BLUE ブルーのレビュー・感想・評価
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負け続けている者へのエール
ボクシングやってる風?趣味?ダイエット?駄目だよ、ダメダメ。もっとハンガリー精神を持たなくちゃ!ハンガリーといえば温泉。スパだよ、スパ。スパークリングじゃないよ。スパーリングだよ。そんなダイエット目的のベリーダンスおばちゃんたちもリアルだったけど、三者三様のボクシング人生がとてもリアルに描かれていました。(正解はハングリーです)
負け続けのプロボクサー瓜田(松ケン)、日本チャンピオンになる寸前のセンスある小川(東出昌大)、“やってる風”からプロテスト合格まで成長する楢崎(柄本時生)。頂点に立つ者以外はみんなこんな雰囲気なんだろうと思い知らされる底辺の現実。強いけど基本ができていない赤毛の野口と比較して、松ケンの基本はばっちりなのに勝てないアスリートというタイプはけっこういるのだろう。ゴルフを初心者に教えたがる人みたい・・・。個人的には痛いからスパーリングを拒む楢崎に共感。へっぴり腰の演技もいい!
勝てないということ。ボクシングに限らず、スポーツ全体、仕事や趣味にしたってそうだ。勝負ごとは世の中にいっぱいあるけど、負けたっていいじゃないか。ただ、やっぱり健康のことを考えて、パンチドランカーにならないこと。真っ白な灰になるのは矢吹くんだけでいい。ブルー(青コーナー:挑戦者)だっていいじゃないか。それも人生なんだから。ただ、本当の勝者は木村文乃の胸を揉むことなんだろうな・・・(うそです)。
いろんなエピソードが散りばめられている中、ひとつひとつの結果の部分がぶつ切りになっている斬新な編集。この手法がもしや小川の将来の頭の中をイメージしてある意図があるならもっと凄い。白昼事故ったり倒れたりするのは『明日の記憶』さえ思い出した。
テンポのイイ映画
3人主演のような映画でした
勝てそうで勝てない松山ケンイチ
勝てる要素がない柄本時生
ドクターストップが来そうで来ない東出昌大
3人の振り分けバランスが良く
テンポもドンドン進んで
ボクシング経験のある監督らしい
都合の良い展開もない
面白い作りでした
一つだけケチを付けるとしたら
木村文乃の胸をわし掴みにしたのが
羨ましすぎて
再び東出を嫌いになったことです‼️
好きなことをただ好きでいる
松山さんが主演ではあるけど、
最初は「プロになるつもりもないし、パンチの型とかを少し覚えて『ボクシングやってる風』であれば充分なので!」と、なんとなくしかやろうとしてなかった練習生の彼が、いつの間にか松山さんから受けた「基本」の教えを胸に、プロテストに合格し、先輩も入院させてしまうほど強くなっていく作品でした。
どんな分野でも基本は大事だなって思いました。
松山さんは年齢を重ねて、あまり試合で勝てなくなっていって、自分が決めたタイミングでジムは辞めたけど、どんな職業についても体は動きを覚えていて、
いつまで経っても、それでご飯は食べれないとしても、それでも心は好きなもののそばにある、そんなラストがとても良かったです。
とてもよかった
主要キャストが3人とも負け犬で、高揚感が全くない。最後まで弱いままで全然試合で勝てない松山ケンイチもつらいけど、日本タイトルに挑戦する東出昌大はパンチドランカーで長い人生を思うと一番つらい。東出昌大が症状でバイト中に失敗する場面はぞっとする。
ボクシングに取り憑かれた僕にもわかる。
なぜ
ボクシングには、こんなに魅力があるんだ?
なんやかんや言って
殴り合いだ。
頭狙うからそうとう危険
ヘミングウェイやビリージョエルも。
僕もアマチュアながら39歳でスタートした。
柄本時生みたいなもんさ!
松山ケンイチみたいに、アマチュアだけど
全く勝てなかったなあ。
2勝して10敗
だから
わかるよ!
東出昌大みたいなボクサーや
ヤンキーのにいちゃんやら。
木村文乃みたいな奥さんの心配も
会長みたいな、アゴ弱そうな選手時代は
どうなんて方も。
コロナでジム行ってないけど
暇あれば
シャドーするなあ!
冷めた熱量がいいね
低温の炎は青い。
高温の炎は赤い。
この映画は低温で燃える人たちの人生讃歌だと感じる。
熱く赤く成りきれない、青くぼおっと燻ってるような、何かに未練を残しながら生き長らえてるような、燃え尽きたいけど燃え尽きることができず、ずっと青い炎を発しながら、ガスの種火みたいになってる人たちの日常・・・
それにやけに共感を覚えた。
青コーナーに立つ拳闘士への応援歌
こう言っちゃなんだけど、拾い物の映画でした。冒頭、新米ボクサーを指導する松山ケンイチの台詞のトーンが人間味溢れていて、一発で主人公に感情移入しました。三人のボクサーの日常の短いエピソードを丁寧に細かいジャブの様に積み上げ、各人の抱える事情や心境の変化を描くことで、とても共感の出来る作品になっていると思います。ボクシングの試合でのカタルシスは高いけども、決して安易な結果にならないところもいいです。役者は三人とも素晴らしいけど、やっぱり松山ケンイチ、本当に上手い役者さんです。
人生はいつも青コーナーから。を教えてくれる、一風変わったお勧めな作品です。
観た方の評判が高い事が気になり、鑑賞しました。
で、感想はと言うと、良い。良いです。
鑑賞前は全くのノーマークの作品だったので、観て良さをしみじみと噛み締めています。
ドキュメントの様にボクサーの生き様を淡々と描いていて、必要以上に美化していないのが良い。
四者四様のボクサーとしての在り方が物凄く興味深い。
ボクシングが大好きだけど、勝ちに恵まれない瓜田。
ボクシングの才能に恵まれ、日本タイトルを目前としながらもパンチドランカーの病に苛まれる小川。
ボクシングを形から入ったがいつの間にかプロのボクサーして取り組む楢崎。
才能に恵まれるがプロテストに失敗し、スパーリング中の不慮の事故でプロボクサーを諦めた洞口。
本来なら松山ケンイチさん演じる瓜田を中心に東出昌大さん演じる小川との光と影の対比が描かれる所を榎本時生さん演じる楢崎と守谷周徒さん演じる洞口も描かれていて、なかな絶妙なバランス加減。
また、木村文乃さん演じる千佳が良い。
さっぱりしていて可愛らしい♪
物凄く泥臭いかと思ったら全然そうでもなく、それぞれに苦悩や葛藤はあるが、必要以上にドロドロしてない。
ある意味でさっぱり。
「それはそれ。これはこれ」みたいに割り切っている感じが面白いが人によってはあっさりし過ぎと言う意見もありそう。
また、タイトルマッチ以外では青コーナーも赤コーナーもあまり意味はないと言うのは知らなかったので勉強になりましたw
瓜田以上に成長と活躍を見せるのが楢崎。
最初はなんちゃってボクサーだったけど、いつの間にか真摯にボクシングと向き合う姿が良いんですよね。
でも、なかなか勝ちに恵まれないし、時折ウザいのもたまに傷w
小川は才能に恵まれたボクサーではあるけど、パンチドランカーとして苛まれている。
真っ直ぐに歩けない。時折呂律が回らない。吐き気を催し、仕事や生活にも支障を来すのがリアル。
そんな才能に恵まれながらも光と影を東出昌大さんが演じているのが良いんですよね。
昨年のスキャンダルで作品の出演が遠ざかっていましたが、元々良い演技をされる方でもあるので、この小川役はバッチリ。
私生活と役者としての技量はまた別物と考えているので、活躍はやっぱり嬉しい。でも作品のお蔵入りや降板になるお痛は程々にw
難点は瓜田が主人公でありますが、小川にも楢崎にも焦点がきちんと当たったいる分、瓜田の存在感が薄い。
10敗以上していて勝ちに恵まれないが、決して練習を怠っている訳ではない。
また、後輩に偉そうに言われても、それを受け流せる大人な対応が取れるが、ボクサーとしての苦悩や葛藤が薄い。
ボクサーとして資質が薄いと言う訳では無いと思うが、闘争心と言う点では向いてないのかも知れない。
元彼女の千佳を後輩の小川に取られている点を普通に受け止めている点も大人ではあるが、全てを手に入れたい!と思うからこそ勝ちへの執念を異常な程燃やす。そう考えるとボクサーとしての向いてないのかも知れない。
とても珍しい感じの主人公であるのは間違いないし、かなり難しい役どころを松山ケンイチさんが演じているのは流石なんですが、ちょっとこの辺りで評価が分かれる所ではあるかと思います。
なので、瓜田が誰にも知られずに引退をしてからの件がちょっと長いので、焦点がボケる感じはしますし、主人公の意義もブレる。
また間延びをする感じはしますね。
あと細かい所では、会場の後楽園ホールでの歓声と客入りの加減がちょっと合っていない。
東のボクシングの聖地でメッカの後楽園ホールでの撮影をしているのは物凄く評価が高いんですよね。
レンタル料もそれなりに掛かるし、リングを組み立てるのも別途で掛かる。
この辺りを疎かにするとリングが最初から設置されている「新宿FACE」や「新木場1stRING」で済まそうと妥協されるんですが、新宿FACEや新木場1stRINGではやっぱりボクシングのイメージは薄い。
なので、聖地・後楽園ホールでの撮影は物凄く評価しますがコロナの影響で客入りを制限しての撮影にしては歓声が大き過ぎる。
また後楽園ホールは天井が高いので満員でも無い限り、こんなに歓声が密にならないし大きくならない。
でも、コロナ禍の入場制限をかけての客入りでは500人程度では歓声も薄いので難しい所ではありますが、気になりました。
普通、ボクシングの映画を作る場合はもっと光の部分を大きくして、感動モノに仕上げるんですが、この作品はそう言った勝ちを含めての栄光の部分が少ない。
瓜田はボクシングを引退して卸売市場で働く。
小川は念願のチャンピオンになって、結婚もしたが、タイトル防衛戦で失敗し、引退。
パンチドランカーの影響で仕事にも支障を来す程の身体になっている。
楢崎はとりあえずボクシングは続けている劇中ではまだ勝ちに恵まれていない。
一握りの者を目指していたが小川ですら、その一握りになれたが初防衛戦で敗れて、引退した後の健康障害に苛まれているのがリアル。
唯一の救いは楢崎が明るく元気にボクシングを続けている事ぐらい。
割りと救いが無いと言えば、救いが無い。
でも見応えはある。
小川が主人公なら割りとしっくり来ますが、そうでもない。
かと言って瓜田は主人公らしくない。
主人公はボクシングを通しての若者で青コーナーに立つ者とする割りとしっくり来るかな。
あと、竹原ピストルさんの「きーぷ、うぉーきんぐ!!」が主題歌ですが、個人的にはアレクサンダー大塚選手の入場曲の青西高嗣さんの「AOcorner」がぴったりハマるかと思うんですが如何でしょうか?
とても珍しい感じのボクシングをテーマにした作品ですが、見応えはあります。
ボクシングが終わっても人生や生活は続く。
皆が「あしたのジョー」のジョーの様に真っ白な灰になるのに憧れるがそうは出来ないし、またそうなってはいけない。
それぞれのラウンドの後に続くエキストララウンドに焦点を当て、それでもボクシングが好きだと言う気持ちを描かれている。
人生はいつも青コーナーからのスタート。
とても大人な作品でありながら、清々しさを感じる作品です。
結構お勧めな作品なので、興味があれば是非是非です♪
意外にボクシング映画の王道
スタンプ会員の日にいつもの映画館で
この監督の作品と知り急遽リストアップ
スクリーンでは初めて
観てよかった~
意外にボクシング映画の王道
松山ケンイチはこれまでちょっと敬遠していたのだが
誠実な主人公を好演 ホントいい奴で好きになる
シャドーボクシングの姿は素晴らしく美しかった
東出昌大もよかった
鍛えこまれた身体が美しい 誰でも惚れてまう
カッコ悪いドランクぶりもリアル
本格俳優に戻ってくれ
柄本時生もよかった
これもボクシング話の王道で嬉しかった
あしたのジョーの青山を思い出した
コント仕立てのようなエピソードがちょうどよく挟まり
適度な箸休めになっている
ジムの会長役とかも実にいい顔 誰なんだ
監督自らのクレジットにわざわざ殺陣指導との表記…
こだわりを感じる いろいろ調べてみようと思ったら
チラシに監督の言葉
〉 流した涙や汗、すべての報われなかった努力に
〉 花束を渡したい気持ちで作った
この映画に貫かれるボクシング愛がスーっと理解できた
大傑作
それにしても新コロよ
金曜日の夜に観客3人
映画終わりにビールでも…と思っても開いてる店なし
駅前広場にてビール2缶
少し寒かったが心地よく酔っぱらった
学生の新歓とかサラリーマンの歓迎会とかで
にぎわう季節だろうに 寂しくもある
舞台挨拶行ってきました!!
鑑賞前に出演者さんや監督から少しネタバレをされ、「シュッ」という所か面白いとか東出さんが釣りをする時に全然大物ではないのに、演技が大きいとか話してくれ楽しく鑑賞できました。しかしボクシング場面は迫力もありかっこいいし努力、汗と涙の勲章と思いましたが、結局は幸せになれるのか?ということが結論になり、一緒に観た旦那と話しました。子供にボクシングを進めない親や大人も多いですが、こうゆう事かな??とも思いました。キャストは豪華ですし、みなさん迫力ある演技素晴らしいと思いました。最後の終わり方がしっくり来なかったので☆を1つ減らさせてもらいました。
リアルな日常
今まで観たボクシング映画で一番リアルと思った作品。ボクシングあるあるが随所にあって笑えるシーンもあるが、悲しいシーンもあって本当にリアルに感じた。
作り手のボクシングが好きな気持ちが伝わる作品。
みんな見るべき。
負けていくボクサーたちの背中を、みんな見るべき。負けたあとに立ち上がり、挫折しても、引退しても、怪我をしても、惜敗だったとしても、立ち上がる。
負けは負けじゃないし、負けから学ばずしてどうする。
今もこうして続くボディーブローに耐えられるのか?
そんな問いを投げかけられて、気づいて登場人物たちはどんどん前に進んでいった。
【強さ】
強さとは何だろうか。
勝ち続けること。
強さとは何だろうか。
潔く負けを認めること。
強さとは何だろうか。
また立ち上がること。
強さとは何だろうか。
研鑽し続けること。
強さとは何だろうか。
自分の弱さを認めること。
でも、弱さを見せないこと。
強さとは何だろうか。
相手を認めること。
でも、相手に怯えないこと。
強さとは何だろうか。
考え続けること。
強さとは何だろうか。
背中を押してあげること。
そして、見守ること。
強さとは何だろうか。
引き際を決めること。
そして、黙って去ること。
強さとは何だろうか。
友を遠くから想うこと。
そして、祈ること。
強さとは何だろうか。
「ずっと負ければ良いと思っていた」「分かっていた」
嫉妬や侮蔑を隠して、でも、そうであることは知っていても、口に出さないで平然としていることも強さかもしれない。
強さとは何だろうか。
きっと来るはずのないチャンスのために密かに準備をすることも強さかもしれない。
ここに散りばめられた様々な強さは、全ての人に向けられたオマージュだと、僕は思う。
なんか、素敵な作品だと思った。
虜になった3人の生き方
ボクシングと3人の生き方のシンプルな物語。
ただただ好き、勝つのみ、夢中になる。
誰一人として守りには入らない生き方。
三者三様に突っ走る姿に、すっかり虜になってしまった。
辞めないよ 刺さる言葉だった。
勝つとはこういう事か!
職場でのスカッする大逆転、こんな笑う場面も良い。
ボクシングシーンは一見の価値あり。
試合で勝てない青コーナーが定位置の瓜田。持って生まれた才能で日本チャンピオンまであと1歩の小川。バイト先の女子にモテたい一心でジムに入門した樽崎。
いつも周囲に気を配り博愛主義者のような振る舞いの瓜田。しかし好きな女性は後輩小川と交際中。更に才能で自分を圧倒的に凌駕する小川への心の内に秘めた嫉妬心。
その小川に唯一本音を漏らす場面。その静かだけど男臭いやり取り。同じ場所を目指したボクサー同士。そして同じ女性を想う男同士のお互いへの励ましのような掛け合いに聞こえて泣けた。
本来ならこの2人で話が成立しそうだけどそこへ樽崎が新しい風を吹き込む役どころとしていい味出してます。
松山ケンイチが真っ直ぐで柔らかな瓜田を、柄本時生がへっぴり腰からプロボクサーへ成長する樽崎を好演。
そして小川を演じた東出昌大よ!ちょっとびっくりしたんですけどあんな演技派でしたっけ?(いや、失礼は承知してます…)ここまでちゃんと役にハマってるのを初めて見ました。
タイトルBLUEは青コーナー(挑戦者)と言う事らしいです。作中では試合で負け続ける瓜田を中傷する意味でも使われていました。でも青コーナーにすら立てない人がきっとこの社会の大多数だろうと思う。
果たして瓜田は負け組なんだろうか。
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