3つの鍵

劇場公開日:2022年9月16日

3つの鍵

解説・あらすじ

「息子の部屋」でカンヌ国際映画祭パルムドール、「親愛なる日記」で同監督賞を受賞しているイタリアの名匠ナンニ・モレッティが、同じアパートに住む3つの家族の素顔が、ひとつの事故をきっかけに次第に露わになっていく様子をスリリングに描いた人間ドラマ。

ローマの高級住宅地にあるアパートに暮らす、3つの家族。それぞれが顔見知り程度で、各家庭の扉の向こう側にある本当の顔は知らない。ある夜、3階に住むジョバンニとドーラの裁判官夫婦の息子アンドレアの運転する車が建物に衝突し、ひとりの女性が亡くなる。同じ夜、2階に住む妊婦のモニカは陣痛が始まり、夫が出張中のためひとりで病院に向かう。1階のルーチョとサラの夫婦は、仕事場で起こったトラブルのため娘を朝まで向かいの老夫婦に預けるが、認知症の老夫と娘が一緒に行方不明になってしまう。

イスラエルの作家エシュコル・ネボの「Three floors up」が原作で、デビュー以来オリジナル作品を手がけてきたモレッティ監督にとっては初の原作ものとなった。出演はマルゲリータ・ブイ、リッカルド・スカマルチョ、アルバ・ロルバケルら。

2021年製作/119分/R15+/イタリア・フランス合作
原題または英題:Tre piani
配給:チャイルド・フィルム
劇場公開日:2022年9月16日

スタッフ・キャスト

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受賞歴

第74回 カンヌ国際映画祭(2021年)

出品

コンペティション部門
出品作品 ナンニ・モレッティ
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(C)2021 Sacher Film Fandango Le Pacte

映画レビュー

3.5 あらゆる世代を網羅した物語構造

2022年9月24日
PCから投稿

あらゆる物語の構造はどこか建築物とよく似ているものだが、複数の家族が登場するこの映画は、さながら彼らの暮らす住居そのままに”集合住宅”然とした作品と言えそうだ。はじまりは夜間に起こったひとつの衝突事故。でもそこからお互いの家族が密に絡まり合うというよりは、むしろ3つの家族のオムニバスのように話は展開していく。その登場人物を紐解くと、生まれたばかりの赤ん坊から高齢の夫婦に至るまであらゆる年代が満遍なく散りばめられていることがわかる。その上、物語もクロニクル的に進んでいき、子供から青年へ、若者から中年へ、中年から高齢者へと各々が一つ階段を登っていく姿に、なんとも言えない時の儚さを感じたり、はたまた彼らの成長が愛おしく思えたり。中盤のスキャンダルをいかに受け止めるかで評価は大きく変わりそうだが、個々の集積によって「人生」を浮かび上がらせる構造には見応えを感じるし、ラストの余韻も上質な香りがする。

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牛津厚信

2.0 4家族じゃないの?

2025年9月8日
スマートフォンから投稿
鑑賞方法:VOD
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マサシ

3.5 最後の最後まで見せるのだが

2024年10月28日
Androidアプリから投稿

いろんな人たちを描いても、ごたつかずにみんな同じくらいに気になるものすごい上手い進め方なのに、最後の最後は腑に落ちないかな。監督はずっと全員に同じ愛情を注いでたのに、ダンスはドーラにしか関わってなくない?突飛な物を取り出すにしてもせめて全家族に関わるものにすればよかったのに。これでちょっと温度がさがってしまったけどまあ素晴らしい映画でした。登場人物がいけ好かないのはあるけど、それも含めて良い映画。キホン誰にも感情移入できないけどルーチョよ、お前のっぴきならない事情みたいに子供預けたけどジム行ってただけじゃん。みんな心に病を抱えた人たちだったけどコイツが一番重症かも。あとアンドレア、どれだけ酷い虐待を受けたかと思ったら、ただの厳密な父親と過保護過ぎる母親、こんなの世界にはいて捨てるほどいるよー、刑期終えても大人になっても全然成長しない。こういうヤツほんと困る。という鼻持ちならないヤツばかり描いてるのに見せるのはさすがですモレッティ監督。

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柴犬泣太郎

3.5 騒動ばかりのアパート

2024年9月28日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

マルゲリータブイ扮するアパートの3階に住む裁判官ドーラの息子アンドレアが酒酔い運転で事故を起こし女性が亡くなってしまった。

アパートに住んだ事があるのは学生時代だったからアパート暮らしの様子は余り分からないけど、東京では隣近所は全くかまわなかったな。今回のアパートでも挨拶する程度じゃないかな。娘を預けられた老人がボケ老人だったから災難だったね。普通ではボケてるかどうかは分からんもんね。娘を預けといて怒る父親も勝手だな。 酒酔い運転で人を殺して裁判官の親に乱暴する息子もなんともならんし、兄を憎む弟やらまあ世間はいろんな人がいるからさ。それにしても騒動ばかりのアパートだ。映画としては良く描かれていたよ。

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重