ヴィレッジのレビュー・感想・評価
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運命に翻弄される村人
閉ざされた村を舞台に人間関係の光と闇を描いたヒューマンサスペンス。藤井道人監督らしいスリリングな展開で異質な作品に仕上がっている。主演・横浜流星の体を張った演技はさすがの印象で圧倒された。共演者も実力派揃いで見応え充分です。
エンドロール後にも映像があるので最後まで鑑賞してください。
2023-59
横浜流星さん
藤井監督の作り出す、乾いているのにじめっとした映像が好きです。
横浜流星さん、じわじわと俳優になってきましたね。
まだまだ成長過程だし、もともと持っている品の良さが今作ではちょっと邪魔になってしまったなと感じましたが、そこはご本人も理解しているだろうし、今後の役者人生で一歩一歩修正されるのだと思います。
小さな村で起きたことだけど、今の日本社会を凝縮したような。
みんな何かに耐えているけれど、ポジションによって耐える量も質も違い、耐え続けたからと言って誰一人幸せになれるはずもなく。
ただ、極端なち密さは求めないけれど、ちょっと脚本に粗が目立ちました。
それと、セリフ。センスに欠けました。
藤井監督、たて続けに映画の話をもらいすぎて、詰める余裕がないのでしょうか・・・。
閉鎖的な村の中で感情を殺して生きている青年が、明らかに崩れると分か...
閉鎖的な村の中で感情を殺して生きている青年が、明らかに崩れると分かっている土台の上で一度幸せを手にし、崩れていくまでを描いた映画です
ムラ社会、ヤクザ、汚職等々色んな要素で不快にしてきます
(中盤で破滅の道を転がり落ちていく流れは見ていてもはや爽快感さえ…)
最後確かにまとまりを欠いた印象はありましたが、あまりマイナスポイントにはなりませんでした
ただ、ここまで不快にさせてきたならもう少し風呂敷畳んでくれという気持ちもなきにしもあらず…
エンドロール後にも映像あり
主人公の悲惨な人生が、ヒロインの帰郷をきっかけに少しずつ好転してゆく。しかし、序盤からそれが長くは続かないことを示す伏線が張られ、後半には状況は一気に悪化する。
作品終盤の村長の死や、凛々しい顔つきで村を出るヒロインの弟の描写は、一見すると今後の展開が良くなることを予感させる。
しかし、村ぐるみで主人公をいじめていた村人の中から次の村長を選び出す以上、村の性質が変わるとは考えづらい。また、内向的なヒロインの弟は、彼の姉と同じように村の外で挫折する可能性が高い。
状況は今後も変わらず、小さなコミュニティ独特の階級社会や閉鎖感は受け継がれていくことが容易に想像できる。
このような村社会の性質を、演者を変えつつ同じ演目が受け継がれていく能で暗喩しているのかもしれない。「日本人ならこの後どのような展開になるか想像できますよね」と言わんばかりの非常にシニカルな終わり方だったと思う。
予告編で想像してた感じとはちょっと違いました。(村の呪いとか村八分...
予告編で想像してた感じとはちょっと違いました。(村の呪いとか村八分とかが軸になってるのかなって思ってました)
終始暗い雰囲気で役者の笑顔や明るい曲もほぼ無く冷たい映像のみ。
内容は良かったです、好み。
ただ好き嫌いはっきり分かれそう。
横浜流星がとても良い演技をしていて難しい役だったのに凄いなーと。
それと個人的にはマザーで出てた男の子、奥平大兼くんが出てたのがびっくりしたのと嬉しかったです、出演してたとは…!マザーを観てからファンになったので釘付けでした!
栄枯盛衰
監督×長編映画主演では初タッグの藤井監督&横浜流星さん。「ヤクザと家族」はかなりクリーンヒット。「余命10年も」面白かったんですが、DIVOC-12の一つ、「名もなきアンナ」は完全なMVで映画になってなかったので、そこがこの作品で活きてしまったらまずいなと思いましたが、その予感は的中してしまいました。
まず良いところを挙げていくと、役者陣の熱演は素晴らしかったです。横浜流星さんのドロッドロとした闇の演技と明るく爽やかな光の演技、その緩急の差が激しく、観ていてとてもスリリングな気分を味わえました。
黒木華さんは、とにかく純で優しい、声色がとても落ち着いているので、この作品の良心的存在でした。黒木さんにしか出せない朗らかな様子を目一杯堪能することができました。
古田新太さんのなんだか信用ならない感じ、一ノ瀬ワタルさんのクソっぷり、杉本哲太さんの逆らっちゃダメな感じ、ワルな方々は総じて恐怖心を煽ってくれました。一ノ瀬さん演じる透、ここ最近の映画の中でも底抜けのクズなので、反撃されたときスカッとしました笑
奥平くんの精一杯の振る舞い、西田尚美さんのパチンカスっぷり、木野花さんの堂々としたお座り姿、中村獅童さんの能の動き、どこをとっても一級品の方々が映画を彩ってくれていました。この演技合戦を観れただけでも映画を観た価値は確かにあったと思います。それ故に劇場を出る足は重かったです。
ただ、ストーリーや設定に関してはかなり難のある作品だと思います。細かい矛盾が気にならなければそこまで問題じゃないかなと思いましたが、後半の乱れっぷりはちょっと目を当てられないものになっていました。
凄く疑問に思ったのが、村が一気に発展した理由が無さすぎて違和感だらけでした。透を殺した直後に一気に栄えるという流れ、何かきっかけで事が動き出したというのにしたかったのは分かるんですが、1人消えただけでこんなに動くかね?と思ってしまったら最後、ゴミ収集場しか無い村にあんなに観光客が来る理由が分かりませんし、老若男女楽しめるスポットでは少なくともないですし、その発展した様子も発展してそうで、見せかけな感じが見え見えだったのも残念でした。
透の死体の遺棄場所も不法投棄されている現場のど真ん中とかいう、見つけてくださいと言ってる様な間抜けっぷりにちょっと呆れてしまいました。物語を進めるためには死体が見つからないといけないとは思いますが、隠し場所が多そうな村の中で、人の出入りが多い場所を選ぶというのはいかがなものかと思ってしまいました。しかも携帯まで一緒に埋めたら証拠まみれでしょうがと。あと透が死んだ過程をあんな後に流す必要性とは…?とも思ってしまいました。
優が衝動的に村長を殺してしまい、さらに火をつけて…という父親と同じ行動をとってしまい、同じ過ちを繰り返してしまった…という感じなんでしょうが、最後観客側を笑顔で見つめるという、全て観客に委ねるラストはなんともいえなかったです。ここで終わんの!?と思ってしまいましたし、スッキリもせず、後味も中途半端、映画の締め方としてこれは無いなと思ってしまいました。
この手の作品だったら、物語をしっかり締めてエンドロールへと突入してほしいものですが、エンドロール後に映像が流れるパターンは出鼻を挫かれた気分になりました。若者が村から出ていく様子をささーっと流すんですが、これは完全に蛇足だったと思います。
役者のパワーは絶大、でも様々な要素を詰め込みすぎたせいで物語が成り立っていないなというのが全体の感想です。悲哀に満ちた感じはひしひしと伝わってきましたが、映画としての完成度はあまり高くないと思います。あまり積極的にはお勧めできない作品でした。
鑑賞日 4/21
鑑賞時間 12:20〜14:30
座席 I-8
楽しい映画を見せてくれ!
藤井道人は今日本で最も技量のある監督であろう。もし私がプロデューサーでどうしてもやりたくてかつヒットさせたい企画を持っていたら間違いなく彼を選ぶ。薪能とシンクロしたスタイリッシュで音もグッとくるMV的プロローグの見事さ、横浜流星と一ノ瀬ワタルの壮絶な長回しバトルシーンの凄さ(このシーンだけはどうしてももう一度じっくり見たい)そして役者のリアルを引き出す演出力よ、あたかも能面と見まがう横浜流星の朝日に照らされたその目その表情を見て震えるのだ。センスはもちろんだが自分でなんでもやるような岩井俊二的監督とも一線を画しおそらくあくまで職業監督として撮影部から照明美術演出部をチームでまとめ上げるコミュニケーション能力に長けているのだろう。観ながら数年前の「デイアンドナイト」をずっと想起していた。モチーフや設定、メインテーマもかなり似ていてあの映画をブラッシュアップしたかのような作品なのだが‥いかんせん脚本がというかストーリーにのめりこむことができない。ずっと一歩引いてスクリーンに映し出されている「映画」として鑑賞してしまった。もっと楽しい映画を見せてくれよと切に願う。
横浜流星の演技を堪能、物語のテーマはピンぼけ気味
予告で勝手に連想していたイメージがある。閉鎖的な村民が住む村の超法規的な掟、ホラーチックなサスペンス。
ふたを開けてみるとその予想とは少し違った。まず、明らかにおかしな村民は大橋父子の2人だけだった。序盤に面をかぶった村民の行進という思わせぶりな場面はあったが、警察はきちんと機能していたし、道の駅のような施設も地域住民に馴染んでいた。ごみ処理場の人間関係も、透がいなくなった後は普通に和やかなものになった。犯罪者の息子である優を村全体が疎んじていたなら、透が消えた後も疎外されていたはずだが、そんなことは全くなかった。
藤井監督は、本作の村を日本社会の縮図だと思って撮ったと言っている。
しかし、本作で描かれた悲劇は、村全体の在り方に起因するというより、ひとえに大橋家の人間たちの特殊性が引き起こしたもののように見える。
大橋家はその地に代々根付いた横暴な権力者(ありがちな暗喩としては政治家)、周囲の村民は彼らに物申せず横暴を許してしまっている民衆の象徴、といった感じなのだろうか。
村の閉鎖性、そこで未来を担う若者の犯した罪、という要素は、映画「ノイズ」を思い出させる。こちらの話の方が、誇張されてはいたが、閉鎖的な村落の隠蔽体質をよく描いていた。
冒頭で、能の「邯鄲(かんたん)」からのエピグラフが示される。物語の中で「邯鄲」の筋についての説明があり、光吉が能を舞う描写や邯鄲男の面も登場する。
ここまで「邯鄲」をフィーチャーしているのに、この村で起こることと「邯鄲」の物語のメッセージが、今ひとつ噛み合っていないように見えた。
監督はインタビューで本作を「一炊の夢の青年の転落劇」と表現している。邯鄲の物語のピースのひとつを借りた、くらいの関係性ということだろうか。美咲に助けてもらっていろいろと上手く行きかけたけどそれらは所詮夢のようなものだった、という……何だか絶望的だし、全体の流れから見るとそこが本筋だとは思えない。
監督は人によって解釈が違ってくる作品を目指したそうだが、日本の縮図的設定と能の演目、加えて環境問題を並べたことで、結果的にポイントが分散し、メッセージが不明瞭になっている気がした。どれか削った方がよかったように思える。
人によって解釈が変わる良作は、受け止める側の個々にとっては明瞭なメッセージが見えているものだ。思わせぶりなものを複数入れ込む手法は、焦点がぼやけるだけで、それは「人によって解釈が変わる作品」とは言えないのではないだろうか。
もともと横浜流星の演技を見たくて鑑賞したのだが、その点では大満足だった。絶望しきって生気の消えた瞳、その後美咲に心を開いてからの優の表情の違い、追い詰められた時の眼光など、迫真の演技だった。
一ノ瀬ワタルは、さすがの怖さ。演技だと頭では分かっていても、横浜流星の命の心配をしてしまった。
本当に死にそうなほど透が優をタコ殴りにしていたので、死体遺棄をせず警察に届け出れば正当防衛が成立していたのでは、という気もする。
出るべき田舎。
監督のオリジナル脚本なのね、凄い凄い。
初めホラー風味かな?と思ったけど実はもっと怖い田舎の問題山積み。狭い地域特有の排他的で自浄作用の無い、悲しい無限ループが横溝正史的で好みの話だった。
辛い日々が夢なのか?
幸せな瞬間が夢なのか?
片付いたのか?
また繰り返すのか?
かなり重めですが流星、黒木ががっつり魅せてくれます。黒木の良さは置いといて、流星くんはなかなかおもろい役柄、仕事積極的にこなしていて好感持っている。
今回は少し役に振り回された感があるが好演してるし先が楽しみな役者である事は変わりなし。
もちろん役者陣全員素晴らしかったが、一ノ瀬ワタルと木の花が何気に気になった。
引き絵の山村のゴミ処理施設の合成は怖い感、異物感出てたけどちょっとやりすぎ感あり。
横浜流星さんの演技に圧倒される一級のサスペンスドラマ
舞台となる霞門村(架空の村です)の景色や能面を着けた大勢の人々が松明を持って橋を渡るシーンなど、ほとんどが京都で撮影されたという幻想的・神秘的な映像美に惚れ惚れします
主人公 優を演じる横浜流星さんの演技が素晴らしかった、辛く暗い過去とダメダメな母親を背負い鬱屈した日々に押し潰されそうになっている危うい青年を見事に演じています
主人公の幼馴染み 三咲を演じる黒木華さんもまた、真っ直ぐで健気な女性を見事に演じており、とてもよかったです
希望に満ちた生活に負け、故郷へ出戻った三咲は人が背負う心の痛みを理解でき、優を心から支え・救おうとします
古い伝統を持った村を存続させるために迷走する人々、美しい村と裏腹に彼らが作り上げた闇の世界はその闇から産み落とされた運命によって淘汰されていく、
という深淵なストーリー展開が重厚で見事な映像と共に描かれ、とても見応えがありました
能いる?
霞門村という田舎の集落のゴミ処分場と村で暮らす村から出られない男の話。
パチ〇カスの母親の借金返済の為、全てを受け入れ汚れたゴミ処分場で働く主人公達の前に、東京に出ていた幼馴染みの女性が帰って来て巻き起こっていくストーリー。
家に灯油を撒いて火をつける男に始まって、ぐっずぐずな母親と暮らし陰口をたたかれる主人公。
閉塞感と隠謀というか掃き溜め感MAXな状況はとても良いけれど、犯罪者の息子って突然言われ、まあオープニングの放火男の絡みは想像つくけれど、終盤に差し掛かるまで何故か過去の父親の話しは明確に示されず。
彼女の家でのゴタゴタも想像着くのに、わざわざ時系列をいじって実は…いや普通にみせてもっとわかりやすく落とせば良いのに。
それで結局何が言いたいのかという部分が良く解らず、しかもエンドロール後の映像のリアクションで余計に???そういえば彼女も放置ですか?
やるせなさや悲しさは良かったけれど、それだけという感じだった。
一ノ瀬ワタル劇場
横浜流星と黒木華お目当てで公開初日に鑑賞しました。
藤井道人監督&脚本作品。
豪華キャストです。
しかし、脚本が青いというか、頭でっかちで、ず~っと暗いトンネルを進むような話で疲れました。
薪能が伝統芸能の村の夏祭りは大勢の村人が列をなして日が暮れてから同じ能面を着け、たいまつを手に参道を登って行く村。とても気持ち悪い。
ゴミ処理場をアピールして村おこし。
いやいや、常磐ハワイアンセンターじゃあるまいし、そんなんで観光客くるんでしょうかね?
元々、ゴミを引き受ける代わりの助成金目当ての村長以下、クリカラモンモンの立派な反社が仕切るヤバい村。
片山優(横浜流星)はパチンコ依存症
で酒浸りの母親(西田尚美)のためにゴミ屋敷に住んで、昼夜ゴミ処理場で働かされている。自家用車を持っている以外は奴隷同然。父親はゴミ処理場建設の反対派で賛成派の男を殺して、自分の家にガソリンを撒いて焼身自殺したらしい。
優は犯罪者の息子ということで、村で知らないものはいない設定。
村長(古田新太)の長男でゴミ処理場で訳ありの前科者たちを支配するワルは一ノ瀬ワタルで、県警の刑事の次男役が中村獅童。
東京で社会人をしていた美咲(黒木華)が帰って来て、いきなりゴミ処理場の運営陣にコーディネーターとして収まる。なにやら、東京の会社でハラスメント責めにあって精神を病んでUターンしてきたらしいが、それほどやつれた感じもない。パワハラ全開の柄の悪い連中のなかに入って、すぐに適応していた。
片山優とは幼なじみでともに獅童の元で伝統芸能の能を学んでいた美咲(写真のみ)。
獅童は歌舞伎役者だから踊りはすんなりお手のもの。能の歌はおそらくアフレコ。
一ノ瀬ワタルも優、美咲と幼なじみの設定。
小学校の社会科見学の案内役を優にさせるプランを作成する美咲。口下手で余裕のない優ができる気がしませんでした。しかし、イケメンはすぐに評判となり、マスコミが取材に来て、テレビ番組で紹介される。トントン拍子。
美咲は茅葺き屋根裏部屋に優を招き入れ、ほどなく二人は結ばれる。
気にくわないのは一ノ瀬ワタル。
決まってます。
そのための配役。
2022年6月に他界した河村光庸プロデューサーの最後のプロデュース作品。
「宮本から君へ」のプロデューサーでもありました。
一ノ瀬ワタルが黒木華をテゴメにする図式がバレバレ。
しかも、それを自分のスマホで動画撮影するアホ。
駆けつける優。
間一髪で間に合った。
しかし、
極真カラテの使い手の横浜流星はいっさい手出しをせず、ぼこぼこにやられるのみで、ぜんぜん見せ場がありません😭
いったいなにを見せられているのやら。
医療廃棄物を引きとって夜中に一般ごみと一緒に埋める違法投棄が犯罪の設定ですが、県警が一斉現行犯逮捕のために駆けつける案件なんでしょうかね?
水質汚染はどうするの?
エンドロール後の美咲の弟が村を出て行くワンカットも中途半端な感じ。
こんな村に若い人が留まる理由が元々ないです。
黒木華はじめ、豪華なキャストでしたが、一ノ瀬ワタルと中村獅童以外はとくに出演するメリットはあったのでしょうか?と首をひねる作品でした。
肝腎の華ちゃんと流星の心が通い合う流れがとてもインスタントで、優が救われたというよりも、奴隷から広報担当に大抜擢されたから明るい表情になっただけ?みたいな。
結局、血は争えないみたいなエンディングで、能面の効果なし。
優は再生できたのでしょうか???
甚だ疑問。
美咲はひとりで服役したんですかねぇ。
藤井道人監督は単独で脚本書かないほうがいいような気がします。
怪物だ〜れだ?
こんなに救いが無くて暗いのに、スッキリしちゃっていいんだろうか。
自分がもし優くんの立場にいて、あのような状況におかれたら…?
そうなんです。ほとんどすべて同じことをしていたはずです。その共感性の高さがスッキリの理由だと思います。
細かいことを言えば…例えば、あの時弟に見られていたかどうか確認したの?とか、美咲さん、あそこのシーンは、まず先にシャワーを浴びさせて、清潔な衣服に着替えさせてからの能面じゃないんですか?とか、まぁ気になるところはそれなりにあります。
それでも、全体の流れの中での優くんとしては、〝だって人間だもの、そうするしかないでしょ〟という納得感がありました。まるで相田みつをのダークサイド版でも見てるかのようでした。
そういえば…
このところの予告編では、かなりの頻度で『怪物だ〜れだ?』とやってますが、この映画を見た直後だと思わず、『怪物は古田新太の村長です!』と答えたくなりました😄
ラストはどうなんだろう?
美しい集落・霞門村に暮らす片山優は、村にゴミの最終処分場が建設されることになり、その建設をめぐり反対派の父親が事件を起こし家に火をつけ焼身自殺した事により、優の人生は大きく狂っていった。母親はパチンコと酒に溺れ借金を作り、その返済のためゴミの処分場で働くことになった優は、いじめの標的となり、将来の見えない日々を過ごしていた。そんな時、幼なじみの美咲が東京から戻ったことから色々な事が変化していく、という話。
最初のトオルの事件は正当防衛で仕方なかったような気もするが、ラストの村長のは共感できなかった。
横浜流星や黒木華など出演者は素晴らしかったし、ロケ地の京都の山村部、美山などの景色は美しかった。
優が覗いた穴は
本日から公開なので早速鑑賞しました。
明らかにハッピーエンドは期待できず、重い題材ではありました。
あの、処理場で主人公が覗いた穴は、
人間の業の深さを現したのではないかと解釈してます。
日本の闇を見事に炙り出し
俳優陣の演技に唸る一作です。
作間さんもセリフは少ないものの、重要な役どころで、今後の活躍に期待です。
これだから、やっぱり邦画鑑賞は
やめられないのです。
閉鎖的なムラ社会の権力構造と社会正義
本作は、気軽に鑑賞できる作品ではない。閉鎖的なムラ社会の中で苦悩する青年の再生物語を主軸とした、ヒューマンサスペンスである。ゴミの最終処分場などの今日的な問題を織り込んだ見応え十分の作品に仕上がっている。
本作の主人公は、故郷・霞門村で暮らす片山優(横浜流星)。彼は、幼い頃から村の伝統芸能である薪能に興味を持ち、能教室に通っていたが、ゴミの最終処分場建設を巡って事件が起き、村人との関係が悪化してしまう。母親の借金返済のため、優は、ゴミの最終処分場で働いていたが、日常的にイジメを受け、孤独で生きる希望を失った日々を過ごしていた。そんな状況の中で、幼馴染の美咲(黒木華)が東京から戻ってきたことにより、優の人生は大きく変化していく・・・・。
優は、優と同じ会社に就職した美咲によって覚醒していく。美咲の推薦で、優は、広報担当となり、持ち前の雄弁ぶりが開花して、TV放映を任されるまでになる。美咲とも次第に惹かれ合っていく。ムラ社会の権力構造の頂点に君臨する村長にも寵愛される。ムラ社会の権力構造の底辺から頂点に一気に上り詰めていく。
優を演じる横浜流星の表情の変化が劇的であり、劇的変化に対応した演技を巧みに熟す横浜流星に演者としての成長を感じた。もはや、彼は、アイドルではなく、演者になったと実感した。
黒木華は、どんな役柄でも熟す演技巧者振りを発揮している。故郷にバスで帰って来た時の表情に、只ならぬ気配を滲ませている。表情の演技が素晴らしい。
ムラ社会の象徴であったゴミの最終処分事業は、美咲の弟の告発で破綻していく。村長の片腕にまでなっていた優は破綻の阻止に躍起になるが、ムラ社会の権力構造の実態に気付き、自らの手でケリをつける。
エンドロール後のラストシーン。美咲の弟は故郷を去る。ムラ社会と決別する。社会正義を貫いた彼にムラ社会での居場所はなかった。
ムラ社会と社会正義。本作は、日本社会が抱える根本的課題を鋭く問題提起している。
ノイズと似てる
過疎集落に建つゴミの最終処分場で働く片山優は、親の借金の返済のために犯罪活動に身を落としていて…。
横浜流星主演作。祭りや村の風景など田舎の雰囲気を映像では魅力的に映す割に、物語は村社会のクソさに満ちた内容。想像通りの展開なのでイマイチに感じたが映像は良かった。
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