コヴェナント 約束の救出のレビュー・感想・評価
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権力の空白が生まれた土地の、協力者のはかなさ
不謹慎かもだが面白かった
一時期ニュースでよく聞いたけれども米軍撤退により名前もあまり聞かなくなったな…と思っていたら、現在もガザ地区で行われている虐殺に関わるのがタリバンと現在も進行中のことである。
それゆえ面白いと言ったら不謹慎なようにも思うけれども、映画として面白かった。
ガイリッチーが?と驚いたけれども、ある意味大きな戦争の意味を問うというよりも、立場を違えた者同士の友情に焦点を当てたのが解りやすくて成功しているように思う。
次々と迫り来る敵、やらないとやられる。そんな場面の連続で、人殺しは罪だと正義論を言ってられるのも平和な場所にいての主張に過ぎないとしみじみ思う。
弟やその手伝いした者たちは残って大丈夫なの?
若干友情に至るまでのそんな何かあったかな?て気にならなくもない。当初は米軍を連れてかないとビザがおりないから、が理由だったんだろうがいつしか互いの間に友情が芽生えてた…らしい?そこが弱いと言えば弱いかも。
それにしても曹長の妻は男前ですね!
チャウチャウ…
熱い男の友情ドラマでした。
ハラハラ感はいいけど
何か物足りない。2人の男の絆の《背景》を描く場面が欲しかった。ただただ義理堅い通訳が基地まで必死の100キロ旅。後半のジェイクが通訳家族を見捨てられないっ、と嘆く場面は『わかるよーその気持ち』思い出せば思い出すほど、いてもたってもいられないよね。それで突き動かされるのはわかる。しかしあの通訳が過酷旅する、そこの感情をもっと描いてほしかった。
スリルとサスペンス & ダイナミック
アクションは序章に過ぎず
前評判があまりに良かったから結構期待していたのだけど、予想していなかった角度で驚き。タイトル、そういう意味だったのか。近年のガイ・リッチー作品のようなド派手なエンタメ映画ではなく、大真面目な超本格社会派ドラマ。どうやらこれ実話らしく、おかげでガイ・リッチーの本気を見た気がした。
序盤はよくある映画な雰囲気だし、迫力はあるけど印象深いシーンはそれほどなく、本日3本目ということもありウトウトしていたんだけど、本題に入ったところで一気に叩き起される。なんとこの映画、見どころがアクションではないのだ。アクションを終えた先にある、男の熱い友情。といっても出会って数日の曹長と翻訳隊員であり、これまで親密な関係があった訳でもない。なのに、死にものぐるいで守り、守り返す。ただ助けてあげたい。それだけでこんなことを成し遂げてしまうなんて、スゴすぎる。
ジェイク・ギレンホールは一連の出来事を経験したかのような、キャリア史上最高の演技。歯痒さ、もどかしさの体現が本当にすごい。実体験した人じゃないと、こんな行動できないよ。アーメッドを演じたダール・サリムもまた、これ以上は考えにくいキャスティングで、必死にもがくようすは、リアルすぎてとてもじゃないけど見ていられなかった。基本的な登場人物はこの2人。極限まで無駄を削られた脚本だけど、洗練されていてとても魅力的な作品になっていた。ガイ・リッチーはこんな映画も撮れるんだ。益々好きになるじゃないか。
そして、日本だからと他人事に思わず、歴史についてもっと勉強しなければいけないなと思わされた。幸いにも、日本ではアフガニスタン問題のような軍事介入は起きておらず、そのためこのような問題に対する意識が自分を含め極めて低い。また、日本はメディア報道に偏りがあり、同じ時間帯にどの放送局でも同じニュースを採り上げているということがざらにある。受け身で知れる機会が少ないからこそ、自分からもっと学んでいかなくちゃならない。この映画はエンタメとしても優れているが、関心を高めるという意味でも、すごく価値のある作品だったと思う。
とてもよかった
ガイ・リッチーらしさがまったくなく、堅実な職人仕事ぶりを発揮している。冒頭で兵隊が一人ずつ名前付きで登場して、とても覚えられないと思っていたら、みんな死ぬ。
100キロもタンカを引きずるか手押し車でタリバンから隠れての移動で、一人でも大変なのに本当にすごいとしか言いようがない。途中で入手した車で幹線道路以外を進んでいけばよかったのではないだろうか。また、敵兵から奪ったスマホで基地と連絡はできないものなのだろうか。そんなことは考えても仕方がなく、アーメッドの偉業はただただ称えられるべきで、それより米軍がひどい。アーメッドは基地に置いたまま、奥さんを部隊でつれてきてあげるべきだ。やばいに決まってるんだから、人でなしかよ。
また、キンリーが頼った民間軍事会社、キンリーとアーメッドって言ってくれればタダでやったのに、って何それ。見知らぬ奴は雑に扱っていいという態度、ダメじゃん。しかし悲しいことにそれが世界の現実だ。
ダムでの飛行機からの銃撃の無双ぶりがすごい。あれで今すぐプーチンを殺して欲しい。
えー、普通に面白いんですけど(意外!)
ガイリッチー=スタイリッシュというイメージで、凝った映像とかあまり好みではなかったんですけど、こんな映画撮るんですね。しっかり骨太な映画で、ずーっとドキドキしながら鑑賞しました。すごく面白かったです。
ヒューマンドラマ
新機軸
ガイ・リッチーがアクションじゃない…?という2024年1本目のガイ・リッチー監督作に色んな警戒をしながら鑑賞。平日の昼間だったんですが激混みで、1番前の座席で観ましたトホホ。
硬派な戦争映画で、横道に逸れる事なくまっすぐ物語を進めるガイ・リッチーとしては異色作ですが、これはこれで見応えのある作品になっていて一ファンとしてなんだか嬉しくなってしまいました。
兵士であるジョンと翻訳を務めるアーメッドの恩義の物語で、ジョンを命からがら助けたアーメッドのビザを渡すためにジョンが行動する作品でした。
助けに行くパートがメインなのかなと思っていましたが、互いが互いを助けるというテーマと同じく、作品も2つのパートで作られているようでした。
アーメッドがこれでもかってくらいジョンを引き連れて助ける姿には胸にくるものがありましたし、色んなところから汗も涙も出しながらでも、1人の命を助けようとする漢気に惚れました。
その恩義に報いるために危険な任務に挑むジョンもまた素晴らしく、何が何でも助けてやろうというこちらもまた漢気が光っていました。
最後の脱出のための戦闘シーンはいつものガイ・リッチー味溢れるスタイリッシュなものに仕上がっていました。ひたすらの銃撃戦ですが、ここまでしっかりしたドラマをやってきた分、違う映画を見ている感じでお得感がありました。
ピンチになったぞってタイミングでヘリからの狙撃で敵を全員蹴散らすのは大味ではありますが、ゲームみたいで見応え十分でした。
現実はやはり上手くはいっていない…というのは薄々勘付いていましたが、それでもジョンとアーメッドは助かったのかなと思って胸を撫で下ろしました。
ガイ・リッチーの新たな面が観れる良い作品でした。これからも目が離せないので追い続けます。
鑑賞日 2/26
鑑賞時間 11:50〜14:05
座席 A-8
エンタメと社会派がいい塩梅で並立
現地人通訳に命を救われた米兵が、通訳を助けるために(恩返しのために)私財と命の危険をかけて自ら現地に保護に向かう、という一見「絆」を強調した美談のようだが、そもそも米軍が何もしないからキンリーがそうするしかなかったのだ。
アーメッドが100キロの道のりを命がけでキンリーを運んできたのに、そこで米軍が家族もろとも彼を保護しなかったのだから信じられない。
米兵の味方についたことでアーメッドがタリバンから目の敵にされているのは承知しているはずなのに。
米軍が従軍通訳に対して誠意を持っていたらこんな「美談」は生まれない。
ガイ・リッチー監督の、イギリス人らしい皮肉が込められているよう。
しょせんアメリカはビザ発給の約束を実行するつもりがなかったようだ。
餌で釣って高く登らせ、はしごを外す。アメリカお得意の不誠実。
「キリング・フィールド」を思い出した。
アーメッド一家は幸運だったが、米軍撤退後のアフガニスタンでは、数百人の従軍通訳とその家族がタリバンに命を狙われ、または落としたそうです。
最新装備の米軍がショッカーみたいなタリバン戦闘員を一掃するとか主人公たちの危機にお約束のように上空に現れる「天使」が場を制圧一気に敵全滅とか基本的に胸が高鳴るエンタメだと思うが、米軍万歳とはならない。
エンタメと社会派がいい具合に並立していたと思う。
論点がズレてる
タリバン掃討のためアフガンに派遣されたアメリカ軍に雇われた現地通訳(アーメッド)と彼に命を救われた米兵(ジョン・キンリー)の話。
アメリカがアフガン撤退後、タリバン政権の下で元通訳とその家族が何百人も殺害され、また現在も身を隠している人たちが何百人といるとのこと。
彼らは米軍に協力する際に将来アメリカのビザと永住許可を得られるという条件であったという。 ところが現実的には彼らは完全に捨て置かれている。
これは誰が悪いの? 誰が見てもアメリカ政府の怠慢・不誠実さに尽きるでしょ。
この点を追求することに多くのシーンを割くことなく、大部分がアーメッドの活躍に終始し、活劇としては面白いと思うが社会派映画としては残念です。。
ジョン・キンリーが復員後単独でアーメッドを救出に行くのは米軍に代わってCOVENANTを果たそうとしている訳ではなく一人の人間として当然な帰結であろう。
そういう意味ではヒューマン・ストーリーとしての価値は認められる。
「もしトラ」が現実味を帯びつつある現在、アメリカ政府のこんなていたらくでは先が思いやられる。
MAGA(Make America Great Again)の連中をはじめ世界中がポピュリストだらけになっちゃうよ。 どうして監督のガイ・リッチーはそこを突かないのか不可解。社会派の看板は剥奪。
日本人ももはやアメリカに昔のような幻想を抱かないようにしないと。
24-031
ガイ・リッチー
恩義に報いるとは
兵士の覇気が半端ない
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