人数の町のレビュー・感想・評価
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違和感の正体は? 中村倫也と石橋静河の静かな対峙
これまでの日本映画ではあまり見かけなかった風味の作品で、海外ドラマで見かける作風といえるかもしれない。メガホンをとった荒木伸二監督は、CM業界では名の知れた存在だが、今回が長編劇映画デビュー。その“ビッグルーキー”を支えた中村倫也と石橋静河の地に足のついた演技が、見る者の集中力をぐっとスクリーンに釘付けにさせる。“陽”も“陰”も縦横無尽に演じ分けることができる2人の存在は、今後さらに日本映画界に欠かせないものになるはずだ。
これはなかなか面白かったです。
実際にありそうな町
社会に居場所を無くした青年達が
ある町に連れて行かれる。
そこは、負担の軽い労働を行う代わりに
衣食住が保証される町。
主人公の蒼山とヒロインの紅子は町の在り方に疑問を持ち、紅子の姪であるモモと共に脱出を図るが…。
現実感の無い別世界の感じが今際の国のアリスや、エリア外に出ると頭の装置が働くあたりGANTZなんかを連想させる。
一見、ユートピアの様にも見えるけど、
労働が口コミの打ち込みや投票の偽装などなど、
疑問に思っては続かない仕事ばかり、、。
現実に町単位でなくても、似たような集団は
人知れず、あるのでしょう。
町の中にも、沢山のマンションやビルがあって、名前も知らない会社やお店も沢山ある。
中で何してるのかなんて誰にもわからないし…。
ラストシーンのオチは落とし所といった感じ。
インパクトは薄いですが、
風刺が効いていて面白い映画でした。
中村倫也の演技は好きだが…
日本は貧しくなったんだな、金かかってないな。と実感する映画…。イカゲームや今際の国のアリス系かと思ったが。まず、単純作業だけしてれば衣食住が保障される生活が全然魅力的に描かれていないので、ただの連れてこられ損な主人公たち。好きにセックスできる設定も別にそんな魅力的でもない。部屋も保養所みたいだし。イカゲームみたいに勝てたら一攫千金でもない。何が描きたかったんだろう〜?
町の設定は面白いけど
皮肉たっぶりの映画
うーん
アイデアは面白い.ラストにもう一捻りあれば!
2020年。監督・脚本・荒木伸。
第1回木下グループ新人監督賞準グランプリに選ばれて長編初映画化した作品。
簡単な仕事だけで、衣食住が保証されて、セックスも満たされる「謎の町」
理想郷ではないか?
うかうかと惰眠をむさぼり、楽しく過ごせそうに思える。
しかしそこには、自由も夢も希望も、そして個(自分)も、無いのだった。
カード破産したり、ネットカフェ難民になったり、殺人をしたり、夫に虐待されたり・・・
居場所のない人間のユートピア「人数の町」
町というよりは巨大な施設。
ホテル並みの個室と社交場のプール。
ネットに書き込み(誉めるandディスる)をすると餌(食べ物)が、供与される。
部屋番号札を渡す→相手が受け取れば、OKのサイン。
セックスが供与される。
さて主人公の蒼山(中村倫也)は借金取りに暴行を受けている所を、
黄色いツナギの男(チューター=指導員か?)に助けられて、バスに乗り込み
「人数の町」の一員となる。
蒼山はそれなりに「人数の町」を謳歌する。
暫くして妹・緑(立花恵理)と姪のももを探して紅子(石橋静河)が、
「人数の町」に現れる。
ここから、町を脱出を試みる蒼山と紅子の冒険的になるのだけど、
今ひとつ盛り上がらない。スリルがない。
「人数の町」を創った《黒幕は?》
「人数の町」の目的は?
デュード(アイツとかおまえとか・・)と呼ばれ、名前も戸籍も奪われたとき、
人は生きる目的を持つことが可能だろうか?
その恐怖を、もう少し具体化するラストのインパクトが不足している。
惜しい作品だ。
(しかし気付がないだけで、実は私も人数の町の住民なのではないのか?
・・・そんな気にもなるディストピア・ミステリーだった)
気持ち悪い話。
あり得ない現実だけど、、
最初つれていかれた場所は最悪なとこだと思ったけど、ちょっとだけ働かずに好きなこと出来る環境を羨ましく感じました。しかし現実その身になってみると無力感虚無感いっぱいになるだろうなとも。逃げたい、抜け出したいとの願いから奇妙な音に耐え外へ出たけどうまくいかない。最後は管理する側になっちゃう中村さんにあらゃらゃと思いました。人数合わせの人間にならないよう、人の役に立つにはどうしたたらいいか考えて生きていきたい。中村さん石橋さんコンビはすてきでした、ありがとうございました✨
ふーむ
ディストピアだが漫画チックになっていない。
日本のディストピアものはどうしても漫画チックになりがちなのだが、本作は実世界の隣で起きている感がちゃんとある。
じゃあ、設定にリアリティがあるかというと、町の存在の隠匿だけは無理があるが、それ以外はなんとかなりそうなバランスが素晴らしい。
社会への皮肉も、レビュー投降、選挙投票、各種サクラ、戸籍の売買など現実でも起きてる問題であるためスパイス効きまくりである。
シチュエーションフィクションの誕生。
ソイレント・グリーン、アルファビア、華氏451など、海外には優れたシュチエーションフィクションが以前から作られていたが、不思議と日本では余りストレートに作られたものを見たことがなかったように思う。この作品は非常に戯曲的でシュールでそれでいてすべてのロケをセットに依存することなく、既存の風景の中で実は現実の裏側に極めて一見幸せで翳がなく全てが環境によって管理された、その代わり外を見る事、外と比較すること、外に出ていくことを否定された社会が実にリアルにあるかのように描かれている。それはカルト教団のコロニーでもあり、現実の苦悩から統べてが解放されたかのような描かれ方をした社会でありながら、実は現実の社会からホンのチョットスライドしただけの本物の現実ではないのかと思われるような薄ら寒さを感じさせられたリアリティがあった。この作品には遊びがなく物語性も薄いのでその点が弱点と指摘されそうだが、見る側の興味を最後まで引き付ける最低限の映像の積み重ねでeこれだけのリアリティを描き切った監督の手腕は大変評価できる。
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