恐怖の報酬(1977)のレビュー・感想・評価
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Classic Adventure Film
Sorcerer is an undeservedly overlooked film, featuring Schneider two years after the success of Jaws. This may be better appreciated if seen before the 1953 original, Wages of Fear--as it is inferior. This one throws a lot more story. It takes an hour to get to the haul——you might question if it's a remake. And even then it might be too shaky for realism. Still, it's quality 70's entertainment.
すごすぎる撮影
スターウォーズの影に隠れて、製作当時は全くヒットせず隠れた名作扱いとなってしまった本作が完全版となった甦った。映画館で観るのは初めてだったが、中途半端な視聴環境で観ずに良かったと心から思った。
油田の大火災を鎮火させるためにジャングルからニトログリセリンを運ぶという発想がすごいが、その道中がもっとすごい。ボロボロの吊橋を凄まじい大嵐のなかトラックで渡るシーンは、どうやって撮影したのかと目を疑う。吊橋を作って大量の水を放水しながらやったらしいと聞いたことがあるが、それでも死人が出てそうなくらい過酷な撮影に見える。こういうのを観てしまうと本物ではなくては出せない迫力というものがあるんだと再認識する。
デジタル・リマスターは非常に美しい仕上がりだ、大嵐のシーンなども鮮明でスリルを倍増させてくれたと思う。名作のリマスターがもっともっと増えてほしい。
ギリギリを生きる男たちの最後のギリギリ
あらすじにあるニトロを運び始めるのは真ん中辺りからで、それまではまあ中々退屈。
運び手になる四人の男がなぜこの小さな村にたどり着いたのか的なエピソードがあって、そのあと村での生活が描かれて、やっとニトロ。
誰が主要人物か分かりにくいし、序盤の一幕は必要なのか疑問に感じるほどだけど、後半に行けば行くほど前半のエピソードに意味が出てくるから頑張ろう。
せめてどんなことが起こったのかだけでも覚えておくといいと思う。
後半になって、車にニトログリセリンを積んで走ると聞いたときに妻が「ワイルドスピードだ」と言った。
おお、確かにな。ニトロを積んで激走するわけだからフリードキン版ワイルドスピードに違いないかもな。速度はかなり遅めだが。
ヤバそうな崖をニトロ使って飛び越えたり、ウインチ使って空中ブランコしたりするんだよ。
って、そんなわけあるかっ!ちょっと納得しかけたわ。
もっとそろそろそろそろビビりながら運ぶよ。きっとね。
多くのレビュアーさんが書いているように、ジャングルの中を進むトラックは本当にスリリング。
いやスリリングなんて生易しいものじゃない。もうほとんどホラー。
ぬかるんだ斜面を滑るトラック。ボロボロの丸太橋を渡るトラック。冠水したつり橋を渡るトラック。
ニトロを積んでいないとしても相当にヤバい。冷や汗ダラダラになるほどの恐怖。
だけど、本作が本当に面白いのは後半のハラハラパートのアクション部分ではなくて、前半から連なるドラマにあると思うんだよね。
彼らは突然訪れる人の死を目撃し、自分は死から逃れて村にやって来た訳だけど、死神の誘いによってかニトロを運ぶという、いつどの瞬間に命を刈り取られてもおかしくない、首筋に死神の鎌がかかった恐怖と対峙することになった。
彼らが見てきた死は彼らが与えた死だ。命には命で償えと言わんばかりに死が迫ってくる。
一瞬で命を散らし償うのか、それとも振り払えるのか、精神をもすり減らして向かった先に生き残る道はあるのか?
人を死に追いやった者は自らも追われることになる。彼らと死神の対決のドラマ。
未開ベネズエラでの苦難の描写をもっと
油田で発生した火災。鎮火用のダイナマイトを運ぶ仕事を請け負った4人の苦難を描く物語。
1977年フランス製作のサスペンスアクションです。古さは感じますが、ストーリーも映像もしっかりとして楽しめた映画だと思います。
母国での失敗で、未開のベネズエラに逃亡潜伏する主人公達。彼等は、一攫千金を目論見、危険な仕事を請け負います。
密林、整備されていない道路や橋、そしてゲリラ。色々な種類の苦難も用意されていて、緊迫感を煽ります。
マイナス面で言えば、イントロダクションが長く感じます。主人公達の母国で失敗のエピソードを映しているのですが、不必要だったように思います。
それよりも、ベネズエラでの苦しい生活を活写した方が、危険な仕事を請け負う展開にスムーズに繋がったように思います。
もう一ついえば、ダイナマイト爆発の危険を、もっと視覚的に描写しても良かったかもしれません。頭の中で「トラックのアクシデント=ダイナマイト暴発」なのは理解していますが、視覚描写も加えた方が、より緊迫感が深まったように感じます。例えば、荷台でダイナマイトの箱を身を挺して守る・・・みたいなシーンがあれば、視覚的な緊迫感も上乗せ出来たように思います。
私的評価は普通にしました。
今回で3度目となる劇場鑑賞にて『エクソシスト』との類似性を見いだす
初鑑賞は1978年、92分にカット編集された『Wages of Fear』版にてでした。
1977年6月にアメリカで公開されたものの、評判が芳しくないらしいことが伝ってきており、公開の目処が聞こえてこず危惧していたところ、輸入レコード店頭に早めに並んだサントラLP『Sorcerer』のジャケットを観て「あれ?、これってそうなんじゃない??」と友人と。
なんでちっとも公開されないのか気をもんでいたところ、アメリカ国外では短縮版公開が決定との情報が伝わってきて、あまりのショックにゲンナリしました。
そのせいで、我が国での公開も先送りになり、結局9ヶ月近く遅れての公開に。
『エクソシスト』以降、3年近く期待を高まらせて待ち続けた挙げ句のこの仕打ちに、一挙にボルテージが下がり、ガッカリ度がマックスで結局ロードショー館には足が向かず、行くのを決めた友人からの感想に委ねました。
予想通りの、友人の「なんだかなぁ.....」を聞くことになりましたが、それでもやっぱり見過ごす事は出来ず、直後の2番館には速攻で行って鑑賞を果たした思い出です。
感想としては、アクションシーンの迫力は確かに凄いと感じるものの、特にフリードキン感を強く感じさせるレベルにはなく、悪く言えば、限りなく『派手な見せ場をウリにした、ありきたりなアクション映画』に近いものになってしまってた印象。
残念ながら、心に滲みるレベルの作品にはならなかったですね。
本当に、オリジナルの状態で観る事ができなかった口惜しさに打ちひしがれました。
結局、大して話題も呼ばないうちに劇場から姿を消し、後年のTV放送時にも同一バージョンでの放送だったこと区切りがついた如く、忘れられつつな作品となりました。
可成りあとのビデオソフト化時代になって、どうやら「元の北米版で収録」らしい事が言われたりしましたが、時既に遅く、誰も今更そのようなこと関心寄せるまでもなく、世は'80年代映画全盛時代の真っ最中という感じでしたから。
(そのうえ、本来の前半部分を当時の家庭用のTVで初めて観る事になったとしたら印象は悪そうで、評価は益々悪くとらえられ逆効果になりかねないです。)
しかしその後は、まもなくの時期の『クルージング 』を経て、その当時には全く何の話題にもなっていなかったので、何ら事前情報も無しでの鑑賞になったフリードキン作品に『L.A.大捜査線/狼たちの街 』がありましたが、如何にも同監督らしさ健在ぶりをもの凄く嬉しく思った久々の再会感に、何らか(復活)の予兆を覚えましたね。
そして二度目は、自らが複雑な権利関係を整理し、フリードキン氏自身の手によるデジタルリマスター復元版が2013年8月にヴェネツィア国際映画祭で上映された後、世界各国で上映された事が伝わってきて、ついに日本でも2018年11月『恐怖の報酬【オリジナル完全版】』のタイトルで公開される事が決定した、まさに苦節40年に及んだ悲願が叶う日がやってきたその時を迎えたあの日。
極力最大サイズのスクリーンでの鑑賞を望んで調べ、首都圏の上映館で最も規模が大きかったシアターサイズの「川崎チネチッタ」のLIVE ZOUND(CINE8)の鑑賞が叶い、当日、実際にその目にするまで、夢か現かな半信半疑な、なんとも信じがたい気分に包まれている自分がいました。
積年の宿願がかなったこともあり、ラストのその瞬間まで、いっ時もスクリーンから目が離せない強烈な集中力の”没入感”のうちにエンディングを迎えました。
なんか、'78年当時の高校生だった自分に「やっと観れて良かったなぁ」と言ってあげたい気持ちしましたね。
ある意味、全力集中で燃え尽き感あったので、その時期の再鑑賞には至ことなく終わりました。
その後も、細部を確認してみたい気持ちもあって、メディア等で再鑑賞などはしてましたが、時間が経つとやはり、もう一度劇場鑑賞の機会があったら行きたい気持ちも。
そして三度目は、突然にもたらされたフリードキン氏自の訃報のタイミングにて。
まさしく余りに衝撃的な突然の訃報に唖然でした。
そして、そのような時が来る前に自身の手で宿願を果たして復元版により再度世に問い、汚名を払拭し、私の眼前に『恐怖の報酬・オリジナル完全版』をもたらしてくれたフリードキン監督への敬意の念と感謝にたえない気持ちが湧き上がりました。
今回は、シネマート新宿のみの独自企画の5日間の期間限定追悼上映ということでしたので、9月16日(土)を選んで足を運びました。
それで表題のように、今回になって今更のように気づかされた点があり、それを記しておきたいのですが、それも今回の鑑賞に先立ち、 「ワーナー・ブラザース創立100周年記念!午前十時の映画祭」というタイミングで9月3日(日)に『エクソシスト・ディレクターズカット版』を鑑賞してからという、同月内に連続劇場鑑賞を果たすことが実現出来る、”これこそ正に千載一遇”と言える二度と再び無いだろう機会を得たことに起因しています。
そもそも『Wages of Fear』にされてしまった元の仏版『恐怖の報酬』に準じたタイトルを冠した初公開・短縮版では無惨な有り様なので、こうした関連性は不明瞭になってしまってると思います。
取り敢えず、我々の世代の映画ファンは「フリードキン監督の『エクソシスト』の次回作って、仏映画『恐怖の報酬』のリメイクなんだってっ!」と事前に海外からの伝聞から知った上で、期待値高めて待ち望んでいた経緯があるのですが、もしもそれを知らなかったとしたら?
恐らくいきなり『Sorcerer』=〔悪霊の力を利用する〕魔法使い、魔術師、と聞かされたなら、『Exorcist 』=悪魔払いの祈祷師との関連性を想像せずにはおられず、「関連作か姉妹編なのでは?」と思わされたに違いありません。
ちなみに監督は『Sorcerer』について、「 どれだけ足掻いても吹っ飛んでしまう。それは復讐、復讐、裏切りについてで、 運命を制御することができず、運命に打ちのめされていると感じること。」のような『逃れられない運命』の象徴のようにイメージしているようです。
それを表すかのように、劇中ではドミンゲスとニーロの乗った『 Lazaro』では無く、もう一方セラーノとカッサムの『Sorcerer』の方が破滅します。
世間的なアピールも含めて、そのような連想というか関連イメージも頭にあったのかもしれないと思いました。まあ、ある意味タイトルに於けるスピンオフというか.....
それと、分かりやすいところでは両作品ともに、劇中曲へのプログレッシブ・ロックの採用しているところが挙げられます。
当時としては珍しい手法で、『エクソシスト』にプログレ系のマイク・オールドフィールドによる既存曲「チューブラー・ベルズ」が使われたのは驚きでしたが、『Sorcerer』では独のプログレッシブ・ロック・バンド「タンジェリン・ドリーム」がサントラに初起用されているのを知ってビックリでした。
前作で良い手応えを感じてか、今作ではサントラ未経験バンドを、全編おまかせ的に採用になってるところが凄かった。
ユーロ・プログレッシブバンドの起用は、特に伊のゴブリンによるアルジェントの『サスペリア2 』(1975年)〜『サスペリア』(1977年)『ゾンビ』(1978年)等、『エクソシスト』以降は顕著になっていった感じします。
(プログレ・サウンドのシンセサイザー系サウンドは、数年後の「ブレード・ランナー」などに繋がっていったようにも感じられます。)
そして前述のこのサントラのLPジャケットから、当時の私らは原題が『Sorcerer』であることを初めて知ったのですが、ポスターなどよりも遥かに小さく暗い印象のあのLPジャケットから受けるイメージ、それはまさに「ホラー映画?」って….
赤文字で不気味に『Sorcerer』、ビジュアルは牙むいた怪物のようなのが、前方に四つん這い状態に倒れた人物目がけているかのようなそのさまは、初見では直ぐに『恐怖の報酬』であると連想できなかったくらいです。
友人と「あれ?、もしかしてコレって?」と良くよく見てくうちに「コレがそうかぁ〜!」とやっと理解しました。
が、そもそも「なんでこんな原題になったの….?、何の意味なの??」って、当時監督の意図が見えて来ず、奇妙に思ってました。
次に、最も重要に思ったのが映画の展開の仕方についてです。
今回『エクソシスト』を先に鑑賞して気付かされたのは、“悪魔”という存在が中心媒介となり、それまではお互いに何らの接点も無かった登場人物が、それぞれに自身の苦悩やバックボーンを持った人々の運命が、そこで交錯するというストーリーの展開の仕方についてでした。
そしてこの手法はその次回作であった今作『恐怖の報酬(Sorcerer)』(121分版)について発展形として活かされているとの解釈ができるかと。
ニトロ・トラック輸送を軸として、やはり「それまではお互いに何らの接点も無かった、それぞれが自身の苦悩やバックボーンを持った人々が、運命に引き寄せられるが如く、そこで交錯する」。
そして、全体のパートが前半の導入部と、後半のクライマックスへとなだれ込んで行く部分とで分けられる印象などが重なります。
これが最初に鑑賞した日本公開短縮版『Wages of Fear』となると、過去の経緯として短縮た回想処理にして、事が動き出した後の進行中に被せられてしまい、完全に台無しにされてしまいました。
これではもはや、フリードキン作品とは言いがたい、単なるアクション・サスペンス作品に成り果ててしまったのは言うまでもないです。
このような、監督の前作品からの発展形的な作品で最も典型的だったのは、ジョン・スタージェス監督の『荒野の七人』→『大脱走』が好例に挙げられます。
もう一つの重要なポイントとして、配役についてですが、両作ともに世界的に知名度のあるアメリカ人俳優は一人だけ配置し、その他の重要なのは役どころには、その時点ではまだそれほど一般に知られていないヨーロッパ系の俳優や、知名度よりも実力派を重視して俳優で固めている点ですね。
最も有名だった俳優は、『エクソシスト』ではベテランのリー・J・コッブ氏、今作ではロイ・シャイダー氏でした。
最後に、最も関連を思わせるのは、タイトル・バックや途中の山道の遺跡的な壁面にその姿を見せる、何らかの“石顔面”でしょう。
これは全く同じものでは無いものの、なんだか『エクソシスト』に登場するパズズの石像の顔を連想させるような、不吉感を纏っているのを感じさせるものがありますね。
今作では、前述の監督の弁による『運命(悪運)』の象徴ということなんでしょう。
蛇足ながら、この映画の凄まじいスタント・コーディネートを担当したのが『 大脱走』 でスティーブ・マックィーンのバイクジャンプなどのスタントダブルをやったバド・イーキンス氏、脚本は『ワイルド・バンチ』のウォロン・グリーン氏によるものであるところ、興味深いポイントのひとつです。
荒廃した街に人間の荒んだ感情が行き交う作品
ニトログリセリンを運ぶと言う危険な仕事!
高い報酬と引き換えに命運がかかる4人の
に、地獄の底を見ているように思いました。
少しの揺れでも爆発して死を招いてしまう
恐怖に悪夢を見ている感覚に陥りました。
南米のジャングルで『積み荷』を乗せた
トラックがロープで繋がれた吊り橋を
渡るとき!
グラグラ揺れて今にも落ちそうになる場面
は、1番ハラハラしました。
ジャングルの森の木に粉が入った袋を
ロープで結び付けて、袋から粉が少しずつ
出る瞬間!
吊り橋を渡り切った後に安心したのも
束の間、再び訪れる命の危機!!
木端微塵になって岩場に落ちていくシーンは
油断ならないことを知らせているかのように
見えました。
男達の任務が無事に終わっても、流れ者と
して行き場の気持ちが感じられました。
渋い
のっけから セリフが少なく 渋い映画を作ろう という監督のコンセプトが伝わってきた。全体に 渋さに溢れており 特に、「こんなところに来てしまった」感が渋かった。そして締めくくりがまた渋かった。 これは渋さを味わうための 渋い映画だ。30年ぐらい前にオリジナル番を見た。私としては あれは今いち 消化不良な印象だった。こっちの方が好きだ 。
人の 書いた レビューを見て 公開時に30分もカットされたということを知った。 私の記憶は正しければ ・・・オリジナル版の脚本を書いた時に 監督はそれをジャン・コクトーに見せた。 そして聞いた「 トラックが出発するまでに ずいぶん時間がかかってしまう。映画が長くなってしまうのでその部分はカットした方がいいだろうか?」すると コクトーが言った 「そしたら見てる人はもっと長く感じるだろう」 これは私が 映画 脚本を習ってる時に脚本家の先生が 伏線の大切さを教えるために話したエピソードだ。 だからたぶんこれを公開時に 映画館で見た人はすごく長く感じたことだろう。
大迫力のニトロ運搬大爆発映画
デカい車が荒々しく走る姿は、それだけで迫力満点で絵になる。
しかもそれが爆発までしてしまうんだから、迫力は3倍増しです。
予告編だけ観て「ニトロ運搬のトラック運転手を描いた作品」ということだけは知っている状態で鑑賞しました。
結論ですが、面白かった!!
今の映画のCGとは全く違う、昔の映画特有の実写による大迫力のスタントや爆発シーンが本作の見どころですね。「ニトロ運搬の映画」だと思って観ていたのに、実際にトラックにニトロ載せて運搬し始めるのは映画始まって1時間くらい経ってからだったので、冗長に感じてしまったのが勿体ないですね。
・・・・・・・・・・
南米を舞台に、反政府ゲリラによって火災が発生している油田の鎮火をするために、振動で爆発する危険なニトログリセリンを運搬することとなった4人の男たちを描く。
・・・・・・・・・・
大きなトラックが爆走する映画、最近どこかで観た気がするなーと思っていましたが、リーアム・ニーソン主演の2021年公開の映画『アイス・ロード』ですね。『アイス・ロード』は最新のCGを多用したド迫力の映像でしたが、本作は実写による大迫力の映像がてんこ盛りで目で見て楽しめます。
どうやって撮ったのかが理解できないような迫力と危険に満ちた映像があって、50年前の撮影技術の高さが伺い知ることができました。以前鑑賞した1973年公開のスピルバーグ監督作品『激突!』を観た時も映像技術の高さは感動したんですが、本作はそれをも凌ぐレベルの大迫力映画でした。これを映画館の大スクリーンで鑑賞することができて本当に良かった。
ただ、映像に関しては文句のつけようがないほど素晴らしかったんですが、個人的にストーリーは楽しめませんでしたね。これは予告編を観て「ニトロ搭載の危険なトラックを走らせる命がけの話」を期待して観に行ったのが原因だと思いますが、映画の冒頭1時間ほどがトラックが一切登場しない淡々とした話だったので、「トラックはいつ出てくるの?」って考えてしまいました。
また、途中で山賊に襲われるとか、取ってつけたような展開が出てくるのもあってストーリーに乗れなかった印象ですね。細かい部分で何か所か違和感を抱きました。これがもし、最初からトラックが爆走するカーアクション映画なら「細けぇこたぁいいんだよ!」とストーリーの粗を気にせず楽しめるんですが、如何せん本作は前半が淡々としたシリアスパートなので、そういう粗や違和感が気になってしまった印象ですね。
若干の不満点はありつつ、観る価値の十分ある楽しい作品であったことは間違いありません。観ておいて損はありません。オススメです!!
迫真のリアルな映像
前半のドキュメンタリーのような映像が興味深い。
登場人物の鼓動が伝わってくるような緊迫感溢れる映像が続く。
汗と泥にまみれた顔、ギラギラとした眼差しが印象的で、全編を通して無常感が漂う。
古びたトラックが「ハウルの動く城」のよう。
ーボルティモアの47番線
NHK-BSを録画にて鑑賞 (字幕版)
最高(に残酷)な映画
めちゃくちゃ面白かった。
序盤、出発するまでが長いしトラックの気配もないので混乱し、つい「ニトロ 運ぶ 映画」で検索してしまうほど。。
でも油井大爆発からの運転手試験、そして乗車、と次第に盛り上がっていき、次から次へとどうクリアしていいかわからない試練が立ち塞がってくると、もう完全に引き込まれていた。
ゴブリンを思わせる謎のシンセ曲(タンジェリン・ドリーム)も謎に画面にマッチして特異なイカレ感を醸成してくる。
そのムードと裏腹に、カースタントの精度がやばい。
車が回転するようなスピーディな今風のとはまた違う、ゆっくりノロノロが生み出すサスペンス。すごい技術なんだな。
克明な描写の裏にある苦労を想像するだに、この監督は本当にドSなんだなと確信。
吊り橋の場面とか、ついジュラシックパークを思い浮かべてしまうけど、また違う独特のテンポ感。
スリルを煽るカメラワークと非情なまでにキレのあるカッティング。
南米の日雇い現場は建物も服も車も徹底的に粗末で、それだけで人の命の軽さが伝わる。カイジを思わせるような圧倒的どん底感。
筋書きはごくごくシンプルで、西部劇とか戦争物にありそうな「実現不能なミッションをクリアする」タイプのストーリー。
しかも、それがただ目的地まで荷物を運ぶだけで、こんなにずっとかぶりよりにさせるのがすごい。
銃の存在とか爆薬の知識とか、序盤で起きたことが無駄なく意味を持っているのもよかった。そういう部分はめちゃくちゃロジカル。
もっとも、社運をかけたプロジェクトなのに、なんでトラックがボロすぎない?とか、そもそも爆薬をあんな環境の悪い場所に保管してるのはおかしい気もするけどまあ気にならない。
そして登場人物は容赦なく追い込まれるわけだけど、たぶんそれは画面の外、現場でも相当なものだったんじゃなかろうかと。
男同士が仲良く馴れ合うこともなく、糖分ゼロの心底ドSな映画でした。。
どっち派?
クルーゾー君の古典的名作のリメイクです。
忠臣蔵でも白い巨塔でも、元々のお話がしっかりできている場合、大抵最初に観たのが面白く感じることが多いようです。私の場合はこっちを先に観たのでこっち派です。スリラー満点、四人のドライバーも個性がハッキリ分かれていて、単にニトロ積んだトラックが無事に着くかどうかだけの単純なお話をここまで引っ張れるのはフリードキン君の演出技術ですね。
CGなしでの、このド迫力!!
いや、もうすごい映画でしたね。訳ありの犯罪者達が南米での地獄のような生活からの這い上がるための仕事=恐怖の報酬
大雨で破壊寸前のボロ橋を渡るシーン。2台めは無理やろ〜っとか思ってる暇もなく、アラブテロリストは、川から這い上がったものの、雨で視界が見えないフランス資産家が轢いてしまうのか?!と思いましたが、なんのなんのローラの綱を大木に巻き付けるなど大活躍。
お次は横倒しの大木の破壊でも、グッドアイデア!
ホッとしたのも束の間、2人が打ち解けて笑顔で談笑している途中、パンクであっけなく爆破( ; ; )
現地3悪人との駆け引きは、メキシコ殺し屋のピストルが役立つがしかし、、、(←この人、最初は運転手に選ばれてないけど、そこで1人を殺して代役にまぎれこみましたよね?)
いやもうまだまだ次々と続く難問以上の恐怖との戦いで、、、
1人だけ無事に帰れるとは思わなかったけど、最後に追ってきたあの殺し屋の髪型、忘れられないわ。テニスボールの白いラインみたいな前髪。
シンセサイザーの音楽や、教会での花嫁の目の青あざ、ゾクゾクと怖さが迫って来ました。
『フレンチコレクション』でも、よくここまで撮るなあ!とビックリしましたが、すごい監督ですね。『エクソシスト』は、怖くて観れないけど。
NHKBSにて鑑賞。受信料を払っている甲斐があるというもの、ありがとうございます。
【全ての主要人物が地獄に叩き込まれる、非情で、殺伐と絶望感溢れる作品。】
ー 完全版公開時のフライヤー2枚を読むと、今作は1977年の全米公開時、興行的に失敗し、フリードキン監督に無断で約30分カットされた92分の”短縮版”が公開されたと、記載されている。 勝手な憶測であるが、序盤のアイリッシュ・マフィアのスキャンロン(ロイ・シャイダー)や、フランス人投資家マンソン(ブルーノ・クレメル)のシーンがカットされたのかなあ・・、と思う。
何故なら、メキシコ人の殺し屋ニーロ(フランシスコ・ラバル)や、アラブのテロリスト、カッセム(アミドゥ)が、南米奥地で起きた油井の火災を消すためにニトログリセリンを運ぶ4人の決死隊に加わる過程の描き方が、粗いからである。
だが、フリードキン監督は今作では、細かい繋ぎや曖昧なショットは途中から全てはぎ取っているように見える。
それが、1977年の全米公開時、興行的に失敗した理由にも思える。
だが、私はこの2時間の作品に引き込まれるように見たモノである。ー
■感想
・序盤の、アイリッシュ・マフィアのスキャンロン(ロイ・シャイダー)や、フランス人投資家マンソン(ブルーノ・クレメル)が、南米の奥地に来ざるを得なかったシーンは、前菜の様に鑑賞。
・今作が本領を発揮するのは、南米奥地のどこかの国の油井で起きた火災を消すために、多額の金を積まれた上記4人が、2代のニトログリセリンを乗せたトラックに乗車し、道なき密林を走破していくシーンの圧倒的な迫力である。
・かの有名な、腐った吊り橋を渡るシーン。
・道を塞ぐ大木を爆破する、命懸けのカラクリシーンの手に汗に握る迫力。
・では、多大なる犠牲を払ってミッション達成かと思いきや・。
・年代的に、リアルタイムで聴いたわけではないが、中坊の頃に時折聞いていたドイツ・プログレッシブバンド”タンジェリン・ドリーム”の夢幻サウンドが随所で効果的に使われている。センスが良いなあ。
ー 因みに、クラウス・シュルツェは「アングスト/不安」で、実在した猟奇殺人犯を演じている・・。アワワワ・・。ー
<フリードキン監督のお友達:大木爆破を考えたという爆弾魔とか、アイリッシュ・マフィアのスキャンロンが教会を襲うギャングのモデル、とか、どれだけ通常社会では生きられないアウトローがいたのさ!と思わず突っ込みたくなるが、そういうお友達がいないと、こういう映画は撮れないんだろうなあ・・、とも思った作品である。>
<2018年12月 ユナイテッドシネマ豊橋にて鑑賞>
<2021年9月14日 別媒体にて再鑑賞>
それぞれのエピソードが何なのか最初は全く分からず、長い。ニトロをト...
それぞれのエピソードが何なのか最初は全く分からず、長い。ニトロをトラックで運ぶところは迫力、スリルがあって面白かったけど、最後に殺し屋が来て終わりってのも、すっきりしない。
大昔に見て面白かった記憶が微かに。それと最近劇場公開していたポスタ...
大昔に見て面白かった記憶が微かに。それと最近劇場公開していたポスターに惹かれ、超絶見たかった作品。
ニトロ運搬物語。そりゃハラハラするわな。
しかし、そこいくまでが長い長い。しかもなんだかよく分からんし。運搬する4人の説明だったのね、外国人の顔、区別がムズイ(笑)この前半、いかれた映像、多数あり。
運搬始まってからはもうドキドキ。ボロボロトラックがなんともカッコいいんです。そして訪れる名場面、吊り橋。よくもまあこんな映像が撮れたもんだ。実際は何度も落ちまくったようだ(笑)
次々と襲いくる困難、そしてエンディング。そうくるか!
随所に危険映像。ちょっと、いや相当イカれてますぜ、ウィリアム・フリードキン監督。
不遇の傑作
こんな素晴らしい作品がスター・ウォーズの強すぎる光の裏で影になっていたのか…。一体どれだけの関係者が泣きを見たのやら…。
再評価を望みます。もっと評価されるべき作品で自信を持ってお勧めします。
全99件中、1~20件目を表示