少女邂逅
劇場公開日:2018年6月30日
解説
孤独な女子高生と転校生の交流を描き、「MOOSIC LAB 2017」で観客賞を受賞した青春ドラマ。いじめられたことがきっかけで声が出なくなってしまったミユリ。そんなミユリの唯一の友達は一匹の蚕だった。ミユリは山の中で拾ったこの蚕に「紬」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子の清水にその存在がバレて、蚕を捨てられてしまう。唯一の友達を失い絶望するミユリ。そんなある日、ミユリの学校に亡くなった蚕と同じ名前を持つ「富田紬」という少女が転校してくる。ミユリ役を「ミスiD2016」グランプリの保紫萌香、富田紬役を「RADWINPS」のアルバムジャケットで知られるモトーラ世理奈がそれぞれ演じる。監督は「美味しく、腐る。」で早稲田映画まつり観客賞を受賞した枝優花。「転校生」名義で活動していたミュージシャンの水本夏絵が音楽を担当。
2017年製作/101分/PG12/日本
配給:SPOTTED PRODUCTIONS
スタッフ・キャスト
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2018年12月24日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
少女漫画原作の映画作品は数多くあるが、本当の意味で少女漫画の感性を映像に焼き付けた作品は少ない。これはその数少ない1本だ。岩井俊二作品にも匹敵する純度の高い少女漫画性のある実写映画を初めて観た気がする。
邂逅=蚕(カイコ)、2人の少女の世界は純白のカイコの繭に包まれているかのように狭くて純粋だ。クラスに馴染めず外の世界も知らない2人のこの世界は、青春時代の僅かな瞬間にしか存在できない。20代前半の枝優花監督だからこそ、描くことのできたものであろうし、監督にとっても今じゃなければ描けないと思えるものだったと思う。
彼女の感性は京都アニメーションの山田尚子にも通じるものがあると思う。『リズと青い鳥』と本作は比較できるところがたくさんあるだろう。物語も、撮影も録音も荒削りだが、それすら魅力に転じさせる力を持った作品だった。
3.5儚
終始夢のようで儚くて、彩やかでした。
最後2人の立場が逆転しているのも面白かった。
観ている側に伝わりやすい表現が多くて、ある意味ではやさしかった。
物語と女優さんの見た目が合ってた
2022年6月12日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
ネタバレ! クリックして本文を読む
女子高生ゆえの未熟さであったり、学生という身分での行動範囲の制約などそれらに抗おうとする若さゆえの行動がいたいけであり懐かしくもあり楽しめました。正直大学生になればそれくらいのこと普通に出来るよと思うようなことをなんとか頑張ってやろうとしている感じが何とも懐かしくてよかったです。
アングルであったり演出の仕方に関しては映画をよく見ている人からすれば酷いという評価になるのかもしれませんが、私は逆にこのような今どきの若者がiPhoneで撮るような自然な描写を意図的に用いるのは面白いと感じました。
アラサーではありますが、私たちが子供のころにはクリームソーダというのは当たり前の存在でしたが今の若い人からすれば逆に新しい、バズるという感覚ということにジェネレーションギャップを感じています。
青春と言えば若い男女の恋愛という印象がありますが、私は思春期ゆえの葛藤であったり、同性の友情の方が青春だと思ってきているためこの作品に対して高評価をしてます。ある程度年を取ってくると男女の云々は正直どうでもいいなという感じがしてきました。
ネタバレになりますが、主人公が沖縄に行くのを直前ですっぽかしたというレビューを見かけましたが、すっぽかしたのではなく、主人公がツムギの糸を抜ききってしまったためにツムギは蛹になってしまったの方が正しいのではないかと思います、ツムギの作中のセリフから察せられるように最終的には何も食べれなくなって部屋の隅で餓死したという方が私は合点がいきました。蛹になっても蛾になってもいずれも死という表現をツムギが敢えてしているのは、蚕の幼虫であるうちに沖縄に行かなければ意味がないという暗喩なのではないかと思いました。わざわざ夏休み前のテスト期間にサボらせて沖縄に行こうとしたのも自分が蛹に近づいているのを察していたのではないかと推察できます。
庵野監督のラブ&ポップを楽しめた方はこの作品も楽しめるのではないかと思います。ある程度人生経験をして「その気持ち分からなくもない」という感覚になれば楽しめると思います。現役女子高生が見て楽しめるものではないのだろうなと思います。一周回ってそんな時期もあるよなというある程度大人になった人が若さゆえの葛藤を楽しむ作品かなと思います。
2021年11月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:映画館
いじめられたことがきっかけで話せなくなってしまったミユリは森で蚕を見つけ「ツムギ」と名付け大切に飼っていたが、いじめっ子にその事を知られて、蚕を捨てられてしまった。唯一の友達を失い絶望するミユリだが、ある日、ミユリの学校に「富田紬」という少女が転校して来た。蚕と同じ名前の紬と仲良くなり2人で沖縄に行く計画を立てるが土壇場ですっぽかしてしまった。さてどうなる、という話。
なんか悲しい、切ない話で感情移入して泣きそうになった。
ミユリもだが、紬も相当悲惨な環境で、自分が彼女たちだったらどうしただろうと考えながら観てた。
答えはないけど・・・、やはり抵抗しないと始まらないのかなぁ、とは思ったが、無理かも。
ミユリ役の保紫萌香がすごく可愛いかったし、富田紬役のモトーラ世理奈は相変わらず存在感あった。