそうになる。
キリエの歌う曲は哀愁漂う、寂しい曲調だが、歌詞はとても前向きで、後ろを振り返らない強い人物像が表れている。過去の苦しみから逃れたい、ものすごく心の弱い人物とも考えられるが、彼女は違う。後悔以上に、感謝で溢れ、姉のことをずっと心に刻んでいる人生だと思うから。この映画に登場する人物全て、結局どんな人間なのか全然分からない。だが、そこには何らかの愛があり、音楽という名の人生があり、キリエという人間が心に残っている。その前、その後、どんな人生を送ったのかさっぱりだが、誰しもキリエに愛がある。背中を押すわけでも、寄り添ってくれる曲でもない。たまたま隣に居て、自分の気持ちを代弁し、手を振ってそっと消えるような、儚い存在。だから、イッコは彼女が遠くに行きそうで怖かったはず。もう、自分のことを過去の人物にされそうで。
鑑賞から2日が経過した。
未だにレビューが書けていない。それも、暇さえあればひたすらスマホとにらめっこしているというのに、この映画を表す言葉が思い浮かばない。でも、キリエのうたを聴いていると、自然と心が救われ、涙が込み上げてくる。そう。この映画を見る前は、数多くある音楽のひとつだと思っていた彼女のうたが、鑑賞後には歌詞と音の1つ1つにドラマがあるんだと気付かされる。音楽を通して人生が見えてくる。そういうことだ。なにも、この曲に限ったことじゃない。全ての曲に、歌う人、作った人のこれまでがある。冒頭に音楽映画と片付けていいのかと書いたが、本作は音楽がもつ力と輝きを知れる、究極の音楽映画だと思った。
まだまだ書きたいことが沢山あるが、とにかく見に行って欲しい。かなり長い尺だし、東日本大震災の描写もしっかりある。受け入れられない人だっていると思う。だが、これまでの当たり前がこの映画で変わるはず。岩井俊二最新作「キリエのうた」。監督の集大成で、人間ドラマのゴールと言える作品。歌を聴く時、歌う時。泣きたい時や苦しい時だって、自分はこの映画を思い出すだろう。
ある意味集大成。だけど君たちどう〜に近いか
岩井俊二にとって震災に分断された青春はどうしてもやっておきたかったのだろう。まったくそういう題材だとは知らなかったのだけど描かれる時代と石巻などのワードでああ。それか、と。
ひとりのアイコンをもとに様々な人を配置して時代を描くのは岩井俊二のパターンといえばパターン、音楽満載で尺も長そうなのでこれが期待していた岩井俊二ではあるのだけど、これは今の若い人たちはどう見るのだろう。バブル期の日本で撮られた「スワロウテイル」とその崩壊後と震災後を繋いだ岩井俊二のクロニクル手法によるクロニクルな感じもする。
そして今度はアイナジエンドと広瀬すずにそれらのバトンが渡されたのだけど、ほとほと岩井俊二がロマンチストなのだというのがよくわかる。それは物語の終わらせ方に。
テーマは女の子同志の友情なのだけど、その同志を成り立たせる松村北斗がかなり複雑で文学的な十字架を背負っているが、これは元ネタでもあったのだろうか。そんなに好きではなかったちょっとヤバい女子高生キリエとその生き写しのような妹ルカと仲良しの親友の年代記。偶然繋がれた三角関係ではるが、時代の並べ替えと一人二役が、ストレートに切なさを感じられないようにつくられている。本来ふたりを強く結びつけるルカの原始の歌声は劇中でなく、冒頭と締めにイメージで出てくる。また、松村はルカの踊りを目にするが、歌声を知る印象的なシーンがあるわけでもない。それらがあればもっとドラマとして効きそうだど、あくまでイメージで終わり、広瀬すずも結婚詐欺で稼ぐ生き様のドラマは回避され、ファッションとして描かれる。なんだか初期の王家衛っぽくて面白くもあるのだけど。
なのでラストシーンの感慨が長尺を費やした割には心に響くわけではない。かなり複雑な仕掛けが多かったかな。
全て「ご想像にお任せします」な感じでした。
演技も映像も不満はありません。
主人公を演じるアイナジエンドさんは
雰囲気があり体を張る演技もしっかりされていて
素晴らしかった。
女子高生二人が雪の中はしゃいだり、
広大な浜辺で寝転がったり、
「エモい」映像も良かったです。
ストーリーは色々と気になる点が多かった。
まず主人公のるかちゃんの心情描写があまりにも
無さすぎてどんな子なのか最後まで分からなかったです。
姉の名前を使って歌手活動をする
「るか」自身がどんな人物なのかもっと知りたかった。
※歌は歌えるけど会話は上手く出来ないことに対する葛藤
※お金。里親さんとはどうなった?家も身よりもない人間が金銭面の不安が無いとかありますか・・・?
※路上生活と言ってたけど女性一人で恐怖や不安とかそういう感情湧きませんか?(あと音楽機器とかよく盗られなかったですね・・・)
最後の方はネカフェ的なところにいて生活感出てましたが、そういう主人公がどういう暮らしをしていたかを表現して欲しかったです。
主人公以外のメインの登場人物も表面的な感じ。
登場人物全員、その人物たちが
どうなったのかは観客が好きに解釈していい展開。悪く言うと投げっぱなし。
複数人に焦点を当てているため、
個人的にはのめり込める人物がいなかったのが残念でした。主人公のるかちゃんをメインに、焦点を当てるならイッコちゃんまでにして欲しかった。
それから話の展開となるきっかけが
思わぬ妊娠や男女の関係のもつれというのが
ベタで展開がある程度読めてしまうので
新鮮味が無かったです。
個人的にめちゃくちゃ不服なのが
路上ミュージシャンのフェスの許可取ってるか取ってないかのくだりです。
許可取ってたのか取ってないのか(多分取ってなかったんですかね?)分かりませんが、
〇許可を取っていない場合→
路上ミュージシャンを盛り上げるための
せっかくのイベントなんやからしっかり許可とれよ。
〇許可を取っている場合→
許可証持ってきてないとか責任感無さすぎるやろ。
と、どちらに転んでも腹が立つ結果です。
警察を出したいための展開だと思いますが、
路上で頑張ってるミュージシャンを
盛り上げるためのイベントで、
警察が出動してしまうような事になれば
路上ミュージシャンの活動の幅を狭める事に
なってしまいます。
話の展開のためではなく、
そういうディテールは大事にしていただきたいです・・・。
で?
アイナジエンドの歌が沢山聞けるし、役者さんは皆さんとても上手。そこは良かったかな。
ルカちゃんの大変な運命には心を締め付けられるんだけど、
その他の登場人物の行動に、いまいち共感できなくて、途中で冷めてしまった。
津波で亡くなったというお姉さんのキリエさん、津波が迫っていて妹を助けに来ているはずの切羽詰まっているはずの状況で、
なんで恋人と電話で甘えた会話してるん?
そんなんしとったらそら津波に飲まれるやろうし、その状況下で妹だけどうやって助かったん?
婚約者のなっちゃんとやら、「結局何もできなかった」と言いながら、また泣く。泣くとこちゃうやろ?情けない。
刺されたイッコは、結局亡くなったん?どうなったん?
音楽Pも、歌の才能を認めたんなら、住むところの世話ぐらいしたれや。なんで路上生活させとるんよ。
で最後、どうなったん? 電車乗ってどこに行ったんよ?俺の理解力が乏しいだけなんやろうか???
お話からおいていかれてしまった感が、拭えない。。。 ごめんなさい。
癖のある歌手のMV作るの好きね
四半世紀以上前にCHARAがめちゃ好きでスワロウテイルは何回も見に行きました。
スワロウテイルはイェンタウンバンドがめちゃ流行りましたが、さて今回はどうでしょうか。
原作は未読ですのであくまで映画としてだけで言うと、「癖のある歌手のMV作るの好きね」で終わります。
ストーリーはちょいちょい破綻するし警察とか養護施設の職員さんとかが出てくるのは緊張感を出したいだけ?みたいな感じだし。
そこそこ名の知れたYouTuberが主催者でフェスやるのに許可取ってない?なんで?とか。
夜のネットカフェで歌い出すのは迷惑すぎてすぐ止められるだろ、とか。
路上ライブを繰り返してネットカフェにも泊まれないこともあるくらいの困窮度合いのはずなのに金はそこそこ持ってるようにしか思えない感じとか、なんか所々「ん?」ってなる。
スワロウテイルは架空世界の話だったのでまだ良かったんですが今回は福島を絡めるためにそうもいかず、リアリティに綻びがちょいちょい出て結局全体のストーリーがまとまらなくなるというか。
松村北斗と村上虹郎はめちゃカッコいいし、広瀬すずはスクリーンに映るとさすがだなとかは思うけど。
なんかいくつかのストーリーがバラバラで、まとめきれなかったから全部がっちゃんこしてまとめるのを諦めたから3時間になりました、って感じ。
見終わっても「で、なにが言いたかったの?」ってなるので結局3時間の超大作のアイナのMVです、としか…
アイナはBishの中にいたらいいアクセントになると思うけどソロだと正直飽きる。
レイプシーンも未遂で終わってよかった…未遂じゃなきゃ確実にあの場面で外に出てた。
希望見当たらない世界で希望を歌う
流石岩井俊二さんですね。著作のlove letterから日本の小説が好きになった。この映画にも 石巻 大阪 帯広 東京からの4つ繋がるプロットラインはわかりやすくて 様々なカットも岩井俊二らしいと感じられた。
俳優たちのパワーも感じられた。一人二役の広瀬鈴さんはもちろん 特に意外なのはアイナ·ジ·エンドさんだね。キリエの歌を聴くと精神が動かさせられたほど驚いた。同じ感じの歌はこの前よく聴いたaimerの歌だった。音声も似ている。その歌声を聴くと力が強くなれるだろう。
一緒に見た友達はわからないことがある。例えば 残念なことを表すの代わりに海のカットで表した。それ以外に 時長は長過ぎるも惜しい。個人的には適度にスピードが速くて150分ぐらい終わるのは丁度良いと考えている。
岩井俊二って何故だか分かる作品…。
最初,何も思わずで…。
あの主役のこの歌は上手いんだか,下手くそなんだか音程もアバウトだが、何気無いオフコースの“さよなら“とか…
久保田早紀の“異邦人“とか…あの感じでやるとヤケにイカす!
ココは私の勝手な戯言(タワゴト)である事を断っておきます。
過去に漠然とTSUTAYAとかで借りて,イカれた?曲を演っていた変わった名前でも覚えていた七尾旅人が、格好えぇ感じに街中の何気無いストリートミュージシャン扮する役として出ていたし…。
そう言えば米米クラブって最近聞かないなぁ〜(状況を知らないので,ファンの人には御免なさい🙏)おぉっとカールスモーキー石井事石井竜也も、何気無くカラオケで歌っちゃっているし…。
普段は,お姉ちゃんより人気出ちゃっている広瀬すずは、遊び捲(マク)ってるアバズレ風な役って云(イ)うのも良いんでないか?
※後から後から全体を振り返ると、細かい所に私には壺に嵌(ハマ)る箇所をわりと見受けた‼︎なんて処。
音楽と映像と俳優の魅力にどっぷり浸ることができる。至福の三時間。
久しぶりに1日に3本はしごして観た。
まさか3本目が3時間の大作とは思っていなかった。
(予告は何度も観ていたが、お洒落なガールズムービーくらいに思っていた)
3時間どころか、広瀬すずなら10時間だって観ていられる、と思ってたら途中でいなくなった。
それでも、音楽と映像の美しさ、俳優さんたちの好演に魅せられて、終わるまで全く飽きることなく、スクリーンに没頭できた。
あの歌、どうして途中で中断したんだろう。
バックに歌声が流れていた方が劇的だったんじゃないかな?(逸子さんの最後のシーンです)
観ている間は、ルカの物語にどっぷり浸っていた。
見終わった後、何が伝えたかったんだろう、なんて考えたらダメなんだな。
岩井俊二監督作品は女優さんが実に美しく魅力的。
至福の三時間でした。
粗品さんの演技プラン=(R-指定)+(DJ松永)÷2
正直、歌映画って卑怯だと思うんですよね。歌=エモ、感動 の安直なパターンで、ボクシング映画を見るときくらい身構えるしハードルが上がる。
そういう態度で臨んだ今回の映画はどうだったか。とにかくアイナ・ジ・エンドの佇まいと表現力と歌唱力が牽引し、見事にアイドルムービーとして仕上がったという印象。ここまで「リリイ・シュシュのすべて」のような激しいシーンや、下着のシーンが必要だったのかという疑問は残るけど、とにかくアイナ・ジ・エンドを尊く撮りたいというスタッフ陣の気概は伝わってきた。恐らくシャワー上がりのシーンは、とある描写を強く表現するためには水というか風呂場が効果的だと判断したのだろう。それらのシーンだけカット割りが急激に増えて揺らして撮るところで、3時間という長丁場の作品に緩急を与える効果があった。
日本に産まれて良かったことの1つが広瀬すずの最新作を世界最速で見届けられること。今回も素晴らしかったです。ウィッグの似合わなさもどういう人なのか分かると効果が伝わってくる。JKもまだまだ行けるよ!
自由と制約の中で生きづらさを感じる人には特に刺さると思った。とはいえ、ストーリーの流れは諸手を挙げて全肯定というわけにはいかない。最後のフェスシーン、許可を取ってたかのくだりいるかな…広瀬すずを警察に近づけるための機能もアイナ・ジ・エンドが自由から羽ばたけそうで羽ばたけないことを示す機能としても弱いと思う。そしてそのシーンに松村北斗がなぜいないのか…彼は何か救われたのだろうか(救われないから凡作と言ってるわけではなく)。彼の物語があまりにも弱すぎる。
黒木華の役も、なぜそこまで教師の正義感だけでここまでできるのかが描写不足。何よりアイナ・ジ・エンド演じるキリエが、なぜ歌を歌い続けないといけないのか、その動機付けが残念だったかな。
時系列の操作は本作に関しては有効だったと思う。
広瀬すずの役は魅力的だった。女を使った仕事はしたくないと大学進学を決意するも、結局そこからは逃げられない。
とはいえ、ちゃんと演奏シーンは演奏してるし、何よりアイナ・ジ・エンドの歌がカバー曲も含めて素晴らしくて、「すずめの戸締まり」より誠実に取り扱ったと思うとある事象では別れを想起させて涙が止まらなかった。鑑賞後感もよく、周りの人は終演後も泣いていた(僕は終演前のシーンが興ざめで涙は引いていた)
最後に、唐突に出てくる粗品さんの役作りが「R-指定とDJ松永」を足して2で割った感じなのが笑えた。
おっ!いいじゃないか!って思いました!
もう一度観たい!!
撮影も大変だっただろうなと思うし編集も大変だっただろうと思います。
長編映画ですがあまり気にならなかったです。
星4つでも良いかと思いますがあえて3.5にしました。
観た人はそれがわかってもらえるかなと思います。
とにかく観てください!!
希は…
小説を読んでから観たので、あの場面入って欲しかったなと思うことがちらほらあったけど、それでも楽しく観られた。
アイナ・ジ・エンドはキリエ(路花)に合っててハマリ役だなぁと思った。歌もこの歌声で胸がグッとなる部分が何回もあって涙が流れた。
だけど、希はいまいちだった。小説の中ではズル賢い強かな女のイメージだったけど、映画はぶりぶりのぶりっ子で喋り方(声が高い)が少しアホの子みたいな感じで、希は違う女優さんでもう少し落ち着いた感じで演じて欲しかったなとそこだけが残念だった。
でも希と路花が似ていて面影を感じてるからこそ、夏彦が最後許しを乞うことになるので同じ人でないといけないが、ここは思い切って違う人を使って欲しかった。
小説読んだ時は夏彦お前馬鹿だなぁと一切同情できなかったけど、映画ではあんなぶりぶりの希になってたからバカな女に人生狂わされた夏彦可哀想だなって映画の夏彦に少し同情してしまった。あんな女に引っかかる夏彦も夏彦だけど。
それでも、それ以上に映画では松村北斗が演じる夏彦の苦しみと悲しさ後悔が伝わってきた。
イッコはもう1人の主人公みたいな感じなので真緒里からイッコになった部分を入れて欲しかったかなと思った。
というか夏彦やイッコは映画で出されなかったストーリーが沢山あるので小説を読んで欲しい。
広瀬ずずの美しい涙や黒木華の関西弁が聞けて満足。
あとは大物俳優やアーティスト達が続々と出てるけど、こんな短い時間なのによく出てくれたな!と思ったくらい豪華だった。
あとは、路花の子役の子がめちゃくちゃ良かった!!
アイナさんは素晴らしい!
アイナ・ジ・エンドさん、映画初出演&主演なのに一人二役を、それも難しい姉と妹役、と作詞・作曲など大変な努力と素晴らしい才能に圧倒されました。アイナさんの歌を聴くだけで価値のある作品です。
子役の矢山花さんも最高に素晴らしいです。歌もアイナさんに負けじと良かったです。潮見夏彦役の松村北斗も繊細で良いお芝居でしたし、イッコを演じた広瀬すずさんは、こんな広瀬すずが見れて良かったです。
終盤に突然、粗品さんが売れてるミュージシャン役で出て、それなりに自然なお芝居をしているのですが、やはり違和感が強い。本職の良い俳優さんが星の数ほどいるのに何で芸人さんとかキャスティングするんでしょうね(特に大手映画会社が多い気がする)ミュージシャンの人が映画に出ても違和感ない場合が多いのはバラエティイメージがないからでしょうか。
歌がよいね
アイナジエンドの声は魅力的ですなー素敵すぎる。
映画は長い、割には濃くはない、というか、どんな人なのかの描き方が甘い感じはする。女を売るのが嫌な広瀬すずが結婚詐欺?ピンとこない。いまだに高校生でもかわいい広瀬すずはさすが。でもまぁなんか惜しい感じの映画。
ずるいよな
岩井監督作品を劇場で観るのは初めてです。邦画で3時間近くある作品は久しぶりだな〜って感じです。原作は未読です。
これまた全然合わなかったです。何をどう伝えたかったのかが散漫でしたし、音楽映画としての良さをなぜか掻き消していましたし、絶対無くても良かったよなというシーンがこれまた盛りだくさんで、時系列もハチャメチャで観終わったあとには疲れたという感想しか出てきませんでした。
歌う事以外はあまり喋れないキリエが石巻・大阪・帯広・東京と4つの地域でどう生きてきたのかを路上ライブなどを交えて描くヒューマンドラマです。予告やあらすじの時点では路上からライブハウスなどのステージに立つために躍進するTHE・音楽映画なのかなと思って3時間観ましたが、そう簡単にはいかせてくれないと。
3.11を真っ向から描く作品と、3.11からどうやって復興していくかを描く作品がありますが、たまにそれを悲しみのバックボーンにするだけして、物語に特に活かさない作品があるんですが、今作は例に漏れずそれだったと思います。
パート的には石巻と大阪が3.11に関連のあるシーンになっているんですが、妊娠してしまった姉キリエの出産の有無と夏彦の進学やらを描くなら別に3.11を絡ませる必要性は無いと思いましたし、そこまで多くないとはいえ震災の描写を入れるなら事前に告知するべきだよなとそこんとこの管理の甘さは目につきました。
大阪のパートの先生とる花の交流シーンだけ観ると先生良い人だなという印象なんですが、それ以上もそれ以下も何も無く、ここ別に全カットでも物語上成立するよなと思ってしまいました。黒木華さんの表情や声は本当に優しくて癒されました。
イッコがあれだけ女を売りにする仕事を嫌がっていたのに結婚詐欺を生業にしたきっかけもバックボーンも描かれないので、ただのクズニートじゃんという印象が拭えませんでした。
学生時代はこの人に支えられたからこそというのが強く分かるんですが、大人になって出会ったイッコが何か一歩踏み出すきっかけを与えたかといわれると全然与えてなかったよなってところに着地しました。どうせならイッコとキリエの物語に絞って映画を作ればまだまともになったんじゃないかなと思いました。
ミュージシャンやプロデューサーの役者陣も謎に豪華なんですが、それぞれがフラッと現れては合流してあれよあれよの内に大所帯になってしまったので一体どういうポジションでそれぞれ演じているのかが完全に行方不明でした。人脈で呼べるだけ呼んでわちゃわちゃしたかったんだろうなというのが目に見えてうざったかったです。
最後の路上主義フェスのシーンなんかもうお笑いやってんのかなってくらいにはふざけ散らかしていました。そもそも許可取ってるかどうか分からない、許可証くらい自分で管理しとけよとイラッとしましたし、人集まってるから辞められないとか抜かす主催者をはっ倒したくなりましたし、もう思いっきり爆音で演奏し出しますし、警察の注意喚起と歌が混ざり合ってすごいノイズになっていました。何でこんな訳のわからないフェスをラストシーンにしてしまったのか、これが分からないです。
イッコが刺されるシーンも多分結婚詐欺で騙された人が恨みで刺したんだと思うんですが、何でたまたま路上にスタンバイしていてイッコと気づいたから襲った、というか何でナイフを携帯してるのかとか、武尊さんが4人に分裂した状態でハゲチャビンをとっ捕まえる&イッコを助ける役だけのために出演したのかとかもうツッコミどころしがないシーンでした。花束が飛び散っていくシーンも見せ場なんだとは思うんですが、もうつまらないコメディを見せられているようにしか思えませんでした。
とても個人的な意見になってしまうのですが、アイナ・ジ・エンドの歌はBiSHの中での変化としては最高だったんですが、ソロともなると個性的で声もすげぇ出てるなとは思うんですが、映画としての役や立ち回りにこの声は合わないなと思いました。
お世辞にも上手というよりかは個性的が際立ってしまい、叫び声がメインな時は耳を塞いでしまいましたし、る花が子供時代はとても伸びやかな歌声で歌っていたのに、大人になったらこんな個性を突き詰めてしまったんだろうと、一人二役の障害がガッツリ出ていたなと思いました。
アーティストが映画やドラマに出演する際に下着になるシーンが映った時なんかはかなりゲンナリします。原作にあったならしょうがないんですが、性行為のシーンがあるなと思った瞬間に息が詰まってしまいました。ゲス極のほな・いこかさんも作中でヌードになった時ショックだったので、ステージ上の彼女たちが強く残ってるからこそ、こういう役をやられるのはあまり嬉しくないなと思いました。こればっかりは岩井監督の性癖爆発だろうなって感じでした。ただ3.11の時に果たしてそれは必要だったのかというところを問いただしたいです。
歌唱シーンが多いのはまぁ音楽映画だもんなって事で片付けられるんですが、いかんせんカバーが多すぎるのは問題大有りだなと思いました。カバーを何回も聞かされても感動する事はありませんし、前半なんてそればっかなので飽き飽きしていましたが、いざオリジナルが始まったと思ったら同じ曲ばっかやるのでこれまた飽きます。もう少し変化を加えてくれたら良かったのにと何度も思ってしまいました。
あと粗品ことサザンカが言い出した外でのリハはどこか小さなハコを借りてやるのかと思ったら屋外であの大人数でやるなんて迷惑じゃない?と疑問に思ってしまい、きっとあれも許可取ってないでしょうし綺麗事のように描かれていましたがかなりモヤモヤしました。
強いて良かったところを挙げるとすると映像や撮り方がとても好みだったのと、子役の子の伸び伸びとした歌声とエンドロールの淡い感じは良かったです。それ以外はどこか引っかかるものが満載でした。
3時間かけて一体何を語りたかったのか、それともハナからアイナ・ジ・エンドの長長長編MVを撮りたかったのか、映画としてはまとまりのないものになっていてかなり辛かったです。監督の変態っぷりもしっかり滲み出ていて、それもあって次回作があっても観るかどうかはかなり躊躇ってしまいます。モヤモヤしたまま劇場を出たのでまだムズムズしています。ムズムズ。
鑑賞日 10/13
鑑賞時間 16:30〜19:40
座席 A-1
観る人を選ぶのはマストではありますが、11月の肌寒さのような岩井俊二文学を堪能出来る作品です。
劇場での予告編を観た時から気になっていた作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…個人的には好きな作品。一連の岩井俊二作品が好きな人なら多分好きなのではないかと思いますが、正直好き嫌いは分かれそう。
アイナ・ジ・エンドさん演じるキリエに尽きる作品で映画初出演とは思えないぐらいの存在感。
キリエの純粋過ぎる透明さがキリキリと突き刺さる。
キリエが純粋過ぎて、周りの大人がなんか胡散臭くて、淀んで見えるくらいw
そんなキリエに周囲が食い物にしようと寄って集ってくるのではないかとハラハラしましたが、とりあえずセーフ! 松浦祐也さん演じる波田目に汚されなくて、ホント良かったと思う。でも、波田目もよくとどまったもんだと後から感心してしまうw
「スワロウテイル」のCharaさん演じるグリコもそうでしたが、岩井俊二監督は核となる女性の描き方が独特かつ存在感抜群に描くので物凄く印象に残るんですよね。
アイナ・ジ・エンドさんは在籍したBiSH時代には名前を知っている程度でしたが、役者さんとしても良い役者かと。ハスキーボイスも個性的で好きな役者に小松菜奈さんは森七菜を挙げているのもなんか分かります。
ただ、ちょっとセクシーショットが多い感じがしなくもないのは…サービスですかねw
他の役者さんも個性的かつ良い役者陣で結構贅沢な使い方。
黒木華さんの存在感は安定感かつ一服の清涼剤的な感じだし、イッコ演じる広瀬すずさんの派手なウイッグも結構似合っていて上品なコギャル感が素敵ですw
石井竜也さんの「北の国から」や「夜明けのスキャット」なんてなかなか聴けませんが、ただ、ロバート・キャンベルさんのあの起用は…ちょっと謎ですw
いろんな曲が歌われていて、主題歌の「キリエ・憐れみの讃歌」や劇中で歌われる「異邦人」や「さよなら」も良いんですが、個人的にはデュエットで歌った「マリーゴールド」が好きですね♪
ただ、ラストには1本に繋がるストーリーも場所と時間軸が行ったり来たりし過ぎていて、事前に多少の予備知識が無いと正直ややこしいと言うか、こんがらがる。
アイナ・ジ・エンドさんが姉のキリエと妹の路花(キリエ)の一人二役を演じるのもラストではその味と言うか、意味と意図を理解出来るんですが、ちょっと岩井俊二節が効き過ぎているし、178分と言う長尺の上映時間も観る前からは結構ハードルを上げている。
原作の小説を読むとその辺りのことが分かるかと思いますが、映画は原作未読でも成立してないとダメと考える主義なのと、未読であってもこれだけの時間を使って理解が追い付き難いのはちょっとどうかと。
結局岩井俊二文学が好きな人か、もしくはアイナ・ジ・エンドさんが好きな人なら付いていけるけど、この辺りが岩井俊二作品らしいと言えばらしい。
個人的に感じた難点はラストの音楽フェスが開催される辺りから、世界観に少し澱みと言うか、キナ臭い感じがしましたが、フェス開催の使用許可証を取得してないのには正直お粗末過ぎる。
行政や警察の融通の無さを描こうとして、純粋に歌の魅力を伝えたかったにしても、あそこまでのステージセットを組み、キッチンカーまでも手配して、使用許可証を実は取得してませんでしたって、共感は出来ないし、路上至上主義を大きく掲げても素人感丸出しで一気に冷めてしまう。
また、イッコの暴漢に襲われるのもなんか蛇足感を感じる。実家のスナックを継ぎたくない理由に「女を売り物にしたくない」は10代の女の子なら、十分過ぎる理由になるし、援助をしてくれる予定だった母親の再婚相手の援助打ち切りで大学進学がどうにもならなくなったのも分かるけど、それならその辺りをもう少し丁寧にとは言わないけど、ある程度描いていなければ、イッコが単にワガママで都会を満喫しているようにしか見えない…まあ、満喫はしてたと思えますがw
限りなくシンプルに描こうとしていても、何か足したくなり、何かしら混ぜようとするのがなんか岩井俊二監督らしいと言えばそうなんですがw
ですが、久々に岩井俊二節を味わえたし、アイナ・ジ・エンドさんの魅力を十二分に感じられたのは個人的にはかなりの収穫。
観る人を選ぶ作品ではありますが、11月の肌寒さを感じながらも上着と人の暖かさを感じる嬉しさを感じられるような岩井俊二文学を堪能出来る作品です。
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