首のレビュー・感想・評価
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生首情痴戦国絵巻
キャスティング(采配)が映画版たけし軍団の相関勢力図に見える妙。
監督は明智光秀役の西島秀俊がものすごく嫌いなのか若しくはものすごく好きに見えた。当初、明智役は渡辺謙にオファーしたが、断られたとのこと。ハリウッド俳優にこの役はキツイねぇ。たけし君にマウント取られたくないよね。荒木村重というミステリアスな武将に対する想像を膨らませた作品。エンケンに演らせるなんてエグッ。監督という親方様は秀吉役をやりながら、加瀬亮に親方様役をやらせて、二重人格的情痴支配を企てているように映った。
加瀬亮、遠藤憲一(エンケン)、木村祐一、荒川良々はこの作品での見せ場が多くお得だった。
エンケンと西島秀俊のラブシーン、いやだよ~ やめて~ 内野聖陽との「きのう何食べた」も見てないも~ん。
しかし、渡辺謙と遠藤憲一が絡むのを想像すると、エンケンのプレッシャーは想像するに余りある。洒落にならない気がする。
一方、中村獅童、西島秀俊、浅野忠信らは損した感じ。寛一郎は微妙で、親子三代俳優のサラブレッドを人質に取ったような図式。
10年前だったら、加瀬亮と中村獅童の役は逆たったと思うのである。
小林薫の家康役はおかしかった。ナイスキャスティング。大森南朋も弟役ながらつねにコミカルで共犯的スタンス。どうする家康でも出てたし。
もしかして、たけし説本当かも。
というより、たけし君はハリウッド俳優の首を取りにいったのかも。
浅野忠信は黒田官兵衛役だからあんまり問題ない。
日本刀で首をスパッと落とすのは無理なんだけどね。盗賊と化した農民の竹槍の威力の描き方にもたけし監督のアウトロー的、義賊的な顔が出ていてスカッとした。
北野武は今村昌平を越えた?
柴田理恵💞
首とは?
内容は想像の通り。首に対しての盛大なフリが最後に回収される映画なんですね。首にこだわり出世を目指すのも切腹後首を大事に飛び込むもの。首が無ければ武士の面目がたたないもの。
それが最後の一言で回収されるんですね。まんじゅうのシーンはアウトレイジ1作目を思い出しましたね。
よくよく考えると、西島秀俊が一番狂っているのかも
誰もが知っている戦国武将をヤクザに置き換えた発想がやや陳腐かなと思ったのが鑑賞後の第一印象でしたが、家に帰って吟味してみると、北野監督の戦略はなかなか練られていることに気が付きました。
この映画、とにかくまともな人間は一人も登場しません。その中で西島秀俊演じる明智光秀は、西島がこれまでさまざまなTVドラマや映画で演じてきた善人キャラとも相まって、一見理知的で思いやりのある人間に見えますが、それこそが北野監督の罠です。よくよく思い返すと甲賀の村を殲滅したシーンなど映画に登場する残虐行為の多くは明智軍の仕業です。さらに光秀自身、信長から受けた理不尽な仕打ちのストレス解消に、平気で人を切り殺したり撃ち殺したりしています。また、偽情報を流して家康を陥れることに何の躊躇もありません。さらに、あれだけ愛し合っていたはずの荒木村重も、天下取りを目前にすると平気で始末する冷酷さを見せます。逆に光秀の”愛”を信じた信長は、そのために滅びていくことになります。
映画評では信長を演じた加瀬亮の狂気を孕んだ演技に注目が集まっているようですが、常識人の皮を被った狂人である西島演じる光秀の方が数倍不気味な人間なのではないでしょうか。
信長殺害の黒幕は秀吉説に則ったストーリー。 解説通りの様々な職種の...
信長殺害の黒幕は秀吉説に則ったストーリー。
解説通りの様々な職種の野心と謀略と思惑が行き交う。
時代背景から首を掻くところや落武者狩りなどの乱取りの描写がグロテスクといえばグロテスク。
おびだたしい出血はなんだか黒澤風。
キャストの年齢感が合っているのかどうかがどうかがずっと気になった。
信長と家康に比して秀吉が歳を食い過ぎている。
加瀬信長があんなに若いのにキャスティング的に失敗だったと思う。
芸人の演技が下手、特に木村祐一
ところどころで出てくる現代的な衆道の愛情表現
現代的な会話のようなバカヤローコノヤロー的な笑いの伴うセリフ
この3点で自分は何を見ているんだろうか?と思わされる。
なんだったらメイキング?とも。
はちゃめちゃにしたくとも史実的は決まっている手前、そこまでおかしくもできないので何か煮え切らないものを見た感じだった。
たけしの首vsアナログは個人的にはアナログに軍配が上がった。
「さすが」って言わせてと求めてしまう
役者たけしの滑舌と加瀬亮のだだくさなガナリが
聞き取りづらい(悪いとは違う)のはさておき、
西島秀俊がちょっと煮え切らない感じで、
エンケンとのあいだにある
もっとねっとりしたものが垣間見えれば、
もっと行動原理に共感できたのか。
ともかく全編衆道が大きな動機のわりには
誰も彼もエロスが足りない。
色気を出してくれそうな浅野忠信は
相変わらず一歩引いたズルい役どころ。
ほか寺島進やツダカン、六平直政など、北野組大集合。
たけしは大森南朋が好きなのか。
サリーはもはや妖怪。
ともあれ汚いおっさんたちが居並ぶのは最高のひと言で、
なかでもエンケンが西島秀俊をねぶるシーンは
オレは何を観せられてんだ感にシビれた。
同じ東宝の『ゴジラ-1.0』は、
吉岡秀隆とかでなく、もうちょっと目のイった滝藤賢一を
汚して出すなど見倣って欲しかった。
白眉は中村獅童。
頭の悪い役どころをカッチリ演じ、いちばん観入った。
『怪物の木こり』にも出るとのことで愉しみだ。
桐谷健太もよかった。
『ビヨンド』みたいに新井浩文にも傍にいて欲しかった。
2時間11分とのことだが、体感的には2時間半越え。
だからといってつまらないわけではないのだけど、
終盤に至るまで気持ちの置きどころが定まらず、
「あ、獅童でよかったのか。
というかこれたけしが天下取るまでやられたらヤバいな」
と思った矢先にストンと終わってひと安心。
なんというかエピソードの積み重ねの裏というか奥や
それを敢えて外してサプライズさせる部分を
歴史知識にある程度委ねているため、
表層的なシーンの羅列になっているのが
いまひとつ「最高!」と叫べない原因なのかもしれない。
淡々とした死の積み重ねの果てに
見えるはずの寂寥感が見えてこないのだ。
まあ首が飛び交い、血飛沫の舞う娯楽作品に何言ってんだ
という感じだが、
殿にはどうしても「さすが」って言わせてくれと求めてしまうんですよ。
あとホーキング青山の白塗りはよかった!
最高と物足りなさ
グロバイオレンス。いやぁたのしかった。
時代劇の常識を覆しながら、バイオレンスしている。
ただ物足りなさがあった。
秀吉パートのコメディ感がちょっと引っ張りすぎか。
キレ味があることを期待していたので、ちょっと蛇足さがあった。
ただトータル、エンタメ感がありながらの時代劇。
たけしっぽさとエンタメさがつまった作品。
・戦国の実態
残酷でなんでもあり。茂助(中村獅童)が襲われたときに敵の首をとったと、兄貴分的な農民が言ったところを、グサッと刺す。襲われたら凄惨になることを見せてくれる。
秀吉の中国大返しもたいへんさが伝わる。歩き続けるのはしんどいよね。秀吉は吐き続けている。
・影武者ネタ
家康の影武者ネタ好きだなぁ。1人死んだら次だと、どんどん入れ替わる。4、5人目くらいまで影武者出てくるけど、まったく似てなくなる…。
・信長
尾張言葉でなに言っているかギリギリなところ。ちょっと頭おかしいくらいぶっ飛んでる。はじめは怖さあったけど、テンションが同じだから、途中から怖さ半減。
本能寺で能を見ながら、全員殺して自分も死ねばスッキリするというのはこれが本音なのか。目に涙を浮かべている。このあたりもっと早めに出してもよかったかもしれない。
・男色
信長と森蘭丸、弥助。はげしく絡み合う場面が見れたのは、本作ならではか。
光秀と荒木村重は、どちらもイケメンでもよかった?エンケンだとおじさんすぎて…。もっと惚れている感じがあってもよかったけど、そこまで伝わらなかった。
そして信長は光秀に感情があったのではないか?という展開はおもしろい。愛憎というのはいい。
・暴力シーン
信長が荒木村重へ刀を刺したまんじゅうを食べさせる。グリグリねぐりこんで、村重の口のなかが血だらけになる。トラウマ描写出ましたね。
・人種感覚
弥助が虐げられていてちょっと馬鹿にされている。そして信長に止めを刺すのは、弥助。弥助が黄色人種として信長を差別的に見ていたことがわかる。首をもっていった弥助。
・切腹シーン
清水宗治(荒木良々)が切腹する。かなり長い。それを突っ込む。まだやってるの?
・キム兄
カッコよかった。新左衛門という役。信長を撃ったといわれる息子。なにが得意か?というと、噺家。おもしろい噺をするというのもいい。サバイバル力があるのもいい。影の主人公。
利休のもとの大竹まことと、差し違いも見せずに、相打ち。
北野武にしか撮れない
一言で言うと「こんなげーむにまじになっちゃってどうするの」という挑戦状のような作品。
評価は分かれるだろうが、「人生なんてこんなもんだよ」と監督がニヤニヤしながら言ってそう。
それくらいラストは笑えた。
作品もこれまでの監督のいろんな作品を思い出させる演出があちこちに。
単純な500年前のアウトレイジではありません。
首取りたけし城(笑)
これはコメディです。
斬首シーンのオンパレードですが、そんなにグロくはないです。
戦国時代はやたらと首取りな時代なのかは定かではないですが、そこに拘るのは裏切りと死が当たり前の世界だったのでしょう。
首を持って来れば死がハッキリするので裏切られることはない。
作中で信長が 世の中の人間皆殺して自分の首を最後に刃ねたらスッキリすると。生きてる世界は地獄なんですね。
やるかやられるかの世の中に生きるのは凄いストレスでしょうね。
残念なところは主役はビートたけしなんですけど、違う方か茂助にした方が良かったかも。
たけし年取り過ぎてるから秀吉に見えないんだよね(笑)
でも出て来る役者さんは皆良い演技してました。
特に荒川良々さんが良かった(笑)
ゴジラと日本アカデミー賞を争うのでは?
あっ まだ埼玉があるな。
戦国を茶化すキタノ節
通常スクリーンで鑑賞。
原作は未読です。
コメディー要素が多めで驚きました。コントと云う評も頷ける。しかしシリアスとのバランスが絶妙で面白かったです。
バイオレンスもいい感じ。戦国版「アウトレイジ」なキャストの怪演合戦が見物で、MVPは問答無用で加瀬亮でした。
戦国の弱肉強食の世界観は俯瞰して見るとかなり滑稽なのかも。そこを茶化しまくるキタノ節が素晴らしかったです。
東宝の本能寺の変。北野武最新作にして最高傑作の誕生
初日、私が見た劇場では、観客がたった四人しかおりませんでした。こんなに面白いのに。
二子玉川とか渋谷、川崎あたりならもっときてたのかな
原作、脚本、主演、監督、編集がたけし。カドカワ製作、カドカワ・東宝の配給。
羽柴秀吉 北野武
羽柴秀長 大森南朋
黒田官兵衛 浅野忠信
荒木村重 遠藤憲一
明智光秀 西島秀俊
織田信長 加瀬亮
徳川家康 小林薫
千利休 岸辺一徳
木村祐一
中村獅童
副島淳
寛一郎
大竹まこと
寺島進
荒川良々
六平直政
仁科貴
津田寛治
桐谷健太
勝村政信
首になるキャラクターと首にはならないキャラクターがいるのだった。
信長、明智光秀は、首になってしまう。
秀吉や、秀長、官兵衛、家康はならない。
VFXの進歩により、本当に首が落ちているように見える。もちろん本当にこんなふうにスパッと切り落とせるのかよく知らないけれど。
とにかく、首が落ちる場面が多い。
これは、好きと嫌いが明確に分かれるだろう。
私は好きだ。昔は、こうだったのだ。
戦国時代は、大河ドラマや、テレビの時代劇のように、血が出ないということはなく、あのくらい血生臭い時代だったと思う、
ただ、あまりにそういう場面ばかりあるので、ギャグのように見えてしまうところが、もったいない。あと、女性が登場する場面が少ないので、万人受けは難しいとも思う。
でも男色をかなり前面にだしたことで、主従関係に緊張感がでた。森蘭丸とか、弥助とか。木村拓哉が織田信長をやれば、もっと面白くなった気もする。いや、冗談です。
一般の農民などは、風呂になど入らず、真っ黒けであったとか、史実に忠実すぎる。
黒人や、宣教師、茶人、芸人、忍びなどのキャラクターもさもありなんと思えてくる。
素晴らしい。もう一度観たい。
演じている俳優がたぶん史実の登場人物よりだいぶ歳くっているのだが、あまり気にならなかった。
西島秀俊は、わりと史実に近いのかも。
木村祐一(「ニセ札」「チコちゃんに叱られる」)がうまかった。
あと、多羅尾光源坊という甲賀の盲目のキリシタンは、ホーキング青山という芸人さんらしい。強烈な存在感があった。
加瀬さんの怪演スタオベですが、松潤家康と同じくビート秀吉に違和感しかない!
金曜レイトショー『首』
どうする家康の物足りないダークな部分が、存分に映像化されており見応えはありましたが・・・
題名通りに斬首シーンが多いので、血が苦手な人はパスした方がいいレベルです。
内容的には、戦国版アウトレイジって感じやね。
もうそろそろ自ら主役じゃなく監督だけに専念した方がいいと思います。
どうするの松潤も家康と同じくらい殿の秀吉はミスキャストで、脳裏に埋め込まれてるイメージとあまりにも違いすぎるのよね。
脇を固める役者さん達は、戦国武将のイメージをスキルで凌駕してるだけに残念。。。。
秀吉の弟を演じた大森南朋さんは、役は違えど大河ドラマと同じような立ち位置だったのが、個人的にはツボで、笑えるシーンも南朋さん絡みが多かったです。
で、加瀬さんの信長・・・・
歌舞伎者を通り越した鬼畜ぶりは、過去信長を演じた役者さんの中ではダントツの怪演!!!
この映画最高の見せ場で、最優秀助演男優賞最有力☆☆☆!
それと北野作品の特徴なのか・・・
今回も女性の活躍や妖艶な描写も無しで、見たくもないオッサン同士の武将愛を見せられる^^;;;
あの役者もこの役者もみんないい
大好きな北野監督作品今回も映画館で観てきました
恥ずかしながら戦国時代の知識に乏しいのでところどころで誰かに解説してほしいなと思った所もありましたがとても楽しめました。多分知識があればもっと楽しめたかもと思います
予告で唯一芝居が気になっていたキム兄が実は主役級に登場しているのが意外でしたが芝居がどうこうはあまり気にならなかったです
信長の方言は地元の人間でもよく聞き取れない箇所がありました、なんとなく北野武の人生観なんかを信長に言わせている感じもしたりしました
出てくる役者さん出てくる役者さんが素晴らしいの一言につきる
光秀のラストも思わずウルッときたり映画のラストも「らしいな」とニヤリとしちゃいました
北野監督のいろんな部分が詰め込まれた北野監督好きで解ってる人なら絶対オススメ
そうじゃない人は地味でつまらないと思うのかもしれない
そうそう事前情報で男同士の描写が結構キツいんだと覚悟していましたが個人的には別に大したことなかったですよ
サワガニ
本能寺の変は男色を利用した策略だよ
というお話。
冒頭の、清流での死体に群がる蟹を
見た時に、
蛆ではないところがいいなと。
エッジがあって、
みずみずしい感性のある絵や
ドキドキが
北野作品として味わえる、
楽しみと
思ったのですが‥
話がすすんでも、
えぐれるようなドキドキも
美しい絵も
クスりと笑う場面も
魅了されるものが
なかったです。
切れるけど研いでないので
切口がイマイチな包丁の
ようでした。
何ヶ月も楽しみに
してたのになぁ
北野武 ミーツ 東宝
予備知識なしだったもので冒頭で驚きました。
あ、東宝なんだ。松竹のイメージが強い。
北野武が東宝で時代劇とくれば、黒澤明でした。
そこかしこにオマージュがみられます。
話も七人の侍を下敷きにしているのは明らかです。
北野武が考える菊千代は中村獅童なのかもしれません。
秀吉、秀長、官兵衛のやりとりは隠し砦の三悪人なのかな。
こすられまくった本能寺の変にうった新しい基軸は衆道をベースにした恋愛のようなもので、それは信長を中心にしたハーレムでもあります。
その信長を狂人として描いていることで、なぜ家臣たちは信長のそばにいるのかが今一つ理解できない。
アニメなどで一人の男に複数の女の子がアタックしてくるハーレム物と呼ばれるものは、中心となる男がいい奴でないとなんでこいつがと思ってしまい、乗り切れないと言われていたのを思い出しました。
この映画のみどころは役者陣の顔でしょう。
だれもかれも情報量の多い顔。
木村祐一VS大竹まことはいいマッチメイクでした。
仁義なき戦いもパロディに
初日初回に観に行き『首』面白かった!男色はノーサンキューでしたが、バイプレーヤー達が最高。遠藤、加瀬、荒川など上手く特徴活かしてる。一番笑えたのは六政(安国寺恵瓊)の仁義なき戦いの大友のセリフのパロディ!(広島ヤクザ同様の喋り方w)たけしはやっぱり天才ですが、役者としては歳をとったなあという感じ。ワンテンポ遅いんだもん!ちなみにグロ苦手な方は見ない方がよい。川を渡るたけしのゲホは虹にして欲しかった😊
情治統治
有岡城での荒木村重の謀反から明智光秀の最後までの信長の、家臣たちの様子を北野武の解釈で描き下ろした悪ふざけスペクタクル。
親方様の乱痴気っぷりに振り回されながらも虎視眈々と天下を狙う武将たちの、策略と色恋と主に秀吉周辺のずっとポケ合戦に、暗躍する茶人に棚ぼた農民等々をみせていく。
明らかにギャグな描写も多いけれど、秀吉を主体にみせていく話し全体が史実をもとにしつつも悪ふざけですよね…あまりに歴史に明るくない自分には少々難しい…(´・ω・`)
とはいえ、そんな自分にもそういう体にしているということがわかるところや、そんな訳ないだろと思える揶揄した描写も多々あるしとなかなか面白かったので、この時代の歴史に詳しい人はもっと楽しめるのかなとという感じ。
新解釈「本能寺の変」。1回の鑑賞で理解は不十分かも。
公開日に映画館で鑑賞。北野武監督。プロモーションにて「構想30年」「今までにない本能寺」「狂ってやがる」などを目にし、期待大で映画館へ。
あらすじは、今更説明不要。「本能寺の変」に至るまでのストーリー。
見たままの感想としては、可もなく不可もなくって感じの作品。「首」に固執しそれぞれが狂っているっていう、見たままの感じで捉えていいいのかは分からない。
「首」というタイトルが何を意味しているのか。北野監督が何を伝えたかったのかを考えると「難しかった」が本音。他の方のレビューなども見てみようと思う。
個人的に良かった点としては、
1つ目は信長・光秀・秀吉・家康といった各人物の描き方。特に加瀬亮さん演じるイカレ信長の演技は必見。まさに狂人。
2つ目は本能寺の変の解釈。(秀吉たちの謀略とはいえ)信長が家康を葬るために光秀を本能寺に呼んだっていう解釈は新鮮で面白かった。戦国最大の謎とも言われる「本能寺の変」。いくらでも解釈があるのが歴史ロマンですねぇ。
3つ目は、最近の時代物としては迫力のある合戦シーン。
切腹や首を刎ねるといった文化は日本人ならあまり驚きはないけれども、それがそもそも狂っているってことなのだろうか。先に書いた通り他の方のレビューが気になるところ。
期待度◎鑑賞後の満足度◎ 壮大な戦国絵巻コメディ。綺麗事の多い戦国時代劇の中で此の様なリアルな描写の戦国ものがあっても良い。でもリアルさだけを求めた映画ではない(矛盾してますが)。そこが北野武映画。
①学校の歴史の授業で教えてくれないだけで、昔の日本では女とするのと男とするのとあまり認識に差はなかったらしい。家を続かせる為には勿論子を成さねばならなかったけど。
特に戦国時代は顕著で、何故か本作では登場しないけれども前田利家と織田信長とは肉体関係があったし(恋愛感情が有ったかどうかは分からない)、織田信長と蘭丸との関係は有名というか、元々小性はそれもお務めの一つだったし。
明智光秀と荒木村重とがそういう関係だったという話は読んだことは無いけども(ただ有っても不思議ではない時代です)。
武田信玄が家来(だったかな?)に熱烈なラブレターを出していることも有名な話。
上杉謙信は、女っ気がないところから「上杉謙信=女」説も有るが、単に男一筋だったからかも。
だから多分当時は少なくとも武士の間では「バイセクシャル」という観念はなかったと思う。みんなやってたから。
もし織田信長が天下を取っていたら男同士の関係に現代ほど偏見はなかったのでは、と思う事がある。
女好きだった豊臣秀吉と徳川家康が天下を取ったので今みたいになっちゃった気がする。
明治時代に西洋の文化(キリスト教文化)を取り入れた際に同性愛は良くない!みたいになっちゃったけど、かつて其方の方面では先進的だった日本が今では欧米に遅れを取っているのは皮肉。
江戸時代迄は辛うじて「武士のたしなみ」という形で残ったけれど。
戦(いくさ)の前や後ではアドレナリンが出てテストステロンも多く出ただろうからセックスがしたくなる。でも戦場の中まで女性を連れてこられない。だから男同士でする、という実用的な面もあったんでしょう。
それに「人をみたら泥棒と思え」じゃないけど、いつ裏切られるか分からない、味方でもいつ首をかかれるか分からない、相手に情けなんかかけていられない(劇中で何度も“忠誠心”を問われたり会話に出てくるのもそれゆえ、でも下剋上の世界だから当たり前なのだ)中で唯一信頼出きるのが(体の)契りを結ぶこと、恋愛関係になることだったという側面もあったと思う。
ただ、“サムライの惚れたはれたは××××××”との明智光秀の台詞にあるように絶対的なものでもなく、契りをを信じた人の良い荒木村重の末路と、織田信長のふいをつけた明智光秀との違いをみせるドライな視点も北野武ならでは(史実では、生き残るのは荒木村重の方ですが)
②と、前置きが長くなったけれども(一度書き留めて置きたかった)、描写はリアルだけど(本当に人を切ったらあれ程血が出るし-というか、もっと迸る様に思う、首を集めて並べて洗ったのも本当、戦国時代の女たちは男達が挙げてきた首を洗いお歯黒をつけ如何にも身分の高い武将の様にみせた-報酬が高くなるから-という下級武士の娘が書いた実録記も残っている)、戦国時代を描いた映画を作るのに実際に近い描写をしているだけで、リアルさだけを描きたかったわけではないと思う。
③現代人の感覚ではあまりにもアッサリと人が殺されるが、“日本人はすぐ人を殺すのにはビックリした”と安土桃山時代に来日したルイス・フロイスの日記に書いてある。
④登場人物の内面が一切描かれていないのも興味深い。そういう面から見ると実にハードボイルドな映画だ。
⑤ビートたけし扮する豊臣秀吉が、豊臣秀吉を演じているよりビートたけしそのもの、というのも計算ずくのことだろう。
⑥ビートたけしの豊臣秀吉、大森南朋の丹羽長秀、浅野忠信の黒田官兵衛のトリオの芝居は殆ど漫才みたい。
ボケ役のビートたけし、ツッコミ役の大森南朋はともかく、浅野忠信は真面目な芝居をしているのに何とも言えぬ可笑しさが漂う。
⑦小林薫扮する徳川家康に関しては、影武者説は特に目新しくはないけれども、しつこいくらい何度も描かれるのが段々可笑しくなってくる(影武者にされた者の顔面のひきつりも描いているのに)ダークなユーモアのセンス。
⑧織田信長、豊臣秀吉、徳川家康も、その天下取りも、実際はこんなもんだったんじゃない?という面白いけれどもシニカルな視点も北野武ならでは。
扮する俳優陣の、その視点に添った人物造形。
(確かに、シリアス好きな日本人の心性、カリスマを求めたがる一般人の心性が後々形成される信長像、秀吉像、家康像を作って来たのかも知れない)
⑨明智光秀が織田信長を討ったのは、織田信長の悪魔のような諸行に耐えられなくなった為ではなく、魔王の様に想い従って来た信長が世襲を考える単なる普通人だったから、という解釈は面白い。
なお、織田信長を討ったので明智光秀は悪臣扱いされるが、当時としては当たり前のこと(下剋上)を行動に移しただけ。
主君を討つのが「悪」と見なされるようになったのは徳川の世になってから。
⑩大した芝居はしていないようで、佇まいだけで腹の底が知れない千利休を造形する岸田一徳の存在感。
⑪声に出して笑ってしまったのは二箇所。
一つ目は、高松城水攻めを締め括るシーン。介錯を頼んだ荒川良々扮する清水宗浩が(普通は腹に刃を刺した時点で首を落とすんじゃなかったっけ?それはもう少し時代が下がってから?)、首を落とされる前に顔を上げたら秀吉の兵が高松城に攻め込んで行くのを見て“ええっ”と言ったところ。その後落とされた首を家来が水に飛び込んで拾うシーンも併せ(本来悲壮感溢れて描かれる場面なので)不謹慎だと思いつつ笑わずにはいられなかった。
もう一つは、「中国大返し」のエピソードの中で力士のような男達に担がれた渡しに乗った秀吉が酔ってゲロを吐くところ。笑ってしまった。
色んな映画やTVで観てきた「中国大返し」だが、このシーンも含め、本作の描き方が一番実態に近かったのではないかと思わせた。
⑫史実では、荒木村重の謀叛の後、織田信長は荒木村重の妻子・側妻を小屋に閉じ込めて火を放ち焼き殺したのだが、本作は河原での打ち首になっていたのは“首”というテーマを強調したかったためか。
⑬サムライなら誰もが欲しがる“首”を農民だった秀吉は蹴っ飛ばす(秀吉と同じく農民ながらのし上がりたかった茂吉が“首”に拘って友達を殺したり命を落とすことになったのとは対象的-中村獅童好演)ラストに北野武監督の本意(反骨精神)が表れている様に思うし、題名を“首”にした意味もそこに有るのではと思うけど、どうだろう。
⑭茶化し、とリアル。この二つを違和感なく融合したことが本作のユニークさ且つ面白さだろう。
加瀬亮の織田信長好き
宣伝の仕方がうまい。
そのひとことに限る気がします。
予告がすべてで、正統派の時代劇を観たい方には
予告以上のものを本編では期待しない方がいいのかも…。
30年もの構想を経てと言われたら
とんでもない作品が生み出されたか!!と
期待爆上がりでしたけど、ビートたけしのコントを
長尺で見せられた。それに尽きるかな。
あと、邦画あるある「せりふが聞き取れん」問題が
本作にも多々あって「あ゛っ?!」って何度もなった👂
あれ、どうにかなりませんかね🤣
北野武作品ならではの、武闘派作品を
時代劇でみれると思っていたので(アウトレイジ時代劇版)
ここまでコント臭が強いとなると
キム兄の「みんなアホか」がそのままの感想になります。
まぁそれを狙っているのでしょう、ただ単に自分が
北野ワールドにハマれなかっただけですね。
豪華キャストには震えるし、個人的には加瀬亮の
織田信長は最高に狂っていて大好きです。たまりません(笑)
めっちゃファンになります🧡
尾張弁に大変苦労されたようですが、立ち振る舞い
悪魔の所業、蘭丸との絡みや明智光秀との想いやらは
わたしの萌えポイントです🤤
ビートたけし(羽柴秀吉)大森南朋(羽柴秀長)
浅野忠信(黒田官兵衛)3人のシーンは
きっとアドリブが多かったんだろうなぁと笑えました。
ビートたけしの壮大なコントかつ、男色感が強いです。
それらが苦手な人にはますます合わない思いますが
個人的には女性が出ていないのはめちゃくちゃ好印象です(笑)
期待しすぎたか。。。
信長役の加瀬亮の狂気の演技、秀吉・秀長・官兵衛のアドリブ込みのやり取り、荒川良々の自害時の間の抜けた演技(清水宗治のこれまでのイメージが。。。)とか、は良かったんだけどねぇ。
タイトルの『首』を獲るという戦国時代当時の一番の武功の価値観を皮肉めいて描いたんだろうけど、当時にはそういう価値観があったのをこの時代から皮肉ってもなぁという感じでしょうか。もしくは、現在も残る日本の価値観への皮肉なのか。
期待して初日に観に行きましたが、期待しすぎたか肩透かしを食らった感じです。
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