劇場公開日 2022年12月16日

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ケイコ 目を澄ませてのレビュー・感想・評価

全274件中、121~140件目を表示

4.0コミュニケーションギャップはまだまだあるのではないか

2023年2月7日
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鑑賞方法:映画館

 主人公が当事者俳優ではないので敬遠していたが、キネマ旬報第1位を取ったので、観に行くことにした。パンフレットをみると、実際に聴覚障がいの女性ボクサーの体験本を原案として、岸井ゆきの氏を主役に制作するという企画をプロデューサーが立ててから三宅唱氏に監督依頼がきたものだという。岸井ゆきの氏の演技力から考えると、妥当な抜擢ではあると思われる。二人の当事者の役者の出演場面も設定されているのも強調されている。東京都聴覚障がい者連盟事務局長の越智大輔氏が手話監修に当たり、ケイコとその弟の聖司との手話との遣り取り、そしてケイコの勤務先の同僚の手話はかなり行き届いていると思われ、ケイコの移籍予定先の会長は、わざわざ簡単な手話で挨拶をするばかりか、タブレットの音声文字変換ソフトを使って会話をしてくれていた。対照的に、ケイコが街中で出会う知らない人や試合会場での知ってか知らずかの無配慮は社会の無理解の実態を反映した描写であろう。けれども、長年共に過ごしてきた会長夫妻が、口話ばかりで全く筆談しようともせず、加えてケイコに声を出すことまで求めているのは、原案の著者も実際そうであったのならそれで良いのかもしれないけれど、無情に思えた。

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てつ

4.5物語上の起伏はあえて抑制している感があるけど、最後まで目を離せない一作

2023年2月7日
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冒頭の練習場面、ミットとグローブが接触する音が徐々に独特のリズムを刻み始めると、思わず座りながら身体が動きそうになります。この引き込まれるような導入は見事。

主人公小河ケイコ(岸井ゆきの)は耳が聞こえないというプロボクサーとしてはかなり厳しいハンデを抱えていますが、その努力をことさら強調するでもなく、物語は淡々とした練習と日常を描いていきます。舞台も古びたボクシングジムとケイコの自宅、そして彼らの日常感溢れる生活圏内にほぼ限定されているため、物語と同様、控えめな映像表現でありますが、とても丹念な描写です。

ケイコを中心とした登場人物の日常を描きつつ、コロナ禍を含め、少しずつ生活に入り込んでくる変化に、各々ができる範囲で対処していく、そんな物語です。だからといって決して退屈させる内容ではなく、日常描写のなかに一定の映像的緊張感を保っている三宅監督の演出力は見事。ただ起伏の激しいドラマや壮大な謎解きなどを期待すると、ちょっと意外に感じるかも知れません。

もちろん主演の岸井ゆきのの演技は素晴らしいんだけど、『コーダ』(2022)でも話題となった”当事者キャスト”について、製作側がどのように捉えているのか気になるところでした。

パンフレットは売り切れの映画館が多いそうなので、もし在庫があればぜひ購入をお勧めします!

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yui

4.0あっという間

2023年2月6日
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鑑賞方法:映画館

1時間30分弱、ずっと引き込まれた。
怖いぐらい感情移入してしまう。

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shin

3.0目を澄ませて

2023年2月5日
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随所にこだわりを感じる一作だったが、
これでいいのか、という疑問も感じた。
というか、これを観て何を感じればいいのか、分からなかった。

母親の問題も、会長の問題も宙ぶらりんのまま
終わってしまったように感じた。
最後の痛みに立ち向かうケイコの姿は良かったし、
会長の赤い帽子を被る姿も可愛くはあったのだが……。

あと会長の妻が非常にデリカシーのない人間に見えて気になった。
なんでケイコの日記、朗読してんの?
ケイコだって伝える手段をたくさん持っているのに、
なんで他人が最もプライベートな日記を読み上げるの?
不思議すぎるんだけども。

岸井ゆきのは凄かったが、やっぱり健常者が演じる意図がわからない。

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JYARI

3.5キネマ旬報2023年第一位

2023年2月4日
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鑑賞方法:映画館

劇中で音楽が流れない、エンドロールも同じく。そのせいなのか街の中にいるような感覚を持ちました。岸井ゆきの、三浦友和ともに良い役者であるが、見終わった後、物足りなさを感じました。

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こうたんまる

3.5仙道敦子さんが共演していました

2023年2月2日
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ろうあの女性のボクサーのボクシングを通じて生きていく姿が良かったです

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じぇいじぇい

4.0耳が聞こえないということ

2023年2月2日
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鑑賞方法:映画館

悲しい

難しい

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たぁぼぅ

4.5設定は特殊でも、生きることの中に普遍的に存在するもの、それが描かれている

2023年2月1日
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鑑賞方法:映画館

耳が聞こえない女の子のプロボクサーって、相当特殊なんだけど、ケイコの足掻きながら生きていく日常に誰もが自分の人生を重ね合わせることができると思う。ケイコほどの身体的ハンディを抱えている者は多くはないだろう。しかし、その生き様には万人に共通するものがある。そんなことを感じさせてくれる映画である。ボクシングというハードなスポーツの過酷さや、その上、耳が聞こえないハンディ、さらにそのために不便であろう日常生活を、殊更に特殊なものとせず、淡々と描いている。また、それを岸井ゆきのは見事に演じた。
映画の終盤、ジムの会長が倒れ入院する。お見舞いに行ったケイコは病床で大学ノートに何やらイラスト?メモ?を書いている。それを目にした会長の奥さんはケイコの了承を得てそのノートを手に取り、めくりながら読み始めた。そのノートには練習の記録(ロードワークを何キロしたとか、スパークリングを何ラウンドこなしたとか)を中心に日常の他愛ないことがメモされていた。そのケイコの日常がスクリーンに流れたとき、僕は不覚にも涙がこぼれてしまった。よくわからない感情が僕の心に渦巻いたのだ。僕は受験生の時に日誌を書いていた。あの頃を思い出した(普通の受験生とは少し異なる環境にいたよななんて考えたり)し、サラリーマンとして必死に働いていた若い頃を思い出したりもした。他にもいろいろと足掻いて生きてきた(今も見事に足掻いてます)なあなんて、いろいろと考えたりしました。

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ゆみあり

4.0観て良かった

2023年2月1日
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鑑賞方法:映画館

ドキュメンタリー風で淡々としたドラマ。
ケイコが何を悩み、苦しんでいるのか解りにくい、そういうもどかしさがリアル。

とにかく岸井ゆきのさんのボクシングシーンが、本当にボクシングやってたの?
という位すごい。
ものすごく負けず嫌いなのが伝わってくる。
凄い女優さんだな。

最後の相手選手とのシーンが良かった。

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くろすけ

2.5期待しすぎた

2023年1月31日
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鑑賞方法:映画館

自分の周りの人々の評判が皆良いので、それならばと見に行ったが、退屈してしまった。
下町(京成沿線?)のジムに通う耳の聞こえない女性プロボクサーと彼女を取り巻く人々の、日々の暮らしを淡々と描いている。ジムは閉鎖せざるを得ない。主人公は若手挑戦者に負けてしまう。でも、それだけなのだ。「ミリオンダラーベイビー」みたいなドラマチックな展開を期待してしまっていたので、エンディングクレジットが流れてきたときは「へ?」と思ってしまった。

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M.Ooi

5.0光の差さないほうへ

2023年1月29日
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鑑賞方法:映画館

日本の若手監督で個人的に大好きな三宅唱監督の作品。やっと鑑賞できた。前作のきみの鳥はうたえるが好きすぎて、今作も楽しみで仕方なかった。聴覚障害でありつつもプロボクサーとしてリングに立つ小笠原恵子さんの原作を元にして作られている。個人的にボクシングが好きなのでボクシング映画はたくさん観ているけれども、こちらの作品はボクシング映画というよりはボクサーとして、人としての生き様が描かれていてこれまでのボクシング映画とは一味も二味も違っていた。ケイコの人生、生き様に焦点が当てられていた。岸井ゆきのさんのセリフはほぼなく、その代わりに眼ですべてを訴えかけてきていた。ケイコにとってボクシングは魂を燃やす場所であり、本来の自分を曝け出せる、言葉のない拳で語り合う場所である。心情の変化はすべて映像で語られておりそれこそが三宅監督のなせる技なのかなと。ケイコの通うボクシングジムはノスタルジックな古いボクシングジム。それと対照的に真新しいジムが話中にでてくるが、そこは綺麗で蛍光灯で全てが照らし出された影のない明るい綺麗なジム、そこはケイコの生きていきたい場所ではなかった。鑑賞後調べたらデジタルフィルムではなく16mmのフィルムで撮影されているそうで、そのぼんやりとした、ふんわりとした優しい光がこの作品の良さを増していたように思う。華美な展開やセリフ、表情がなくても観るものにこれだけ訴えかけてくる作品ってなかなかないと思います。映画館で観れてよかった。

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kuronelius

2.5ボクシング映画ではないのですね

2023年1月29日
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鑑賞方法:映画館

専門家の人達の評価が高い作品のようですが、オイラには今ひとつだったわ。
生まれつき耳の聞こえない孤独?な女子ボクサーの実話ベースの作品らしいので、これを是としないオイラはヤバイ奴なのか?
いや、そんなことはない。何作もある人間ドラマ満載のボクシング映画に、ちゃんと心打たれてるし。
もう少し、メリハリある展開にできたろうに。
岸井ゆきのさんの頑張りは確かに認めるし凄いと思うが、正直ボクシングシーンはもうひとつだったな。

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ケビタン

3.0悩み

2023年1月28日
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鑑賞方法:映画館

なんでボクシングを続けることに悩んでいるのか、、、
そこがとても大切なテーマなんだと思うんですが、イマイチ伝わってこなくて結果的に退屈に感じてしまいました(スイマセン)
もっと言ってしまうと、長い人生の中で何か情熱を傾けられる対象が見つけられた人は、それだけで幸せなんだと思います。そこは全く描かれていない上に、その対象にのめりこんだ入り口と、のめりこんでいる最中と、その出口、その3つが揃っていなくて、腑に落ちないというか、一連の一幕としてのなんか居心地が悪いんですよね。
岸井ゆきのさんがストイックに役に取り組んでいたのは、凄く伝わってきたので心苦しいのですが、全体として面白い映画と感じることができませんでした。
「目を澄ませて」という副題は、観客に向けてのメッセージだったのかも知れませんが、それにしても「う~ん」という感じでした。

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HAL-9000

4.0しゃべらなくとも

2023年1月28日
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鑑賞方法:映画館

冒頭とラストのコンビネーション練習部分は、喋らないからこその趣がある。打楽器のセッション演奏のような、ボクシングを楽しんでいることを体現してる感じ。

聾唖者であることで健常者よりも心配されやすく、それを良く思わない人が多い、でもけいこの周りには純粋で心優しい弟カップル、会長、コーチ。
優しくされればされるほど、迷惑をかけてしまうと思ってしまうのか、、難しい匙加減。

ゆるーやかな起承転結で、しっぽりと鑑賞。

しかし、テアトル新宿の椅子は体が疲れる…
もうちょいリクライニングされた椅子だったらなー。

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soleil

3.0稽古

2023年1月28日
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鑑賞方法:映画館

単純

幸せ

耳が聞こえない女がプロボクサーとして頑張ろうとする話。
フィクションらしいがリアリティー高め。
静かなしっとり系作品。オチはない。

良い点
・ASMR
・罵声を浴びせる人
・宝くじで12億当たった人がいるなどというのはフェイクニュース

悪い点
・やや美人

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猪古都

3.0淡々とした日常

2023年1月28日
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鑑賞方法:映画館

聴覚障害のボクサーと彼女を取り巻く人々を描いた映画。
東京・荒川の河川敷をはじめとする庶民的な景色は懐かしさを感じる。
映像もざらっとしておりフイルムのような感じ。
主人公は当然言葉を発しないため全体的に台詞が少ない。
こういうラストもあるのかというくらい起伏の少ないエンディング。
主人公行動について説明がないシーンも多くあった。
観ながら自分の中でいろんな想像が働きそれもこういった映画の面白さだろう。

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やしの実

3.5よかった

2023年1月24日
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吉泉知彦

3.5時には心も澄ませて。

2023年1月24日
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聴覚障害を抱える実在の女性プロボクサーをモデルにした物語。日中は客室清掃の仕事、午後は下町のジムでトレーニングに励むケイコ。尊敬する会長の声も、ゴングの音もその耳には届かない。そして一度ボクシングから離れたいという本音もうまく伝えることができない。

周囲の期待に応えたい気持ち。自分自身のこれからのこと。心が強く見えるケイコにだって弱い部分はもちろんある。淡々と流れる下町の空気感。あちらこちらの雑音。なんだか感傷的になります。

正直になれないもどかしさやお世話になった会長への義理。入り乱れる感情を隠すようにリングに立つケイコの姿にぐっときました。岸井ゆきののいつもと違った表情が素晴らしいです。ただ、全体のテンポが私には合わなくて途中ちょっと退屈してしまいました。

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はるたろう

3.5力のある、いい作品だけど……

2023年1月23日
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鑑賞方法:映画館

力のある作品です。
ざらっとした質感の映像、シンプルなストーリー、岸井ゆきのの揺るぎない存在感……。
それらがひとつになって、ひじょうに味わいぶかい内容に仕上がっていました。

まず冒頭のトレーニングのシーンが圧巻です。ケイコとトレーナーのパンチの音は、まるでパーカッションによるセッションのよう。そのリズムがなんとも心地よい。

あまり起伏のない物語なので、途中、映画の世界から気持ちが離れそうになったけれど、決してそうはならず、またすぐに意識が画面に戻っていく。
中盤ぐらいからそんなことを繰り返していて、なんか不思議な作品だなと思いながら観ていました。

ともすれば離れそうになる僕の気持ちをスクリーンにつなぎ止めていたのは、言うまでもなく、岸井ゆきのという女優の存在です。
デ・ニーロじゃなきゃ『レイジング・ブル』があそこまでの作品にならなかったのと同様に、岸井の存在がなければ本作は成立しなかったでしょう。
ちなみに、昨年、僕は彼女の舞台『気づかいルーシー』も観ましたが、そのときのパフォーマンスも素晴らしかった。岸井ゆきのは、わが国のエンタメ業界の未来を背負って立つ俳優です! これからも応援するよ、ゆきのちゃん♡

いや、また気色悪い文章になってきた。映画の感想に戻ります。

さて、岸井ゆきのの好演とともに伝わってきたのは、監督がこの作品をひじょうに丁寧につくっているということでした。
本作のテーマを損なわないように、安直な「感動物語」にしてしまわないように、注意ぶかく制作しているということがわかりました。

その一方で、「でもなあ」という思いも湧いたのです。
前述したように、たしかに力のある、味わいぶかい、いい作品なのだけど、正直言うと、やっぱり映画として、もうちょっと面白くしてほしかったなぁ、と。

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peke

3.5スパーリングのリズムに魅せられた

2023年1月22日
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単純

興奮

岸井ゆきのさんがよかった。演技力と役への情熱の熱さが伝わってきました。
なんと言ってもスパーリングのかっこよさ。あれで一気に物語に引き込まれてしまいました。
いつも頑なに自分を守ってるケイコが美しく、楽しげに、自分を解き放つ瞬間。
オーナー役の三浦友和さん。とてもよかったです。びっくりしました。
頑なだったケイコが(それでよいと思っていたケイコが)自分の身体の事情を伝えられず、思いを伝えられないジレンマにもがいて、でも意外な人がケイコに挨拶に来るところでケイコの心情が変わる場面。
あの場面でケイコはまた前を向いたのだと思います。岸井さんの表情が。なんとも。よかったです。
音楽がなく、シンプルな映画作り。その潔いよい作り方が深く刺さる映画でした。

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マルマル