ファーザーのレビュー・感想・評価
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観客に体感させる事に成功している!!
主人公はメモを取ったり自分で考えたりはしないので、初めはあまり共感はできませんでした。次第にどうにもならない状況で惨めな気持ちになりました。しつこい演出等は全く無しに、観客に体感させる事に成功していると思います。自分がこの状況になったら、過去を振り返る価値はもうありませんが、食べ物の確保を行いつつ、一日一日新たな気持ちで生きていくしかないと思います。
答えがあるなら
わたしには、ただの、認知症ドキュメンタリーにしかみえないのだが‼️❓
来たるべき日に備えて
誰が観ても分かるアンソニーホプキンスの名演が光り、
その輝きのおかげでどっと辛さが押し寄せて来た。
親と「ボケたらボケた方は何もかんも忘れるから楽やなぁ」
「せやなぁ」なんて話てたけど、
考えが甘っちょろ過ぎた。
今作の見所はやはり認知症側の視点の部分だと思うけど、
たった90分観ただけの自分でも、
今自分はどこに居て、誰と居て、今いるコイツは誰なのか?
と頭がぐちゃぐちゃになるのに、
これを毎日繰り返すなんてとんでもなく大変な事。
迷い込んだ迷路から永遠にに出られない感覚に
とても疲れました。
介護側の辛さが描かれる事はあるけど、
患ってる方の苦悩を知るきっかけになりました。
日によって人格も性格も変わってしまうのだから、
対処の仕方が分からない。
本当に嫌な奴だと思ったら弱さを見せたり、
褒めてくれたり、感情がぶんぶん揺さぶれられるのだろうな。
来るべき日に備えて何も出来ないのだけど、
覚悟はしておかないと。
それにしてもアンソニーホプキンスの演技は
素人から見ても「これが今年の最優秀男優賞です」
と言われても納得出来るものでした。
ママ
残酷な現実
《認知症における『混乱』とは》
素晴らしい演技でした。
素晴らしき、擬似体験
ホプキンスの独壇場
流石アンソニー・ホプキンス
ギミックは興味深い。 でもストーリーが面白いとは思えなかったかなぁ。
ひとは老いる
アンソニーの脳内の錯綜(アルツハイマー)が説明されずに絵になっているので、サスペンスのようにも見える。つまり、かれのまわりの人たちが結託して、アンソニーを欺そうとしているように(も)見える。
その見え方が、アルツに侵された老人の懐疑心や孤独をあらわしていた。──みごとな構成だった。
(わたしは日本映画をdisりながら外国映画をほめる牽強付会なレビュワーだが)日本映画がこの主題=老いと介護で、映画をつくるならば、お涙にするんじゃなかろうか。と感じながら見ていた。
日本映画界が誇るお涙頂戴作風の雄、中野監督の「長いお別れ」が、この映画の設定に近似している。因みにこの小説及び映画にたいして個人的になみなみならぬ嫌悪をかんじるのは、四半世紀愛読しているチャンドラーとおなじタイトルだから。ふざけんなよ。(と思います。)(個人の見解です。)
それはともかく、日本は高齢者比率が世界一。したがって「老い・介護」はこの惑星で日本がもっともその窮境を負っていると言って過言はありません。日本人にとって、現実的で身近で、まさしくわたし/あなたが直面している「老い・介護」の話がなぜお涙頂戴になるのか、わたしには解りません。
だからこそ、お涙におとしていない映画The Fatherを見てがつんときた。アンソニーの見る非現実や、家族のお荷物になっていく境遇に共感ができた。ラストで幼児化してママ、ママと泣きくずれるアンソニーを見て恐怖を感じた。
わたしたちにんげんが、おとなにならなきゃいけないのは、最後の恐怖(=ひとりでしぬこと)を耐えるためではないでしょうか。わたしは、アンソニーのラストの泣き顔を見たとき、猛烈に、しぬときはひとりだと感じました。
しぬのは怖くない?孤独も寂しくない?いやいや、そんなことは言ってません。アンソニーはもはや、他人はおろかじぶんが誰かも、どこにいるのかも解らなくなっているわけです。そういう状態のにんげんにしぬのは怖くないとか、孤独が寂しくないとか、は有り得ません。病床に臥せったままの状態のにんげんでも、それは同じです。わたしたちは、健康な状態のまま、ある日・ある時間を堺に突如しぬわけじゃない。現代の医療においては、どんな悲惨な状態であろうとも、長い長い恍惚の期間をすごして、ゆっくり死んでいくのです。
だめなら死んじまえばいい。という考え方があると思います。生きていかれなきゃ死ぬだけ。とか言う人がいます。だけどそう言ったり考えたりする人も、走っていて、ある日・ある時間を堺に突如しねるわけじゃない。死んじまえばいいんだ──と潔く聞こえるコトバをはきながら、不摂生をかさね、太く短く生きたひとが、ながく他人様の世話になるアルツハイマーや寝たきり状態をへて、ゆっくり死んでいくわけです。それが「老い・介護」の問題です。
で、われわれはアンの立場でもあり、将来のアンソニーでもある。だからどっちについても意見がありますが、親の介護に直面している輩が「おまえになにがわかる」風の逆切れコメント&マウントしてくるのをヤフコメでよく見ますので、介護については言いますまい。(わたしも親の介護をしていますがこの国には何百万とそんな人がいるので親の介護をしていることでマウントとってくるやつってまちがいなくあほだと思います。「親の壮絶介護」ってのは、ネタが尽きた芸人か、懐かしの有名人が生存報告にやるエンタメニュースのことです。)
ただし、じぶんの老後については、だれかの世話にならないように、ぽっくりいけるように、あるいは待遇のいいホームに入れるように、(それらが適うかどうかは解りませんが、)いまの人生をおくることはできると思いました。(=しっかり稼ぐとか、身体をきたえるとか、健康を維持するとか、他人を扶けてあげるとか、そういうレベルにおいて)じぶんのためでもありますが、とうぜん、家族や周りにんげんの為でもあります、
もうひとつ感じたのは広く清潔なフラット(居住空間)。狭い家屋でないことでかなり気が紛れた。主題に反して撮影も超アーティスティック。そしてオペラ。このすさまじく重い主題が、うつくしいフラットと音楽によって、おとなの事情もしくはそのリメイクでも見ているような気分で見ることができた。ラスト、カメラが窓からさわやかな新緑をとらえた。この後味で「老い・介護」を描いたことに驚嘆した。
認知症の老人の主観
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