ミセス・ハリス、パリへ行くのレビュー・感想・評価
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ユーモアと突破力で夢を実現する!
とても庶民的な家政婦さんが、夢を叶えるために
なんとフランスのパリ。
クリスチャン・ディーオール本店で、一着500ポンドの
オートクチュール・ドレスを仕立てる。
夢は望んで努力すれば叶うのです。
(因みに当時の500ポンドは現在の200万円位です)
シンデレラ・ストーリーですが、とてもミセス・ハリスさんが、
稀にみるウィットに溢れる会話で周りを巻き込み和ませて、
いつも笑いの輪の中心にいる。
そして彼女の行くところ、難問は突破力で解決に導かれるのです。
小柄で平凡で働き者の60代。
美しさもそこそこで地味。
だけれど彼女が来ると家はピカピカに光り居心地良く快適。
主婦の家事力ってすごい縁の下の力持ち。
1957年。
戦争に行って帰らない夫エディを12年も待っているハリス夫人は、
遂に夫の戦死を知らされる。
「これで自由になったわ」
とハリス夫人はめちゃ前向きな人です。
なんとか幸運もあって工面した500ポンドでクリスチャン・ディーオール本店に
乗り込みます。
その後のことは見て頂くとして、なんとディーオール氏に改革を
進言してしまいます。
そしてオートクチュールの発表会のドレスの美しいこと。
目の保養です、最高!!
そして心優しいモデルのナターシャ、
会計士のアンドレ(メガネの似合う超イケ面)
2人の仲も取り持つお節介な仲人おばさん役も。
ともかくスピーディなストーリー展開。
美しいドレス。
身分の違いや貧富の差も、ハリス夫人の突破力で道は開かれるのです。
小気味いいです。
「日の名残り」のような伝統を守る執事のような人もイギリスにはいる。
この映画は庶民レベルで有能でユーモア溢れるステキな女性ミセス・ハリス。
とても楽しく品のあるイギリス映画。
有能な家政婦さんの役割と、
美しいオートクチュールを堪能しました。
主演のレスリー・マンヴィルさんに盛大にブラボー!!
突然趣味に目覚めて暴走するタイプ
いや美しい話だとは思うのですが
老女フェアリーテイル
ミセスハリスとラストで踊る男性は、ハリーポッターのルシウスマルフォイですね。ドラコの父。
せっかくのお金を競馬ですったり、せっかく手に入れたディオールのドレスを、雑な女優志望に貸して燃やされて、ハラハラしたけど、本当に欲しかったドレスを最終的に手に入れられて良かったです。
パリでモデルの子とディオールの会計係の男子をくっつけたり、大活躍だった。
1950年代のワーキングクラスの戦争未亡人は、2020年代の就職氷河期世代の非正規労働者で独身女性の私にとって、ひとつのロールモデルですね。
素敵な物語
情けは人のためならず巡りめぐって己のため
ミセス・ハリスの情で人の心が動いていく。
自分の手で生きているプライドが芯にあるので透明な存在に抑えつけられることには屈しない下を向かない魅力的なミセス・ハリスをレスリー・マンヴィル。
レスリーが当時のイギリス🇬🇧女性の労働者のプライドを体現に対してクリスチャン・ディオールのマネージャーを圧倒的な存在感でイザベル・ユペール。
パリのファション会、こんなフランス🇫🇷女性が支えてきたのだろうな感で納得の配役
華やかなDiorのドレス、オートクチュールは見えない存在に支えられている。自分の手で人生をつくる全ての人の心情にプライドを思い出させるミセス・ハリスのドレス愛。
ファションショーもお見事、一着一着に人々の愛情込めて作られている。だからミセス・ハリスは魅了され自分に求め諦めなかったのだろう。
自分の人生だから
情のある人が己をつくる。
最後に送られたDiorの箱に丁寧に大事にみんなの心が包まれていた。
ドレスの色の対比も象徴的でした。
ブラボーと呟きたい。
幸せが溢れる
公開時、見逃していたので、アンコール上映で観ることができて良かった!
噂通り、幸せ溢れる映画だった。出てくる人がみんな優しい。だまされるんじゃないの?大丈夫?とか心配していても、みんな良い人。
インテリアもお洋服もカワイイ!全て大好きだった。現実離れしているけれど、映画だしOK。私は映画にリアルは求めていない。映画を観て、幸せな気持ちになりたい。それにはピッタリの作品だった。
リアルなら、イギリス人とフランス人があんなに仲良くできるのか?とか、フランス人、若い人以外は、英語が話せても話さないよね、とかなってしまうけれど、そんな無粋なことは考えず、シンプルに楽しみたい映画だ。
伯爵とミセスハリスの関係は、最後少しチクリと心を刺すけれども、それでよかったと思う。2人の住む世界は違うし、ミセスハリスは自分のいるべき場所を知っていて、そこにいる友の元へ帰っていく。それが幸せなのだ。
ディオールのドレスの美しさも楽しめて、ハッピーしかない、幸せ溢れる映画。これからも、幸せな映画をたくさん観たいなと思った。
●とにかく主役のミセス・ハリスの魅力に尽きる。真面目に積み重ねてき...
●とにかく主役のミセス・ハリスの魅力に尽きる。真面目に積み重ねてきた家政婦人生をしっかりとベースにした、物怖じも遠慮もない、気丈で快活なお婆ちゃんの振る舞いを楽しむ作品。時にはドレスに惚れ込んだり大失敗して落ち込む可愛らしさも。
●プログラムによると、登場する数々のドレスはかつてディオールが実際に仕立てた傑作の「オールスター」なのだという。当時のアトリエの再現も見所であるそうで、まるで芸術を鑑賞できたかのような気にもさせる。意外な高精細画面での鑑賞の利点。
●意地悪される等の場面もあるにはあるが、爽快さが全体の90%ほどを占める、ほぼハッピーに満ちあふれる展開。その展開も失望と希望を織り交ぜながらダレることなくテンポよく進む。誰もが鑑賞後にスッキリとした笑顔になれると思う。
●終幕後の廊下で、日比谷のマダムたちが「素敵だったわね」と子供のようにはしゃぎながら連呼していた。この作品の評価を端的に表していると感じた。
▲ごく一般の婦人が、誰にでも初対面の初日から寵愛され、わずかの期間で異国のクリスチャン・ディオールにまで深く関わるというのは、さすがに都合が良すぎるのではと感じた。ヒロインが謎の厚遇を受けまくるNHKの朝ドラの感覚に近い。
※制作費…1300万ドル
夢追い人、いつまでも諦めなかったね!
人間関係、階級、表に出てくる人と影で支える人、色などの対比が見事 ...
人間関係、階級、表に出てくる人と影で支える人、色などの対比が見事
ディオールへのリスペクト
透明人間というキーワード。
労働者としての表には出ず裏で支えているという根底的な部分は同じで作っている人に優劣はないんだな、と。
ディオールの体質、ドレスに対する価値観が変わっていく瞬間
ナターシャとアンドレのデートがローマの休日みたいでとてもいい
ユペールさまが支配人の時は黒スーツバチバチなのに対して家に帰って夫を介護をしている姿がハリスと同じ姿で泣いちゃった
好きな服だから着る。ときめく服を着る。
夢を持つこと追うこと、いくつになっての何かを始めるのに遅いということはない。そういう気持ちを大切にしたい、そう思わせてくれる作品
運命を変えるドレスとの出会い
1950年代のロンドンを舞台にクリスチャン・ディオールのドレスに魅せられた家政婦の姿を描いた人生讃歌。いくつになっても希望を捨てず夢に向かって突き進むハリスが実に輝いていて観る者に希望を与えてくれる。
2023-8
女子、全員集合〜〜〜🍀🍀
これね、絶対に女子なら誰もが好きなやつ❤❤❤
パリのおしゃれな町並みと、ディオールの素敵なドレスの数々、主人公のミセスハリスの年齢を感じさせないチャーミングなところに励まされ、そして登場人物に一人として悪い人が居ないという驚くべき超絶ポジティブムービー📽
Mrs.Harris, goes to Parisだなんてイルなライムをのタイトルwww
予告で見た前向き感そのままに、「いくつになっても夢を諦めないことの大切さ」「人のためにしてあげたことは巡り巡って自分に返ってくること」なんかを教えてくれるハッピー映画。
今度、気分が落ちたときには絶対にコレ観る!(それか「真夜中のパリでひゃっはー!」だなwww)
新年から元気が出る映画
真面目で心優しいハリス夫人が憧れのドレスを買うためにお金を工面し、パリへ行き、周囲の人を巻き込んいく物語です。
愚直な性格ゆえのお決まりの展開もありますが、その展開があったからこそ視聴者の立場として終盤の展開に心が傷んだりほっこりすることができました。
「家政婦をしている人間がドレスを買ってどうするの?」と劇中で問いかけられますが、ハリス夫人にとってドレスを買うことは自分を着飾る以上の意味があり、それに説得力を持たせたのがクリスチャン・ディオールの大変に優雅で美しいドレスでした。
俳優陣、脚本、クリスチャン・ディオールの全面協力、どれが欠けてもここまでの良作にならなかったと思います。
まるでシンデレラストーリーのように素敵!
気高く生きる勇気をもらえる清々しい作品
なぜ映画を観るのか。
いろいろな理由はあるけれど、観た後の幸福感、爽快感というのは、多くの人にとってその理由のかなり上位に位置づけられるのではないかと思う。
出来すぎたストーリーではあるものの、本作は前評判に違わず、エンターテイメントとして良質な、実に清々しい気持ちにさせてくれました。
戦争で夫を亡くし、家政婦として慎ましく生活する中年女性が、勤め先の裕福な家でクリスチャン・ディオールの500ポンド(今の日本円で250万円〜400万円!)するドレスに一目惚れし、努力に幸運も加わり、ついにパリのディオール本店へ。
訝しがられつつも、次々にディオールの客やスタッフが彼女の魅力に引き寄せられ、影響を与えていく様が、気持ちいい。
高い教養があるわけでも、育ちが良いわけでもない(たぶん)彼女に、なぜ、皆、引き寄せられるのか。
家政婦として真摯に仕事をしながら、ディオールの完璧な仕事を賞賛し(そもそも彼女はドレスを誰かに見せびらかしたいわけでなく、どうやらその「完璧な仕事」に惚れ込んでいる様子)、おかしいことを「おかしい」と言う。
そんな彼女に(苦難がありながらも)幸運が訪れるのは、観ている私たち庶民にとって、実に清々しく、スクリーンの前で拍手で讃えたくなる。
そう、私たちは他人と比べて嘆いたり荒んだりすることなく、目の前の仕事に真摯に向き合い、周りにいる人たちを尊び、助け、自分自身も蔑むことなく愛し、気高く生きる。そうしているだけで自然と幸運は舞い込むもの。
そんなことを信じさせてくれる作品でした。
ハリスさんのように、目をキラキラさせながら歳を重ねていきたい。そのためには、今の仕事に全力を注ぎ、まわりの人たちを大切にしようと思う。
私は金で夢を買いました。それで何か問題でも⁉️
のっけから、身も蓋もないことを言います。
夢は金で買える‼️
もちろん、金で買えない夢はたくさんあります。
金メダルを取る、W杯でベスト8に入る、メジャーリーグで活躍する…
才能、環境、努力、運。
これらは金ですべて揃えることはできません。
(上場企業の社長になる、とか大臣になる、というのは今どきの若者にとっては、〝夢〟の定義からは外れてしまうのかな?)
自分には夢がない、とか、夢が見つからない、と心を傷める若者がどのくらいいるのか分かりませんが、金で買える夢だってあるし、そのためにどんな仕事(ただし、不法なものや倫理的に問題のあるものはやめましょう)だっていいんだよ。仕事自体に夢を求める必要はないし、買えるかもしれない夢のために稼ぐというのも立派なひとつの生き方なんだ❗️と私なんかは思います。
大事なことは、夢を叶えるために頑張る(稼ぐ)ことは、自分の在り方や考え方に大きな変化をもたらすし、その過程を見てる周りの人にもかなりの影響を与えるということです。家族、友人、恋人、同僚…どんな関係であっても応援したくなるし、応援することを通じてその人にも新たな人間関係や考え方の変化が生じる。
だから、みんながみんな個々に夢を持つ必要なんかなくて、誰か身近な人の夢の応援団になるだけでも、豊かで充実した時間と体験を得ることができます。
だから、
あなたの夢はなんですか?
という問いかけや作文を書かせるのは、もういい加減にやめませんか?
金で買えることは買えるけど、桁違いに困難なこと(夢)もたくさんあるわけで、それを得るまでの努力とか維持継続していく責任感は並大抵のものではなく、実現しようが出来なかろうが、そういう方を私なら素直に尊敬します。
例えば、どこかの社長さんのように民間人として宇宙旅行に行くこともそうだし、JRAの馬主になることもそうです(正確ではないけれど、7〜9千万円以上の資産があり、2年以上連続して2千万円近い所得があること、というレベルの資格要件があったと思います。10億円の宝くじが当たっても、所得の要件は満たせないわけです😫)。
ゆるふわ女子は永久不滅ポイント
主人公のマダムは、まあマダムなんだが、それを上回るちょっと天然風味のゆるふわ女子っぷり。これがまぁモテるわけで。「はわわー、ほよよー」は世界共通なんだなぁ、と思った次第。んまぁ「はわわ、ほよよ」までは行ってないけど。
一方で、そこに食いつく男子勢の方もなかなかの枯れっぷりのいい男達。個人的にはそちらが眼福でしたね。上唇に沿わせるエロ細髭は大好物です。
物語的には「ちょっと天然だけどバイタリティに溢れる主人公が、みんなの悩みをずばっと解決」的な。少し日本のテレビドラマ的と言うか。職業的なアレもあり、某ミタ的ではありましたね。
大落ちから逆算したんであろう、ラストに向けた脚本のバタバタ感はご愛嬌。良質なベタ物語です。いい意味で普通に面白いです。
実は無神論的実存主義に貫かれた物語なのにシニアの恋物語としても完璧な愛すべきドラマ
1957年のロンドン。エイダは未だ戦地から帰ってこない夫を待ちながら半地下のアパートで待ちながら家政婦として黙々と働いていた。ある日ある家の清掃中にご婦人が夫に内緒で買ったというディオールのオートクチュールのドレス“魅惑”を見つけた彼女はその美しさにたちまち心を奪われてしまう。自分もディオールのドレスが欲しい、その思いに駆られた彼女はせっせと貯金を始めるが・・・。
タイトルが示す通り、ロンドンとパリを舞台にした物語なので半分フランス映画の雰囲気。しかしながら本作で描かれる1957年のパリはエイダが駅で出会った浮浪者が“労働者達がこの街の王だ”と嘯くほど労働者のデモが街の至る所で起こっていて道路には堆くゴミが溜まって腐臭を放っている。そんな荒廃を傍に見ながらエイダが辿り着いたディオールの本店は貴族をはじめ裕福な人々しか集まらない世界。労働階級のエイダは早々に屈辱を味わうが、無二の親友バイ、馬券売りのアーチー、会計士のフォーベル、モデルのナターシャ、女優志望のパメラ、シャサーヌ侯爵、そしてハウス・オブ・ディオールを支えるスタッフ達との交流を経てドレスが出来上がるまでの短い休暇で人生観をごっそりひっくり返すような経験をする様がとにかく微笑ましくて美しいです。
本作が非常に特徴的なのは物語の根幹をサルトルの無神論的実存主義が支えていること。1957年のフランスはアルジェリアの独立運動が盛んとなっていた時期とも重なり、サルトルらがそれを熱烈に支持していた時代。エイダがフォーベルに窮地を救われるのも彼女が持参した現金目当てだし、劇中でもフォーベルとナターシャがサルトルの『存在と無』について語り、即自や対自という言葉も出てくるわけですが、確かにエイダはどんなに過酷な状況であっても神に祈ったりしないし、運命を神に委ねたりせず自分の意思で困難を乗り越えていく。エイダは劇中で何度も何度も“透明人間”扱いを受け彼女もそれに甘んじますが、これはまさしくエイダが“無”として生きてきたことを示していて、即自を象徴するものがディオールのドレスであり、対自はエイダを始めとするあるべき自分の姿を見つけることの出来た全ての登場人物そのもの。清貧に徹し黙々と働いてきたエイダが人生で培った経験と知恵で小さな革命を起こしていく様が当時のパリの空気とシンクロしていく清々しさに魂が震えます。
そんな背景に気付かなかったとしても本作は十二分に魅力的で、何者でもない主人公が階級を超えて人々を覚醒させていく物語は『アニー』のそれとなんとなく似ていて、満を辞して用意されるクライマックスには"I Don't Need Anything But You"を被せたい欲求に駆られました。そして何よりシニアの恋物語としても完璧で、『輝ける人生』にあったのとよく似た切なさと清々しさが印象的です。
主演で製作総指揮も手がけるレスリー・マンビルのキュートさがとにかく輝いていますが、イザベル・ユペール、ランベール・ウィルソンといったフランス映画界の重鎮の演技も見事。登場人物は皆素晴らしいですが、ディオールの看板女優でありながら自分の生き様に疑問を持ちエイダと心を通わせるナターシャを演じたアルバ・バプティスタの儚くも健気な美しさに心を奪われました。
意地悪な人が見れば116分丸々ディオールのプロパガンダということになってしまうかも知れませんが全然そんなことはなく、様々な感情が揺さぶられた後にがっつり涙を搾り取られる物凄く分厚いドラマです。
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