ヴィレッジのレビュー・感想・評価
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複数の見方ができる映画。個人的にはおすすめ。
今年146本目(合計797本目/今月(2023年5月度)3本目)。
ある限界集落に近いと思われる村にいわゆるゴミ廃棄処理施設が誘致され、その誘致された工場や処理施設の話や、その小さい村での隣人どうしのやり取りを描いた映画です。
複数の見方(ベクトル)が可能な映画で、登場する俳優さんのファン枠であるというような見方も可能だと思うし、リアル日本で実際にこの映画のように廃棄処理施設等で国や都道府県等から補助金が出てやっと持っている町村があることもこれもまた事実で、そのことを論点にしたいのか、いわゆる「メディアスクラム」を問題にしたいのか(そこまでとは思わないものの、メディアの暴走もやや気になるところ)、いくつかの線が考えうると思います。
ただ個人的に複数の軸で見ることができる(逆に、どの軸で見たらよいかわからなかったのが「せかいのおきく」ではあった)以上、一つの見方に固定しました。
なかなか気が付きにくいのですが、この映画は個々個々検討すると憲法論的な見方もあるのではなかろうか…と思えます(居住の自由(憲法22)等)。個人的には公法(縦の関係を定めるもの。憲法が代表例)と、地方行政(といっても、限界集落に近い村ですが…)の行政法的な見方をしました(この2つはどちらも「縦の関係」を規律するものなので、論点が重複する場合もあれば、どちらの軸で見るかで若干切り口が変わるものもあります)。
ただ、もっぱら、おそらく、「限界集落の在り方」「限界集落における隣人との付き合い方」「そうした中でトラブルが起きたときの解決の在り方」(3番目は民法的な見方)という考え方も可能だし、それも否定はできません。クロス的な見方が可能な映画だからです。
評価に関しては、この「縦の関係」である公法を重視してみたとき、個々個々気になる点まで考慮して4.4を4.5まで切り上げたものです。
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(減点0.3/「土壌から排出されたあるもの」に関する描写)
このようなものを勝手に処理施設でこっそり処理するのは法に触れますが、そもそも「この排出されたあるもの」は、その趣旨上れっきとした所有者がいるべきものです(日本では誰しもが所持できるものではない)。
当然それを投棄することは法に触れますが、その所有権が第三者に触れるものであれば、(刑事裁判における)没収の言い渡しに関しては、第三者であるものである関係で、手続きが非常に複雑になってしまいます(リアル日本では「第三者所有物没収事件」が該当します)。この部分の「適正な」描写がないので、そのようなものは無条件で没収したり処分できるものだと勘違いされる方が多いですが(特にこの映画で描写されるものは、その性質が強い)、第三者所有物は勝手に処分できません(結構手続きとしても面倒です)。
※ 占有権と所有権は違いますので、「真の所有者」に対しての告知弁解を与える必要があるためです。
(減点0.3/小さい村落と能・お祭りの参加について)
能という文化は他の伝統芸能に比べて宗教性が強いもので、同時に描かれる村のお祭りなどもそれに付随するものです。ただ、日本では「何人も、特定の宗教儀式に参加することを強制されない」ことが規定されているため(憲法20条の2)、この閉鎖的な村とは言えども、勝手に強制すると(間接適用説を取る一般的な見方の場合)、民法の不法行為(や、条件を満たすなら、96条の詐欺強迫)等で問題視されかねない事案です。
※ かつ、村ぐるみでやっているように、このような限界集落と思われる村においても当然行政というものは存在するので(いわゆる村役場)、そこが主導して半ば強制的に参加させているのだとすると、それもそれで国賠案件なような気がします。
(減点なし/参考/土地の物権的請求権について)
あの土地全体が会社の所有物ということは実際考えにくく、誰か(私人)か村(行政)のものを使っているのだと思いますが、「このような状況」においては、所有権等に基づく物権的請求権(妨害排除請求権)を起こされても仕方がないように思えます(ただ、これをどうこうすると映画のストーリーが迷走するので、完全に切られている模様)。
メインキャラ大体クズ
実際、仕事場にいたら間違いなく好かれる訳なさそうな挨拶すらまともにできない序盤の主人公。
そのせいで理不尽な目にあっていても可哀想に思えず。
体格で負けてる相手にはひたすら手を出せないのに村長にはすぐ手が出ちゃったり、殺した相手のスマホの処分すらしなかったりする頭の弱さなど主人公の衝動的な行動や、逆に意志薄弱すぎて流されたせいでも悪い方向にしか展開が進まないのでとにかくフラストレーションが溜まります。
ミサキ…泣いてるだけじゃなくてさっさと通報なりしたら?
主人公とヒロインに共感が全くできないのでどうにも自分には合いませんでした。
保身ばかりの村長や嫉妬の塊のトオルのほうが理解できます。
進行上のアラが気になってイマイチ入り込めませんでした。
死体よりよっぽど処分に大変そうなトオルの車はどうしたんだろうか。
若者の減った高齢化の進んだ村のゴミ処理場。 村を存続させるためには...
若者の減った高齢化の進んだ村のゴミ処理場。
村を存続させるためには必要なものなんだろう。
そのために犠牲になる人がいても、仕方ないと思わされて。自分に都合の悪い事は見ないフリ。
辛い経験をして、這い上がっていく物語ではない。
綺麗事じゃない、目を背けたくなるような出来事。誰かにとっては事実かもしれない。
20人ほどの観客。映画が終わったのに、しばらく誰も立ち上がらなかった。
何を感じたのか。
いまいちノれず……
「ヤクザと家族 The Family」のファンで
藤井監督に期待をしていたものの
ずーっと物語も画面も暗くて気分が沈んだだけだった。
俳優陣の熱演は伝わってくる。
黒木華のあのなんともいえない
あざとエロい加減w
なんなんですかね
正直、美咲が現れなければ
優は人殺しまではしなかったでしょうw
とは言え
それがなければ生きる意味とかも見出せなかったかもだしね……
ホントニクイ!
イライラするわ〜!w
素晴らしいですw
貧すれば鈍する
61本目。
この映画観たと思ってたら、ナイト・シャラマンの映画と勘違い。
危うく見逃す所。
光と闇、表と裏と言った所なのかとは思うけど、分別場のヤバい感じで、そういう感じで展開するのかなと推察。
そうじゃなくても、あのデブが普通に社員といるだけで普通じゃないし、それ要員、そうなると思ってしまうし、実際にねと。
展開に疑問を感じつつも、面白い?いや、でもつまらなくはないと、終始葛藤。
評価、星3だけど、星4、星5と言われれば、そうなのかなあと言った感じ。
めちゃくちゃダウナーな作品
藤井監督は本当にお気に入りの俳優さんばかり使いますね。
一ノ瀬ワタルさん大好きで、こないだインフォーマにも出てましたね。元アナの安東さんも好きですね、最後まで行くにも出てますよ。
流星くん、演技素晴らしかったと思います。眼だけで様々な感情を表現していました。あの重すぎる生い立ちを抱え、虐められ、どうしようない母親にも苦しめられ、ドン底を這いつくばって生きてる姿、目が死んでるし、雰囲気もかなりヤバかったです。
中でも西田尚美のあのダメな母親は最高だったな。いつも笑顔のお母さん役が多い中、一瞬誰だかわからないくらいに幸薄そうな疲れた顔にはさすがだなって思いました。木野花さんもあの特殊老いメイク抜群でした。
奥平くんは言わずもがなですが、彼も役の許容範囲が広いですね。まだまだ演技幅がありそうです。
それにしても、村長の古田新太に、弟の獅童、息子の一ノ瀬ワタルって家族、なんちゅう一家なんだろ、顔みんな怖すぎです。
そして、こういうのを負のスパイラルって言うんでしょうね。
結局、自分も罪を犯したお父さんと全く同じ生き方をしてしまうという、なんとも救いようのない展開。
なんとかここから這い上がってまともに生きようと思っていたのに、その内手の平返すだろうなって思ってたら、案の定でした。結局上の人達は、都合のいいように弱い者を使い捨て、立場が悪くなると全て弱い者に責任を擦りつけ、なんとかしろと言う…これって、村だけの話じゃないんですよね。全てのコミュニティ、社会の縮図なわけです。
結果的に罪を犯した家族を持ってしまった美咲の弟、恵一は村を去って行くようですが、逞しく生きてほしいと願うばかりです。
誰も報われない…
横浜流星がとてもよかった。
黒木華さんには申し訳ないけど、横浜流星とのラブラブシーンは見てられなかった。黒木さんの取り合いになる展開とかみんなに可愛いって言われるシーンに関しては、さすがに無理があるとしか思えなかった。たしかにあの暗い内容だから呼べる女優さんが限られるのだろうけどほんとに見てられなかった。
あと何でゴミ処理場だけで観光客が増えるのだろうか笑
いろんな意味で微妙だった。そりゃ動員も少ないわけだ。
タイトルが上手い
閉塞感漂う、社会の構造や人間関係、500年前から続く祭の文化が描かれた作品。
所謂「ムラ」なのに「Village」というタイトルにしている所がこの映画特有の気持ち悪さを上手く後押ししているように思った。狭い社会で干渉的なのにみんな他人事、そんなムラ社会の世界観とも重なるところがある。
人物描写の雑さが気になる中で奥平大兼の演技は目を引くものがあった。
一度ドロップアウトしてしまうと、なかなか元のポジションには戻れなく...
一度ドロップアウトしてしまうと、なかなか元のポジションには戻れなくなる日本社会の闇をえぐり出している。貧しいが故に国からの補助金目当てで産廃処理施設を誘致し、その利権にあやかろうとする村人やヤクザや土建屋。夏目漱石が草枕の冒頭でうたった世界が未だに息づいている。それにしても京都府の美山が良くロケをOKしたなああ。
相変わらず重箱の隅をつつく我
役者もみな頑張っているし映像も美しい。物語自体は嫌いではない。能をはじめとしたディテールはぎりぎりやり過ぎない範囲。ただいくら何でも廃棄物処理施設を住宅の上の山頂に作るのは常識外れ。絵にこだわったんだと思うが現実的にあり得ない。飲料水への影響など間違いなくアセスメントされるはず。この絵でいきなり醒めてしまった。残念。
横浜流星はじめメインキャストは皆良かったが、何といっても奥平大兼が今回も素晴らしかった。
全てを“村”の所為にしてはいけません。悪いのはゴミを出し続ける現代社会とそれで甘い汁を吸う悪党達です。初めの方でスケキヨが大量発生し最後は八つ墓村で終わりました。殆んど駄作。
①黒木華の無駄遣い。
②田舎から都会に出たらメンタルになった、という設定も手垢がついていてメンタルをそう便利に使われても困ります。優がメンタルになっているというなら分かるけど。
③古田新太の村長もステレオタイプだし、何より主役の優という青年の人間像がワケわかんないので説得力もなければ感情移入も出来ない。
「同情は要らない」なんて利いた風な事を言っといて、その後正に美咲に同情を垂れられると泣き崩れて挙げ句まぐわうか?
④能も話に何ら有機的に絡んで来ないし。
⑤結局あのゴミ処理場の穴は何だったの?スゴい思わせ振り…
⑥村を閉鎖的な社会とひと括りするのは最早時代遅れ。都会人はまだそんな認識なのかしら。
⑦藤井直人という監督は『新聞記者』でなかなか見処があると思ったが、『ヤクザと家族 The Family』ももひとつだったし、期待外れです。
終わり方。
人気のあるイケメン若手俳優さん主役の映画にしては重厚感があり、見ごたえのある作品でした。
最後は、主人公が村長を殺してしまい、村にピリオドをつけるが、社会派映画として貫くのであれば、主人公が村長の考え方通り従って村を存続できる形にして終わらせ、是非は鑑賞者に判断してもらえば良いのではないかと思いました。
無名の俳優さんでミニシアター系で上映するのであれば違っていたかもしれません。
しかし最後は映画監督等の良心を感じました。
人物の作り込みが雑
この監督の作品に共通して感じることは、ディテールの作り込みの雑さ。
ヤクザっぽい、腹黒い政治家っぽい、田舎のヤンキーっぽい、悪い村長っぽい、全てぽいで止まってしまって人物の作り込みが雑。セリフも型にハマったような稚拙さを感じる。
掘り下げが浅いので、ぽさがかえって「そんな奴いるかい!」につながる。
この作品にしても、出てくる大人のセリフや外見があまりにも観念的。中学生が思い描くヤクザとか、ヤンキーの印象をそのまま形にした感じ。刺青を隠さないガラの悪い社員がいる会社にいくら故郷とはいえ精神病んだ若い女の子が平然と再就職するか?とか
シチュエーションの描写がツッコミどころ満載です。不法投棄の問題やゴミ処理の現場をきちんと取材して、リアリティーが欠けてないかちゃんと考えて作っているのだろうか。
扱っているテーマは良いしやりたいこともわかるのだが、そちらが先行してディテールが置き去りになっている。
やりたいことをきちんと表現したいなら、取材や人物の作り込みにこそ時間を割くべき。
能面の奥
のびのびとした環境、地元の文化、楽しく過ごした時間。
そんな無邪気な幼少期からだいぶ遠ざかった現在にいた2人。
優は父の過去を背負い、母の傷を見放すことなく守るように生きてきた。
美咲は都会で挫折を味わい心を痛めて帰郷した。
その再会は、離れていた年月を埋め互いの歪んだ時間を包みこむかのようにみえた。
なつかしい優しさと何よりも偏見を持たずに信頼を寄せてくれる美咲に、荒んでいた優の心は幸せだったころを思い出しほぐされ、次第にいやなことを断ち切る勇気を与えられていく。
友情が愛情にかわっていくと、表情には柔らかい日に照らされたような温かみが蘇り、瞳には力強さが宿りはじめた。
そんな心情の変化にあわせ長い間片付けられなかった部屋の様子も変わり、仕事にも意欲が出始め、少しずつ自信を得る。
美咲も、優のそばにいるときの自分らしさを心地よく思い出したようだ。肩肘張り力んでいた都会での自分を悟り、仕事場でも緊張がほぐれた本来の穏やかさと朗らかさを取り戻した。
ふたりとも、自分の手でやっと抜け出しはじめた暗闇。
求めていた安らぎが運んできたふたりの未来と希望が眩しく近づいてきたようにみえた。
2人の様子に嫉妬した村長の息子とおるが、その仲をさこうとするまでは…
噂ひとつが人生を覆してしまうような密な関係が永遠についてまわる小さな村。
その良い面を忘れてしまうほどの悪さがそこに悪戯した過去を、美咲に恋心があるとおるが執拗に利用して2人をひきさこうとする。
嫌な予感が追い立ててくるなかでその日は来た。
感情の昂りが繰り返す大きな炎を呼んだ。
迫る火のなか、淡々とうたう村長の母・ふみの声がうねりこの世の無情を嘆く。
全てを知り尽くしていたようなふみは、まさに能面そのもののように、燃え落ちる家屋とともに朽ち尽くす運命を受けて待つ。
一見、無表情なその内面に隠れる様々な感情。
多くの人は、すべてをさらけ出すことなく生きている。
そしてそこに交差するそれぞれの思惑は足跡をかすかにのこし、消えて去る。
感じる者だけに見える能面の奥。
圧倒的な横浜さんの目の表現、黒木さんのスクリーンから伝わる温度。
ひとのこころの複雑さを、能にある静と動にたぎるような炎の効果を加え、そのどちらにもある強烈な深みを表す。
地位への固執、権力の乱暴、間違った保守、変えれない意地、自己満足な見栄、伝統のための重圧、他人を傷つける欲、自我に埋もれみえなくなる世界…人間の隠しきれない癖がたくさんみえる。
誰かの純粋なきもちをにぎりつぶさないで。
余韻をのこす切なさとともにうっすらと一筋の希望をみながら願う自分が居た。
修正済み
よくわからん。
俳優さん達の演技は素晴らしかった。
救われない話は好きなので、ストーリーの構成は面白かったのですが、変に引っかかる点が何個かあった。
綺麗事を言っていた美咲も、結局彼氏に死体遺棄させて共犯者にした挙句、自首もせず村の一部になったってこと?
中村獅童が「主人公の父を救えなかった」と言うから、じゃあ今回は主人公をなにかしらの形で救ってくれるんだな、と思いきや最後まで救われず。結局あの村は何も変わってない。じゃあ私は2時間何を見せられたの?
結局あの穴は何?村人の本音とか鬱憤とかのメタファーなんだろうけど、能とか村とか穴とか、重要なポイントが多すぎて全部薄くなってる。
気になるところはもっとあるけど、とりあえず燃やされたおばあちゃんが可哀想。
この監督さんはもっと修行をしないと。才能はある。
このところ、黒木 華がお気に入りで観る気になった。なんか、妙に私を唆るものを彼女は持っている。美人ではないが、私のお気に入り。
冒頭のシーン、ショットがあちこち入れ替わりうるさい。私は能をテレビでしか見たことがない。大きなスクリーンで見ると感じ方が違う。一度、舞台を体験してみないと。
俳優陣はよく演っている。能は人間の業を表現するものと素人感覚で思っているが、監督の演出は表面的に留まっているのではないかと感じた。古田新太はそれができる演技力を持っている思うが、演出の問題だろう。脚本にも問題があるかも。処分場の穴は、ガス抜きのためか。さり気なく説明してくれないと。親を人殺しにする必要があるだろうか。いえへの放火は致し方ないが、細かい点で疑問を持つ。それとエンドロールが終わってから、話の続きの映像があるのはおかしい。才能があるのでもっと修行の必要ありと感じた。
運命との戦い、ため息が出ました。
横浜流星さん好きには堪らない映画に仕上がっていたと思う。勿論、華ちゃんも良かったです。
個性ある役者陣が脇を固めていました。
何処にでも存在する環境問題と格差社会で差別扱いされた社会でもがき苦しむひとりの男や集落自体で同調する圧力を感じる映画でした。
綺麗事だけすまされない社会へのメッセージを投げかけてる様でした。
全232件中、81~100件目を表示