tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!

ALLTIME BEST

劇場公開日:

解説

大ヒットミュージカル「イン・ザ・ハイツ」「ハミルトン」などの原作者として作詞や作曲なども手がけ、ディズニーアニメ「モアナと伝説の海」では音楽を担当するなど、現代ミュージカル界を代表する才能として知られるリン=マニュエル・ミランダの長編映画初監督作。名作ミュージカル「RENT レント」を生んだ作曲家ジョナサン・ラーソンの自伝ミュージカルを映画化した。1990年のニューヨーク。食堂のウェイターとして働きながらミュージカル作曲家としての成功を夢見るジョナサンは、オリジナルのロックミュージカルの楽曲を書いては直しを繰り返していた。もうすぐ30歳を迎え、これまでともに夢を見てきた仲間たちも現実に目を向け始め、焦りを覚えるジョナサン。自分の夢に価値はあるのか、時間を無駄にしているだけではないかと自らに問いかけながらも、時だけが過ぎていき……。「アメイジング・スパイダーマン」「ハクソー・リッジ」のアンドリュー・ガーフィールドが主人公ジョナサン役を演じ、第94回アカデミーで主演男優賞にノミネートされた。Netflixで2021年11月19日から配信。11月12日から一部劇場で公開。

2021年製作/115分/G/アメリカ
原題または英題:tick, tick...Boom!
劇場公開日:2021年11月12日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第79回 ゴールデングローブ賞(2022年)

受賞

最優秀主演男優賞(コメディ/ミュージカル) アンドリュー・ガーフィールド

ノミネート

最優秀作品賞(コメディ/ミュージカル)  
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Netflix映画「tick, tick...BOOM! チック、チック…ブーン!」11月19日(金)より独占配信開始

映画レビュー

4.0かごか翼か、鳥に聞け

2024年4月17日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:VOD

泣ける

興奮

知的

ミュージカルinミュージカルinドラマなのね。 予備知識なく見はじめたので、アンドリュー・ガーフィールドがこんなに歌って踊るとは思ってませんでしたので新鮮です。 「レント」は観たことない。ブロードウェイでロングランとなっている作品だとは知っていた。そこにこんなドラマが隠れていたとは。 本作もミュージカルが苦手なひとには、とっつきにくい作品となっている。 突然歌い出すな、とか気持ちをメロディにのせて語るな、とかいうやつね。 私はこの作品がしっかりとあちこちのスクリーンで公開してほしかった。ミュージカル映画として素晴らしい出来栄えだからだ。 映画というスタイルでないと、この作品は描ききれない。 チックチックと時を刻む音は、聞きたいときには聞こえず聞きたくないときに聞こえる。 いつかは訪れる「Boom!」のときに伏して涙で命乞いをするのか、全力で散るのか。 この難問にぶつかることができるのは、一握りの人間だけ。そして、多くが年老いて気づく。 どこから始めるの? ゼロからさ やり直すにはいいところからのスタートね。 芸術は人を食い尽くす 誰かの削られた魂や、打ち破れた夢、手に入ったかもしれない物質的富、愛されるはずだった心、讃えられそこねた希望、全てが「芸術」という姿で我々の前に現れる。そして、いたずらに幼い夢やか細い希望に灯りをともす。

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イズボペ

4.0時間の問題…だけじゃない。

2022年6月29日
iPhoneアプリから投稿
鑑賞方法:VOD
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すっかん

4.0『レント』を生み出した感性の原点

2021年12月31日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ブロードウェイを変えたと言われる『レント』の作曲家、ジョナサン・ラーソンの、あまり知られていない時代の物語だ。『レント』作曲のエピソードを観たいファンは多かったかもしれないが、あえて『レント』の話は出てこない。だが、あの戯曲を書くことができた彼の感性が、どのように育まれていったのかが良くわかる内容になっている。90年代のニューヨーク、もうすぐ30歳になる青年が夢を追いかけ続ける苦悩をミュージカルで描くわけだが、夢を追う人たちの背中を押してくれる素敵な内容になっている。タイトルは、作中で展開される彼のあまり知られていない戯曲から取られているが、もうすぐ30歳目前で、時間のリミットがせまって焦る気持ちを的確に表現している。エイズに感染した親友との別れ、恋人との別れ、多くの別れなどが彼に『レント』を書かせたのだと納得感ある作品で、作家の人生と創作の物語として非常によくできた作品だった。

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杉本穂高

4.5もがき続けた先にあること

2021年12月13日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

1993年に初演され、今も世界の人々に愛され続けるミュージカル『RENT』で知られるジョナサン・ラーソン。30歳を目前に、創作に悩み、突然現れたエイズという病魔でかけがえのない友を失い、窮乏しながらも夢を追う日々で、自作自演の「Tick,Tick…BOOM!」を完成させた。このミュージカルをベースにしたのが本作だ。 ラーソンに扮したアンドリュー・ガーフィールドがステージのピアノで歌い始める。刻一刻、留まることなく過ぎゆく時間、人生90年の1/3となる30歳を目前に控えた彼の日常が、躍動的な歌で綴られていく。冒頭の掴みは抜群、映画館で観て良かったと実感した。 周知の通りアンドリュー・ガーフィールドはメソッド俳優である。スコセッシの『沈黙-サイレンス-』では、信念を貫き通そうとするロドリゴになりきり、共演者たちは気軽に声をかけられないほど役にのめり込んでいたという。だが今回は違う。役柄が身体に憑依するまでに自分を追い込むことで知られる俳優が、さらに進化を遂げている。ジョナサン・ラーソンの心に湧き上がる言葉をナチュラルに歌いこなし、軽やかなダンスも披露しているのだ。 主演俳優たちをサポートする共演陣たちの慎ましさにも好感が持てる。説明過多に陥ることなく、ことの成り行きを観客に共有していく脚本もよく練られている。 監督はリン=マニュエラ・ミランダ。「イン・ザ・ハイツ」、「ハミルトン」での作詞、作曲、主演と大ヒット・ミュージカルを連発した彼は、歌と踊りを緻密に設計し、ラーソンの身の回りに起こった出来事を語る劇中歌に彼の日常の生活を重ね合わせる見事な演出で、ひとときも飽きることのない映像を作り上げている。 この映画にはときめきがあり、やるせない哀しみがあり、苦渋に満ちた別れと悔恨がある。そして、決して諦めることなく夢に向かって努力し続けるクリエイターの“命を削るような日常”がある。もがき続けた先にラーソンは何を見つけるのか…。 できることなら映画館の大画面、そして最高の音響で味わっていただきたい作品だ。

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高橋直樹

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