ウーマン・トーキング 私たちの選択

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ウーマン・トーキング 私たちの選択

解説

「アウェイ・フロム・ハー 君を想う」「テイク・ディス・ワルツ」など近年は監督として手腕を発揮するサラ・ポーリーが、架空の村を舞台に性被害にあった女性たちが、自らの未来のために話し合いを重ねていく姿を描いたドラマ。

2010年、自給自足で生活するキリスト教一派のとある村で、女たちがたびたびレイプされる。男たちには、それは「悪魔の仕業」「作り話」だと言われ、レイプを否定されてきた。やがて女たちは、それが悪魔の仕業や作り話などではなく、実際に犯罪だったということを知る。男たちが街へと出かけて不在にしている2日間、女たちは自らの未来を懸けた話し合いを行う。

原作は、2005年から2009年にかけて南米ボリビアで実際にあった事件をもとに執筆され、2018年に出版されてベストセラーとなったミリアム・トウズの小説。主演は「キャロル」のルーニー・マーラ。クレア・フォイ、ジェシー・バックリー、ベン・ウィショーらが共演し、「ノマドランド」「スリー・ビルボード」のオスカー女優フランシス・マクドーマンドがプロデューサーを務め、出演もしている。第95回アカデミー賞では作品賞と脚色賞にノミネートされ、脚色賞を受賞した。

2022年製作/105分/G/アメリカ
原題または英題:Women Talking
配給:パルコ
劇場公開日:2023年6月2日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第95回 アカデミー賞(2023年)

受賞

脚色賞 サラ・ポーリー

ノミネート

作品賞  
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(C)2022 Orion Releasing LLC. All rights reserved.

映画レビュー

4.5トーキングの「静」、未来への「動」。鮮やかな対比に感服

2023年8月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

予備知識ゼロで観始めて、服装や暮らしぶりから19世紀かせいぜい20世紀前半くらいの時代設定かと思っていたら、スピーカーを載せた自動車が村に来てモンキーズの「デイドリーム・ビリーバー」を流しながら「2010年の国勢調査にご協力を」などと言うので驚いたのなんの。

南米ボリビアのマニトバというメノナイト(キリスト教の一派)のコミュニティで実際に起きた事件に着想を得て、カナダ人作家ミリアム・トウズが架空の村を舞台にした小説を2018年に発表。これを原作とし、やはりカナダ出身女優で2006年以降は監督としても活躍するサラ・ポーリーが自ら脚本を書き映画化した。

質素な暮らし向きを示す女性たちの服は黒基調で、組織的な暴行を続けてきた男たちに対する暗い怒りと深い悲しみを象徴するようでもある。色調を抑えた映像は端正で、尺の大部分を占める議論(トーキング)パートにわたって観客の興味を持続させるのに貢献。そして未来への希望が込められた旅立ちの「動」。この鮮やかでダイナミックなコントラストに感服した。エンドロールでまた流れる「デイドリーム・ビリーバー」が、最初よりポジティブな印象を与えるのもいい。

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高森 郁哉

4.5未来を見据えるために必須な知性と知恵がそそぎ込まれている。

2023年7月31日
PCから投稿
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村山章

4.0この場所とそこで交わされた言葉から、未来が希望へと転じていく

2023年6月30日
PCから投稿

極めて現代的なテーマを扱いながら、その舞台をまるで時の止まったかのような宗教コミュニティに据えることによって、ある種の時代性を超越した荘厳さを持つ作品に仕上がった。発端となる衝撃的な事件そのものを直接的に描くことなく、女性たちは納屋に集まって自分たちが置かれた現状、コミュニティに巣食う病巣の本質、決断すべき未来について「言葉」で語り合う。閉所空間で展開し、動きは少なく、さらに膨大なセリフ量の会話劇という逆境を逆手に取り、見事な強度を持つ構造体へ昇華させている点には驚かされるばかり。見終わると当初の印象は大きく変わり、その納屋こそが太陽の眩く差し込む場所であり、彼女たちの理路整然とした思考や意志の生まれる出る泉であり、外の世界へ向かって開けた出発点であることに気づかされる。個として団として卓越した存在感を放つ俳優たち。彼女らを流麗に束ね、崇高な希望の物語を紡いだポーリー監督の手腕を讃えたい。

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共感した! 4件)
牛津厚信

4.5何もしないのは論外

2024年10月12日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

悲しい

知的

ネタバレ! クリックして本文を読む
コメントする 2件)
共感した! 12件)
ミカ

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