首のレビュー・感想・評価
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戦国絵巻を真っ正面に捉えつつも斜に構えて観ると楽しめる「アウトレイジ」戦国版ですかねw
話題の作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…他の方も言われてますが、…まあ、「アウトレイジ」戦国版w
キャストはとにかく豪華。
これでもかと実力派が連ねていて、端役に近い役でも名の知れた役者が参加しているのは流石世界の北野監督。
西島秀俊さん演じる明智光秀と遠藤憲一演じる荒木村重が衆道だったのに、西島秀俊さんが出演している「きのう何食べた?」と少し照らし合わせてしまったw
とにかく出世や下剋上に取り憑かれた戦国武将達のあの手この手の策略と化かし合い、騙し合いが生々し過ぎる。
戦国武将と言うのはいろんなジャンルでも取り扱われているので些か美化された感があるだけに、本当なら多分こんなもんだろうと言う生々しさが賛否分かれるところ。
加瀬亮さん演じる織田信長が取り扱いの難しい人物と言うのは分かるけど、ヒステリーかつカリスマ性が皆無に見えるように描かれているのはちょっとビックリ。
たけしさん演じる豊臣秀吉も結構恰幅が良いので、史実ではそうなのかもだけど、秀吉は小柄なと言うイメージが強いのでそういった点でも北野節で描かれてますね。
誰も良い奴が居ないのが北野監督らしいし、戦国時代の出世争いなんてこんなもんかと思うとリアルっちゃあリアル。
でも、誰も憧れるような存在が居ないと言うのもなんだかな~って感じw
唯一まとも(そう)に見えるのは西島秀俊さん演じる明智光秀ぐらい。ただこの時代、正直者が馬鹿を見るではないがまともに受け取ると寝首をかかれることは日常茶飯事なのでより狂っている方が上に上がっていけると言う狂気の沙汰がまかり通っているだけに誰もが一癖も二癖も持っている。今の政治の世界の探り合いどころではないだけに、確かに北野監督の本領発揮のジャンルかと思いますね。
所々にアドリブの掛け合いがあり、アウトレイジほど重々しくないからこそ、小ネタを挟み込めるバランスが良い。北野武では重く描くところにビートたけしで出演している妙があるのかと思います。
冒頭初っぱなから首の無い死体が川に横たわっていると言うオープニングからぶちかましてくるのが如何にも北野作品っぽい。
信長が本能寺で死を迎え、明智光秀が討ち取られるまでの流れは有名なのでここにブレは無いのは安心して観ていられるが逆に実は信長はこうして生きていたなんて、描いても北野節が利いて面白いかもw
いろんなエピソードが伏線と小ネタ的に盛り込まれているけどハードな描写が多いので観る側にも緊張を突きつけられるのでちょっと疲れる。
政治の世界にヤクザ社会を盛り込んだような戦国絵巻は正直、華々しさは皆無。
面白いかと言えば面白いけど、笑える要素はかなりのブラックジョークで下品と言えば下品だし、下世話と下世話。
でも常に緊張感の中に身をおきながら、良い意味でも悪い意味でも「明日は我が身」であれば開き直りもするし、何気ない仕草や初動がいとおかしに感じるところもあるかと。
夜中に気の置けない仲間とダラダラと他愛もない話をしながら酒を飲んでる時に、なんか妙にツボにハマる時の笑いに近いのかなとw
確実に観る人を選ぶし、多分子供の時には観ても全く刺さらない、ある意味大人の作品。
北野作品が好きな人と戦国合戦を斜に構えて観れる人には合っているのではないかと思いますw
初めての北野映画を見た感想
北野武監督の映画がこんなに酷かったとは
正直驚きました。
上映時間131分はちょっと長く感じました。
脚本ですが、中村獅童さんが演じる茂助が
ラストで死んでしまったのは非常に残念でした。
あと男同士の絡みは、史実にあり重要なことだと分かりますが、あれほど強調しなきゃいけなかったかと思うと疑問に思います。
戦闘シーンは大変迫力があり、評価できる点でした。
これを見るためにチケットを買う価値はあると思います。
総評にはなりますが、戦国歴史オタクの人なら十分楽しめる作品なのかなと思います。
140分はちょっと長い
悪くはないけどそんなに面白くもない映画でした。
戦争は所詮、侵略するためのもの。大義なんてなんでもいい。
首なんてどれが誰のだかわからないし、歴史上の人物も本人なのか影武者なのか生きているのか死んでいるのかよくわからんという、言われてみればそりゃそうだなという感想です。
柴田理恵のクノイチがとても恐ろしいです。
現物信仰へのアイロニー
外部からは全く不可視な最期の場面においてさえ「誰が誰に介錯するか」という武士のアイデンティティをめぐる問題、あるいは「介錯」という事実そのものに拘った信長。信長の死は疑い得ないにも関わらず、己の名誉心のために「信長の首」という現物に拘った光秀。二人は呆気なく死んでいく。
これに対して、替え玉作戦、言い換えれば「体裁と内実をズラす」ことによって暗殺を免れた家康、敵を陥れるため「信長は死んでいない」などの誤情報を躊躇なく流すとともに「光秀が死んでさえいれば首なんてどうでも良い」と言い放った秀吉。この二人は最後まで生き残る。
「首」というのは、「いま・ここに」現前するアウラを象徴している気がする。空っぽな情報・表象が先行しがちな世の中でも、そうしたアウラは内実・現前を保証する権威を持つように思われる。しかし、実際にはそうした現物信仰もある種のフィクションでしかない。実際、最後の場面で秀吉たちは、光秀の首が目の前に「現前」しているにも関わらず、それに気付かず「汚い首だ」と言って捨て放っている。現物の現物性(アウラ)さえ、結局は表象・情報に依拠するものだということになる。正確に言えば、表象・情報があって初めて、「元々」アウラを有していたと「事後的に」認められるのである。
侍の契よりも天下の重み
これまでも本能寺の変は映画やドラマで何度も描かれてきたが、やはりと言うべきか北野武監督が描くと戦国時代版アウトレイジといった趣になっていた。 サイコパス織田信長を筆頭に、誰もが何をしでかすか分からない狂気を秘めており、画面に漲る緊張感は凄まじいものがあった。 かと思えば盛大な猿芝居を観ているかのような拍子抜けする場面もあり、この狂気と茶番の融合がこの映画の面白味なのだろうと思った。 信長は根っからのサイコパスなのだろうが、秀吉が自分の力を誇示するように脅しをかける姿は自信のなさと臆病さの表れだとも思った。 秀吉に限らずこの映画に登場するほとんどの武将が、実は臆病を隠そうと虚勢を張る子供のような存在なのだと思った。 駄々を捏ねる秀吉を宥める秀長と黒田官兵衛のやり取りや、戦陣に影武者を立て続ける家康の臆病さはもはやギャグになっていたが。 これは信長に翻弄される家臣たちの愛憎の物語でもあり、首=天下を獲るという野心に突き動かされた男たちの物語でもある。 信長は光秀や荒木村重に、何度も跡目を継がせてやろうと思わせぶりな態度を取るが、信長に淡い恋心のようなものを抱いていた光秀や村重は、彼に忠義を尽くした結果無惨に裏切られることになる。 信長は謀反を起こした村重を討ち取れと家臣に命ずるが、彼と恋仲になっていた光秀は命令に背いて村重を匿ってしまう。 村重は言葉巧みに光秀に信長を本能寺で討つように焚き付ける。 が、最後は村重も光秀にあっさり切り捨てられてしまう。 結局は侍の契=愛よりも野心の方が勝ってしまうのだ。 この天下を獲るという野心が非常に醜いものとして描かれている。 その象徴となるのがタイトルにもなっている首だ。 百姓の茂助は友を殺してまで侍になるために大将首を手に入れようとする。 焼けただれた本能寺の跡か光秀は何としても信長の首を探し出せと怒号をあげる。 そして秀吉も光秀の首を必死になって手に入れようとする。 最終的に光秀の死が分かれば、首などどうでもいいのだと癇癪を起こすのだが。 ひとつ印象的だったのが、備中高松城主の清水宗治の切腹の場面だ。 清水は侍としての義を尽くすために舟の上で厳かな舞を舞うのだが、それを秀吉たちは「まだ斬らないのか」とうんざりしたように眺める。 その姿には侍としての矜持も何もない。 実際の秀吉や信長や家康がどんな人物だったのかは分からないが、案外これがリアルな姿なのかもしれないと思った。
信長の狂気
北野武監督の「戦国時代って大河ドラマとかで描かれているような綺麗事じゃないんだよ」という視点で描かれた戦国版アウトレイジとも言えそうな「全員悪人」感満載の極悪エンターテインメント。
とにかく加瀬亮さんの織田信長を見るだけでも価値アリ。普段の加瀬亮さんの温厚そうな見た目と真逆の狂った演技が最高でした。
キム兄(曽呂利新左衛門)、事実上主役じゃないですかというくらい良い役でしたね。ハマってました。
たけしさん、大森南朋さん、浅野忠信さん(秀吉、秀長、黒田官兵衛)の3人のシーンは、おそらくたけしさんがアドリブで暴走されている(褒め言葉)のだろうなあと、クスッとしました。
そこで終わるか!というラストシーン、北野武監督らしくて自分は好きです。
美化されていないどろどろの時代劇、この方向性で幕末版や源平版なども観てみたいです。
(お茶の間で家族と一緒に鑑賞する事は絶対にできませんが…)
※ちなみに大河ドラマも大好きでほぼ毎年視聴しています
北野節全開の戦国絵巻!難波茂助:中村獅童だけでも観る価値あり。
冒頭から強烈な映像、多分この手の作品が苦手な方なら「うっ」とくるでしょう。戦国を描いた作品数あれどある意味あの狂気の時代に生きていたら思うであろう世界が強烈に描かれている。
コンプライアンス・倫理、今なら当たり前に語られる言葉もこの当時ある訳もない、武士としての心得はあったのかもしれないが。所詮人間も一匹の動物なんだと痛感させられる。
内容として史実に基づいているかはあまり問題ではない、百姓から成り上がる様なその世界は問答無用の一言、殺し・騙し・力をもって成り上がる人間の姿は戦国時代のリアルそのものだ。映画「ラストサムライ」や大河ドラマではある意味カッコいい「侍」が映し出されるが実際その乱世に生きていたらどうだっただろうか?人しての尊厳など蹂躙されまさに弱肉強食の世・・・今想像するだけで恐ろしい。そして、この進化を遂げたはずである現代でも世界のあちらこちらで無慈悲な殺戮が繰り返されてる現実に憤りを感じるのは私だけだろうか。
現代に生きる我々が四百数十年前のこの時代をどの様に見て、感じるのであろうか。
安土桃山城の天守から見る景色は今も昔もさぞ美しいだろう、千利休の侘び寂びの世界も静謐で簡素な美しさに違いはないだろう、しかしその実はただ侍大将になる事だけを夢見ていた百姓難波茂助の姿に全てが凝縮されている様な気がする、中村獅童の演技はなんというか演技を超えた気色悪さとただの本能だけで成り上がろうとする人間の本質を十二分に表現している。この作品は秀吉や信長による戦国武将の映画であると共にその実はなもなき平民達の泥にまみれた語られる事もない底辺の現実の話しなのかもしれない。
下品な駄作。
封切りの日に行ったが、ほぼ満席だった。好きなだけの予算を与えてたけしに作りたい映画を作らせたらこんなになってしまった、ということか?たけしは俳優としては二流(アウトレイジは例外)、お笑い芸人としては一流かもしれないが個人的に好みではない。しかし監督としては評価していたのだがこれはひたすら下品な駄作。男色のシーンをこれでもかと出されて辟易したし、信長にだけ分かりにくい尾張弁を喋らせた理由も分からない(本来は秀吉が方言を喋るべきなのだろうが自分ではできないのだろう)。とにかくたけしは戦国大名をおちょくりたかった、というのが僕の理解。織田家や明智家の子孫から訴えられたらどうするのか、心配してしまうほどの酷い描き様。唯一、加瀬亮の鬼気迫る演技は(ややオーバーではあるが)すごいと思った、標準語でしゃべって欲しかったが。
武将もまた人間
気が狂ってなきゃ武将なんてなれなかったろう…。
北野武作品ならではの一人一人のキャラクターに人間としての醜さがよく現われてる作品でした。
よくある時代劇は美しく描かれていますが、
人を殺してのし上がった時代だということを今作品はコミカルでテンポよく表現されています。
一方で、歴史を学ぶ為に見るものではないとは思います。
あくまで人間の欲深さという作品です。
想像していたよりはグロさはないですが、
男色家が多かった時代とはいえBL要素が強くて驚きました。
俳優の演技力は素晴らしかったと思います。
加瀬亮さんは勿論ですが、中村獅童さんも凄かったですし、大森南朋さんのコミカルな演技も素敵でした。
個人的には小林薫さんの家康のしたたかさが可愛く見えるところが好き。
斬新な解釈と俳優たちの名演技、そしてブラックな笑い
北野武 監督による2023年製作(131分/R15+)の日本映画、配給:東宝、KADOKAWA、
劇場公開日:2023年11月23日
残念ながら、北野武監督作は殆ど見ていない。
出だしの映像、合戦後の景色らしく川を流れる首の無い死体、その首のあったところから蟹が姿を覗かせる、そしてタイトルのカッコ良い書体「首」の提示され、その文字の一部が鮮やかに切り落とされる、流石お見事!と思わされた。
歴史的事件の解釈が斬新でとても面白かった。CGも使っていると思われるが、戦闘シーンも凄く迫力がある映像となっていた。そう、長槍は威力ありそうで、疾走し倒れる馬の映像が美しかった。数多くあった首切り落としのCG映像も違和感が全く無く、リアルに見えた。また忍者の登場のさせ方もカッコ良かった。ただ、戦国武将同士のキスシーンには、どうしても気持ちの悪さを感じてしまった。
家族見捨て有岡城を単身脱出した荒木村重を、親戚である明智光秀が匿うという創作は、定説とは異なるがあり得るかなとは思った。ただ二人が恋仲で、信長が荒木に恋心があったという設定は流石に無理筋と思ったが、調べて見ると戦国時代に主君と小姓の衆道(男色)は、信長・蘭丸だけでなく、信玄や家康を含めて普通にあった様なので、完全には否定出来ないのかも。信長が謀反を起こした荒木に何故かとても優しく使者をたて翻意を促したことや、その後残された家族を皆殺しした史実の説明に、なり得るのかもと。
明智光秀の饗応役解任事件を、実は信長から家康毒殺を命じられていて、それに失敗したからの叱責との新解釈には、目を見晴らさせられた。長篠の戦いで武田家を滅ぼし、東方の守り役としての家康の価値が下がった局面であるし、成る程あり得る、面白い仮説だと思った。
そして、光秀の軍勢移動は毛利討伐のためでなく、信長の密命による家康抹殺目的であるとした。村重に焚き付けられ、秀吉にも味方になると騙されて、謀反を決意する明智光秀、まあ信長の死によって一番利益を得たのは秀吉だから、彼が黒幕というのは真実味有りと思った。
秀吉による「中国大返し」の映像も面白かった。まるで、マラソン時の水分補給/栄養補給の様に、街道沿いにサポート要員がセッティングされた映像が、今まで見たことがなく、斬新で面白かった。光秀謀反成功後の最速の軍移動のための、綿密な準備がなされていたということになる。
あと、秀吉により水責めされていた備中高松城城主を切腹へ導く毛利家参謀・安国寺恵瓊演ずる六平直政のコミカルな演技、城主切腹の長々とした儀式を遠方から見守る秀吉・北野武のさっさとやれというイライラした反応には、かなり笑わされた。
家康の伊賀越え、桐谷健太による強く凛々しい服部半蔵の護衛下でありながら、家康の影武者が次々に死んで、どんどんと影武者を交代していくブラック演出には笑ってしまった。大将然として目立ったらヤバイから、リアリティは十分に有るところである。家康は年増好みということで、綺麗どころを束ねてるやり手婆婆の柴田理恵が選ばれて家康の床に行くが、彼女が実は刺客で、家康の代わりに床にいた半蔵により取り押さえられるというのも、可笑しかった。
多くの男優たちの生き生きとした演技には、眼を見張らされた。信長の狂気性をリアルに体現した加瀬亮。自分の中では、ハチミツとクローバー(2006年) の真山巧役と3月のライオン(2017年) の 宗谷冬司 役と静的イメージが大で、こんな動的な役をも余裕を持って演じられることに、大いなる敬意を覚えた。凄い。
侍大将になるため戦に身を投じる元百姓を演じた中村獅童も、強く印象に残った。侍首を得た友人を殺して首を横取り、中国返しで歩兵として長距離を駆け抜け、泥にまみれて闘い、敗走の光秀の首を得たものの落武者狩りで命を落とす。成り上がろうとし頑張り大将首ゲットした瞬間に、農民に狩られる姿が主役的の扱いでもあった。自分的にも、硫黄島からの手紙(2006年) の伊藤海軍大尉役以来の大きなインパクトであった。
元甲賀忍者の芸人という曽呂利新左衛門・木村祐一は戦国ものとしてとてもユニークで、監督の分身の様にも感じた。ずっと良かったのだが、殺されてしまう時に発するセリフが素人くさくて、そこの演技・演出は今一つと感じた。
西島秀俊による明智光秀、遠藤憲一による荒木村重、小林薫の徳川家康、及び岸部一徳の千利休も意外性は少ないが、俳優の個性を上手く活かしていて、かなり印象に残った。浅野忠信・黒田官兵衛、大森南朋・羽柴秀長、及び北野武・豊臣秀吉も、3人漫才の様なコミカルな味が、とても心地よく魅力的であった。
多くの俳優たちからコレだけの魅力を引き出す北野監督、やはり凄い演出力ということなのだろうか。
監督北野武、原作北野武、脚本北野武、製作夏野剛、プロデューサー福島聡司、ラインプロデューサー宿崎恵造、撮影監督浜田毅、照明高屋齋、録音高野泰雄、美術瀬下幸治、装飾島村篤史、衣装デザイナー黒澤和子、特殊メイク江川悦子、特殊造形スーパーバイザー江川悦子、サウンドデザイナー柴崎憲治、VFXスーパーバイザー小坂一順、編集北野武 、太田義則、音楽岩代太郎、助監督足立公良、殺陣師二家本辰己、スクリプター吉田久美子、キャスティング椛澤節子、製作担当根津文紀 、村松大輔、能楽監修観世清和。
出演
北野武羽柴秀吉、西島秀俊明智光秀、加瀬亮織田信長、中村獅童難波茂助、木村祐一曽呂利新左衛門、遠藤憲一荒木村重、勝村政信斎藤利三、寺島進般若の佐兵衛、桐谷健太服部半蔵、浅野忠信黒田官兵衛、大森南朋羽柴秀長、六平直政安国寺恵瓊、大竹まこと間宮無聊、津田寛治為三、荒川良々清水宗治、寛一郎森蘭丸、副島淳弥助、小林薫徳川家康、岸部一徳千利休。
グロい。意味なく首を斬る
斬首がテーマでその印象が強く残った。
内容は本能寺の変をベースにしたフィクション。
たけし監督のいつものグロさで、目を背けたくなるような痛い描写が多くある。これに耐えられないととても見られない。
グロさを緩和する笑いの描写やダンスもあるがこれは好き嫌いだが、個人的に好きな量だった。
BLは遊び要素なんだろうけど、個人的にはいらないと思う。ストーリーに絡んで来るから、より不要に感じた。
見やすさ○
ストーリー○
キャラクター◎
没入感○
個人的好み○
監督は北野武。ギャグはあまり面白いと思ったことはないですが(失礼...
監督は北野武。ギャグはあまり面白いと思ったことはないですが(失礼)、かつて某出版社を襲撃して更迭されたのちにキレッキレの論客振りを示し復活した過去を知る私には、お笑い芸人よりもっと根っこに存在する奇才”キタノタケシ”がいる。その人の元にリソースが集まり、TVドラマでは絶対に表現できない男色をキーワードにした映画ができた。それは且つてドラマや偉人本で描かれる英雄像のアンチテーゼであり、汚くて、狡猾で、残忍な戦国武将たちが、明日には殺される、もしくは死ねと命ぜられるかもしれない狂気の中で、誰かを信じるということは友情では足りず、体を重ね、愛を確かめ合うより術がなかった世界。ゆえにそれさえ裏切られた激しい嫉妬心は男女間の比ではなく、やがて本能寺の変に繋がったという新・解釈に道理が通ります。
一方で後半、豊臣秀吉と重臣二人のやり取りがどうにもビートたけしのよくある番組(ヒロミと所ジョージでタケシを囲んでいる感)に見えてしまい、だらけて遊んでしまった感。最後まで北野武で行けばよかったのに、つくづくこの人はこういうのが好きなんだなと。個人的にはここがマイナスでした。
首をこれから観る人が楽しめるかチェックする項目。冒頭はネタバレなし。作中も史実通りなので基本的にラストがどうなるなどのネタバレなし
以下の項目に当てはまる数が多いと面白くない、期待外れになります。
これから観る人にぜひとも共有してあげてください。
戦国時代のことをあまり知らない人
感動的なストーリーを求めている
戦国時代はだたの殺し合いではなくロマンチックな世界だと考えている人
背景がわかる説明的なセリフや会話が必要で、映像だけで理解するのが難しい人
大河ドラマのような華やかさを求める人
ブラックジョークに敏感な人
山場等があると思っている人
首は歴史映画の中ではダントツ1位です。
日本の歴史映画では北野監督にすべて撮ってもらいたいくらいです。
黒澤明監督は北野武に日本の映画を託すと手紙を出したのは有名ですが、
ビートくんがこれを撮れば七人の侍と並ぶと言われたのも納得ですね。
youtubeで黒澤明監督と北野監督が対談してる動画があります。
連日レビュー1位のこの作品の評価は二分されるので3~4内で落ち着くと思います。
といってもその男凶暴につきのように元々あった脚本をすべて書き換えたことからわかるように、やはり映像作家として監督の感覚で作られるものなので、監督にとって興味のない時代の小説も映画の台本も書かないのだろうなと思います。
◆歴史の要点に沿って史実通りなのでほとんどネタバレに含まれません
史実通りです。誰が生きて死ぬか結果は変わっていないです。
生死だけ明確にして、歴史の空白を北野監督が小説で表現して映像化したものです。
◆義務教育で習ってる知識プラスあればOK
最低限知ってる前提でストーリーはすすんでいます。
最低でも義務教育で習う戦国時代で本能寺の変までを知っている必要があります。
信長が本能寺の変で明智光秀に討たれたことだけの知識だと理解できないと思います。
内容もエグいですが、中学生の義務で習う歴史では理解が難しかもしれないので、R15で良かったと思います。
余談ですが、一般的に知られている信長の初陣は現在の中学2年生くらいの年齢で、家臣たち800人を連れ、敵陣に火を放ち勝利となっています。その逆の説もあります。
父親の信秀に出陣を命じられてますが、中学生の息子へ行ってこいとは、現代では信じられない感覚ですが、戦国時代はこんな感じだと思います。
◆誰も戦国時代の細かいことなんて知らない
「史実では~」「自分の知ってる歴史では~」と事細かく思う方は、二次創作を楽しむことに向いていないと思います。
その場合は、国立国会図書館などのすべての書物の原文を一字一句ありのままに読むことをおすすめします。
◆身分の理解 を知ってると面白い
身分の理解は物語を楽しむために重要です。武将(摂津守や守護など)の教養や価値観は農民と大きく違います。
特に忠義を重んじ、武芸や礼儀などがある武士と、無教養な秀吉の感覚を意識して映画を観たが良いです。
秀吉や周囲の言動行動を理解でき、これが終始一貫しています。
◆戦国時代とは人殺しであることは間違いない
戦国時代というのは、ただの人と人の殺し合いです。
それらを踏まえて人物の想像は、現代のニュースなんかで報じられる常軌を逸したやばい人たちを思い出してください。
現代とは違うので、人の命なんてのもそれよりも雑な扱いですね。
◆一般的に好まれるアクション映画のようなものではない
一般的に好まれるのは、戦闘シーンや死の場面でスローモーションにしたり感動の音楽を入れたりしますが、北野映画の真髄はアクション映画のような「このシーンを見せたい」ではなく、あっけなくその一瞬で人が死ぬ殺人の映像です。
死は基本的にリアルで、その部分以外が全部遊びで、ブラックジョークが含まれてます。
アウトレイジ(ヤクザ)の戦国版ではなく、逆です。戦国時代が元であって、
現代の疑似家族のような集団の方が戦国時代のような生き様を模しています。
◆以下、作中で印象的だった部分
光秀は、「首」が武士にとってどれほど大切かが伝わります。試し撃ちなどでためらいもなく殺してる姿は戦国の武人だなと感じます。
現代でもよくニュースになっているパワハラやその度が超えたものがいくらでもいることからわかるように、信長みたいなのはいるいると思いながら観れます。
多羅尾光源坊あたりは、「座頭市のダンス」+「菊次郎の夏の子役がみた悪夢」的な演出があり怪しい音楽ですね。
出演者の役柄と現実のたけしとの関係が反映されているように見える
たとえば、中村獅童は20年間ずっとたけし映画に出たかった思いがありました。彼は、番組などで合う機会がありながらもそれを言えなかったとのこと。
そして初めて出演したわけです。
作品では、百姓から侍大将になりたいという姿に反映されているように思えます。
また、木村祐一さんも北野監督に出演をお願いしたそうです。これも本作では秀吉に仕えたいという場面がメタ的な部分と重なります。
アウトレイジに出てきたセリフがあります。
アウトレイジを観た方ならすぐに気づくと思います。
作品のバイオレンスは刀メインなのでアウトレイジ+座頭市に近いかなと思います。
斬首だけでなく、そのあとの切口などが人によっては吐きそうになるかもしれませんね。
戦国時代というのはただの殺し合いなのでこういうものですので、気分が悪い、しんどい、見れないほうが正常かもしれません。
たぶんテレビではほとんどカットされて放送されるか、そもそも放送されない可能性も考えられます。ネット配信で見れそうですが、やはり大画面をおすすめします。
近年の北野映画ではアクションに力を入れていますが、やはり非現実的な演出は入っていませんね。
予告で刀と刀をぶつけて飛び跳ねる部分がありますが、
服部半蔵を表現するのにちょうどよい演出で、
本題ではないので監督はそのあたりの分別もされているのが伺えます。
もうひとつ、人物が高く飛び跳ねる一瞬のシーンを予告でみますが、これもファンタジー的なものではなく現実的な飛び方であることから、監督の中ではやはりこういう部分だけはリアルさを求めていますね。
成功すると、振り子の理論で「監督ばんざい」というようなコメディ、ギャグ映画をとりますが、ここでのアクションにはリアルさが一切ありませんでした。B級映画のようなCGにアクションですね。
◆若干、謎の編集かカット割りがある。
北野監督は編集が一番楽しいと言っていますが、足りない場面などがあった場合でも編集で可能と言っていたことがあります。
最後のある場面で必要な会話を入れる必要があったのか、編集で繋いでるのだろうなと思われる部分がありました。
このあたりは北野映画をずっと見てる人なら、違和感というよりは北野監督らしい編集手法だと気づくのではないでしょうか。
類まれなる優れた演出や編集が際立つ分、その逆がより目立つのかもしれません。
あと、予告でもある冒頭の秀吉のセリフのところのカットも気になります。
◆切腹のときの「あ」
毛利方との講和によって高松城主清水宗治の切腹シーンはYOUTUBEでも公開されているので見れますが、武士道なんてどうでもいい秀吉の演出が優れてましたね。
切腹時に清水氏が謎の「あ」を言うシーンがあります。
これは切腹まで待ちくたびれた秀吉たちが中国大返しで去っていった光景を目にした最後のセリフだとみられます。
謎のシーンというか、切腹と同時に秀吉が帰っていく姿の映像を含めてると、さすがにエグすぎますので、この部分は編集で観ている人で想像してねという箇所だと考えれます。
西島秀俊さんに遠藤憲一さんが上になってるシーンもカメラアングルは固定したままあとは想像してねという部分ですね。
毛利と和平を結んだあと、秀吉たちが中国大返しで戻るところは武将の乗馬をフォーカスさせず、足軽などに当てたのは良いですね。実際にあんな感じなのだろうなと思います。
監督は終始武将以外の庶民に焦点をあててますね。
しかし、装備ふくめて200キロ走ったり約7日とか地獄ですよ。
本能寺で信長が能演を鑑賞。人間五十年~の「敦盛」。
本能寺の変で舞う記録なんてないので、このあたりは信長が舞わずに能を鑑賞するようにしたのは、北野監督らしい空白の埋め方です。
北野作品の特徴は日本の伝統文化などを見事に収めているところです。
それに関して述べると、
西島秀俊さん主演だった北野映画「Dolls」は近松門左衛門の冥途の飛脚という人形浄瑠璃がベースとなっています。
この作品は北野映画が個人的な思いで作ったもので、もっとも映像美に優れた作品と評されています。
ソナチネでは、舞台が沖縄となっていて、琉球舞踊が見事に収められています。
ミュージカルベースだった座頭市では祭に向けて最後のタップダンスシーンが印象的ですが、
作中の早乙女太一、橘大五郎による日本舞踊の映像があります。
光秀を追うあたりは、「たけし城」!
とはいえ、戦国時代があってのたけし城なのですが、このあたりをみると戦国時代に生き残るのは運だなと感じます。
最後は座頭市のラストやアウトレイジに似た編集を思い出しました。
映画会社の社員監督が撮ってるセオリーなフォーマットではないので、、本当に北野監督でないとこのエグい映像は作れないです。
監督、原作、脚本、編集、主演
日本で一番多忙なTALENTで、本作も監督、原作、脚本、編集、主演!黒澤明でも出来ない!
冒頭のカットから、戦況がわかる!農村の描きかたも素晴らしい。どこでロケしたのかな?
前半から、加瀬さん演じる信長と中村さん演じる農民の演技で引っ張る。
利休もピッタリの配役見事、遠藤さんの顔はまさに村重。誰もが天下人を狙い、秀吉だけが冷めた目で様子を見てる。たけしさんなら、ズパット編集するところを流したのは、演者への愛情かな?
なるほどともう少し
北野監督作品は1ページ1ページの画を何十枚、何百枚と積み重ねてる作品って感じですね。
余韻とか高揚さとかちょっと最近の物は無くなってきてますね。
最後秀吉がザマァ見ろと
勝ち名乗りするのかなぁと思ってたのですが...
初期のキッズ...とかHANA-BIは
まだなんとも言えない良い余韻があったのですが、最近は淡泊
かなぁ。色んな問題があって
ようやく公開されやれやれですね。女性が主役の作品(暴力無し)を一度やってみて欲しい。
無理かな?次も期待してます
ちょっと編集が雑な感じがしましたね アウトレイジ感を期待していまし...
ちょっと編集が雑な感じがしましたね
アウトレイジ感を期待していましたがあまりそうではなかったです
中身は加瀬さんの演技は見ものでした
本当の信長もこんな感じだったのかなと思わせるくらいはまった演技でしたね
それから小六の仁科さんは拓三さんそっくりでみていてうれしくなりました
滑舌良かったと思う(笑)
たけしさんの滑舌悪いとのレビュー見たけど頑張ってました
あの草履の後の3人の会話はアドリブの応戦かな?笑ってしまいました
芸達者な役者さんの中でも
加瀬亮さん
西島秀俊さん
は、上手になりましたね
男色のシーンはそれ程でもなかったと思いますが、、、
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