こんにちは、母さんのレビュー・感想・評価
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「人間とは、生きるとは、社会とは」
今年178本目。
吉永小百合は寺尾聰が「人間とは、生きるとは、社会とは」を教えてくれると。自分も近くにそう言う人がいます。また家族でなくても「我以外皆師なり」と思っているので全てが学びです。作品年齢に関係なく恋しようと言う映画でした。宮藤官九郎が大泉洋の靴を片方履き間違えた場面で多くのお客さんが笑ったのが印象に。田中泯が橋の上でここから飛び降りたから命が助かった、また飛び降りようとする所迫真の演技で響きました。
正統派大船調を堪能
山田洋次監督と吉永小百合の母もの3作目。前2作と異なり、現代を舞台にした家族映画で、山田監督の真骨頂を発揮している作品となった。前作「キネマの神様」では、さすがに山田洋次も衰えたなと感じさせられたが、今作では、シナリオ、演出ともに熟練の技を見せている。
誰にでも起こりそうな家族の問題を丁寧に描き、クスッと笑わせ、ホロッと泣かせて、後味すっきり。まさしく正統派大船調の面白さを堪能させてくれる。冒頭のビルのショット、居酒屋のカウンター、足袋屋の看板など、あまりに小津安二郎を彷彿とさせていて、ちょっと驚く。
吉永小百合は相変わらず生硬だが、かわいいお祖母さんになっている。山田監督との相性はどうかと思った大泉洋が、期待以上に良い。永野芽郁、宮藤官九郎をはじめ、脇もみな良い。肝心の吉永小百合と寺尾聰のからみは、少し弱い感じがしたが。
いまだ健在ぶりを見せてくれた山田洋次監督、92歳。あらためて次回作を期待したい。
どうなんでしょう?
振り回される息子と老母の恋路の行方
周囲の人間に振り回されて困憊する昭夫の視点で見入った。富幸の言い分はとても理不尽に感じたが、最終的に身代わりになった昭夫には快哉の念を抱いた。フーテンの寅さんめいた台詞もあった。穏やかな表情になった富幸に、ようやく宮藤官九郎氏の面影を見出すことができた。高齢者同士の恋愛は、スウェーデンの例を出すまでもなく、目新しい話題ではないと思うけれど、男性に振られてやけ酒を煽る吉永小百合氏の役柄というのは珍しいのではないだろうか。周囲の女性たちが嫉妬しないのは、少し不自然に感じるくらいであった。ホームレスへの温かい目と、本人のプライドを尊重した姿勢が貫かれていた。「イノさん」という名は、映画『学校』で田中邦衛氏が演じた重要人物の名でもあったことを思い出した。
疲れた心に染み渡る
田中泯に涙が出た
優しさの溢れた作品
現代社会に生きるストレスと古き良き下町のコミュニティ
吉永小百合、驚異の初々しさ。
親が80歳手前、自分が50歳手前、バタバタしていた子育ても終盤に...
親が80歳手前、自分が50歳手前、バタバタしていた子育ても終盤に差し掛かり、ふと、親へ意識が向きだして、懐かしさも重なって連絡もせずに突然実家を訪れる。なんてこと特に息子はやりがちです。この歳の息子(娘も?)は、もはや会社に家族に色々と疲れているのですよ。疲れて布団の上でバタバタもがきたいのだけど、そんな姿は子供にも奥さんにも父親にも見せられない。世界で唯一見せられるのは「母」しかいないのです。そんな息子と母の関係を山田洋次監督がほのぼのとした物語にしてくれました。
全体的には「男はつらいよ」のテンポと演出。昭夫(大泉洋)は実家に帰れば寅さんだし、舞(永野芽郁)は母親嫌いで家出するちょっとスレた女子と思いきや、祖母のコイバナに目を輝かせ、父の布団を当たり前のように敷くおよそZ世代の女子とは思えぬ昭和っぷりに若き日の桃井かおりさんが重なりました。主人公中心で話している背後でも誰かが下町の日常を演じている抜かりなさ。全く安心して観られますが、アクションでもサスペンスでもないこの映画は若い世代には平凡にしか映らないかもしれません。私も若い時と今で同じ「男はつらいよ」を観ると感じ方が大きく異なりますので。
夫は早く他界し、失恋したけど紳士との恋も咲かせ、今後は離婚した息子(嫁姑問題無し)やかわいい孫娘と同居。息子も途中退社とはいえ50歳手前まで働き、大きな会社の部長クラスなら退職金も上々でしょう。母自体もお金に困って無さそう(金を工面するというセリフから想定)。地域の繋がりも厚く、三人で暮らすに十分な広さの東京持ち家一軒家など、下衆な話ですが老後の不安は無さそうです(笑)。
「男はつらいよ」の寅さんの妹・さくらを演じた賠償千恵子さんの昨年の主演作品「PLAN75」とは真逆の世界。若い頃から同世代の女子たちの羨望と嫉妬を集めてきた吉永小百合さんが、またまた同世代の女子?たちから嫉妬されてしまいそうです(劇中の話ですけど)。
後味がいい作品。大泉洋起用予想以上にいいね!
山田洋次流、令和の家族模様、日本社会を的確に描いていた。
令和の家族模様を作品に取り入れつつどこか昭和のにおいを下町を舞台にしたところはさすが。
吉永小百合はさすが。問題は大泉洋の演技だが、予想以上にピッタリ合っていた。山田洋次監督さすがでした。
母はいつも強しではない
心がほんわか。
小百合愛
老齢になってからの山田洋次は、家族映画の中により色濃く時事問題を挟むようになったが、今作もリストラ、夫婦の離婚、ホームレス、老人介護という、様々な社会問題を提示している。そして、それら問題に対するリアクションが相変わらず昭和的オーバーアクションなのが気になる。更に社会問題に目を向け過ぎた分、高齢者同士の恋愛という肝心なテーマが少し希薄になってしまったのが残念だ。
しかし、近年の山田映画の中ではなかなかの良作だ。
山田監督世代には永遠のアイドルである小百合愛に満ちており、いつもは違和感を感じてしまう吉永小百合の老人役が、今作では本人の年齢に沿った美しさがぐっと醸し出されている。着物姿で庭先のビルの谷間に打ち上がる花火にはしゃぐ横顔は、かつて「男はつらいよ 寅次郎恋やつれ」での若い歌子(吉永小百合)の姿を彷彿とさせる。
脇を支える俳優陣も良く、衣装のヘボさは気になるものの、孫役の永野芽郁のおばあちゃんとの絡みもなかなか自然な好演だし、特に会社と家庭の問題を抱える人事部長を務める息子を演じる大泉洋の演技は主役の吉永小百合を食う勢いだ。
吉永小百合の台詞、
「死ぬのが怖いわけじゃない。人の世話になる事が辛い」
という言葉は、監督自身を含めた多くの高齢者の声を代弁しているかのようだ。
母さん
こんにちは、母さん
素敵すぎる吉永小百合さん
恋をして乙女な吉永小百合さん
失恋で屍になる吉永小百合さん
色んな吉永さんを拝める
現代の家族物語
離婚状態の夫婦
人生に詰まった大学生の娘
就活中のUber配達員
リストラ勧告を受けた同期
自らホームレスになる人
懐かしく、でも現代
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