ある男のレビュー・感想・評価
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ピオトル・ニエミイスキじゃない
成りすましまでして代えたい人生
違う誰かになりたいと思う。
傑作。窪田正孝と安藤サクラは好演。なぞがいくつか残ったが。柄本明じ...
アマン
血と戸籍と家族
黄昏 ≒ 誰そ彼?
あなたも。。
ある男とは
前から観たかったが、なかなか時間がなくて観れてなかった作品。
原作は平野啓一郎の同名小説。
離婚を機に宮崎に帰郷しさまざまな辛い気持ちを抑えながら日々を送る里枝(安藤サクラ)は、実家の文房具店に買い物に来る谷口大佑(窪田正孝)という男と再婚。
家族も増え、幸せを実感しながら生活に張りを取り戻した矢先、大佑は仕事中の事故で帰らぬ人となる。
その後、大佑の一周忌に兄の谷口恭一(眞島秀和)が現れるが、遺影を見て「大佑じゃない」と主張する。
里枝は前夫との離婚で世話になった弁護士の城戸(妻夫木聡)に再び手続きを依頼。早速城戸は調査に乗り出すのだが…。
果たして、里枝の再婚相手は一体誰だったのか?
少しづつ解けていく真相とその裏に隠された人々の想いが交錯する過程が、なんとも言えない深みを描き出しているように思う。
ちなみに映画版では、谷口大佑及びその家族の描写が割とばっさりカットされているようで、終盤、城戸が里枝と恭一に結果報告をする場面で見せた、語気を強めて恭一に言うセリフに集約されている気がする。
さて、事件は解決したのだが、物語は何か釈然としない。
そう。弁護士の城戸が抱える葛藤のような複雑な想いは何一つ解決していないのではないか。
原作は未読なので映画版のみの個人的な感想だが、ラストで「ミイラ取りがミイラになる」という城戸の心情がオチのように描かれているが、そもそも城戸は「元からミイラだった」のではないだろうか?
「ある男」とは真相を追っていた側、つまり城戸弁護士の話なのではないかと思えて仕方がないのである。
「市子」とセットで鑑賞すると、よりこの世界観が同一線上の物語として楽しめるのではないかと思う。
イケメン弁護士にやられる
わりにいいですよ
あなたは大切な人に「本当のあなた」を見せていますか?
鑑賞後、しばし身動きがとれなくなった。一体、何を観たのか・・・。
感想を、スッと言葉にできない映画がある。大抵は、数日以内に頭と感情の整理がつくことが多いので、数日待った。しかし、表現が上手くまとまらない。このまま待っても、まとまりそうにないので、区切りをつけるためにこのレビューを書く。
とてもクオリティの高い映画だということは、すぐ理解できた。練り上げられた脚本。原作未読だが、脚本の元となる原作がとても緻密に構成された小説なのだろうと想像がつく。そして、どの場面の台詞にも演技にも演出にも無駄がない。1つ1つの台詞や映像に意味があり、暗喩であったり、伏線として発せられて後に回収されたり。何度も印象的に映される木、横浜の建設クレーン。服役中の詐欺師の消えゆく手の跡、後ろ姿を見る「ある男」の絵・・・。とにかく寸分の隙なく創られているように感じる。
メインキャストは、弁護士の城戸(妻夫木聡)、依頼者の里枝(安藤サクラ)、大祐(窪田正孝)の3人。このうち誰か1人をクローズアップしても映画として成立しそうである。しかし、この映画は、3人とその周囲の人々をほぼ等分に描いているように思われる。観客自身が、この3人の誰に焦点を当てるか、心を寄せるかで、全く違った印象の映画になる。
大祐に心を寄せた者は、逃れられない生い立ちに苦しめられながら、生きることを諦めずに「別人に生まれ変わろう」とし、実際に生まれ変わって束の間の幸せを手にした男の名状しがたい苦悩と前向きな生命力と優しさを。
里枝に心を寄せた者は、愛した男が過去を偽っていたことがわかっても、その男と暮らした日々を「確かなもの」として実感し大切にできる女の強さと母としての愛を。
城戸に心を寄せた者は、他人の過去を暴いていく中で、自分が「見たくないもの」に向き合わざるを得なくなり、大祐に共感に近いものを抱く、実は孤独な男を。
3人からそれぞれ感じることになるような気がする。
私は、どうやら途中からずっと城戸に心を寄せてしまっていて、ラストのバーのシーンでトドメを刺されたようだ。静かな中に力強い生への欲求や愛を感じる映画だったが、それ以上に、「社会に生きる人間の本質(宿命)」に関する問いを突きつけられたようで、薄ら寒さを感じたことが、このモヤモヤ感の正体なのかもしれない。
個人的には、複雑な思いが残る映画だったが、これは純粋に好みの問題だと思うので、未鑑賞の方には観ることをオススメする。
傑作、名作と呼ばれるような映画であると私は思う。
「ある男」の意味と意義
合わせ鏡
私とは何か
終始暗い!夢の様な逆光の映画。
内容は、ある男にまつわる多目的な視点から語られる暗い雰囲気の人間模様話。
印象的な台詞は、『生きてて恥ずかしくないですか?』詐欺師の柄本明さんの獄中での会話
が意味深で面白かった。迫力の中にある冷たさが役を引き立て面白さを増してました。
印象的な立場は、登場人物其々が不満を抱えて自縄自縛状態から逃げ出せないと言うドラマを作っている所が面白かったです。今も昔も変わらず身分詐称やなりすまし自分では無い誰かになりたい変身願望は面白い主題です。
印象的な場面は、窪田の夢の様な約4年間の逃避行生活です。ハレーションで煌めく生活は決して夢でなく、最後に妻夫木と林の中で別れを告げるシーンでは、身分詐称してきたが誰かに知って欲しかった無念が晴れた様で感謝している様にも、妻夫木自身の心情にも寄り添う様で面白かったです。
個人的には、自縄自縛で自分勝手な人の思い込みにあり同情は出来ませんが傍目から見ていると悲観的にも楽観的にも見えて面白かったです。でも思春期の継親の難しさは、んな事ないよなと感じてしまいました。絵からインスピレーションを🖼️掘り下げる文学的で緻密な構成と監督の伝えたい事が分かる面白い映画でした。役を演じる役者🎭自体が仮面を付けなりすましている様な構造は映像表現として分かりやすく面白かったです。
役になりきるあまり自分自身を見失う様な演技でないと観客は引き込まれません。罪な仕事だなと思うと同時に変身願望の面白さを感じました。
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