ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

劇場公開日:

ザ・バンド かつて僕らは兄弟だった

解説

1967年から76年にかけて活動し、ボブ・ディランをはじめ音楽史に足跡を残す多くのミュージシャンたちからリスペクトされるバンド「ザ・バンド」のドキュメンタリー。同バンドのラストコンサートを記録した音楽ドキュメンタリーの名作「ラスト・ワルツ」を手がけたマーティン・スコセッシのほか、ロン・ハワード、ブライアン・グレイザーらが製作総指揮として参加。「ザ・バンド」メンバーのロビー・ロバートソンが2016年に発表した自伝「ロビー・ロバートソン自伝 ザ・バンドの青春」をもとに、バンドの誕生から、彼らがボブ・ディランとともに借りていた住居「ビッグ・ピンク」でのレコーディング、そして伝説的解散ライブの「ラスト・ワルツ」まで、バンドがたどった足跡をたどるほか、ブルース・スプリングスティーンやエリック・クラプトンをはじめとした大物ミュージシャンが多数登場し、「ザ・バンド」の唯一無二の魅力を語る。

2019年製作/101分/G/カナダ・アメリカ合作
原題:Once Were Brothers: Robbie Robertson and the Band
配給:彩プロ

スタッフ・キャスト

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(C)Robbie Documentary Productions Inc. 2019

映画レビュー

3.0寂しさが残る作品でした

2022年11月10日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

ザ・バンドの誕生から解散までを描いたドキュメンタリー作品。
劇場で観ようと思ってたら、すぐ終わっちゃって。
そしたらすぐプライムに上がってきて驚きました。
バンドはカントリーとブルーズが混ざったような音で、大好きなバンドなんです。
あの「Last Waltz」を撮ったスコセッシが、製作総指揮としてクレジットされてるのも憎いですね。
それにしてもこれ観ると、改めてボブデュランとの絆の深さがわかります。
青春時代とも言えるビッグピンク期など、こうしてフィルムで観れるのは嬉しいものですね。
中でも「The Weigh」の誕生した話がとても興味深かったし、皆話す顔がキラキラしていた。
でも幸せな時間は永遠ではなく、アルコールとドラッグで段々と歯車が狂ってくるんです。
ロビーとメンバーの間に徐々に溝ができてくる頃ですね。
こうなって来るともうどうしようも無かったのでしょう。
あとこの作品、ロビーロバートソンの自伝を元に作られているので、どうしてもバンドに対して俯瞰に描かれてい無いように感じてしまいます。
これはしょうがないんでしょうけど、観ていて少し引っ掛かりがあるんですよね。
そうして迎えたウインターランドでのライブ。いわゆる「Last Waltz」です。
この時の皆んなの思い出がじわじわと胸にきて、映画だけど終わらないでほしいとさえ思うようになっていましたよ。
この、大切な何かが消えていくような終盤のまとめ方は良かったです。
偉大なバンドである再認識と、どうにかならなかったのという寂しさが残る作品でした。

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白波

2.5ひとり語り

2022年6月19日
iPhoneアプリから投稿

一方的な論調で、逆にそうでなかったであろうと調べてみようという動機がうまれる。晩年にてこういう作品を残そうとする哀しみすら感じる。

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Kj

4.0バイオグラフィでたどるザ・バンド再入門の快感、メンバー間の不和と死

2022年1月10日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ザ・バンドの奇妙で懐かしい音楽を長らく聴いてきたくせに、彼らのバイオグラフィにはとんと無知だった小生に、本作は彼らの音楽に再入門させてくれる楽しみと、メンバーの多くが鬼籍に入ってしまった寂しさを感じさせるものだった。

1)映画の主な内容
十代の頃のロビー・ロバートソンとリヴォン・ヘルムとの出会いから、ロニー・ホーキンスのバックバンド・ホークスの結成、ロニーの音楽を乗り越えてしまう向上心、ボブ・ディランとの偶然の出会いとヨーロッパ・ツアーでのフォーク・ファンのブーイングとの闘い、そしてファースト・アルバムがロック界に与えた静かで深い衝撃と成功、やがて訪れるアルコールやドラッグ中毒と金銭トラブルによるメンバー間の亀裂、ディラン、エリック・クラプトン、ニール・ヤング、ヴァン・モリソン、ジョニ・ミッチェルらビッグネームを招いた集大成のコンサートと解散、その後のメンバー間の不和、そして5人中3人までの死…それらをリーダーのロビーが丁寧に淡々と語り、それを彼の奥さんや周囲にいた人々が補足していく。

2)ザ・バンドの音楽の影響力
バンドとその音楽について、メンバーと周辺の人々の証言が多くを語っている。

ディランは自らのフォーク・ファンとの戦いに参加し、騎士団のように守ってくれたバンドに感謝する。
ロビーは自分の作った「ザ・ウェイト」を聞いたディランが、賞賛の表情を浮かべたことを嬉しそうに回想する。
「4%パントマイム」で共演した、あの気難し屋のヴァン・モリソンが率直にラスト・ワルツを祝福していること、ファースト・アルバムを聴いたブルース・スプリングスティーンは「これは革命だ」と感じたこと、クラプトンにいたっては「リズムギターでもいいからバンドのメンバーに加えて欲しい」と頼みに行ったこと等々、証言すべてが実に興味深い。

そのサウンドはライ・クーダーらの音楽とともにルーツ・ミュージックの流れを形成し、今やアメリカーナと呼ばれることも本作で初めて知った。マーチン・スコセッシ等の証言には、バンドの音楽にアメリカ文学、スタインベックやメルヴィルとの共通性を見出す意見もあって面白い。
願わくば彼らの音楽性について、専門家がさらに突っ込んだ解説をしてくれれば、音楽映画としてより立体的になったろうにと惜しまれる。

3)メンバー間の亀裂と解散後の不和について
ロビーや奥さんの証言によれば、ドラッグ中毒で不安定な心理状態に陥ったリヴォンは、主要曲の著作権を独占していることに対する嫉妬からロビーを攻撃し始めたという。
しかし、アルコールやドラッグの中毒にならなかったのはロビーだけで、彼が毎朝10時から作曲をしている間、他のメンバーは寝ていた。彼らはアレンジを手伝ったが、著作権は作曲したロビーのもので、それは動かせないということが、周辺の人々から語られる。

他方、手元にあるリヴォン・ヘルムとリック・ダンコのインタビューを見ると、ロビーは次のように批判されている。
リック「(メンバーとの共作がなくなっていったのは)ロビー・ロバートソンのエゴだ。もしもロビーがバンドに戻りたかったら、車輪を回すスポークの1本にならなければいけない」
リヴォン「2枚目の後、俺らに大金が提示され、巡業に出るようになって、バンドを取り巻く環境が変わっていった。同時に発見したことは、レコードを見てみると、どの曲の作者もJ・R・ロバートソンになっているじゃないか(笑い)」
リック「それは本当じゃないんだ」
リヴォン「そんなことが起こって、ザ・バンドはおかしくなっていった。同じ舞台に立つことは二度とないだろう」
このインタビューは1976年の解散後、18年を経た1994年のもの。この直前にザ・バンドはロックの殿堂入りするが、リヴォンはインタビューの発言通り、ロビーを嫌ってその式典への出席を拒否したのだった。

メンバー間の紛争の真実がどこにあるのか、我々には知りようがない。しかし、リヴォンらの主張が「著作権はロビーにはない」ではなく、「著作権はロビーだけのものではない」というものであることに加え、解散後の再結成盤やソロ・アルバムを聴く限り、ロビー以外のものは印象が希薄である。それを踏まえるなら、ロビーがバンドの骨格であり続けたことは間違いない。
最後にリヴォンの死の床(2012年)にはロビーが駆け付け、臨終を看取ったらしい。もはや意識不明だったというが、ここで彼らが和解したと信じ、亡くなったメンバーたちの冥福を祈りたい。

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徒然草枕

3.0ラスト・ワルツ

2021年12月29日
PCから投稿
鑑賞方法:CS/BS/ケーブル

ボブ・ディ
ランとの出会いから、伝説の一夜限りのライブ「ラスト・ワルツ」までを描く。
バンドの誕生から解散までだが、よくある話とはいえ、ビッグネームが多数登場し、カリスマ性を際立たせる。

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いやよセブン
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