首のレビュー・感想・評価
全152件中、101~120件目を表示
戦国アウトレイジやりたかったんだろうけど…
創作なんだから改変はありだ。そういう話なら面白いとこちらが楽しめるような提示してくれたら構わない。そういうスタンスで臨んだが、この作品は設定はともかく作り込みの浅さが、史実よりの歴史ファンからすると違和感が強く、没入出来なかった。
しかし、良かった点もある。衆道文化の描写だ。おそらく北野武はヤクザと戦国武将の類似性に着目して、アウトレイジ的ななんでもありな世界観の戦国を描写したかったのだろう。力と欲望と権謀術策が蠢く世界で、義兄弟の盃に代わるものとしての衆道を据えたのだと思う。実際、前田利家が昔は織田信長と寝たのだということを自慢していたという逸話があるので、荒木村重を始め、利とは別の欲の繋がりを描いたことは面白い。
問題は本能寺の変の歴史的な主役である織田信長の描写が浅いことだ。暴君や凶悪や欲望を強調したのはいいけれど、だいたいどうやってあんな殿が尾張統一し、美濃と畿内を制圧できるのか。それこそ、寝首をいつかかれるかわからないのに、警戒心もなく馬鹿殿の類いである。
他の有能さがいくらか描写されてればいいが、例えば武田攻めの甲州制圧のときに、史実では織田は美濃信濃飛騨方面から攻め、駿河方面から徳川家康が攻めるという段取りなのだが、いくら弱体化した武田とはいえ、合戦の最中に徳川家康暗殺したら駿河方面が総崩れになり、単に天下が遠ざかってしまう。なんか、織田信長は天下人だということが映画の中では自明のように語られてるが、天下統一目前なんじゃないの。天下を治めたいひとが、天下人の遠回りをしてまで家康を天下人レースから排除したいという思考が不明。
また、荒木村重の謀反の前段階で強烈なパワハラを荒木村重にしてるが、あのときはまだ本願寺も毛利も元気な時期だから、荒木村重にパワハラしている場合じゃない。まあ、ビッグモーター的な人物と思えとのことかもしれないが、いかんせん信長がなぜ成功できているのかが怪しい人物描写なので、違和感が強い。
そもそもの話をすれば、この映画では、戦国武将は皆、天下人になりたいというのが前提で展開されているが、そもそも史実としては否定されている。まあ、創作ならいいんだけど、その目指す天下も単なるヤンキーの世界の全国制覇と同じようにしか思えない。いや、北野武は所詮、天下統一もヤンキーの全国制覇も同じなんだと言いたいのかもしれないが、さすがにそれは無理がある。ヤンキーの全国制覇は所詮はヤンキーの世界で一番を決めているだけで、もっと強い権力は他にゴロゴロある。戦国時代の天下は権力の全てを握ると言っても過言ではない。だから、宗教勢力も反発するし、民衆は一揆も起こす。
また、茂助(中村獅童)の住宅を明智の手勢が襲撃していたが、これも全く謎行動である。その前にふつうに行軍していたので、合戦の最前線とかではなく、おそらく既に織田方が制圧している地域だと思うし、茂助も行軍に無邪気に着いて行っているので、敵軍という認識はなかったと思う。何かしら利敵行為をしたとかなら、襲撃されても仕方ないが、単に存在しているだけの金も無さそうな住宅を無意味に襲撃するのは謎すぎる。ヤクザだってただ普通に営業しているコンビニを破壊しない。無意味だからだ。
そんな危険集団織田軍団が、京都で馬揃えをすると街頭に民衆が見物して歓声を上げている。いや、彼らはヤクザみたいなものなんじゃないの。無差別に無慈悲に人を殺す奴らをなんで無防備に観察しにいくのか。ヤクザのパレードをあんな感じで見ますか?北朝鮮のように国家的なイベントで忠誠心試されてるとかならわかるけど、織田信長の関心が民衆のコントロールにあったという描写もない。
後半のギャグっぽい雰囲気が出てきた中なので、意図してるのかわからないが、本能寺の変の後の明智の敗走の中も、旗指をしたまま山の中を逃げるのはマヌケすぎる。だって旗指って、明智側とわからせる為に指すものですよ。バレたらまずいのに、バレるようにアピールしてどうするのよ。
ここまでは、まあ、映画の設定のためにあえて現実を無視したとはギリギリ言えなくもない。
しかし、権謀術策の部分、要は騙し合いの部分も疑問が多い。織田信長が家督を家臣に譲るというのもよくわからないんだが、なんで、あんな暴君オブ暴君のいうことをみんな真に受けてるのか。単細胞すぎる。ビッグモーターの社長が次は社長を営業で一番頑張ってるやつに譲ると宣言してビッグモーター社員は、よし!やるぞ!となるか?ならないだろう。ふつうは本当か?怪しいぞ?ってならない?ならないんですね。ハイ、わかりました。
そもそも戦国武将は現代で言えば社員でもなく、個人事業主とかに近い独立性もあるんだから、信長から給料払われてるわけでもなく、野心がある奴らのくせに受け身すぎる。
色んな陰謀を張り巡らせるが、秀吉は何故か黒田官兵衛を信用している。秀長ならまだ分かる。異父兄弟だから。黒田官兵衛は秀吉の直臣ではなく、与力だから立場的には織田信長の家臣でしかも新参者だ。もっと疑えよ。
戦国時代はギラギラした欲望に塗れて、自分の出世しか考えてないから、悲哀やブラックな笑いがあるという話なら、もっと設定を練って欲しかった。衆道による繋がりでもいいし、もっと俗物的な欲望でもいい。金でも土地でも女でもいいんだが、黒田官兵衛は無償の信頼を秀吉に捧げていて、世界観とバランスが悪い。
最後に北野武を少し擁護すると、戦国武将は立派で見習う人物が多いとかは嘘だという問いは良い。美化された虚像や現代的な感性だけで評価するのは願望の投影だし、だいたい自分たちは戦国時代に生まれてたら民衆側の方になる。ただ、この映画の権力の描写が単なる暴力装置で欲望の成れの果てなのは、ある意味、北野武の現代の体勢側への見方が反映してそうで、それはそれで古くさく薄い権力感だよなぁ、と思ってしまった。
結論、つまらなかった。全く歴史知らない、興味もないとか、二次創作が全てで史実なんてどうでもいいと思える歴史ファンや北野武のファンなら見え方変わるでしょうけどね。
始まるぜ!ハードコア時代劇コメディー!!
フガフガしてたらどうしよう...と思っていましたが面白かったです!🥳
フガフガはしてます🥺
役者さんも衣装も豪華で、始めは重厚な感じで真面目に戦国アウトレイジするのかなと思って見ていました。
激しいグロ描写やら、濃いめのおっさんずラブ、突然の空中忍者対戦など色々と「何を見せられてるんだ...」といった場面が続き、期待していたアウトレイジな感じとは違いましたが、壮大で悪趣味な時代劇コントという感じで見てると笑いがこみ上げてきます😃マキビシの撒き方が丁寧!
随所の会話シーンの最後に画面に残った人物のちょっとした仕草や表情でなんとも言えない面白みを醸し出す手腕は、流石世界の北野さんやでっ!と思います。
特に秀吉、秀長、官兵衛の3人のやり取りが最高でした😓😠😐家康にお願いしに行った後の反省会だけで20分くらい見ていたかったです
他にも、すっとぼけたようで切れ者の家康とか、秀吉らの切腹見物コントももっと見たかったし、西島さんと遠藤さんのやたら熱い乳繰り合いも良かったですね!🤩
想像以上に楽しく見れる作品で、首2があるなら見てみたいとも思いますが、やはり今の北野さんが秀吉なのは無理があるし秀吉さんもう跡目争いとか無理くない?という雑念がずっとよぎるので20年くらい前に撮ってほしかったとは思いました🥶
真面目なストーリーの方が
CMやポスターから、シリアスな映画を想像していましたが、どっちかというとコメディ系なのがチョット残念でした。
織田信長や豊臣秀吉より曽呂利新左衛門(木村祐一)の方が目立ってるのは意図した事なのか???
本能寺の変などは凄くサラッと終わるのに、毛利討伐は無駄に長い、この辺が狙いがあっての事なのか?
お笑いをここまで入れる必要があったのか?
北野武に期待し過ぎてる自分がいるのか?
まあ、普通の映画でした。
僕は、期待はずれ
北野武監督は、口ほど不真面目ではない。正統派だ。
歴史は、誰も見た事がないし、と言う話だから。
バイオレンスは、もと激しくてもよかった。
加瀬亮の信長はいいね。明智と荒木のベッドシーンは気持ちわる!どうする家康と重ならないように。
秀吉は、ムロツヨシがいいね。
娯楽作品としては、楽しめた。
面白ければそれでヨシ!
他のたけし映画はまともに見た事がありませんでしたが、予告にそそられ観てまいりました! 予告からはここまでコメディの要素が強いとは思いませんでしたが、面白かったです。 皆が首に執着する中、『首何かどうでも良い!』と光秀?の首を蹴り飛ばしてしまうたけし…
面白ければ形にこだわる必要は無いという事かな?
西島さんの明智光秀、良かった!
観たいものではなかったのですが、まずまず良かった。
面白い脚本だなぁと思いました。
しかし、信長が馬鹿にしか見えないので、恐さや凄みが全く感じられなかったのが、残念。
もしかして、信長を中村獅童さんとか大森南朋さんがやってて、もう少し違う信長だったら、めっちゃ楽しめたかも、、。
あと、鉄砲そんなに早く撃てないだろ。みたいな。
まあ、北野さんの映画は、いうまでもなく、これでいいのかなと。
この映画の良かったところ思い出しました。
最初に字幕で説明してくれたり、登場人物の字幕入れてくれたので、誰なのかがよくわかって、とても助かった。
どんな映画も、こうしてくれるといいんだけどな。
時々、最後まで名前がわからない映画もありますから、、。
”「出世」のための「首」である”
農民(難波 茂助:中村 獅童)が、成り上がることを夢見て「首」を手に入れようとするなかで、織田 信長・明智 光秀・羽柴 秀吉による天下を巡る動乱に巻き込まれていく。
茂助は、最後に最も価値のある「首」をその手に収めるが、夢は儚く散ってしまう。
皆が皆、自分がより良い「地位」につくことしか考えていない。
”信長”が”荒木村重”の「首」を求め。
”光秀”が”信長”の「首」を求め。
”秀吉”が”光秀”の「首」を求める。
”階級”の低い農民から”階級”の高い武将まで、全ての人間が「首」を求めて争い合う。
最初から最後まで求めていた「首」を、ラストで羽柴秀吉(北野 武)が放り出してしまうところが面白いのだ。
「地位」を手に入れたいがための「首」である。
本当は「首」なんてどうだっていい。光秀が死んだことが分かればよいのだ。と
------------------------------------------------------------------------------------------------
羽柴秀吉と羽柴秀長(大森南朋)、黒田官兵衛(浅野忠信)の会話シーンが非常に良かった。ズッコケ3人組のような、どこか抜けている3人に好感がわく。そんな3人が最終的に天下を取ることになるのだと思うと面白い。
生首情痴戦国絵巻
キャスティング(采配)が映画版たけし軍団の相関勢力図に見える妙。
監督は明智光秀役の西島秀俊がものすごく嫌いなのか若しくはものすごく好きに見えた。当初、明智役は渡辺謙にオファーしたが、断られたとのこと。ハリウッド俳優にこの役はキツイねぇ。たけし君にマウント取られたくないよね。荒木村重というミステリアスな武将に対する想像を膨らませた作品。エンケンに演らせるなんてエグッ。監督という親方様は秀吉役をやりながら、加瀬亮に親方様役をやらせて、二重人格的情痴支配を企てているように映った。
加瀬亮、遠藤憲一(エンケン)、木村祐一、荒川良々はこの作品での見せ場が多くお得だった。
エンケンと西島秀俊のラブシーン、いやだよ~ やめて~ 内野聖陽との「きのう何食べた」も見てないも~ん。
しかし、渡辺謙と遠藤憲一が絡むのを想像すると、エンケンのプレッシャーは想像するに余りある。洒落にならない気がする。
一方、中村獅童、西島秀俊、浅野忠信らは損した感じ。寛一郎は微妙で、親子三代俳優のサラブレッドを人質に取ったような図式。
10年前だったら、加瀬亮と中村獅童の役は逆たったと思うのである。
小林薫の家康役はおかしかった。ナイスキャスティング。大森南朋も弟役ながらつねにコミカルで共犯的スタンス。どうする家康でも出てたし。
もしかして、たけし説本当かも。
というより、たけし君はハリウッド俳優の首を取りにいったのかも。
浅野忠信は黒田官兵衛役だからあんまり問題ない。
日本刀で首をスパッと落とすのは無理なんだけどね。盗賊と化した農民の竹槍の威力の描き方にもたけし監督のアウトロー的、義賊的な顔が出ていてスカッとした。
北野武は今村昌平を越えた?
柴田理恵💞
首とは?
内容は想像の通り。首に対しての盛大なフリが最後に回収される映画なんですね。首にこだわり出世を目指すのも切腹後首を大事に飛び込むもの。首が無ければ武士の面目がたたないもの。
それが最後の一言で回収されるんですね。まんじゅうのシーンはアウトレイジ1作目を思い出しましたね。
よくよく考えると、西島秀俊が一番狂っているのかも
誰もが知っている戦国武将をヤクザに置き換えた発想がやや陳腐かなと思ったのが鑑賞後の第一印象でしたが、家に帰って吟味してみると、北野監督の戦略はなかなか練られていることに気が付きました。
この映画、とにかくまともな人間は一人も登場しません。その中で西島秀俊演じる明智光秀は、西島がこれまでさまざまなTVドラマや映画で演じてきた善人キャラとも相まって、一見理知的で思いやりのある人間に見えますが、それこそが北野監督の罠です。よくよく思い返すと甲賀の村を殲滅したシーンなど映画に登場する残虐行為の多くは明智軍の仕業です。さらに光秀自身、信長から受けた理不尽な仕打ちのストレス解消に、平気で人を切り殺したり撃ち殺したりしています。また、偽情報を流して家康を陥れることに何の躊躇もありません。さらに、あれだけ愛し合っていたはずの荒木村重も、天下取りを目前にすると平気で始末する冷酷さを見せます。逆に光秀の”愛”を信じた信長は、そのために滅びていくことになります。
映画評では信長を演じた加瀬亮の狂気を孕んだ演技に注目が集まっているようですが、常識人の皮を被った狂人である西島演じる光秀の方が数倍不気味な人間なのではないでしょうか。
信長殺害の黒幕は秀吉説に則ったストーリー。 解説通りの様々な職種の...
信長殺害の黒幕は秀吉説に則ったストーリー。
解説通りの様々な職種の野心と謀略と思惑が行き交う。
時代背景から首を掻くところや落武者狩りなどの乱取りの描写がグロテスクといえばグロテスク。
おびだたしい出血はなんだか黒澤風。
キャストの年齢感が合っているのかどうかがどうかがずっと気になった。
信長と家康に比して秀吉が歳を食い過ぎている。
加瀬信長があんなに若いのにキャスティング的に失敗だったと思う。
芸人の演技が下手、特に木村祐一
ところどころで出てくる現代的な衆道の愛情表現
現代的な会話のようなバカヤローコノヤロー的な笑いの伴うセリフ
この3点で自分は何を見ているんだろうか?と思わされる。
なんだったらメイキング?とも。
はちゃめちゃにしたくとも史実的は決まっている手前、そこまでおかしくもできないので何か煮え切らないものを見た感じだった。
たけしの首vsアナログは個人的にはアナログに軍配が上がった。
「さすが」って言わせてと求めてしまう
役者たけしの滑舌と加瀬亮のだだくさなガナリが
聞き取りづらい(悪いとは違う)のはさておき、
西島秀俊がちょっと煮え切らない感じで、
エンケンとのあいだにある
もっとねっとりしたものが垣間見えれば、
もっと行動原理に共感できたのか。
ともかく全編衆道が大きな動機のわりには
誰も彼もエロスが足りない。
色気を出してくれそうな浅野忠信は
相変わらず一歩引いたズルい役どころ。
ほか寺島進やツダカン、六平直政など、北野組大集合。
たけしは大森南朋が好きなのか。
サリーはもはや妖怪。
ともあれ汚いおっさんたちが居並ぶのは最高のひと言で、
なかでもエンケンが西島秀俊をねぶるシーンは
オレは何を観せられてんだ感にシビれた。
同じ東宝の『ゴジラ-1.0』は、
吉岡秀隆とかでなく、もうちょっと目のイった滝藤賢一を
汚して出すなど見倣って欲しかった。
白眉は中村獅童。
頭の悪い役どころをカッチリ演じ、いちばん観入った。
『怪物の木こり』にも出るとのことで愉しみだ。
桐谷健太もよかった。
『ビヨンド』みたいに新井浩文にも傍にいて欲しかった。
2時間11分とのことだが、体感的には2時間半越え。
だからといってつまらないわけではないのだけど、
終盤に至るまで気持ちの置きどころが定まらず、
「あ、獅童でよかったのか。
というかこれたけしが天下取るまでやられたらヤバいな」
と思った矢先にストンと終わってひと安心。
なんというかエピソードの積み重ねの裏というか奥や
それを敢えて外してサプライズさせる部分を
歴史知識にある程度委ねているため、
表層的なシーンの羅列になっているのが
いまひとつ「最高!」と叫べない原因なのかもしれない。
淡々とした死の積み重ねの果てに
見えるはずの寂寥感が見えてこないのだ。
まあ首が飛び交い、血飛沫の舞う娯楽作品に何言ってんだ
という感じだが、
殿にはどうしても「さすが」って言わせてくれと求めてしまうんですよ。
あとホーキング青山の白塗りはよかった!
最高と物足りなさ
グロバイオレンス。いやぁたのしかった。
時代劇の常識を覆しながら、バイオレンスしている。
ただ物足りなさがあった。
秀吉パートのコメディ感がちょっと引っ張りすぎか。
キレ味があることを期待していたので、ちょっと蛇足さがあった。
ただトータル、エンタメ感がありながらの時代劇。
たけしっぽさとエンタメさがつまった作品。
・戦国の実態
残酷でなんでもあり。茂助(中村獅童)が襲われたときに敵の首をとったと、兄貴分的な農民が言ったところを、グサッと刺す。襲われたら凄惨になることを見せてくれる。
秀吉の中国大返しもたいへんさが伝わる。歩き続けるのはしんどいよね。秀吉は吐き続けている。
・影武者ネタ
家康の影武者ネタ好きだなぁ。1人死んだら次だと、どんどん入れ替わる。4、5人目くらいまで影武者出てくるけど、まったく似てなくなる…。
・信長
尾張言葉でなに言っているかギリギリなところ。ちょっと頭おかしいくらいぶっ飛んでる。はじめは怖さあったけど、テンションが同じだから、途中から怖さ半減。
本能寺で能を見ながら、全員殺して自分も死ねばスッキリするというのはこれが本音なのか。目に涙を浮かべている。このあたりもっと早めに出してもよかったかもしれない。
・男色
信長と森蘭丸、弥助。はげしく絡み合う場面が見れたのは、本作ならではか。
光秀と荒木村重は、どちらもイケメンでもよかった?エンケンだとおじさんすぎて…。もっと惚れている感じがあってもよかったけど、そこまで伝わらなかった。
そして信長は光秀に感情があったのではないか?という展開はおもしろい。愛憎というのはいい。
・暴力シーン
信長が荒木村重へ刀を刺したまんじゅうを食べさせる。グリグリねぐりこんで、村重の口のなかが血だらけになる。トラウマ描写出ましたね。
・人種感覚
弥助が虐げられていてちょっと馬鹿にされている。そして信長に止めを刺すのは、弥助。弥助が黄色人種として信長を差別的に見ていたことがわかる。首をもっていった弥助。
・切腹シーン
清水宗治(荒木良々)が切腹する。かなり長い。それを突っ込む。まだやってるの?
・キム兄
カッコよかった。新左衛門という役。信長を撃ったといわれる息子。なにが得意か?というと、噺家。おもしろい噺をするというのもいい。サバイバル力があるのもいい。影の主人公。
利休のもとの大竹まことと、差し違いも見せずに、相打ち。
北野武にしか撮れない
一言で言うと「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」という挑戦状のような作品。
評価は分かれるだろうが、「人生なんてこんなもんだよ」と監督がニヤニヤしながら言ってそう。
それくらいラストは笑えた。
作品もこれまでの監督のいろんな作品を思い出させる演出があちこちに。
単純な500年前のアウトレイジではありません。
首取りたけし城(笑)
これはコメディです。
斬首シーンのオンパレードですが、そんなにグロくはないです。
戦国時代はやたらと首取りな時代なのかは定かではないですが、そこに拘るのは裏切りと死が当たり前の世界だったのでしょう。
首を持って来れば死がハッキリするので裏切られることはない。
作中で信長が 世の中の人間皆殺して自分の首を最後に刃ねたらスッキリすると。生きてる世界は地獄なんですね。
やるかやられるかの世の中に生きるのは凄いストレスでしょうね。
残念なところは主役はビートたけしなんですけど、違う方か茂助にした方が良かったかも。
たけし年取り過ぎてるから秀吉に見えないんだよね(笑)
でも出て来る役者さんは皆良い演技してました。
特に荒川良々さんが良かった(笑)
ゴジラと日本アカデミー賞を争うのでは?
あっ まだ埼玉があるな。
戦国を茶化すキタノ節
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読。
コメディー要素が多めで驚きました。コントと云う評も頷ける。しかしシリアスとのバランスが絶妙で面白かったです。
バイオレンスもいい感じ。戦国版「アウトレイジ」なキャストの怪演合戦が見物で、MVPは問答無用で加瀬亮でした。
戦国の弱肉強食の世界観は俯瞰して見るとかなり滑稽なのかも。そこを茶化しまくるキタノ節が素晴らしかったです。
※修正(2024/06/22)
東宝の本能寺の変。北野武最新作にして最高傑作の誕生
初日、私が見た劇場では、観客がたった四人しかおりませんでした。こんなに面白いのに。
二子玉川とか渋谷、川崎あたりならもっときてたのかな
原作、脚本、主演、監督、編集がたけし。カドカワ製作、カドカワ・東宝の配給。
羽柴秀吉 北野武
羽柴秀長 大森南朋
黒田官兵衛 浅野忠信
荒木村重 遠藤憲一
明智光秀 西島秀俊
織田信長 加瀬亮
徳川家康 小林薫
千利休 岸辺一徳
木村祐一
中村獅童
副島淳
寛一郎
大竹まこと
寺島進
荒川良々
六平直政
仁科貴
津田寛治
桐谷健太
勝村政信
首になるキャラクターと首にはならないキャラクターがいるのだった。
信長、明智光秀は、首になってしまう。
秀吉や、秀長、官兵衛、家康はならない。
VFXの進歩により、本当に首が落ちているように見える。もちろん本当にこんなふうにスパッと切り落とせるのかよく知らないけれど。
とにかく、首が落ちる場面が多い。
これは、好きと嫌いが明確に分かれるだろう。
私は好きだ。昔は、こうだったのだ。
戦国時代は、大河ドラマや、テレビの時代劇のように、血が出ないということはなく、あのくらい血生臭い時代だったと思う、
ただ、あまりにそういう場面ばかりあるので、ギャグのように見えてしまうところが、もったいない。あと、女性が登場する場面が少ないので、万人受けは難しいとも思う。
でも男色をかなり前面にだしたことで、主従関係に緊張感がでた。森蘭丸とか、弥助とか。木村拓哉が織田信長をやれば、もっと面白くなった気もする。いや、冗談です。
一般の農民などは、風呂になど入らず、真っ黒けであったとか、史実に忠実すぎる。
黒人や、宣教師、茶人、芸人、忍びなどのキャラクターもさもありなんと思えてくる。
素晴らしい。もう一度観たい。
演じている俳優がたぶん史実の登場人物よりだいぶ歳くっているのだが、あまり気にならなかった。
西島秀俊は、わりと史実に近いのかも。
木村祐一(「ニセ札」「チコちゃんに叱られる」)がうまかった。
あと、多羅尾光源坊という甲賀の盲目のキリシタンは、ホーキング青山という芸人さんらしい。強烈な存在感があった。
全152件中、101~120件目を表示