首のレビュー・感想・評価
全153件中、21~40件目を表示
本能寺の変、秀吉黒幕説
................................................................................................
信長が超パワハラ最低野郎だった。
しかも後継者に息子を立てるつもりであることが判明。
後釜を狙って我慢してた秀吉や光秀はキレた。
秀吉が唆し、光秀が本能寺の変を起こした。
炎の中、信長を殺したのは何と弥助だったw
秀吉は十分に準備できたので、備中大返しができた。
で光秀を討って天下を取った。
................................................................................................
うーん、何か今イチやったかな。割と眠かった。
まあたけしっぽい秀吉は、キャラ的に面白かったけどな。
ダンカン馬鹿野郎のノリで、秀長馬鹿野郎とか言ってるし。
描写は全体に残酷で、登場人物ほとんどが死ぬ。
あと信長が光秀を愛してたり、男色ネタが随所にあった。
寒いギャグなどで話の本筋がズレる
武士の名誉やルールを重んじることの馬鹿馬鹿しさを描きたいのだろうと思うが、北野武演じる秀吉とその周りのギャグがところどころ入りとても冷める。どれもアドリブで進んでいるんだろうか?というくらいクシャクシャなシーンだった。また、芸人が多く出演しているがあまり上手いとは言えずさらに雑味が増していた。
男色のシーンもあるが男たちの間にある感情やこれまでの関係の積み重ねが何も感じられない空虚な演技ばかりで、これに時間を割く意味がわからなかった。北野武によって集められた人たちがとりあえず言う通りに脚本に書いてあることをなぞっているだけのように思えた。
CGやセット, 小道具や、命を奪うことに終始した汚い殺し方はそれなりに良かったのでなお残念に感じた。
その数少ない良さも、途中なぜか服部半蔵たちが明らかにワイヤーに釣られたように空を飛んで戦う謎のシーンでぶち壊されていた。
酷評が多いが悪くなかった
戦国時代にLGBTが有ったことは、分かるが、それが歴史に関係したとは思えない。
また、映画で、しつこく取り上げるのも違和感。
戦国武将の思惑が入り乱れたのは、その通りだと思う。
信長の狂気は有ったとは思うが、あれでは、軍団はまとめられない。
でも、戦国時代の雰囲気は、感じられたので良かった。
気軽に見れるものではない。
鑑賞より前持って、戦国時代のリアルな人間像を描いていて、今日の倫理観とはかけ離れたキャラクターが描かれているのは分かっていた。
だが、グロテスク面に振っているのかと思っていたが、男色の方にリアルに描いていて中々エグくて新鮮だった。
戦や戦闘シーンは迫力があり、この規模の実写のシーンが撮れる監督は今は多くないだろうなと思った。
俳優陣が豪華で、特に光秀役の西島秀俊氏と荒木村重役の遠藤憲一氏、茂助役の中村獅童氏は、より光っていた。芸人も多く出ていたけど、そこまで違和感が無かったし、曽呂利役の木村裕一氏はその中でもメインのキャラだったが、キャラが立っていて良かった。
冒頭のタイトル「首」がデカデカと黒く映し出されて、赤になって血生臭くなるのはとてもかっこいい。
ストーリーは基本的に歴史に則っているので、そこまで大きなインパクトは無く、秀吉が裏で暗躍しているのも特に目新しさは感じなかった。
そして、じゃあその裏で手を引いている秀吉がかなり頭のキレる人物として描かれているのかといえば、微妙である。
一応、官兵衛や秀長に指示は出すものの官兵衛や秀長の策に仕方なく応じて後から悪態をつくだけで、実力が分からない。子分に弱い者いじめをさせて、それをニヤニヤ見ているだけのガキ大将という感じで、あまり活躍しない彼が主人公である意味を見出せない。
光秀に信長を討たせる策も壮大な策略を張り巡らせているわけでもなく、猿芝居と謎に有能過ぎる、羽柴勢からすればポッと出&使い捨ての曽呂利が都合よく活躍する流れだ。
また、ギャグシーンとして捉えらるべき箇所が自分は笑えなかった。面白くないという意味では決してない。むしろ、ビートたけし氏の笑いは大好きだ。だけれど、序盤から見せられる生々しい描写や緊迫した雰囲気の中であれを見せられても笑える準備が自分には出来ていなかった。周囲の観客はクスクスと時には大きくハハハハッと笑い声が聞こえたけど、自分には信じられなかった。例えば神妙な切腹シーンであるにも関わらず、秀吉や秀長が待てないで先に行ってしまう。という笑いだが、理屈は分かるものの、腹から、そして斬られた首から血が噴き出しているのに観客が笑っていたのは、中々衝撃的だった。俺がピュア過ぎるのか?
信長があっさり討たれて以降、流れるように後処理を追うことになる。光秀が茂助に首を差し出すシーンは潔くサッパリしていてかっこよかった。まあ、騙されそうになるが、彼も彼でエグい人間性だが。
曽呂利の最期について、間宮(大竹氏)が反撃を全く警戒していなかったのがアホすぎる。
最期のシーン。首実検の場面だが、映画内でも目の前に相対し、おそらくそれまでも何度も関わりがあったであろう光秀の首を、劣化、汚れているからといって3人とも誰も分からないということがあるのだろうか。秀吉が「光秀が死んだことが分かれば首なんてどうでもいい!」とタイトルを回収するが、この首を見逃せば本当に死んだかどうか分からないと思うのだが。。対比として描いているのだと思うが、光秀はだからこそ信長の首にこだわっていたはずだ。大義が立たないからと。
で、よくあるここで終わりかい!パターンで終了。
戦国ものの映画は沢山あるが、この規模の映画での世界観や表現は唯一無二に近い。「まあこのジャンルだとこういう線引きだよね」という固定概念をぶち壊して、しかも今の時代にここまで見せてくれるのは本当に凄い。そこが素晴らしいし、この監督だから通ったし、出来たんだと思う。
信長が、百姓から昇ってきた秀吉に特別な愛情()を注いでいてもおかしくはないと思うのだが、なぜそういうシーンは無かったのだろうか。笑
森昌行プロデューサーを欠いた北野作品
死と隣り合わせにあるような北野ブルーの乾いた砂漠のような美しい情景は何もなかった。
監督自ら語っているように、NHK大河ドラマでは見られない本物の戦場を撮りたかったとのことで殺戮シーンが頻繁に登場したが、蝋人形でつくられた首がこれでもかとこれでもかと落ちるほどリアルな死から遠ざかっていった。戦国版『おっさんずラブ』はただ気持ち悪いだけで『戦場のメリークリスマス』のような美しさは感じられなかった。
ビートたけし演じる羽柴秀吉は呂律が回っておらず、まったくもって台詞が聞き取りにくかった。織田信長があれだけ尾張弁で暴れ回る中、同郷の秀吉が東京下町言葉で「バカやろう」を連発するのには興醒めした。
また無駄な登場人物が多く、とくに信長の息子宛の書状を所持している甲賀の里の盲目の切支丹・多羅尾光源坊という存在などは全く無用だったのではと思われた。
とにかく構成と編集が甘く北野武監督映画は森昌行プロデューサーあってのものなんだなとつくづく思い知った。
次回の北野作品に期待したい。
これぞ戦国!
戦国時代を描いた映像作品って結構ありますが、わたしがイメージする戦国に一番近い映画でした。
大河ドラマもあれはあれで面白いけど、綺麗すぎるって北野武監督の話は完全に同意でしたのでどんなものかと思ってましたがわたしの織田信長もこのくらい傍若無人なイメージ、いや映画は想像以上でかなり面白かったです。あれはみんなに恨まれる。信長を取り巻く、明智も秀吉も家康も三者三様に非道で面白い。非道といっても当時はそれが正道なのでなにも問題ない。衆道も描かないと戦国時代の映画としてはパーツが足りなかったんだなぁとこの映画で納得してしまいました。惚れた腫れたで物事が動くのは現代でも同じですね。
北野武監督の映画で笑ったことはなかったのですが、この映画ではちょいちょい笑いました。映画をとりまくあの死生観に反して、秀吉トリオがどうでもいいことでちちくりあってるのをみると笑えます。あと信長の手のひら返しも笑った。緩急が絶妙。
ひとつ不満が。完全にわたくしめの好みですが、私の好きな前田利家がどうして信長の周りにいないのか。信長公のエピソードを後生に広めたのは利家と言われてるくらいなのでいてもおかしくないと思うのですが。柴田勝家もいなかったので信長を慕う家臣は話の本筋ではなくなるのでいれなかったのでしょうか。信長と利家エピソードも北野武監督目線で見たかったです。
総じてとっても面白く興奮した映画でした。
ちょっと、SEデカすぎじゃない?
まず、最初に思ったこと。「音バン」で迫力出すのはなあ、、、画面で出さないと!迫力は!
信長と光秀は好演だったね。他にも光る演技はあった!
そして、信長の前で披露された能がまあ、素晴らしくって。もちろん、ほんの数場面なんだけどね。所作のせいなんだろうけど、所々「無重力感」が感じられて、すごいな、と思った。
全体的に「笑いどころ」を散りばめすぎかなあ。特にセリフぽくない、素のやり取りのところが結構「楽屋ネタ」風でさ、「大作」の風格が損なわれちゃったよね。
タイトルの「首」に関わるエピソードが後半なもんだから、ちょっとぞんざいになったかなあ。大事に大ごとにしておいてのあのラストならまあ、落ちるけど、そもそもこの映画で「落ち」は必要か、ってことだよね。
初期の「キタノ映画」にあった殺伐さやノワール感が最近作ではなりを潜めてて、「お茶目さ」を随所に出していく路線、うまく行ってないような気がする。確かにそういう「おふざけ感」は「ソナチネ」とかにもあったけど、あれはそう言う場面だからこそで、いわゆる「リアリティ」なんだよね。
それと必要以上に「男色感」を出しすぎなんじゃないかなあとも。そうだったのかもしれないけどさ、それを全面に出すリアリティ感はこの映画のテイストのメインなのかな?という疑問。
俳優たけしは結構頑張ってて、いい味出してだけど、実際の人間関係における年齢バランスはどうなの?ちょっと秀吉やるには老齢過ぎたんじゃないかなあ。
武士のカッコよくないところにフューチャーして、新たな一面をだそうとしたのかもだけどねえ。
あと、引きのアングルがあまりなくて「壮大さ」が感じられなかったのも物足りなかったかも。
原作、脚本、監督、編集とギャラが集中してるよねえ、、、、
次回作、あるのだろうか?ネタ的、年齢的に、、、
これのよさがわからなかった
R15で悩んだけど、、笑えるとかもあったし、キャストとも気になったから見てみました。
、、うーん😓
これ、いいのか?
私には良さがわからんかった💦
首はめっちゃ飛びます、グロいしえげつない。
それはまあ想定内。確かに狂気ですね。
笑い、、?まったく笑えなかった。
なんかふざけたことはたまにしてるけど、、違和感あって白けるし興醒めした。
座頭市はよかったのにな
まー、監督は自分を監督できないんだから、出演しない方がいいと思う。演技も浮いてみえた。
寺島さん、浅野さん、桐谷さんはかっこよかった!
信長は怖すぎた。加瀬さんやばい、、
刀でまんじゅう突き刺して、それを荒木に食べさせるシーンは目を覆います。方言はよかったけど、あそこまで残酷?あれで人ついてくる?
光秀もなんかなぁ、、何したいの?って思った。
秀吉が本能寺の変を知って、中国地方から姫路城に向かい、山﨑の合戦に参加したのは有名な話だけど、知ってるからわかるけど、知らない人から見たらなんでそんなに必死になってるのかと思いそう。ゲロ吐くとかいる?
あと、おっさんずラブ、まじいらねー😱
圭くんや鋼太郎さんみたいな可愛さとかなんもないし💦
信長と蘭丸は有名だけど、あの信長はなんかやだー。
光秀と荒木もやだー。あのシーンいらんでしょ。
こういうのは美しく作ってほしい。きもいだけ。
こういう時代劇ってなんでいつもえらい年上がやるんだろうね?
もっとリアリティのある年代でやってほしい、、
おっちゃん達の男色は正直気持ち悪い
この映画の重要なモチーフに男色がある。
だから、「首」を地上波で見ることは無いだろう。
ま、北野作品のほとんどはその過激な暴力性て無理だけどね。
で、男色だが
ここでは、当時当たり前だった男色により、あらゆる事件が起こされるかのように描かれている。
本能寺の変は、明智光秀と織田信長、荒木村重の三角関係が原因の一つとして面白い。
それにしても、おっちゃん達がひとつの布団に寝たり、唇を貪ったり、蘭丸のケツを掘ったりする描写は、過去に邦画でここまであからさまな表現を見たことがない。
それにしても、従来の桶狭間以降の織田信長の神がかった戦いや施政については描かれず、本作の信長はサディスティックな狂人にしか見えない。いいのかこれは?
一方、ハゲネズミあるいはキンカン頭こと明智光秀は、さわやか西島秀俊が演じているので、より善良かつ誠実に見える。なんで、あの人が不細工な(失礼)エンケンさん(荒木村重)と恋仲なのかわからん(笑)
北野監督自ら演じる秀吉はいくらなんでも歳をとりすぎている。史実からエンタメを取り出した視点は秀逸だが、49歳の信長、45歳の秀吉、39歳の家康に対し明智光秀はもう少し年上とされている(55とも、60以上とも)
人生50年時代の戦国であったとしても、76歳のビートたけし、72歳の小林薫家康も老けすぎやん。
その辺はええんか?
この映画では、首が重要なアイテムだ。写真もない時代、見知っている者の首検分が大切になるのはわかるが、光秀の首を「きったねーなあ」と言いながらバコーンと蹴りとばすシーンで終演。なかなかのブラックジョークだけど、カンヌの人達はどう思っただろうかと思いを馳せた。
中村獅童演じる茂助は農民から秀吉のように侍大将を目指すが、結局光秀の首を得た後その辺の農民に殺されてしまう。実に軽い命だったが、いい演技だった。
コント映画
映画ではなく、長いコントを見てるようでした。
笑えました!
加瀬亮さんの信長最高です。BLとか正直苦手ですが、楽しく見れました。
話が一定と云うか、山がないと云う表現が正しいのかわかりませんが、単調だなぁって思いました。誰にも感情移入させない映画、あえてそうしてるんだと思うんですが、面白い部分を切り取って繋げましたって感じです。
首を蹴飛ばす最後がなんとも虚しい、いい映画でした。
戦国絵巻を真っ正面に捉えつつも斜に構えて観ると楽しめる「アウトレイジ」戦国版ですかねw
話題の作品を鑑賞しました。
で、感想はと言うと…他の方も言われてますが、…まあ、「アウトレイジ」戦国版w
キャストはとにかく豪華。
これでもかと実力派が連ねていて、端役に近い役でも名の知れた役者が参加しているのは流石世界の北野監督。
西島秀俊さん演じる明智光秀と遠藤憲一演じる荒木村重が衆道だったのに、西島秀俊さんが出演している「きのう何食べた?」と少し照らし合わせてしまったw
とにかく出世や下剋上に取り憑かれた戦国武将達のあの手この手の策略と化かし合い、騙し合いが生々し過ぎる。
戦国武将と言うのはいろんなジャンルでも取り扱われているので些か美化された感があるだけに、本当なら多分こんなもんだろうと言う生々しさが賛否分かれるところ。
加瀬亮さん演じる織田信長が取り扱いの難しい人物と言うのは分かるけど、ヒステリーかつカリスマ性が皆無に見えるように描かれているのはちょっとビックリ。
たけしさん演じる豊臣秀吉も結構恰幅が良いので、史実ではそうなのかもだけど、秀吉は小柄なと言うイメージが強いのでそういった点でも北野節で描かれてますね。
誰も良い奴が居ないのが北野監督らしいし、戦国時代の出世争いなんてこんなもんかと思うとリアルっちゃあリアル。
でも、誰も憧れるような存在が居ないと言うのもなんだかな~って感じw
唯一まとも(そう)に見えるのは西島秀俊さん演じる明智光秀ぐらい。ただこの時代、正直者が馬鹿を見るではないがまともに受け取ると寝首をかかれることは日常茶飯事なのでより狂っている方が上に上がっていけると言う狂気の沙汰がまかり通っているだけに誰もが一癖も二癖も持っている。今の政治の世界の探り合いどころではないだけに、確かに北野監督の本領発揮のジャンルかと思いますね。
所々にアドリブの掛け合いがあり、アウトレイジほど重々しくないからこそ、小ネタを挟み込めるバランスが良い。北野武では重く描くところにビートたけしで出演している妙があるのかと思います。
冒頭初っぱなから首の無い死体が川に横たわっていると言うオープニングからぶちかましてくるのが如何にも北野作品っぽい。
信長が本能寺で死を迎え、明智光秀が討ち取られるまでの流れは有名なのでここにブレは無いのは安心して観ていられるが逆に実は信長はこうして生きていたなんて、描いても北野節が利いて面白いかもw
いろんなエピソードが伏線と小ネタ的に盛り込まれているけどハードな描写が多いので観る側にも緊張を突きつけられるのでちょっと疲れる。
政治の世界にヤクザ社会を盛り込んだような戦国絵巻は正直、華々しさは皆無。
面白いかと言えば面白いけど、笑える要素はかなりのブラックジョークで下品と言えば下品だし、下世話と下世話。
でも常に緊張感の中に身をおきながら、良い意味でも悪い意味でも「明日は我が身」であれば開き直りもするし、何気ない仕草や初動がいとおかしに感じるところもあるかと。
夜中に気の置けない仲間とダラダラと他愛もない話をしながら酒を飲んでる時に、なんか妙にツボにハマる時の笑いに近いのかなとw
確実に観る人を選ぶし、多分子供の時には観ても全く刺さらない、ある意味大人の作品。
北野作品が好きな人と戦国合戦を斜に構えて観れる人には合っているのではないかと思いますw
初めての北野映画を見た感想
北野武監督の映画がこんなに酷かったとは
正直驚きました。
上映時間131分はちょっと長く感じました。
脚本ですが、中村獅童さんが演じる茂助が
ラストで死んでしまったのは非常に残念でした。
あと男同士の絡みは、史実にあり重要なことだと分かりますが、あれほど強調しなきゃいけなかったかと思うと疑問に思います。
戦闘シーンは大変迫力があり、評価できる点でした。
これを見るためにチケットを買う価値はあると思います。
総評にはなりますが、戦国歴史オタクの人なら十分楽しめる作品なのかなと思います。
140分はちょっと長い
悪くはないけどそんなに面白くもない映画でした。
戦争は所詮、侵略するためのもの。大義なんてなんでもいい。
首なんてどれが誰のだかわからないし、歴史上の人物も本人なのか影武者なのか生きているのか死んでいるのかよくわからんという、言われてみればそりゃそうだなという感想です。
柴田理恵のクノイチがとても恐ろしいです。
現物信仰へのアイロニー
外部からは全く不可視な最期の場面においてさえ「誰が誰に介錯するか」という武士のアイデンティティをめぐる問題、あるいは「介錯」という事実そのものに拘った信長。信長の死は疑い得ないにも関わらず、己の名誉心のために「信長の首」という現物に拘った光秀。二人は呆気なく死んでいく。
これに対して、替え玉作戦、言い換えれば「体裁と内実をズラす」ことによって暗殺を免れた家康、敵を陥れるため「信長は死んでいない」などの誤情報を躊躇なく流すとともに「光秀が死んでさえいれば首なんてどうでも良い」と言い放った秀吉。この二人は最後まで生き残る。
「首」というのは、「いま・ここに」現前するアウラを象徴している気がする。空っぽな情報・表象が先行しがちな世の中でも、そうしたアウラは内実・現前を保証する権威を持つように思われる。しかし、実際にはそうした現物信仰もある種のフィクションでしかない。実際、最後の場面で秀吉たちは、光秀の首が目の前に「現前」しているにも関わらず、それに気付かず「汚い首だ」と言って捨て放っている。現物の現物性(アウラ)さえ、結局は表象・情報に依拠するものだということになる。正確に言えば、表象・情報があって初めて、「元々」アウラを有していたと「事後的に」認められるのである。
侍の契よりも天下の重み
これまでも本能寺の変は映画やドラマで何度も描かれてきたが、やはりと言うべきか北野武監督が描くと戦国時代版アウトレイジといった趣になっていた。 サイコパス織田信長を筆頭に、誰もが何をしでかすか分からない狂気を秘めており、画面に漲る緊張感は凄まじいものがあった。 かと思えば盛大な猿芝居を観ているかのような拍子抜けする場面もあり、この狂気と茶番の融合がこの映画の面白味なのだろうと思った。 信長は根っからのサイコパスなのだろうが、秀吉が自分の力を誇示するように脅しをかける姿は自信のなさと臆病さの表れだとも思った。 秀吉に限らずこの映画に登場するほとんどの武将が、実は臆病を隠そうと虚勢を張る子供のような存在なのだと思った。 駄々を捏ねる秀吉を宥める秀長と黒田官兵衛のやり取りや、戦陣に影武者を立て続ける家康の臆病さはもはやギャグになっていたが。 これは信長に翻弄される家臣たちの愛憎の物語でもあり、首=天下を獲るという野心に突き動かされた男たちの物語でもある。 信長は光秀や荒木村重に、何度も跡目を継がせてやろうと思わせぶりな態度を取るが、信長に淡い恋心のようなものを抱いていた光秀や村重は、彼に忠義を尽くした結果無惨に裏切られることになる。 信長は謀反を起こした村重を討ち取れと家臣に命ずるが、彼と恋仲になっていた光秀は命令に背いて村重を匿ってしまう。 村重は言葉巧みに光秀に信長を本能寺で討つように焚き付ける。 が、最後は村重も光秀にあっさり切り捨てられてしまう。 結局は侍の契=愛よりも野心の方が勝ってしまうのだ。 この天下を獲るという野心が非常に醜いものとして描かれている。 その象徴となるのがタイトルにもなっている首だ。 百姓の茂助は友を殺してまで侍になるために大将首を手に入れようとする。 焼けただれた本能寺の跡か光秀は何としても信長の首を探し出せと怒号をあげる。 そして秀吉も光秀の首を必死になって手に入れようとする。 最終的に光秀の死が分かれば、首などどうでもいいのだと癇癪を起こすのだが。 ひとつ印象的だったのが、備中高松城主の清水宗治の切腹の場面だ。 清水は侍としての義を尽くすために舟の上で厳かな舞を舞うのだが、それを秀吉たちは「まだ斬らないのか」とうんざりしたように眺める。 その姿には侍としての矜持も何もない。 実際の秀吉や信長や家康がどんな人物だったのかは分からないが、案外これがリアルな姿なのかもしれないと思った。
信長の狂気
北野武監督の「戦国時代って大河ドラマとかで描かれているような綺麗事じゃないんだよ」という視点で描かれた戦国版アウトレイジとも言えそうな「全員悪人」感満載の極悪エンターテインメント。
とにかく加瀬亮さんの織田信長を見るだけでも価値アリ。普段の加瀬亮さんの温厚そうな見た目と真逆の狂った演技が最高でした。
キム兄(曽呂利新左衛門)、事実上主役じゃないですかというくらい良い役でしたね。ハマってました。
たけしさん、大森南朋さん、浅野忠信さん(秀吉、秀長、黒田官兵衛)の3人のシーンは、おそらくたけしさんがアドリブで暴走されている(褒め言葉)のだろうなあと、クスッとしました。
そこで終わるか!というラストシーン、北野武監督らしくて自分は好きです。
美化されていないどろどろの時代劇、この方向性で幕末版や源平版なども観てみたいです。
(お茶の間で家族と一緒に鑑賞する事は絶対にできませんが…)
※ちなみに大河ドラマも大好きでほぼ毎年視聴しています
北野節全開の戦国絵巻!難波茂助:中村獅童だけでも観る価値あり。
冒頭から強烈な映像、多分この手の作品が苦手な方なら「うっ」とくるでしょう。戦国を描いた作品数あれどある意味あの狂気の時代に生きていたら思うであろう世界が強烈に描かれている。
コンプライアンス・倫理、今なら当たり前に語られる言葉もこの当時ある訳もない、武士としての心得はあったのかもしれないが。所詮人間も一匹の動物なんだと痛感させられる。
内容として史実に基づいているかはあまり問題ではない、百姓から成り上がる様なその世界は問答無用の一言、殺し・騙し・力をもって成り上がる人間の姿は戦国時代のリアルそのものだ。映画「ラストサムライ」や大河ドラマではある意味カッコいい「侍」が映し出されるが実際その乱世に生きていたらどうだっただろうか?人しての尊厳など蹂躙されまさに弱肉強食の世・・・今想像するだけで恐ろしい。そして、この進化を遂げたはずである現代でも世界のあちらこちらで無慈悲な殺戮が繰り返されてる現実に憤りを感じるのは私だけだろうか。
現代に生きる我々が四百数十年前のこの時代をどの様に見て、感じるのであろうか。
安土桃山城の天守から見る景色は今も昔もさぞ美しいだろう、千利休の侘び寂びの世界も静謐で簡素な美しさに違いはないだろう、しかしその実はただ侍大将になる事だけを夢見ていた百姓難波茂助の姿に全てが凝縮されている様な気がする、中村獅童の演技はなんというか演技を超えた気色悪さとただの本能だけで成り上がろうとする人間の本質を十二分に表現している。この作品は秀吉や信長による戦国武将の映画であると共にその実はなもなき平民達の泥にまみれた語られる事もない底辺の現実の話しなのかもしれない。
全153件中、21~40件目を表示