スプリー
劇場公開日:2021年4月23日
解説
Netflixドラマ「ストレンジャー・シングス 未知の世界」のジョー・キーリー主演で、SNSの恐怖と不条理を描いたスリラー。ライドシェアドライバーのカート・カンクルはフォロワーを増やしたい一心であるアイデアを思いつく。それは乗客を手にかけ、その様子をライブストリーミングで配信するというとんでもないものだった。カートはSNSをバズらせて人生の一発逆転をもくろむが、「フェイクだ」「退屈だ」と、反応は散々なもので、まったく盛り上がる気配がない。思惑がはずれたカートの怒りの矛先は乗客にとどまらず、拡散させないインフルエンサーにまで向けられていく。カートに立ち向かうコメディアンを「サタデー・ナイト・ライブ」のサシーア・ザメイタが演じるほか、デビッド・アークエット、ミーシャ・バートン、ララ・ケント、フランキー・グランデらが顔をそろえる。
2020年製作/93分/G/アメリカ
原題:Spree
配給:OSOREZONE
スタッフ・キャスト
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2021年4月30日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館
SNSでバズることは、一部の人にとって人生を棒に振っても欲しいものになったのかもしれない。恐ろしい時代だ。本作の主人公は、数年間動画投稿を続けたものの、全く注目されずない屈辱を経験し、ライドシェアで載せた客を殺害するところをライブ配信することを思いつく。しかし、実際に殺してみてもあまり再生数が上がらない。それどころかフェイク扱いされてしまう。彼の行為はどんどんエスカレートしていく。
作中、韓国の女性DJや黒人女性のコメディアンなどのインフルエンサーが登場する。彼女たちはバズるだけの光るものが確かにある。主人公にはそれがない。この映画の背景には持たざる者の苦しみがある。承認欲求が誰かをモンスターにしてしまう。殺人までいかなくても、承認欲求にとらわれておかしくなる人はSNSにごまんといえる。この映画を見ている自分もいつそれにとらわれるかわからない。気をしっかり保ってSNSをやろうと思った。
徹頭徹尾、独特なノリと感性に彩られた作品だ。全てのシーンを自撮りや固定カメラなどで記録した映像、さらにはリアルタイムで交わされるチャット画面にて完結させながら、いっさいの展開上の緩みや齟齬が見当たらない。主人公がかなりサイコパスへ振り切れようとも観客が興味を失わないのは、こういった作り手の技術やセンスがうまく機能しているからなのだろう。一方、ストーリーはというと、車で人をさらうという「ヒッチャー」を思わせる内容。かと思えば、序盤から人気者への”憧れ”がじわじわ”執着”へ変わるスコセッシの「キング・オブ・コメディ」的なテーマ性が際立つ。憧憬の対象がなぜかコメディアンという点でも両作は共通しており、さらにこの移動する舞台ともいうべき乗合サービスがすなわちタクシーの現代版である点も含め(「タクシー・ドライバー」)、作り手のこだわりを読み解くにはスコセッシ作品との比較検証が不可欠に思えてならない。
2022年9月1日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD
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スプリーというフリーのドライバーになって、客を乗せながら殺しの実況を延々と垂れ流す映画。
ただ映画中にもあるように、配信内容がつまらないとあったが、本当にそれでつまらない配信を永遠と見せられ、映画が非常につまらない。(製作者の意図したことかな?)
…うーん、最後も、本人にとっては嬉しいことなのか、…よくわからない(笑)。
普通の顔した普通の青年がいちばんヤバイという映画ですね。
2022年6月25日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル
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題名はスプリーというライドシェアアプリ。ドライバーのカートは客を乗せながら、撮影をし、自らのSNS視聴数を増やすことに躍起になる。殺人を犯してまでも。。かなりグロいシーンもあるが、その方が反響もあるわけで。現実にこんなモンスターが出てきそうで怖い。