鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎のレビュー・感想・評価
全633件中、1~20件目を表示
鬼太郎の存在こそ希望
メチャクチャ面白い。日本の近現代の暗部をくりぬいて濃縮して見せるようなすごい内容だった。閉鎖的な村の相続争いに、会社員として立身出世の野望を持つ水木が巻き込まれていく中で、鬼太郎の父と出会い、村の恐ろしい秘密に直面する。太平洋戦争の南方で生き残った水木は、せっかく生き残ったのだからとサラリーマンとしての野心を持つ。戦争は経済競争に形を変えて続いている。そして、戦後におざなりにされていた戦争の絶望と怨念が水木たちに襲い掛かる。異様な怨念や絶望の上に日本社会の反映があり、そこに蓋をしながら発展してきたという歴史の裏側面を暴きだすような内容で、妖怪を描く本作ならではのやり方で現代日本を照射してみせている。
しかし、人間性への絶望に支配されていないのが本作の美点。鬼太郎の存在こそが怨念の中の希望だったのだと締める結末は涙なしには見られなかった。100%の祝福ではない、汚泥の中のかすかな希望として鬼太郎はあったのだ。
やっぱり予習が必要だったか
友人に勧められて視聴。
鬼太郎シリーズは子供の頃に観てただけで特別な思い入れはなし。
金田一風で途中までは良かったけれど、観終わった後、ミステリーとしての満足感があったかと言われると、全く無かったのが残念。
妖怪バトルとしても、、、
そもそも鬼太郎全然出てこないのね。
エンドロール後のシーンで描かれた部分が一番知りたかったんだけど、シリーズに詳しい人はあれで十分なのかな。
うーん
別に面白くないわけじゃないんだけど、ほぼ初見の身からすると、絶賛されてるのがよく分からないなーという作品でした。
横溝とルパン三世マモーを足した感じ
横溝正史のテイスト漂う世界観はとても楽しめた。
しかし不服はある。結局妖怪達が人間にいいように使われて、反撃して次世代への思いを鬼太郎に…な流れで、ああ、妖怪達の不気味かつどこか憎めない愛嬌のような水木テイストは随分と薄いのだ。
この作品はこれはこれとして楽しめるけれども、まあ鬼太郎じゃなくてもいいんじゃない?て感覚もあった。
改めて水木しげるは稀有な存在なのだと再認識した。
奥深い、子供向けの妖怪アニメじゃない
前半は横溝正史を思い起こさせる、田舎の因習的な流れでちょっと退屈だったけど、後半になるや怒涛のような面白さに惹き込まれる。
鬼太郎のお父さんの、妻への愛情、生まれくる我が子への思い、水木に対する友情、胸が熱くなる。
鬼太郎のアニメで、最後泣くとは思わなかった。正直、時間潰しのつもりだった。
幽霊族と比べると卑劣な人間に嫌気がさすが、そんな人間を守ってくれる鬼太郎達に感謝したくなってくる。
子供たちに見せたいけど、子供にはちょっと難しいかなぁ。
鬼太郎に興味は湧いたものの…
登場人物全体の輪郭がぼんやりしてて、誰にも感情移入できませんでした。
ゲゲ郎が涙脆いという設定ですが、キャラづけとしてそんなに役割を果たしていなかったように思います。例えば水木の過去を話して涙を浮かべるというキャラなら涙脆いといえるでしょう。しかし、酒飲んで過去を思い出して泣いたり、普通に妻と出会って泣くくらいなら返ってその設定がない方が感動できました。
そもそもゲゲ郎と水木が全く絆を築いておらず、バディ要素も皆無でした。鬼太郎自体まともに見てないから分からないことだらけだったのかもしれませんが。
子供向けだとしたら、よく出来てると思いました。水木の戦争体験がいい味を加えているのに、あまり触れられていないし、トラウマを克服するという事でもないし、なくてもよかったレベルでした。
良いバディだった!
金田一風味の一族系殺人ミステリーをゲゲ郞と水木のバディで現代的アプローチをするのかと思いきや、幽霊族の因縁が根底に流れる妖怪同士の闘いにシフトする。
驚くほどに最恐で最低な悪だった。
生き抜けた命を大義のために見捨てられた戦場と、あの村の悪事が重なって見えた。
弱者の犠牲はいつの時代にもあるからこそ、ゲゲ郞と水木に一矢報いてほしいと心から願っていたが……搾取され報われない者たちの悲しみはトキちゃんとゲゲ郞の妻が全て表現してくれた。
タイトル通り鬼太郎誕生までを描くラストは誠実。
ていうか……そうやってできあがったのね、目玉のおやじ!
本筋は面白いけど...
目玉のオヤジと水木は実は昔に出会っていて、その昔話。というのが本筋。この本筋は非常に面白い。戦後昭和のほの暗いどろどろした雰囲気とか、閉じられた田舎の閉塞感など、原作初期のホラー感のような不気味さがとても上手く描かれている。ただ問題はその過去編への導入と畳み方だ。
プロローグとエピローグで出てくる記者とねこ娘、何故それらをキャストしたのかセンスを疑う。記者はただただ雰囲気を台無しにしてるだけだし、ねこ娘はまったく話に絡んでないから部外者感がエグくてモブ感がひどい。仲間ひとり選ぶならまだ一反木綿の方が良くないか?あいつなら乗って来たという事で理由出来るし。
その他にも水木は記憶喪失になったから原作の初期で目玉のオヤジを認識して無いとか、幽霊族は製剤のために捕まってなんていう完全原作無視とか、幽霊族がベッドに縛られてるのに血桜のシーンでは肥やしになってるとか、そもそも幽霊族何人おんねん多すぎやろ、とか細かい矛盾を挙げればキリが無いが、まあその辺は雰囲気でなんとかなる。
ただ、繰り返しになるが記者とねこ娘、コイツらはほんと最悪。この2人のキャストのせいで台無し。
おそ松さんの様に長年続いてる作品を女性オタク層へのターゲットへのシフトに成功しそこでの評価が7割くらい占めているキャラクター評価中心ありきの作品
鬼太郎シリーズは再放送などで2期シリーズから6期まで楽しませてもらってますが
内容のおおまかな内容は犬神家をオマージュしつつ墓場鬼太郎をベースに
一番有名な鬼太郎の誕生秘話をリブートした様な内容なのだが
6期をベースに鬼太郎の誕生のところまたやってくれるのかと楽しみに館内に足を運んだが
そういう点もあるが、かなり期待してたものと違いガッカリした
ゲゲ郎という目玉親父をビジュアルを変更した目玉になる前の姿で登場し
6期にもその様な姿自体は登場したが、声優が関俊彦さんに変更されており、
話は逸れるが、仮面ライダーの中でも女性人気の高い電王でも主要キャラに関俊彦
忍たま乱太郎でも女性人気高い先生役に関俊彦と
オタク向けじゃない作品なのに女性オタク層に人気が出てきたキャラクターを
演じてきた関俊彦さんだったので登場シーンの一声から
あっ、狙ってるわ。これと思い。もうなんか嫌な予感するな。と思い始めた
(そういうターゲットをしてない作品での関俊彦さん自体は大好きです。)
基本的に水木という墓場鬼太郎にいた主人公と設定を少し変えたような人物が主軸になるのだが、ゲゲ郎にたまに謎をほのめかされたり、少し敵組織から助けてもらったりはしたが
そこまで友情のような描写はないのに関わらずバディの様なセリフ回しが後半は増え
違和感がかなりあった。こういうのいれてば女性オタク層は二次創作してくれるだろう^^
というのが透けた感じがとてもしたので流石にもう少し関係が深まる描写がほしかった
あとは今回でてきた妖怪でもない人間の人物が八墓村のようにバッタバタと死んでいくのだが鬼太郎を見に来てるのに特に思い入れのない人物が
死んでいくので何を見せれているのか?と思った。少しなら思わないが
ほぼ全ての本編オリジナルキャラクターの死亡シーンが描かれており、悲惨さの演出にしても多すぎ。となった。鬼太郎の母にしても原作に近い姿になった理由とかは
少しおもろしろい改変がされていたが最後に少し出てきたくらいで
やっと出てきたか。と思い、感情移入があまりできなかった
唯一感情移入が出来たのは小さい男の子の長田時弥くんの末路を中々、最後まで見せずに
現代にも繋がってとても辛い目にあっており胸を締め付けられたが、
最後に鬼太郎に救われたシーンだけはこの映画の唯一好きなシーンだった。
私が合わないだけで””キャラクターだけにフォーカースした視野の狭い女性層”
だけはなく””純粋に作品として楽しんだ方””の意見自体も否定するつもりはなく、
そういった方のレビューを見ると私の様に鬼太郎のフォーマットを気にしすぎないで
とても救いのない人間の怖い話が見れてよかった。
という意見自体は理解はできているのだが私には
アニメ版犬神家をやりたかっただけで鬼太郎である意味を感じない作品だった。
出資者にじゃあどうやってお金にするの?と言われて
とってつけたような女性オタク層をターゲットにすることで舵をきったら
BL好きなオタク層に見事狙い通り的中した。いったように思えた。
6期も美少女キャラクター化が顕著にはでていたが、鬼太郎シリーズとしての面白さは
残っていたのでとても好きなのだが、鬼太郎である意味のない作品にしつつ
今回の様な女性層の狙ったマーケティングにより
今後の作品もおそ松さんのように作品が崩壊させられないか杞憂に思うことになった
残念な作品でした。
親父かっこいい…
これまで目玉の親父見て単純に「かわいいキャラクター」と思っていた自分がバカでした…
鬼太郎が誕生するまでにそんなことあったの?
と仰天。親父の親心に感動。
だから鬼太郎と親父は、人間の味方でいてくれるの?と今後の鬼太郎を見る目が変わります。
ストーリー自体は戦後を舞台にした既視感ある内容でしたが、(原作が先?)
閉鎖的な村の土風、日本独特のホラーを感じれてよかったです。
まぁ普通に面白いが、前日譚を期待すると…
世間で持てはやされており、期待して観にいったせいか感想としては「普通」である。
シナリオは良く練られているが、因習村的新鮮さがなく普通。鬼太郎版因習村と観ればキャラ物としては面白いかも。バトルシーンのアニメーションはすごい。
個人的は「ゲゲゲの謎」というくらいだから前日譚を期待していたのだが、そちらは駆け足でやられてげんなり…。視聴中、始終「墓場鬼太郎」にどう繋がるかを期待していたので因習村の話が頭に入ってこない…。
墓場鬼太郎を観てしまうと前日譚への結び方か無理やりすぎるなー…と思う。墓場鬼太郎だと鬼太郎父はガタイのいいミイラになっているが、ゲゲゲの謎だと呪いを一斉に受けて体が溶けるから包帯を巻いた結果ミイラになるのは分かるがガタイがよくなる理由がよく分からない。さらに墓場鬼太郎だと鬼太郎父母は初対面でその矛盾の解決策が水木の記憶喪失。なんで記憶を失った?一回死んだ感じから復活した副作用だと脳内解釈するが、「あー!これがこうなって墓場鬼太郎に繋がるんだぁ!」というアハ体験がなく、始終もやもやが残り消化不良で終わった。
鬼太郎前日譚を期待してみると私のような感想になるのではないかなぁと思います。
今更ながら…
初めて見ました。ネタバレは一切見ずに(というか触れてこなかったジャンルだったので、情報が集まらなかった。)見ることができました。一応ネタバレ注意です。
見終わった途端、これは…と思ってしまいました。
あまりにも救いがない。水木は多少救われたでしょう。記憶を無くし、鬼太郎を育てる道を選んだのですから。
問題は龍賀家の人々ですよ。乙米や時麿はあれだとしても、罪の無い時弥や、罪を犯さなければなら無い状況にまでなってしまった沙代がもうかわいそうで仕方がない。(特に沙代は見た瞬間から推せると思ったくらいどストライクのデザインだったから本当に救われてほしかった。)あの糞ジジイ…としか言いようがありません。あそこまでクズキャラとして描いてくれたのはありがたかったですね。死んでないけど一生苦しむだろうし。
沙代は2人目を殺してしまった時点でもう暴走してたんでしょうね。マジでショック。しばらく引きずります。これが推しが死ぬ。ということなんでしょうか。一応最後で時弥と共に救われるような描写があるんですが、結局村からは出れてないところを見るとなんとも…生まれ変わって東京でクリームソーダを飲んでくれ…幸せな人生を…マジで…
それと、かわいそうなのは考三ですよね。禁忌を犯したとは言え、精神がね…最後もね…あっさりしすぎです。
あんなほとんどしゃべらないキャラに中井さんを使うのもイカれてます。
この映画、良くも悪くもテンポが異常に良いんです。ポンポン人が死んでいく。命がとても軽く描かれていると思います。
もう一度みたいのに、もうみたくないような。結末を知った上で、あのキャラクター達にどう接したらいいのか分かりません。私はゲゲ水よりも龍賀家の人達のほうに感情移入してしまいました。本当に皆可哀想。なんなんだ。誰か救ってやってくれよ。
間違いなく面白い映画ですが、描写的にはR-15ですかね。チョイグロイかもです。
もう一回…見れないなーこれは。心を整理しないと…
拙い文章でしたが、ありがとうございました。
鑑賞後それなりに期間が経ったあと書いた感想です
鬼太郎に特別興味がなくても、映画鑑賞が趣味の人ならそれなりに楽しめると思います!
ふつうに満足感あったので星4でも良かった気がしますが、まだ確たるラインを決めていないので
前日譚、傑作になりがち。
アニメ、ましてやシリーズ作品なのにミステリー、ホラーの骨組みがしっかりしている。随所で画面に現れる違和感や、犯人の考察などが序盤をグイグイと引っ張る。エグめの残酷描写も村に蔓延る陰鬱な雰囲気を醸し出してくれて、プラス要素。
中盤以降は人外要素が強めになるが、これはこれでアクションに下駄や髪などを使った従来の鬼太郎成分のアクションが爽快で面白い。ラストの現在の目玉おやじへとつながる演出も大きな感動を誘う。
なるほど!なるほど!
年代的に考えると第2シリーズ?それとも第1シリーズの再放送でしょうか?『ゲゲゲの鬼太郎』のアニメのオープニング映像と主題歌を見聞きするだけで泣いてしまい本編を観る気さえ起こらず、どうしてアニメなのにこんな怖いモノを作るんだろうと拒絶反応を起こしていた記憶があります。小学生になりアニメ本編を観てその面白さに気付き妖怪にも興味を持つと同時に水木しげる先生が戦争に出征され左腕を失われたことなどを知りました。
その水木先生の生誕100周年企画のひとつである本作、上映中より多方面から高評価を聞いていたため予告編など観ていたしチェックリストには入れてました。
結局、今日まで鑑賞を引っ張ることになってしまいましたが、お盆や終戦記念日にも近く結果的に良かったかなあと思っています。
冒頭から昔大好きだった横溝正史原作の映画感満載でワクワクさせられます。
鬼太郎の声をされていた野沢雅子さんが目玉おやじ役というのも時代の流れを感じますが、これはこれで味がありました。
精製方法は別にしても本作でいうところの「M」のような薬剤である「ヒ〇ポン」が戦時中や戦後に広く使われ大問題となった話は聞いたことがあるし、一部の特権階級が私利私欲に走った挙句、命を軽んじた事実はあったのだろうと思います。その象徴としての時貞は力の維持の仕方の気色悪さも手伝って相当憎たらしく描かれており、その反動で沙代ちゃんや時弥クンの境遇や末路を思うとより可哀そうで悲しく感じられます。
展開が読めたという方が多いですが、私は鈍感なのか犯人?がわからず、まさかだったので胸が痛くなりました。
(元)目玉おやじが強くてスタイリッシュだったのと水木とのバディ感、そして鬼太郎の誕生や彼の人間に対する考え方やスタンスは両親(特に母親)から繋がるものだったことなど、いろいろ「なるほど!」って思える作りで、高評価なのもあらためて「なるほど!」と思えました。
関連ニュース内に『墓場鬼太郎』の第一話「鬼太郎誕生」くらいは予習として観てもいいかもとの記事を見つけ鑑賞後ではありますが観ました。
若干内容は違いますが、こちらもおもしろそうです。
全633件中、1~20件目を表示