ヤクザと家族 The Familyのレビュー・感想・評価
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細野が5年以上かけて大事に築き上げてきた家族、そして賢治と由香が1...
細野が5年以上かけて大事に築き上げてきた家族、そして賢治と由香が14年の時を経てこれから少しずつ作ろうとした家族を壊したのは、ヤクザではなく「普通」の市民たちの興味本位で無自覚な暴力性であった。
皮肉にも賢治にとっては、刑務所で由香のことを考え続けていた14年間が一番幸せであったということに、心が苦しくなる。
それでも由香が娘アヤに事実を全て話したということは、世間の同調圧力に屈することなく、賢治にも自分にも正直であり続けたということであり、アヤがこれからどのような世界で生きるにせよ、そこに希望を見ることができた。
ヤクザも人間だもの
人権のないヤクザの、圧倒的なヒューマンドラマ
ヤクザの人権なんてな、とうの昔に無くなってんだよ。
おそらく、日本に住む多くの人が心の中ではそう思っている気がします。もちろん自分も含めて。
それほどヤクザ=悪、というイメージしかないし、映画を観終わった後でもその考えは変わることは無いです。
ただ、それとはまた別次元の、何か違う神経をゴリゴリと刺激されました。
じんわりと痺れが残り、観終わった後もずっと尾を引いています。
絶対的悪だと思っていた存在の、手に入れてもすり抜けていく愛をどこまでも求める哀しい姿を見たからなのか、血の繋がりもない家族達のつらくも深い絆を見せつけられたからなのか。
人間ではなく悪。そう認識していた存在の、どこまでも人間らしいヒューマンドラマにとてつもなく胸が締め付けられます。
個人的に、由香が14年どんな思いで彩を生み育てて来たのかを想像すると、2人の最後のシーンで山本に心から同情もできず…更に胸が苦しくなりました。
その中で、ラストの翼と彩の場面と、その後の山本の遺書とも言えるような主題歌には少しだけ心が救われました。
私は磯村くんのファンなので、つい贔屓目で見てしまいがちと思っていましたが、今回これだけの名役者陣に囲まれながらも彼の演技が高く評価されていることが純粋に嬉しいです。
素晴らしい作品に参加し、役として生き抜いた姿をスクリーン越しに観れたことが本当に嬉しく、この作品に出会わせてくれてありがとう、という気持ちになりました。
舘ひろし、すごい
泣けるヤクザ映画
平凡
3つの時代と3つの視点
俳優陣の演技の素晴らしさが、3つの時代の描き分けをより濃く際立たせる。映画を通して、俳優を見る視点、ヤクザのありようを見る視点、あるべき社会を探る視点の3つを行き来した。
終わってしばらく言葉が出なかったけれど、「すばらしき世界」と合わせて見たとき、私は自分がどうあるべきなのかわからなくなった。
綾野さんが劇中、最後に留守電で残した「少し退屈かもしれないけど小さな望み」を叶えることすらできない社会は、ほんとうに豊かなのか。「あの人たちには人権を与えん」とする社会は誇れるものなのか。わからなくなった。
わからなくなった自分の揺らぎと向き合うのが、怖くなった。そんな余韻を噛み締めている。
恐れは不寛容を生む。そのあとどうするのか、が今向き合うべき主題かもしれない。
古き良きものへの敬意と墓標
次世代へのメッセージを込めた、昭和以前の映画への敬愛と墓標になる、映画史に刻まれる作品だと思います。古風な画も革新的な画も全てが意味を持つ。社会も物も人も移ろいゆくが、魂は受け継がれる。社会の暗い場所に光を、どこまでも優しく愛に満ちた時間を、豊かな作品をありがとうございました。
劇場で観なければ気付けないこと、感じられないことがある。作った方々の誇りと反骨心に胸を打たれます。
個人的には、山本の最後の一言で、この物語を観た方々の日常の様々な葛藤や苦悩や悲哀が、救われるのだと思います。そして希望が残る。
この作品とテーマで常に優しさを感じるのは、作った方々の魂の美しさではないでしょうか。
映画は不滅です。
あなたに伝えたい想いがある限り。
高評価なので観に行きましたが…
正義のヤクザ
人の弱さと愛と、変わり続ける時代の残酷さ。
感情えぐられました。
こんな風にしか生きられない人間たちの精一杯の叫びを、スクリーンから浴びたような。
身震いがしました。
時間の流れ、移り変わる時代の残酷さ、やるせなくて切なくて涙が出てしまいました。
無様で、哀れで、なんだか情けないような。
それでも、ずっと変わらない大切な人がいること、受け継がれる命の愛おしさを知ること。
ラストシーンの若い2人のやりとりにとても報われました。
個人的には、
賢治の父親と、翼の父親(愛子の夫)についての過去の背景をもう少し映像で描いてくれていたら、☆5だったかも!
役者陣も音楽も映像も痺れました。
瞬きできないくらい、引き込まれました。
観て良かったです。
作ってくれてありがとうございました。
親を求める本能
さらば愛しきヤクザ
2021年映画館鑑賞21作品目
2月22日(月)イオンシネマ石巻
『新聞記者』の藤井監督
なぜか日本アカデミー最優秀作品賞に選ばれたが僕は未だに全く評価していない
『しあわせの黄色いハンカチ』で始まった長い歴史において最低最悪の汚点である
馬鹿なパヨクがどれだけ正当化しようがそれはブレない
反安倍の反安倍による反安倍のための自慰映画の長所を見つける方が難しい
だがこれは傑作だ
予告編を観たときくっさいくさいパヨク映画の次は安直にヤクザ映画かよと鼻で笑ったがそれは間違い
時代を反映しているものの平凡なヤクザ映画だ
だがその平凡がいい
よく観ると平凡の中に非凡が散りばめられている
これだけの実力があるなら『新聞記者』でもやれよ
藤井監督は有能だった
綾野剛と北村有起哉と市原隼人と駿河太郎はこういう役がよく似合う
そして圧倒的な存在感の舘ひろしが良い
ヤクザより警察より暴力団対策法よりネット掲示板の方が恐ろしい今の世の中
ネット社会マジで気持ち悪い
インターネットは人殺し
5年ルールっておかしい
自称人権弁護士は元ヤクザに手を差し伸べないのか
くだらない政治運動よりやるべきことがある
北野作品のヤクザ映画と違いエグいシーンはほとんどない
気軽に映画館に足を運んでほしい
ラストが最高に良かった
「ヤクザと家族 The Family」王道のヤクザ映画の形式を守り...
綾野剛やっぱり良い
絶滅危惧種の物語
この世界でしか生きられなかった
当初は、ヤクザをメインした映画は見る気持ちにはなれませんでしたが、これまでのヤクザ映画とは違った視点で描かれていると聞いて見ることにしました。
綾野さんはもちろん、役者の皆さんの演技が圧巻でした。
主人公を見てると、もっと賢く上手く立ち回れるんじゃないかと思うかもしれない。だけど、本来の家族を失った(または元から恵まれていなかった?)からこそ、手をさしのべてくれたヤクザというもうひとつの家族を愚直なまで守ろうとしたのでは。
ヤクザになったがために、愛や安らぎを得ることが難しくて、でも彼らはそこにしか居場所がなかったんだろうと思うと切ない。
エンドロールで流れるmillennium parade の楽曲がレクイエムのように響いて、映画の余韻をより高めてくれました。是非最後まで席を立たないことをおすすめします。
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