アキラとあきら
劇場公開日:2022年8月26日
解説
「半沢直樹」シリーズなどで知られる人気作家・池井戸潤の同名小説を、竹内涼真と横浜流星の主演で映画化。
父親の経営する町工場が倒産し過酷な幼少時代を過ごした山崎瑛と、大企業の御曹司だが次期社長の座を拒絶し血縁のしがらみに抗う階堂彬。同じ名前を持つ2人は運命に導かれるかのように、日本有数のメガバンクに同期入社する。人を救うバンカーになるという熱い理想を持つ山崎と、情を排して冷静に仕事をこなす階堂。正反対の信念を持つ2人は真っ向から対立し、ライバルとしてしのぎを削る。しかし山崎は、ある案件で自らの理想と信念を押し通した結果、左遷されてしまう。一方、順調に出世する階堂の前にも、親族同士の争いという試練が立ちはだかる。やがて、数千人の人生を左右する巨大な危機が到来し、山崎と階堂の人生が再び交差する。
監督は「思い、思われ、ふり、ふられ」「僕等がいた」の三木孝浩。
2022年製作/128分/G/日本
配給:東宝
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2022年9月20日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
池井戸潤氏の作品となると、どうしたってTBSの日曜劇場を想起してしまいがちです。
ですが、今作は青春映画や恋愛映画の名手・三木孝浩監督が手がけており、テレビドラマの路線とは一線を画しています。
大手銀行に入行した「アキラ」と「あきら」を演じた竹内涼真と横浜流星の等身大の魅力が
詰まった作品でありながら、汗臭さを微塵も感じさせない青春物語としても成立しています。
それぞれの矜持を貫きながら、ひとりの社会人として成長していく姿は清々しいのと同時に、
筆者世代からしてみると上司役の江口洋介の発言にもうなずけたりします。
強いて言うならば、新卒入社して着実に出世していく2人の成長物語を描いていながら、
まるで1ミリも女性の影がちらつかないことへの違和感がないといったら嘘になるかもしれませんね。
まず、本作は128分でまとめるのは困難な時間軸と経済事案だと感じました。
特に経済の話となると予備知識などが必要となり、ただでさえ通常の作品と比べると長めになってしまう面があります。
それもあってか本作では、それほど1つ1つの事象に入り込まずにエピソードをつなげていくという作りになっていました。
経済系の映画として見ると、最初の方の「日本有数のメガバンクに同期入社」における入社式のプレゼン対決の段階で、「この程度のネタで超一流メガバンクで語り継がれる伝説になれるの?」という違和感をもってしまうかもしれません。
ただ、このプレゼンの難易度を「伝説級」に上げてしまうと、一般の人が理解できなくなるという問題が生じてしまう厄介な面があります。
そのための落としどころの1つが本作なのでしょうが、最初に2人の存在を際立たせる演出としてはアリだと思います。ただ、その後も、上白石萌歌が演じる後輩が「あの伝説の…」という感じで引っ張るところは、やり過ぎな感がありました。
その他も、名言集のようなセリフにしたいという意欲は感じますが、そのぶん論理が飛んでいる強引なセリフが出るところは尺問題の絡みなのでしょうか。
また、エピソードをつなげていくような作りなので、登場人物に感情移入がしにくい面もあるかと思います。
横浜流星が竹内涼真に「お前は育ちが良いな」と、取ってつけたように言いますが、これが本作の最大の特徴なのかもしれません。「恋愛映画」のラストのような描き方をどう感じるのかによって本作の評価が分かれると思います。
ただ、竹内涼真、横浜流星、高橋海人、上白石萌歌らキャスト陣の演技は良く、経済系の話が苦手だという人に対し、少しでも経済のことを身近に感じてもらうのが本作の価値だとも考えるため、経済の話を分かりやすくするには、ある程度、本作のように「雰囲気で進める」のも正解の1つなのかもしれません。
2023年6月8日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
原作は「陸王」「半沢直樹」「下町ロケット」「ノーサイド・ゲーム」などなど、名作ドラマを世に送り出してきた池井戸潤。WOWOWが一度ドラマ化しており、そちらの主演は向井理と斎藤工でした。映画では竹内涼真と横浜流星。個人的にはこちらの方が役柄は合っていたんじゃないかと思います。銀行へと同時入社した同じ名前を持つ2人の男。それぞれ全く違う思いを抱え、ぶつかり合いながらも協力することになる。アツいですね。単なるお仕事映画じゃないです。魂と魂がぶつかって一つになったような物語でした。
多くの人が感じたことがあると思うんですが、主人公の子どものころや過去の回想があると、物語のテンポがグダつきがちなんですよね。今作もそれに当てはまらなかったわけではないですが、決していらないものでもありませんでした。山崎は子どものときに父親の会社が倒産するという苦悩。階堂は子どものときから親族同士のいがみ合いに遭うという苦悩。全く違うように見える2人ですが、そういった意味では同じような境遇にいたのでしょう。山崎も階堂もあの過去があったから大人になってこうして生きているんだなとしみじみ感じました。そして、2人の銀行員としての情熱は、決して消えない炎のようでした。対立する。でも協力する。社会では、こういったことも生きるためには必要です。世の中、自分と似たような考えの人ばかりではありません。だからこそ、お互いに認め合い一緒に戦わなければなりません。ただ興味本位で気軽に見た映画が、ここまで胸を熱くしてくれるとは、アベンジャーズのようなアクション映画とはまた違った興奮や観劇が味わえました。
そして監督は「ぼくは明日、昨日の君とデートする」「思い、思われ、振り、振られ」「アオハライド」などを手掛ける恋愛・青春映画の名手、三木孝浩監督。恋愛でもないテーマの映画でもここまで仕上げてくれたことに感銘を受けました。
しかも主題歌はわれらが群馬県が誇る大スター、back numberです。「ベルベットの詩」めちゃめちゃ心に刺さる応援歌なのでぜひ聴いてほしいです。
池井戸潤原作の映画化3作目
当方七つの会議は凄く好きで、1クールに1回くらいは見直す程好きなのですが、今作は正直世間の高評価ほどの印象は受けませんでした。
池井戸潤は会社やお金の流れについての社会派がテーマな作品が多い中、今作はその要素の厚みが薄いというか
主演の2人を若手にしてウケを良くしたんだろうけど、やっぱりこの方の作品は中年の方の方がどっしりしてるし、説得力ある気がする。(ドラマ版の方がよかった)
横浜流星は相変わらずで、声が良い
多分今の若手で1番声の通りというか、声の演技が上手い
竹内涼真は嫌いなんで割愛
高橋海斗は推されてるけど、ジャニーズの演技派のハードルが年々下がっててこれで吐出してる現場がやばい
江口洋介ももうお偉い役増えてきたけど、まだ少し薄いかな〜