ヴィレッジのレビュー・感想・評価
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見ごたえある心理描写、映像美
まずこれは村ホラーじゃないです。格差社会、貧困、負のループの日本社会の縮図を繊細な心理描写で見せた映画。間違えてホラーを期待してはいけない。きれいごとだけ言ってる映画は好きではないので、好みの方面です。
➀オープニングがかっこいい。能、音楽、映像の差し込みがすばらしい。
➁横浜流星がすごい。闇をかかえた姿から明るくなり、また闇落ち。
途中、表はさわやかなんだけど、裏では犯罪に手をそめるなどの複雑な表情や藤井監督 に要求された能のお面のように泣いてるようで笑ってるような表情をみごとに体現されていて凄いなと思いました。
➂脇を固めるキャストもみんないい。特に能を舞っていた中村さんの姿や一ノ瀬さんと古田さんの悪ぶり。古田さんの言葉が何個かつきささりました。
➃一ノ瀬さんと横浜くんの死闘。もう一ノ瀬さんのパンチが本物すぎて迫力がすごい。対する横浜くんのやられっぷりも凄い。あれ、倒れるほうも勢いすごいから。
➄言葉にしないけど、日本人ならわかる圧力や忖度を感じながら進む心理描写を楽しむ?作品。また下手にハッピーエンドにしないのが、いい。社会派ミステリーとして簡単にハッピーエンドにしないのが正解。
考えさせられる映画も良いよね
勿体無い
閉塞的な村に巣食う現代日本の闇と裏社会の縮図の中でもがきながらも必死に生きる、そんな青年の人生を期待して観に行きました。
色んな人が言ってますが色々詰め込みすぎだなぁと思います。
序盤から中盤にかけての村でのイジメや裏社会的な世界、嫉妬と借金地獄とゴミでクソみたい生活感は身近に感じられてすごく好きだったけど、中盤以降は正直あまり好きじゃないです
幼馴染が出てきてから「あれ?おかしいなぁ」となり、気づいたらトントン拍子で人生が上手く行き出して、挙句にはテレビ出演して場面が変わったと思ったらなんの過程もなくゴミ処理施設しかない村に観光客と観光バスで溢れていたりちょっとリアリティに欠けるなぁと思いました。
裏社会を表現するヤクザも出てきますが、たったの一人です。違法廃棄、借金の回収、脅迫。だいたいこの人が一人でやってます。トラックの運転手くらいは居たのかもしれません。もしくはトラックもこの人が運転してきたのかもしれません。
よくわかりませんが村のヤクザだから規模が小さいんですかね?この人物がヤクザの中でどの立ち位置にいる人物なのかもよく分からず、キレることもなかったんでどうもヤクザ特有の凄みみたいなのを感じられず、親戚のおじさんみたいな感じでした。なんなら最後の方は主人公の優にちょっとなめられてました。
どちらかというと村長の息子の方がヤクザっぽい。
この村長の息子も最初はヤクザだと思ってました。
村長の「うちのバカ息子はどこで何やってんだか」という発言があるまでずっとそう思ってました。
というかこの村長も最初はゴミ処理施設を経営するヤクザなのかなって思ってました。
あとビル一つない村にパチ屋があるのもちょっと違和感。
横浜流星さん目当てで見る分には星5あげたいですね。
ボサボサ頭で無精髭の姿は男から見ても非常にカッコ良かったです。
やさぐれた演技も良かったです。
なんだかんだ書きましたが、主人公の人生と生き方には共感してしまう部分があって、クズみたいな親の借金でコキつかわれ、暴力が日常な職場でも淡々と仕事をこなし、周囲から陰口を言われ死んでるのか生きてるのかよく分からない状態だけど、それでもギリギリのとこで生きようとする主人公を観てると応援したくなり、また観たいと思える作品でした。
最後に気になったのがちょくちょく出てくる能とゴミ処理場に空いた穴の意味が自分にはよく分からなかったんですけどなんだったんですか?あれ
横浜流星一人勝ち
120分と言えば長めの作品であるにも関わらず
割愛されたシーンが多々あるように思いました。
観る者に委ねるということなのだろうし
全てを見せない良さもあるのでしょうが
少々委ねすぎ、不親切かなとも思います。
尺が足らなかったのであれば、個人的には「能」の
件を切ればよかったのでは?とも…。
これは、ドラマにしてじっくりと見せてほしかった。
父親は何故犯罪を犯したのか?
村長(古田新太)と弟(中村獅童)の確執
母(大橋ふみ)と長男(古田新太)の確執
丸岡(杉本哲太)と母(西田尚美)の関係
などなど
色々疑問が残る作品でした。
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称賛すべきは横浜流星です。
同年代の俳優陣は、彼の演技を見て思うところが
ありそうです。ないのではあれば終わってそうです。
本作でのどん底の生活をしている時の彼と
上向きになっていく時の彼、完全に上昇した彼
見事に演じ分けられていて素晴らしかったです。
あの猫背、やつれた表情、濁った光のない瞳
メイクの力もあるでしょうが、あれを見たら
ぜひ最悪なサイコパスな役を演じていただきたい🤣
綺麗でかっこいい役だけをこなさないところは好きです。
もっと汚れ役やクズな役もやってほしいです。
そして時々でいいので、キッラキラのイケメン役も(笑)
村社会文化の持つ気味の悪さが薄い
ヴィレッジとは…
河村プロデューサーと藤井監督らしい社会派の人間ドラマでした。
閉鎖的でムラ社会のような狭いコミュニティを築き血縁に縛られる日本全体を見事に風刺した作品ですね。
舞台となっているのは山に囲まれた小さな村ですが、もちろんこれは前時代的な地方を批判しているのではなく都会でもどこにいっても同じような問題を抱えている日本人性の批判。
美咲が「都会に出ても何も無かった」というセリフはその象徴。
村の繁栄の為にゴミ処理場を建設して、意にそぐわない者は村八分にする。そこで死者が出ても素知らぬ顔。一方で犯罪者の息子というだけであからさまな陰口を叩く。都合の悪いことには見て見ぬふりをする自己中心的な姿を、能面をつけて村人たちが行進していく姿で痛烈なメタファーとして描いたシーンに背筋が凍りました…。
さらに不法投棄まで請け負い、清濁併せ飲んでなんとか人生を持ち直した主人公を襲う不幸な出来事の連続。
誰よりも理不尽さによって苦労してきたお前もまたそちら側に立つのかと、神の見えざる手によって試練が与えられる。そして父親と同じような悲劇を繰り返してしまう負の連鎖。
彼が輝かしい人生を手に入れたことも、村というコミュニティが自己の利益の為に見て見ぬふりで得た繁栄も、過ぎてしまえば夢の如し。能の演目や美咲が語る「邯鄲の枕」のエピソードがこの物語のモチーフとして機能しているあたりもさすがですね。
また、明るい太陽に眩しいくらいに包まれた恵一くんがスーツケースを持って村を後にするラストシーンも、新しい希望を示唆する印象的なカットでした。
全体として、細部までキッチリ描かれており、僅かなセリフで登場人物それぞれの過去や立場を伝えて2時間の映画に収める脚本も無駄がなく良かったと思います。
エンターテイメント性という部分では物足りなさが少しあります。ただ、それ以上に社会派人間ドラマとして素晴らしいと感じました。
救われない…⭐︎
藤井道人監督&スターサンズということで鑑賞。
…予想以上にひたすら暗い。
霞門村という集落に産廃施設が利権絡みで誘致され、それに群がる人々と
翻弄される人々を描く。
村に伝わる能が何度もでてくるが、正直あまり能を使う意味はないかなぁ…
能の邯鄲の中にある50年の栄華も一瞬の夢という言葉に因んでの引き合いかと
思われるが…
人物の性格等の振り分けは、さすがに上手いがなんだか全員がバラバラの方向を
向いているような印象を抱いてしまい、結局は何を訴えたかったのかぼやけて
しまっていた気がした。
横浜流星、倉木華はじめ、脇までしっかりとした役者さん達なので安心して
見ることが出来る。
特に横浜流星は、「線は、僕を描く」の時も思ったがこんなに良い役者だったっけと
思えるほどの素晴らしい演技。
「村社会」と言う言葉は、映画の中だけではなくて、今でも生きている社会と思うが、
前述したように村社会の差別的意識を描きたかったのか産廃施設に群がる金絡みの欲を
描きたかったのか、よくわからないままの最後になってしまった。
能面…
人生なんて一幕の夢、的なことで能なんですかね。冒頭の薪能と火事を重ねる以上に上手くは使えていなかったような気がしますが。
ストーリーは、まぁそんな感じかな、ってところですが、いつの間にか取り込まれ体制の一部にされて片棒を担がされて、ミイラ取りがミイラとか同じ穴の狢感がスゴいね…
しかしそれにしても、「何故この村から出て行けないのか」についての説明ってありましたっけ?そこが一番腹落ちしなかった…
村の上に産廃処理場がそびえ立っている絵面の異様さは特に印象的。
しかし能面が光の変化とかで表情を感じさせるのはスゴいね。怖かった…
それにしても、今の日本はこの村そのものだ。ラストのように誰もいなくなる前にさっさと出て行きたいもんだ…
田舎の悪い所は これです!
なんか 田舎ならではの 陰気くさい所 まさにこれですよね?
横浜流星って こんな 上手かったんですか?ただのイケメンで
売っているとばかり思ってましたが、いつの間に こんな 陰湿な雰囲気を
出す事が出来るとは!常に 猫背で うつむき加減。
もっと もっと 違う役柄もみたい役者になって欲しい!
あの 哀しい目は最高に良かったですね。
横浜流星目当てで観にきた私
きっと救われない話なんだろうなぁと思いながら鑑賞しました。
横浜流星さん始め全ての俳優の演技が素晴らしい。詰め込みすぎとか矛盾してるとかいう感想もありますが、途中月日が結構経ってる表現もあるし人間なんてそんなもんって思います。
例えば今まで犯罪者の息子で白い目で見てた村人がいきなり態度を変えたこと→テレビ出て人気者になってきたらコロっと変わるしあえてそこに照準を合わせない物語の流れがよかった。
とおるのスマホを壊して証拠隠滅しなかった→そんな余裕なかったんじゃない?だって初めて人殺しちゃったんだし冷静にはいられなくないかな?
最後はごみ村長を燃やしてくれてスカッとした部分もあるけど罪を重ねてしまうことでみさきと結ばれないのは悲しい。
色々な意見がありますがそれが映画です。
そしてまた横浜流星さんに魅了されました。
とても面白い映画でした。
ゴミ処理場を建設した村の物語
エンドロール後のボーナスカットは絶対見てほしい!
詰んだ村は出るべし。一度出たら戻るな。(外から来る人はそれなりの覚悟で!)
のメッセージが、「いい移住」を促す昨今の政策に冷や水っぽい脚本。
昨日の統一地方選を見ても、無投票地区がどんだけあるのってわけで、人口減少少子高齢化大国日本のどこにでもありそうなお話。
「21世紀の日本再発見」的な、「地方創生の鍵は多様性」、「伝統的な社会に学ぶサステナ
ブルな生活、SDG'S最高!」みたいな表面的・軽々しい言説に胡散臭さを感じるひねくれ者には腑に落ちる内容。
横浜流星くんの渾身の演技、能面ぽいお顔立ちの黒木華さんの表情も良かったけど、最後に首絞められてる時の古田新太の歯の裏側が黒っぽくかつ黄ばんでたことに感銘を受けた。
そして最後は予定調和的にリアル薪能。
エンドロールの後、スーツケース転がして村を出て行く恵一(役名)に救われた。
どんよりとした気持ち…
終始暗い映画でした。
しばらく、気持ちがどんより。
でも、考えさせれることは多いです。
心のどこかに、潜んでることなのかもしれない。
大橋透(一ノ瀬ワタル)は、ほんとクズだけど、あれを作ったのは
村長の大橋修作(古田新太)です。
また、村長は村長でコンプレックスの塊。
ゴミ処理場で働いてた筧龍太(奥平大兼)君は、もう少しであそこをぬけだせたのに
捕まっちゃって。
片山優(横浜流星)も、儚い夢をみれて笑顔になったけど、一瞬にして終わってしまって。
美咲(黒木華)も無実ってわけには行かないですよね。
救いなのは、恵一(作間龍斗)が、事故で死ななかったことかな?
ちょっと「それはないでしょう?」って
思ったところはあったけど…
う〜ん。
でも、これで最後ハッピーエンドはありえないし、
この気持ちのまま終わりでいいんですよね。
一炊之夢
救われない話は大変好物である ハッピーエンドは確かに幸福感と腑に陥るカタルシスを得る麻薬だが、劇場が明るくなり、スクリーンが真っ黒になった途端にその魔法は溶け、現実が自分に襲いかかる 粟ご飯が炊かれる間の夢だ 逆の意味で自分よりも不幸な世界観の中からの目覚めであっても、その厳しさとは異質な現実が待機されていることでの減退感に苛まれるのも同じかも知れないが・・・
ただ、本作、自分の中で辻褄が合わない些末な筋があり、どうにも心に引っかかる事があった 主人公は小さい頃に能を習っていた件があり、そもそも父親が能楽に覚えがある人なのだろうから、ヒロインの教えを聞くまでも無く、知識は色々知っている筈だと想像出来るのだが、ストーリー中では、まるで記憶が消えてしまったかのような能に関する無知識振りが描かれる 能面等小さい頃からその小道具には親しみがあるだろうに あの劣悪な環境の中で忘却していたとしても、小さい頃に仲が良かったヒロインとの再会で記憶が蘇るという想像は自分の勝手な解釈だろうか? アラ探しは決して褒められるものではないし、そもそも映画はフィクションなのだから、作り手の都合が優先することには受容すべきである なのでこの部分の勝手な解釈は、あの小さい頃の写真に収まっていたり、ビデオ内で舞う男の子はヒロインの弟なのではないだろうか?と 男女の子供が戯れるソフトフォーカスシーンは主人公とヒロインなのだろうと・・・ 疑問点は尽きない本作の構造(余りにも近しい親類内での事件に於ける登場人物達の関係性の希薄さ等々)、なかなか飲み込みづらい展開は否めない
但し、そんな中に於いてキラリと光る登場人物は、主人公を痛めつける村の若い衆の頭(村長の息子)役俳優の哀愁を帯びた演技である 嫉妬の表情迄はそれ程注目になかったが、やはりあの暴行未遂シーンでの、細心な演技や、施される演出の妙は、型どおりの流れ(女性に対してのひっぱたき等、手を出す事)ではなく、体格の威圧感だけで所謂"○付けプ○ス"的な印象を与えるあの流れは、リアリティとしての画作りを作劇している白眉であった "大男に抑え付けられる=社会からの抗えないプレッシャー"は、多々ある今作内のメタファーの中でも最も輝いているシーンであったと感嘆する その後に続く主人公への嫉妬を爆発させた暴力シーンを含めたあのシーンクエンスは演じた俳優が誇っても良い演技であり、認められて然るべき力である
世の中、必要なもんだけで回ってるわけじゃねぇ。
自分にはハマらなかった邦画。 本年度ベスト級。
あの穴は何?
横浜流星の風貌が変わりすぎて凄い。
他の役者も良かったハズなのに、対抗できるのが木野花さんの無言の迫力くらいでした。
しかし、詰め込みすぎも目立つ。
能はモチーフとして使うぶんにはよいが、わざわざ歌舞伎役者に舞わせる必要があったのか。
また、龍太の結末には悲哀を感じたものの、本筋にも主人公にも影響を与えていない。
彼の話単体でも一本作れそうな反面、逮捕後は丸投げで作品の中では浮いていた。
社会の縮図として様々な問題を盛り込みたいのは分かるが、話が動く中盤までが緩慢。
それなのに、優が広報として人気が出た瞬間に疎外感が霧消し、母親はいきなりまともになるなど転換が雑すぎる。
夜の仕事辞めて収入減るハズなのに、借金問題なくなってるのも何故?
観光客が集まる要素もないし、死体を埋める場所もスマホを一緒に捨てるのも有り得ない。
最後の最後で優の父親がスケープゴートだった可能性を匂わされるも、誰の身代わりか全く分からない。
駆けつけた中村獅童は、容疑者を確保するでもなく、家族を助けに行くでもなく優を見つめる。
鑑賞後に重苦しいものが残るくらい演技は良かったが、脚本を少し整理してほしかった。
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