映画 イチケイのカラスのレビュー・感想・評価
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安定感
ドラマは見ていませんでしたが問題ありませんでした
ここのところフジテレビはドラマの映画化を量産してますね
ガリレオでも町人役に吉田羊がおりましたが
今回も日尾美の産業医に吉田羊が
なんかちょっとダブるというか
そんな印象もあったり
作品自体は安定という感じで
気軽に見るにはちょうどいい作品でございました。
昭和的メンタルの集大成
ドラマとして悪くはないんだけど、引っかかることが多くてライドすることはできなかった。
企業城下町の公害という題材も昭和で起こった問題だし、秋名市に住む人々のメンタルも昭和的ないものを引きずったまま。
それと裁判の判事と弁護士がなれ合って倫理的に問題ないの?
委員長と呼ばれる黒木華が斎藤工にガチ惚れしそうになった自転車のシーンはめちゃくちゃ面白い。もっとアップデートされたテーマだったらよかったのに。
正義とは、法律とは
多くの人にとって有益なことが正義なのか、それとも法律によって決められたことが正義なのか、そんなことを考えさせられる内容。
ドラマの時からこの作品は緊張と緩和があって好きですが、今回はちょっと笑えるとこは少なめだったかなとは思います。
みな演技が安定していてよかったです。未亡人田中みな実もなんかいいですね。
初見でも大丈夫
TVドラマは観ていなかったが入間裁判官と坂間千鶴(他職経験により)弁護士のコミカルな予告を見て気になり劇場に足を運んだ。初見でも二人の関係性や法律に向き合う姿勢はすぐに把握する事ができ、やがて二つの事件がひとつの接点により解明されて行く様が笑いの中にも社会性を含みつつ涙を誘う結末に導かれていく。
法廷物は元々好きなジャンルだが新たな発見と共に好きな作品のひとつになった。
映画版は....
面白くないことの方が多いのですがこれは面白かった。
というよりはもっと作り込んで連続ドラマとしてみたかったの印象。
もっと重厚に作り込んだら白い巨塔なみに面白くなったんじゃって感じ
ちょっとダイジェスト的に進行が進みすぎたのは時間的制約だよなぁ。
そこが少し残念でした。
HEROの久里生とコラボしてほしいな
小日向さんは兄弟かなんかで2役でφ(..)
悩んで悩んで…悩む~こと
裁判ものに99.9やHEROなどが
ありますがその類いになるのかな
このドラマはみてませんでした
竹野内豊がおもしろそうだったのと
もう一人黒木華とのやりとりもオモシロイ
他のメンバー
山崎育三郎や柄本時生そして西野七瀬の
三人が笑いを担当していて笑えます
…特に育三郎さんは
軽いノリがいいですね
他の映画で笑える役をやっていて
驚いたのを覚えています
竹野内豊はどちらかというと
傍聴席の人達に穏やかに話していく感じで
…雰囲気が田村正和ぽいな~
田村ほど癖はないですが。
人間味を感じます
ただちょっと事件の案件が
国、民間企業の隠蔽工作
そして住民が鍵となっていて
どこかで取り扱った様なおはなし
新鮮味がなかったかなという印象です
余談…
竹野内さんのキャラ好きだな~
二人の歌。
面白かった。
法の穴、正義感だけでは解決できないこと、
綺麗事だけではない、人間の愚かな所、
スッキリという後味ではないけれど見応えがあった。
脚本、監督演出の秀逸さだと思う。
ただ、自分が坂間なら人間不信になる。
植木くんもサクッとこわいし悦子さんこわすぎる。
法を扱う仕事はそれだけ覚悟を持って、強靭な心で向き合わねばならない仕事なのだと否応なく伝わった。
でも、坂間の絶望は入間がちゃんと救ってくれる。
冒頭なんであんなに挨拶を?も、理由がわかった。
主題歌は、二人の歌、だった。
舞台挨拶で斎藤工さんが仰っていたこと、再鑑賞でよくわかった。
あれは二人の歌だ。
夜の舟シーンは楽しかった。
余談、
八木くん、サイコパスキラー役とかにシフトしていきそう。。。
良くも悪くもテレビドラマの映画版
まず、ドラマを見ていなかった人でリアリティが気になってしまうは大まかな設定を確認しておいた方がいいです。
裁判長である入間みちお(竹野内豊)が事件の検証するドラマなんです。ただ、これはこの世界の常識になっているわけではなく、坂間千鶴(黒木華)もドラマ1話で驚いていたし、ドラマ版で入間みちおがいた部署は裁判官が検証してしまうため処理速度が遅く大赤字。ということくらい頭に入れておけばOK。一応、映画内でも説明されます。
全体的にテンポよく進み、内容も盛り沢山で楽しめました。
ただ、フジはドラマを映画化する時のキャスティングを考えた方がいい。
この前ガリレオで吉田羊を見たかと思えばまた吉田羊。
ガリレオもシャーロックで椎名桔平もまたかと思えばまた椎名桔平。
あと、動機(?)がありきたりかなぁ。というよりドラマを実写化にした時は大人たちが子供や街を守るという設定が多い。
「0:25特番7分でハマってしまった」
今年4本目。
フジテレビの映画は公開週月〜金まで深夜0:25から7分の特番。今週は井出伊織にスポットを当てたスピンオフ。山崎育三郎こんなに面白いんだと、もちろん他の映画でも拝見するし、面白いのは知っていましたが改めて。今作仕事によしと言いたい、生き方の矜持好き。悩んで悩んで悩み抜きなさいその先に真実がある、自分の生き方のお手本にするような言葉、人生の哲学学ばせて頂きました。
小難しいことは分からないのでただ楽しむ
リアリティとか社会的な問題とか、そんな小難しいことは無視して、どうせそんなものは邪魔なものでしかないだろうし、だからただ面白いやりとりや個々の表情を見たまんま楽しめばいいのかもしれません。何せ有名人が隅々までちりばめられていますので─。
そもそもの─、イチケイのカラス?弁護士?裁判官?、色々と疑問やわだかまるところはありましたが、とりあえず無視しましょう。それでも細かい内容にはめっちゃ不自然さを感じますが、展開は結構面白いと思うので、素直に受け入れていけば、なかなか楽しめます。
楽しめはしましたが、自分には感動とか涙とかはありませんでした。後半はかなり感傷的な内容だっただけに、悪くいってしまうと消化試合のような感覚で眺めているような感じでした。
楽な気持ちで楽しみたい作品です。
どこまでの知識を想定してみるのかがわかりにくい…(補足入れてます)
今年16本目(合計669本目/今月(2023年1月度)16本目)。
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★ ここ数年で見た映画の中では群を抜いて法律系知識の理解が要求されます。
以下、採点ほか参考などは、行政書士の資格持ちレベルの知識と調査によるものです。
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予告などから相当特殊な知識は要求されるのだろう、ということは覚悟してみました。
結果、「うーん、マニアだなぁ…」というところです。その場で全部理解してみるのはリアル弁護士かそれに準じる方(予備試験は合格しているとか)に限られるんじゃないか、ついで、司法書士や行政書士など隣接職と呼ばれるグループ(私はここ)で、正直、法律エンターテイメントの映画の体裁をとりつつ、きわめて特異な知識が要求される映画です。
ストーリーの展開については多くの方が触れられていて、他言を要さないのであえてカットします。
恐ろしく高度な知識が要求される映画で、これは「ちょっと前提知識がないと無理じゃないか…」と思えるタイプです。
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(減点1.0(すべてまとめて)/どういう層を想定しているのか理解が困難)
・ おそらく、ドラマ版?アニメ版?などの原作のファンを想定して作っているため、法律的な部分の描写は「一応は調べている」ものの、細かい説明が何もないため、かなりの方が???な展開に巻き込まれてそのまま理解がわからないまま終わってしまう…という類型は考えられるというところです。
もちろん、「原作重視、応援枠」としてみる立場も理解はできますが、かなりの部分で「つまり」が生じます。
以下、本当に最低限のことだけ書きます(5000文字では収まりません)。
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(参考/序盤の「職権を発動する」は何か)
・ 刑事訴訟法128条(裁判所は、事実発見のため必要があるときは、検証をすることができる)を指しているものと思います。
(参考/自動車事故と免許の話で「あとは行政訴訟」といっているところ)
・ 交通事故を起こすと、基本的に刑事事件と行政事件がセットで登場します。前者は「交通事故を起こしたものへの処罰」、後者は「そういう事故を起こすものへ免許を取り上げるかどうか」といったものです。
そしてこの2つは違う裁判に属しますので、一方で無罪になってももう一方には何ら関係がなく、無罪になったことを根拠に運転免許(映画内では、優良運転免許証)をとりもどすには、別途取消訴訟(行政事件訴訟法)が必要です。映画内でさしているのはこれです(行政事件訴訟法は特に「訴えの利益」が問われますが、ここは認められるケースです(同趣旨判例あり。行政書士試験で必ず学習するお話です))。
(参考/自転車を勝手に乗り回す行為と民法との関係)
・ 刑法上触れるのみならず、民法上、所有権に基づく所有権侵害という話になります。
結局、民法の範囲だけでいえば不法行為になりますが、問題は「主人公は裁判官」というところで、裁判官も公務員にあたるため、「業務の間で起きた行為」に対しては、「公務員個人を訴えること」はできません(国による「代位責任説」)。したがって、国家賠償法に基づき「国を訴える」ことになりますが、国に対して「自転車を勝手に乗り回された、賠償しろ」という国家賠償訴訟も想定外のような気がします(そんな訴訟までやってたら裁判所はパンクしてしまう)。
(参考/民事訴訟と和解について)
・ 基本的に弁護士の方を立てて裁判を行いますが、和解や訴えの取り下げ、放棄、控訴などは、それぞれについて、受任者(ここでは、原告や被告の当事者)との個別の委任が必要です(民事訴訟法55の2)。
(参考/民事裁判とその判決の効果)
・ 民事裁判における判決の効果は、当事者間でしか効果はありません(第三者効がない、といいます。民事訴訟法115条)。したがって、ある個人が企業に対して「そちらの企業の製品で損害が生じたから賠償しろ」といっても、「では何円賠償しなさい」というのはその個人に対して「のみ」にしか効果は及びません。他の住民も別に裁判を起こすなどが必要です。
したがって、この部分は明確にストーリー的にやや破綻している(描写不足)ところがあります(詳細はネタバレになるため省略)。
※ 一部例外あり。行政事件や会社法に関すること等で、「物事を画一的に決めないと全体が混乱する」ような場合は第三者にも及びます(会社法に触れる行為で、会社の不成立を争う訴訟は、その性質上、画一的に効果を決めないと社会が混乱します)。
(参考/海難審判について)
・ 映画内では省略されていますが、海難事故のように「専門色」が強い事件は、一般の裁判所よりも、それに詳しい(海難を扱うのは、国土交通省)行政が担当したほうが良い場合があります(ほか、電波審判や労働審判など)。このような裁判は「裁判」ではありませんが「裁判に準じたもの」なので(準司法作用)、それに不服がある場合には必ず裁判所に接続して争うことができますが(日本国憲法は、行政が終審で裁判を行うことを禁止しています)、このように「裁判に準じたほどの厳密さ」で争われた結果の「裁判所への接続先」は、一般には高裁になることが普通です(海難審判の場合、不服がある場合は30日以内に東京高等裁判所へ訴えることになります。岡山地裁でも広島高裁でもありません(海難審判法))。
(参考/ある事件について、その事件に適用できる法律にない場合、どうやって裁判をするのか)
・ 判例がある場合は判例(通常は最高裁判例ですが、それがない場合、高裁判例や地裁判例等を援用することもあります)、あるいは「一般的な普遍的条理」、または「合理的な類推解釈」などがあげられます。
※ 「類推解釈」って何?
・ Aという事件にはXという法が適用されていて、一方、Bという事件に対しては何も法が整備されていないものとします。しかし、AとBに「何らかの理論的共通性」があり、AとBで違う結論を出すことが不適切で場合は、「Aについて定めた条文Xを類推して、Bにも適用する」という解釈技術のことを「類推解釈」(実際に適用する場合、「類推適用」)といいます。
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行政書士の資格持ちで、一見して気が付いたのはこの程度です。
かなり理解の難しい映画なので、「パンフレットがわり」にでもどうぞ。
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まさかの展開
完成披露試写会にて鑑賞
ドラマが好きだったので楽しみにしていましたが、いい意味で期待を裏切られて面白かった。
豪華なキャストに笑いに涙に感動あり、まさかの展開に伏線回収、エンタテインメント映画として楽しめました。
社会正義、真実究明に立ちはだかるもの
本作は人気TVシリーズの劇場版。隣接する町で起こった二つの事件の真相に迫る主人公と女性弁護士の姿を描いている。過大な期待はしなかったが、迫力ある見応え十分な作品である。コミカル風味で、二つの事件を通して、正義、真実に真摯に向き合った作品である。
本作の主人公は裁判官の入間みちお(竹野内豊)。彼は、東京地方裁判所第3支部第1刑事課(通称イチケイ)から岡山県の小さな町に異動した。そこで彼は、防衛大臣(向井理)への傷害事件を担当する。事件の背後にイージス艦衝突事故があったため、彼は、衝突事故を調査しようとするが国家権力の厚い壁に阻まれる。一方、イチケイで共に事件を裁いてきた坂間千鶴(黒木華)は、隣町で、裁判官の他職経験制度により、弁護士として、人権派弁護士・月本慎吾(斎藤工)とともに懸命に業務に励んでいた。そんな状況の中で、千鶴は、ある疑惑解明のため地元企業と対峙していく・・・。
動の千鶴、静のみちおのバランスが絶妙。がむしゃら、行動的な千鶴に対して、大胆、単刀直入、思慮深く、物静かな、みちお。丁々発止のやり取りのなかに相互信頼、相互理解が垣間見える。どんな役柄でも見事に熟す黒木華の演技力には脱帽。
当初、全く関係ないと思われた二つの事件が次第に絡み合い一つの事件に収束していくプロセスに迫力がある。意外性がある。そのなかで、真実究明に苦悩する千鶴へのみちおのアドバイスが心に響く。そう簡単に真実には辿り着けない。悩んで悩み抜いた末にようやく真実の光が見えてくる。名言である。みちおの表情、台詞回しに経験に基づいた確信がある。説得力がある。
事件の結末は意外だが、日本の地域社会において、脈々と育まれてきた地域を牽引する地元企業と住民の関係=相互依存という背景を考えれば納得できる。国家権力の話も含め、本作の結末は、社会正義、真実究明に立ちはだかる日本の旧態依然とした隠蔽体質、ムラ社会への警鐘である。開かれた日本への熱望である。
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