柳川
劇場公開日:2022年12月30日
解説
「春の夢」などで知られる中国のチャン・リュル監督が、2019年製作の「福岡」に続いて日本を舞台に撮りあげた人間ドラマ。福岡県南部の柳川市を舞台に、喪失感を抱える人々の心情を静かなタッチで描く。
中年男性ドンは自分が不治の病に侵されていることを知り、長年疎遠になっていた兄チュンを誘って柳川へ旅行することに。柳川は北京語で「リウチュアン」と読み、それは2人が青春時代に愛した女性「柳川(リウ・チュアン)」の名前と同じだった。20年前、チュンの恋人だったチュアンは誰にも理由を告げぬまま突然姿を消し、現在は柳川で暮らしているという。柳川を訪れた兄弟は、ついにチュアンと再会を果たすが……。
「バーニング・ダウン 爆発都市」のニー・ニーがチュアン、「空海 KU-KAI 美しき王妃の謎」でも共演したチャン・ルーイーとシン・バイチンがドンとチュンをそれぞれ演じ、日本からは池松壮亮が参加。
2021年製作/112分/G/中国
原題:漫⾧的告白 Yanagawa
配給:Foggy、イハフィルムズ
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2023年1月20日
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鑑賞方法:映画館
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『福岡』と似たような設定ながら、柳川になぜ行くのか、どんな町なのかが語られていて、納得しながら観ていけた。池松壮亮氏演じる宿の主の印象が最初薄かったものの、ジョン・レノンと会ったことがあると言い出したり、中心人物である中国人女性チュアンに求愛したり、謎の少女の父親だったりして、だんだん存在感が高まっていった。中野良子氏演じる居酒屋の女将は端から目立っていたが、中国人のチュアンと言葉が通じないことを承知のうえで言いたいことを言い合う場面が面白かった。『福岡』では、違う言語でも通じ合うという設定であったのとは異なって、自然に感じた。チュアンが夜中の街角で突然踊り出したり、オノ・ヨーコ氏の縁のある家跡で歌う女性が出てきたところが、ちょっと見せ場でもあった。川下りの場面ばかりではなく、見覚えのある場所がいくつか、そして見知らぬ場所もそれなりに映されていて、また訪ねてみたいと思った。弟ドンが死んだ後、チュアンが中国の家に来て兄チェンの妻と鉢合わせしたときには、一悶着あるのではないかと予想した。冗談の内容は、居酒屋で言った通りなのだろう。結末で、チュアンが発見したドンの唯一の遺品が、エンディングの歌の録音で、何事にも控えめだったドンの言い遺した想いを知ったということなのだろうか。
2023年1月9日
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鑑賞方法:映画館
なんか上手く言えないけど、良かった
見終わった今も、どこが良かったとか言葉で言えないけど、
良かった
一瞬眠くなりそうなのに全然寝落ちなんかしなくて、
ずっとガン見してた
独特の魅力
2023年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
チャン・リュル監督の作品は、静かに始まり、特段の事件が起こるわけでもなく、突然、終わりを迎える。そのため、どのように評価すればよいのか、戸惑う。
『柳川』は、『群山』(’18)『福岡』(’19)と合わせて「福岡三部作」と呼ばれるが、今回、本作の上映と合わせてこの三作品を同時期に観ることができたことで、チャン・リュル監督作品の空気感に浸ることができた。
パンフレットの中で東山彰良さんが「心残りとの折り合い」と表現しているのが、わかりやすい。過去の「心残り」にどうやって折り合いをつけるか。これは人生の大きなテーマかもしれない。観ているうちに、自分自身の過去の「心残り」を思い出し、胸がチクリとする。
そんな感情を、チャン・リュル監督は、慌てず、ありのままを丁寧に描く。まるでドキュメンタリー映画のように。
なるほどチャン・リュル監督は、事前には台本というものがなく、大まかなあらすじだけがあり、現場でセリフや演出を決めていくのだそうです。
まさに「空気感」を作っていたんですね。
そして、そんな空気の中では、日本、中国、韓国の言葉が入り乱れてもお互い何となく通じ合い、結局は人として何ら違いはないということを改めて思い出させる。そんなボーダーレスな作品。
2023年1月3日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
監督は痛みのわかる優しい方なんだろうなぁと思った。
鈍感な私は知らないうちに傷つけているのかもとも考えさせられた。