キングメーカー 大統領を作った男
劇場公開日:2022年8月12日
解説
韓国の名優ソル・ギョングと「パラサイト 半地下の家族」のイ・ソンギュンの共演で、韓国大統領選挙の裏側を描いたポリティカルサスペンス。
1961年。韓国東北部の江原道で小さな薬局を営むソ・チャンデは、世の中を変えたいという思いから野党の新民党に所属するキム・ウンボムに肩入れし、ウンボムの選挙事務所を訪ねて、選挙に勝つための戦略を提案する。その結果、ウンボムは補欠選挙で初当選を果たし、63年の国会議員選挙では地元で対立候補を破り、新進気鋭の議員として注目を集めるようになる。その後もチャンデは影の参謀として活躍するが、勝利のためには手段を選ばないチャンデに、理想家肌のウンボムは次第に理念の違いを感じるようになり……。
第15代韓国大統領・金大中(キム・デジュン)と彼の選挙参謀だった厳昌録(オム・チャンノク)の実話をベースに、生き馬の目を抜く苛烈な大統領選の裏側を描いた。キム・ウンボム役をソル・ギョング、ソ・チャンデ役をイ・ソンギュンが演じ、「名もなき野良犬の輪舞(ロンド)」のビョン・ソンヒョンがメガホンをとった。
2021年製作/123分/G/韓国
原題:Kingmaker
配給:ツイン
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選挙というものが理想など邪魔なばかりで、魑魅魍魎が蠢く足の引っ張り合いであることは、出馬したことはなくともなんとなくわかっているつもりだったが、その嫌な話をエキサイティングなエンタメに仕立てている手腕が素晴らしい。白と黒ではわりきれない世界で、かろうじてひとつの理念で繋がった2人の男の共闘という図式も、エンタメとしてみごとに機能していると思う。
それでいて、後半にいたるテンションの上げづらい展開もまた、フィクションのようにはいかない現実の写し絵として実に苦い。ソル・ギョング演じる国会議員のモデルが金大中、選挙参謀の役は実際の金大中の参謀だった人物がモデルというが、映画の中に描かれたウソみたいなネガティブキャンペーンの数々の大半も、実際に行われたものだという。事実は小説より奇なりというが、むしろノンフィクションとフィクションの合間を縫うような語りがスリリングだ。
想像していた「大統領選挙の裏側見せます」。
とは、ちょっと勢いにかけたかな。
でもそういう流れや歴史が、あったんだなあと。
勉強にまった。
光の当たる人の影となった、主人公。
影は影でしかいられない。
そう思えなかったのが、選択の誤りだったのでしょう。
韓国の政治的歴史、知らないと(私)。
ピンと来ない気も。
2023年4月3日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
実話のリアリティと、韓国における北関係の人たちの位置の厳しさを思う。政治の世界が男一色なのも気持ち悪い。そして、こんなに選挙に金が使われているとは。
2023年3月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
大統領にまで上り詰める、いわゆる清廉潔白で志の高いなひとりの男と、世の中をよくしたいという志で彼と同調しあうが勝つためには手段を択ばない男、ふたりの人生を追っていく話。
鶏を盗まれてどうするかというプロローグ。対比するエピローグ。なんてかっこいい映画なんだろう。
韓国の政治映画に優れたものが多い背景のひとつには、長く続いた軍事政権から民主化を勝ちとった、という自負があることなのだろうなあ、と思う。戦争に負けたことで与えられた日本の民主主義と、少し思いが違うのかもしれないなあと時々思う。もちろんそれを身につけるきっかけとしては優劣があるわけではない。ただ、映画という面で少し差があるのはしょうがないのかもな、とも思う。
どちらもすばらしいふたりの違いが、最後の最後まで貫かれていたことが、そしてそれをしゃれたプロローグとエピローグで見せるかっこよさに、すっかりしてやられました。脱帽!
すげえ映画だった。
心の底の深いところには、「きれいごと言いながら、都合よく使いやがって」 という思いが、渦巻いている。しかし、「それを自分の心の底奥深くに沈めて大義を語る」 ということが、これもまた大変なことなのかもしれないな、という思いもまた芽生えている。