LAMB ラムのレビュー・感想・評価
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色々と言いたい事があるんだろうけど
他人の子供を奪うとか、
兄嫁に手を出そうとするところとか、
何か教えを描こうとしているのだろうが、
最後の○○○男のインパクトに全てを持っていかれたようだ。
羊飼い夫婦の『スプライス』かと思ったら『パンズ・ラビリンス』でした
羊飼いの夫婦イングヴァルとマリアが飼っている一匹の雌羊から産まれたのは羊ではありませんでした、という話。“アダ“と名付けられた少女はすくすくと成長し、という辺りまではヴィンチェンゾ・ナタリ監督の『スプライス』みたいかな程度の期待をしていたのですがそれにしては様子がおかしい。ちょっとしたサスペンスはあるもののすぐに解決してしまうし、途中から物語に加わるイングヴァルの弟ペートゥルが物語をまぜかえすかと思いきや全然そんなこともない。雄大にも程があるアイスランドの牧羊地での淡々とした生活をボーッと眺めていると微かな前振りの後に訪れる唐突な展開にビックリ・・・要するに、これは説明的な描写を一切排除した『パンズ・ラビリンス』。アダはオフェリアなんですね。これはビックリしますわ。
マリアを演じるノオミ・ラパスの存在感が圧倒的ですが、それと拮抗するのが馬、羊、犬、猫といった動物達。彼らの“演技“の重厚さにも呆気に取られます。
とにかくアイスランドの風景が壮絶なので、スクリーンで観るのは大正解でした。
北欧スリラー
ボーダー、ハッチングときてこれも異形のものが出てくるけどそこに本質は無さそうな感じの作品。
とにかく情報が少なくて想像するしかない…
夫婦の間には娘がいた。
何かしらの理由で子供が作れない。
何か手術したから?流産?子供が亡くなった事でのショックでセックスレス?
とにかく時間を元に戻したいと思っている。
弟とは元々恋人関係にあった様に思う。
夫より前か後かはわからない。
母としての嫉妬からくるストレスで本当の母を殺してしまう。異形のモノと知らないふりで穏やかな家族生活が始まる。
そこへ弟登場。不穏な空気が流れ始める。
何かありそうな弟を追い出したタイミングでアレの父が戻ってくる。ワンちゃんと優しい旦那が…
弟が来たタイミングといなくなるタイミングで事が起きたのは何か引っかかる。
ただ単に因果応報な話じゃなさそうな気がするが、
これ以上はちょっと読み取れませんでした…
でも狂った母という部分ではハッチングと似てるなとも感じた。あとロケ地が美しかった。
リバーオブファンダメント
マシューバーニーの前述作品を見た時と視聴後の感覚が同じ。というのは言い過ぎだろうか?本質的には過ちを犯している白人世界もしくはキリスト教世界への警鐘だと僕は感じた。そもそも本作を見る上で、キリスト教における羊の意味合いを知っている方知っていないかでも全然受け取り方は変わるのであろうが、そもそも人間には純然たる羊飼いにはなれない。と言うことを伝えているのだと理解すると結末までの経緯もくっきりはっきりわかって味わい深いはずだ◎良い悪いは別で見ておいて損のない映画だと感想を残したい。
人間は喪失を産めるために代わりとなるものを見つけると盲目的にそれを受け入れきっちりと埋め合わせを行うが、その埋め合わせが本当に正しい埋め合わせで有るのかは見直す必要が有る。これが本作から僕が得た格言
キリスト教的なモチーフが潜んでいる不気味な超自然北欧ホラー
この映画は何かとキリスト教的なモチーフが散りばめられていたように感じました。
まず、羊と羊飼いという時点でかなりキリスト教っぽい。
さらに、主人公の名前がマリアだし、生まれた半羊半人の子どもの名前はアダ(おそらくアダム)だし、とにかくキリスト教のモチーフとして読み取れそうな要素が多く散見されていたように思います。
この映画はストーリーもかなり衝撃的でしたが、やはり作り込まれた絵画的な画作りを楽しむ作品な気がしました。
まず、左右対称のシンメトリーを意識した構図。
被写体にカメラがじわじわにじみ寄っていくような不気味なショット。
横スクロールで移動する被写体の真横にピッタリ付きながら撮影しているドリーショット。
そして、雄大な山岳を映し出した超ロングショット。
まるで美術館で展示されている絵画のように作り込まれた画作りを見ているだけでも元は取れた気がします。
最初はあれほど不気味な存在だったアダくんが、終盤に進むにつれて段々と可愛らしく見えてくるのが不思議でした。
ちょっと大人しめの男の子って言われても違和感がないレベルまでには半羊半人であることを意識しなくなっていました。
あとは何と言っても、ラストの衝撃的な登場人物。
えっ、こうゆう映画だったの?って、結構普通に度肝を抜かれたのでまだ観ていない人がいたら是非劇場でこの衝撃を楽しんでください。
家族とは?正義とは?
見なれない雄大な自然の中で、言葉少なに進むファンタジーはまるで海外の絵本のよう。だからこそ、マリアやイングヴァルの佇まいからはもちろん、羊や犬や猫の表情からも何かを読み取ろうと凝視してしまう。子を失った夫婦の過去を知り、アダの可愛さも手伝って、彼ら家族を歪ながらも幸せな形と捉えてしまう。
そして、明らかな違和感を平然と受け入れて進む展開に、観る側もどこかネジが外れてしまうのだろう。
(以下ネタバレという名の妄想)
「俺は羊と“ままごと"なんかしないぜ」なんて兄の妻に関係性を迫る弟のセリフや、何かを後悔するような素ぶりを見せる兄。アダを天からの贈り物だと濁すからこそ、その出自がミスリードされてしまう。セリフが少ないからこそ、その一挙手一投足から余計な思いを巡らせてしまう。
半人半獣。母が羊なら父は誰?
アダの手がイングヴァルからすり抜けていくシーンに「可愛そう」なんて思ってはいけない。実の父が拐われた娘を取り戻しに来たのだ。
人間じゃないから悪いやつ?
いや違う。母を殺し、羊にウールのセーターを着せ、美味しそうに食べる草を取り上げる、掴むのはいつもアダの左手。そんな自分勝手な夫婦から我が子を救ったヒーローだ。半獣界のジョン・マクレーンじゃないか。
自らの正義は、相手からすると意外と悪だったりするものだ。迷える子羊は、まるで悪魔のような見た目の父の大活躍で本来の家族のもとに帰った。妻の仇も同じ銃で討った。それだけの実にシンプルなお話が、人間のエゴと偏見によって理不尽で不条理なストーリーに変わり果てる。人って怖い。そしてその緻密な構成に拍手。
#71 人間の欲望に対する罰なのか?
冒頭は真っ暗な真冬から始まるのに、その後はずーっと白夜の世界。
最初白夜がわからなくて、こんなに明るいのになんで寝るの?って思ったもん。
その違和感は、羊の子供を自宅の部屋に連れて帰ったところから最後まで続く。
本来なら家畜として犬や猫よりも低い地位にいた羊が、主人公夫婦の感情によってのみ人間に格上げされ、それにより主人公達を違和感を感じるようになる。
大自然のなかで不自然さを表すことで世間の違和感を表現したかったのか。
【”異形・・”子を亡くした若夫婦に突然訪れた束の間の”幸せ”と、自然が産み出した人智を越えた”畏怖すべきモノ”の所業を荒涼たるアイスランドの山間地を背景に描いたダーク・ファンタジー作品。】
ー 近年の”異形”映画と言えば”ボーダー 二つの世界”(スェーデン映画)を思い出すが、北欧は長き冬により、昔からファンタジー作品が多数作られてきたのは、御承知の通りである。
トーベ・ヤンソンによる”ムーミン”も、ムーミン・トロールという異形の生き物たちを描いた作品なのである。-
◆感想
・冒頭から、台詞は暫くない。
荒涼たる雪原の中、羊の世話をするイングヴァル(ヒルミル・スナイル・グズナソン)と、マリア(ノオミ・パラス:ある意味、異形・・。スイマセン・・。)夫婦には笑顔はない。そして、画面は灰色の自然を写し出すとともに、異様な不穏感が漲っている。
ー 二人の数少ない会話から、彼らの子が亡くなっている事が分かる。そして、後半はその娘アダの墓も映る。-
・クリスマスの晩、白い羊が倒れる。扉は開いている・・。
そして、一等の羊が、”異形”を産み落とす。
ー だが、イングヴァルの表情は和らぎ、”異形”にアダと亡くした娘の名を付け、可愛がる。-
・そこに戻ってきたイングヴァルの弟ペートゥルは、”アダ”を見て驚く。(そりゃ、そーだ)そして、彼は”アダ”を連れ荒野に出て、撃ち殺そうとするが・・。
ー 今作で残念なのは、ペートゥルの位置づけが良く分からない所である。マリアに言い寄ったり、彼を何のために映画に出演させたのだろう・・。-
・”アダ”を産み落とした羊は、毎日我が子がいる部屋の前に来て鳴き続けるが、マリアは容赦なくその羊の眉間を撃ち抜く・・。
<そして、故障したトラクターを修理しに行ったイングヴァルの前に現れた、自然の産み出した”畏怖すべきモノ”。
”それ”は、無慈悲に彼を撃ち殺し、”アダ”と共に山へ戻る。
今作は、自然界には人間の知らない異形が多数いるという事を暗喩する、ダーク・ファンタジー作品である。>
■隣席の若者が、”アダ”の姿にクスクス笑っていたのが、自然の産み出した”畏怖すべきモノ”が現れた途端に、静になった事を思い出します・・。
深読みした方が良いのか?
140本目。
産まれた所を見せなかった時点、そういう事かと思ったけど、成長した姿を見て一瞬コントかとも思ってしまった。
日常生活での人に見られたらとか、社会的にとかといった展開のハラハラする感じは、この環境からではね。
でも、あの大人の半獣を見た時は、宗教的な何かとは思ったけど、そんな事を考える性格ではないので止めた。
傑作まで行きつけなかった不条理もの
設定は奇抜ながら、それぞれのシーンは常時不穏な空気を纏わせていて映像としての吸引力はまずまずだったと思います。
うまく脚本をコントロールすれば「極上の愛憎劇」も狙えたかもしれないです。弟さんがいろいろ問題児なので起点になるかと期待してたんですがとんだ肩透かしでした。
ラストは一気に深みがなくなり、期待していた伏線も崩壊したのであんなのなら要らない(笑)。
なげぇ〜
2022年劇場鑑賞216本目。
羊飼いの夫婦にあることが起きるという話なのですが、あらすじ全部書いても三行位で終わりそうな話を約2時間かけてやるので、このカットいる?というシーンが何回もありかなり退屈な映画でした。そのくせ隠し方露骨すぎて一番の衝撃シーンは先に予想ついちゃったし。
主人公二人も出来事をあっさり受け入れて葛藤もなにもないのでそこを楽しめるわけでもなく、見どころのない映画でした。
気味が悪いが内容は・・・。
結構期待していたのですがもっとホラーテイストかと思っていたらそういうモノでも無く内容も微妙でした。
結局は親からの復讐を受けたと言う内容なのか悪魔に魅入られたと言う内容なのか今ひとつわかりませんでした。
彼は何なんだ
アイスランドの寒々しい山間の羊飼いの夫婦に、もたらされる新しいアダ。
羊たちのシーンをじっくり魅せる冒頭以降は、羊たちの姿がない。
あの子のことを考えて殺された彼女以外売り飛ばしてしまったのか、そうも思えない。
どう生活しているやらだし。
アダはアダで水面や鏡に映る自分の容姿が両親たちと違うことに思い悩む姿も見える。
そして現れる彼。
最初、てっきり夫の方が犯した過ちの因果なのかとも思ったがさにあらず。
すごく雰囲気のよかった(妖しさや神秘性)序盤から、ありゃ、と肩透かしをくらった中盤以降。
締めも、納得することはなくても、もう少し何かなかったのかね。
アイスランドでの伝承とかがモチーフなのだろうか。それならベースがないからわかるけど。。
ワールドカップシーンだけは、若干シンパシーあった。
造形が良い
アレの造形が良い。最後のも。不思議な居心地の悪さがあって。そういうのって大事だと思う。
全般に、意図されていることとは思うが、長い。不気味な雰囲気もあれだけ長いと慣れてきちゃうな。
子羊だったり、処女受胎的に子供がやってきたり、聖書からの寓意が多々あるのだろうが、読み解けなかった。
しかし予想を大きく超えるものはなかった…
よって「件」のごとし
日本でも昔から「件」の存在が巷で噂に上る。
人面牛体の妖怪で、生まれると直ぐに死んでしまうのだが、
その際に一つの予言をし、それが必ず当たるとの言い伝え。
それにインスパイアされた
原作『小松左京』/漫画『石ノ森章太郎』で〔くだんのはは〕のような作品もあり。
もっともこちらは、牛の顔に人間の体と、
江戸時代の瓦版に描かれた姿とは真逆なのだが。
山奥に住む羊飼いの夫婦『マリア』と『イングヴァル』が、
ある羊の出産に立ち会うと、
生み落とされたのは、羊でもない、
人でもない異形の生き物。
しかし、嘗て子供を亡くしていた二人は
『アダ』と同じ名前を付け、
その者を育てる決意をする。
授乳期間を終え、二足で歩行し、
言葉も理解するようにもなり、
我が子同然に育った『アダ』を愛しみ、
幸せに満ちた暮らしが続いていた。
中途、突然訪れた、夫の弟が波風を立てたものの、
直ぐに治まり、家族は平和な日常を過ごせるはずだった、が
突然の悲劇が一家を襲う。
我が国でも、牛頭・馬頭の例があるように、
獣頭人体の存在は不吉のサインであるに違ないない。
西洋でも「サタン」の姿が、頭の両の角で描かれるように
羊頭人体は禍々しいものではないのか。
それを夫婦は知っていて、目を塞いでいたのか。
北欧で、獣人説話があるのかは知らないけれど、
本作では冒頭から、その存在が示唆され。
いつどのようなタイミングと形で姿を現すのかがサスペンスも、
今回のそれの提示のされ方は衝撃的。
思わず、ぞっとしてしまう。
とは言え、本作は
おそらく〔オーメン(1976年)〕の流れをくむものに思われ。
勿論、ディテールに地域らしい要素は混み込まれてはいるものの
斬新さには欠けるよう。
羊のアダ討ち
ラムは子羊
シープはオトナの羊
羊のお産は通常足が先。
頭が先だと、逆子?
ノオミ・ラパスがクビを引っこ抜いたのかと思いましたよ。
人間の会話より羊の鳴き声が100倍多い静かなゆったりとした映画でした。
人間の原罪的な因果応報がテーマ?
獣姦の歴史が絡んでいるのか?
キメラの獣人(獣神)が出て来ましたが、正直みたくはなかったです。
う~ん、よくわかりませんでした。
セダンから下ろされて放置される革ジャン男の正体がわかるまでがとても不気味でした。
マリアが産んだと思うよなぁ。
彼にはなんも説明ないし。
それでも、兄さんの嫁とヤろうとするのは相当なグズ野郎。ドラムは叩くし、なに?あの80年代テクノ風のMVは?
冒頭。アイスランドには野生の馬がいるんですかね?凍死しないの?
サスペンスホラーとしてはかなり異色で、ホラー映画ファンは肩透かしを食ったと感じるでしょうね。
私はノオミ・ラパスをずっと観ていられて幸せでした。
イミアリイミナシイミイミ
かなり期待していた今作。特別多く情報も入っていなかったので、まっさらな状態で観れることも良かったですし、当日は祝日とはいえ満席。もっと上映館数増やせば良かったのに…なとも思いつつ。
かなり深く考える物語かなと少し身構えていたのですが、良くも悪くもそこまで頭を使わなくていい作品だったなというのが最終印象です。
羊飼いの夫婦が、ある日生まれた羊のようで羊ではない何かを育て始めるところから物語がグッと進みます。冒頭15分くらいは大きく展開もなく、台詞自体もかなり少ないのでモヤモヤしますが、その我慢した分が動きが出した展開での異常性を強めているなと思いました。途中よく鳴く羊を撃ち殺すシーンは衝撃的でしたがひっそりと後半に繋がっていきます。
最初はちょい人間ぽいなと思う程度の体でしたが、成長していくたびに人間の子供の姿になっていくので、初見のインパクトが凄かったです。アニメでのデフォルメされた人間と動物の合体は笑って見れましたが、ここまでリアルになると笑うに笑えませんでした。容姿ではないですが「ビバリウム」の子供が大人の声を発した際に感じた不気味さがここにも存在していました。
途中で転がり込んできた旦那の弟にしれーっと羊人間を紹介するシーンは唐突なコメディで面白かったですが、夫婦は大真面目なので違和感を強く感じました。そりゃ弟はずっと疑ってかかるし、それでも兄からは「俺たちの幸せを邪魔しないでくれ」と言われるしで、弟と同じくらいモヤモヤとさせられました。唐突に羊娘アダと仲良くなっていたのは不思議でしたが、これはいい具合に終盤に繋がっていきます。
途中全く関係のないハンドボールのシーンがありましたが、あれは本当に意味の無い茶番だったなと思いました。楽しそうだったのは何よりです。
筋肉モリモリマッチョの羊(多分アダのお父さん)が銃で思いっきり旦那を撃ち殺したシーンは、妻がアダの実の母親を殺した腹いせもとい復讐のように思えました。少し弾けてはいますが、異常性を保ち続けて物語を終わらせたのはいい判断だったなと思いました。でもイッヌまで撃たないでも…。
所持していた銃は弟がアダを殺そうとした瞬間に現れて脅迫してなんらかの力で自身の思いを弟に伝え、銃を奪い取り、弟は旦那が殺される事を察し、妻をどうにかして現実から目を背けさせようとして誘惑していたんだろうなと解釈しました。あの切ない表情はそうだったのではと考えざるを得ません。
一章、二章に伏線を貼り、三章でサラッと回収するという感じで、あまり物語自体に多くのメタファーが込められていたり、強いメッセージ性が秘められているわけでは無かったです。そのためスローな展開や説明不足な点が気がかりとなり、面白さが爆発することは無かったです。A24の独特な視点で作られる映画たちのアイデアはとても好きなので、ぜひ物語としても面白いと思える作品をこれからも観続けていきたいです。
鑑賞日 9/23
鑑賞時間 13:10〜15:05
座席 D-11
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