落下の解剖学のレビュー・感想・評価
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ミステリーにしたほうが良かったのでは
ミステリーじゃなくヒューマンドラマ、家族の話でしたか。
法廷での丁々発止のバトルや、新たな事実の発見で犯人が二転三転、伏線とか伏線回収とかスリリングな展開のサスペンスを期待したのに、そういう映画じゃなかった。
ひねりもなく裁判も話も終わった。
結局のところ、彼の自死ということで良かったのでしょうか。
法廷のシーン、検察側の主張が主観と憶測ばかりでシロウトみたいで、こんなんで通用するのかと思った。
暴露された夫婦喧嘩の言い分は、明らかに夫のほうが分が悪い、駄々っ子みたいな言い分で、冷静にズケズケ本質をついた返しをする妻のほうが上手。
夫の、妻の才能への嫉妬とプライドがこんな態度になるんだろうけど、八つ当たりです。
別れちゃえばいいじゃん、なんだが、妻は夫を愛しているのがなんとも。
だったら妻も、もう少し夫を思い遣ってもよかったのでは、と思う。
人間をじっくりみせるためにこの尺が必要だったんですかね。
淡々としており、私には長すぎてところどころウトウトしました。
唯一の現場の証言者である息子が視覚障害者、という条件が生かされていない。
サスペンスにしたほうがよい材料だったと思う。
案はいいのにそれを活かして小説にできなかったという、亡くなった夫がダブりました。
今年度のアカデミー脚本賞受賞も納得の会話劇!(カンヌもグランプリ)
不審死した旦那の殺人容疑で妻が検察側に訴えられて裁判になるんですが容疑者がウソをついていたのが発覚して旦那のせいで息子が視覚障害になる怪我をさせていて容疑者が恨んで居た事実があって更には浮気をしていたけど物的証拠も無いし犯人だという事では無いが裁判のルール上は絶対に不利になります(そんな事をしてる人間なんだから殺したのはこいつだ!って憶測で決めつけがち)裁判で不仲だったから怪しいとか言ってるのも事実だけどそんなの人生の全てでは無いしほんの一部の切り取りでしかないのに恨んで居た!それで片付けられるような単純な話では無いのにルール上はそこが有罪か無罪かの判断に強く関わるから実際に黒とか白とか関係無くて如何に陪審員に良い印象を与えるかが1番重要ってのが怖いです!(リアルに自分にもあり得る話だし) だからこの作品は判決はでますが本当の真相は語られてません!
あとかなり容疑者が不利になる部分があって母国の言葉で話すのでは無いという点でパッと振られた質問で
なんて言っていいのか分からないとか圧倒的に調子悪いですよねこれは!
しかしこんな異常で病的なレベルで作り込まれた脚本の会話劇なんてそうそう無いし(みんな触れて無いのが逆に自分はビックリです)カンヌ映画祭でグランプリ獲得とか!ですよね!当然でしょ!くらいの脚本だと思います。
あと父親の事はあまり語られていないから自殺を本当にしたのか?って部分の判断材料も少ない中で容疑者が有罪か無罪か延々と考えさせられるのが面白かったのとハリウッド的なエンタメ寄りじゃ無いのが良かったし(会話少なくて白黒ハッキリしてるエンタメ寄りの作品だったらカンヌもアカデミーもノミネートは絶対にされてませんね笑)ベタなドンデン返しや真犯人が居たとかでは無く内容勝負に徹してた部分は素晴らしいと思います!(女性が監督で脚本も夫婦でやっていてコロナ禍の時のアイデアと言っていますがコロナで隔離されてる時に夫婦間のいざこざとかを元に書いたんだろうし詳細に至るまでの超クソ細かい会話だったりなるほどって思います!)
最後にこの監督って人を不快にさせたりイライラさせる描写が天才的でオープニングから10分くらいの不快な感じめちゃくちゃ好きです(インタビューしてるのに上の階から観客が会話に集中出来ないレベルの爆音の嫌がらせの音楽と検察側の弁護士の偏見フィルターかかりまくりマンの憶測で犯人と決めつけて高圧的に喋る部分が有り得ないくらいストレスかかって一回本気で大声で叫ぶ寸前まで追い込まれかけたくらいの状態になりましたよ)とはいいつつほぼ間違い無く自分ランキングで年間上位確定レベルの作品でした!
最後に犬が凄いんです!あのシーンとかどうやって撮影したのよ?って思ってたら演技でやってるそうです(死にかけたりする演技をやってるとか本当に凄いです)
あと余談ですが市子の監督がこの作品をめちゃくちゃ褒めていて 市子を作る人なら落下の解剖学めちゃくちゃ面白いってなりますよねって完全同意したところで締めたいと思います!
最近法廷遊戯という裁判モノを見たんですが落下の解剖学と全てが真逆の作りだったのである意味面白かったです。
真実はいつも1つとは限らない。
映画.com様経由、ギャガから試写会へ招待され、『落下の解剖学 』を鑑賞しました。
息を飲む法廷ドラマ。真実がどこにあるのか、怒涛の会話劇が繰り広げられます。あっという間の2時間半。
人が亡くなった事件を取り扱う作品の中では珍しく、真実が鑑賞者にもわからない作品。サンドラが本当に殺していないのかはサンドラにしかわかりません。
この結末がより裁判の実態を生々しく感じさせてくれたと思います。実際の裁判でも、証拠が不十分でありながらも、1つの結論を出します。本当に自分が裁判を傍聴している気持ちになりました。
裁判の中で色々な証人が出てきたり、実証の1つである録音を聞いたりします。出来事は1つであるものの、解釈によって捉え方は人それぞれで、事実なんて本当は存在しないのではないかと思いました。検察からすると、色々な出来事をサンドラが他殺したような証拠として「事実」たらしめようとしています。
1番の注目シーンである、サンドラと夫の口論のシーンを見ても、どちらが悪く見えるのか解釈は分かれるのではないかと思います。ちなみに私は夫のほうが思い込み多そうと感じました。事実なのかは置いておいて。
私達の日常でも人によって解釈が異なるシーンは嫌でも多く出くわすと思います。
友人の恋人との別れ話を双方から聞くと、こういうことがあって相手が悪いとともに主張し合い、どっちの言ってることが正しいのかわからないような場面は皆さんも経験したことはないでしょうか?
立場によってどのようにものを見たら都合良いのかは異なります。僕らは自分の色眼鏡なく、出来事を捉えることは相当難しいのだと思いました。
ミステリーと思って観に行くと、ちょっと肩透かしに合うかもしれないので、あくまでサスペンスドラマを観るつもりのほうが良いと思います。、
2/23公開、是非劇場へ。
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