雨に叫べば 配信開始日:2021年12月16日
解説 「ミッドナイトスワン」の内田英治監督が松本まりかを主演に迎え、新人女性監督が理想の映画を撮影するためにさまざまな困難にぶつかっていく姿を描いた人間ドラマ。男尊女卑やパワハラの匂いが残る1980年代の撮影現場を舞台に、映画製作の舞台裏で繰り広げられる人間模様を、時にリアルに時にデフォルメしながら再現した。1988年、新人女性監督の花子が意味不明の理由で撮影のテイクを重ね、フラストレーションを溜めたベテランスタッフたちからイジメの洗礼を受ける。さらに、控え室ではカラミのシーンをいやがるアイドル俳優と落ち目のベテラン女優の間でもめ事が起こり、ようやく撮り終えたシーンが映画のレイティングにひっかかるなど、さまざまなトラブルが降りかかる。現場の混乱を聞きつけたプロデューサーから監督交代を告げられ、花子は窮地に追い込まれていくが……。松本が花子役を演じるほか、渋川清彦、高橋和也、濱田岳、須賀健太、矢本悠馬、大山真絵子らが顔をそろえる。Amazon Prime Videoで2021年12月16日から配信。
2021年製作/104分/日本 配信:Amazon Prime Video
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2022年1月7日
PCから投稿
鑑賞方法:試写会
内田英治の真骨頂が詰まった意欲作。今サイトのインタビューページや評論ページで多角的に記事を執筆しているので多くは語らないが、これほどまでに継続して魅力的なオリジナル脚本を手がけ続けてきた内田監督のもとに、意欲溢れる俳優陣が集うのは必然といえるのではないだろうか。主演の松本まりかをはじめ、若手、中堅、ベテランと芸達者な面々の躍動ぶりを見届けてほしい。
2023年4月26日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
2021年。「ミッドナイト・スワン」の内田英治監督作品。 個性的な映画です。 時は1988年。 30歳の女性・花子(松本まりか)は念願の初監督作品に ナーバスになっている。 プロデューサー(加藤和也)はスケジュールが超過していることと、 予算オーバーで花子を責めるたてる。 しかし花子にはどうしても初作品で伝えたいことがある。 それは10歳のある日。 大雨で部屋の中は雨漏りがひどいボロアパート。 そんな雨の夜に「映画館へ行っておいで」と金を渡した母親が、 花子の居ない間に男と蒸発した日の記憶。 そしていつも隣室で繰り広げられれ情痴シーンを盗み見してた記憶。 その場面や経験を映像に刻みたいのだ。 主役の女優の楓(大山真絵子)は落ち目のベテラン女優で、 起死回生の一発逆転の人気回復を狙っている。 そこに絡むアイドル新ニ(須賀健太)が絡む。 新ニは「映画なんか七面倒くさい」とボヤいていたが、いつか映画の魔力に 取り憑かれていく。 いかにも湿気たっぷりのロマンポルノみたいな設定。 しかし撮影部、音響、大道具、美術、メイク、衣装。 そのひとりひとりがプロで映画を愛している。 セットや撮影現場、荷物やクレーン車が行き来する現場は、 なかなか面白い。 花子はパワハラや時間オーバーに経費超過などを乗り越えて、 無事初監督作品を完成することができるのか!! 映倫ならぬ映検の係員(大和田伸也)が、お目付け役で登場。 楓の入魂の演技(お漏らしシーン)はクレームが早速付く。 (お漏らしはもちろん管の水) 濡れ場シーンにうるさく口出しして、花子はキレそうになる。 しかし大和田伸也は次第に理解を示してアドバイスなどくれる。 ラストはアメリカ映画の「雨に唄えば」さながらの ミュージカルシーン。 それまでの4畳半的ロマンポルノ+映画製作現場から、 一気に明るく、歌って踊って終わる。 だから題名が、「雨に唄えば」に似た「雨に叫べば」なのね。 ジーン・ケリーが土砂降りの中、軽快に歌う踊る「雨に唄えば」も、 思えば映画界の楽屋裏を描いたミュージカル映画だった。 「雨に唄えば」のオマージュとも取れる「雨に叫べば」 ミュージカルシーンは突然で、いかにも唐突。 今までの苦労は、《雨に流す》という感じかな! 「ミッドナイト・スワン」 「異動辞令は音楽隊」などの、内田英治監督作品。 濱田岳、渋川清彦、モトーラ世理奈、矢柴敏博、矢本悠馬、 個性派脇役が大挙出演している。 もう少し時間をかけて脚本を練り込めば良かったと思います。 内田監督の撮りたかった映画は、やや不完全燃焼!!
2023年2月7日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
新人女性監督(松本まりか)の第一作目の撮影で起きる、楽屋落ち的な話を面白おかしく、時には悲しげに描いている。 監督にリーダーシップがないため、出演者やスタッフは不満をつのらせていく。 そしてみんながわがままを言い始め、収拾がつかなくなる。 R指定にはしたくない気持ちもよく分かる。
制作過程を描いて映画愛を語る邦画として「ラストシーン」「ザ・マジックアワー」「地獄でなぜ悪い」等が思い浮かぶが,それらの域には達していないものの映画愛は十分伝わってくる。