護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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永山瑛太がムカつく!
重たい、非常に重たい映画でした。
鈍色の映像が、東日本大震災で人々が心に負った傷を現しているような。
主要な登場人物は少ないので、謎解き要素は全くありませんが、観てる側が想像する最悪の事態に一歩、一歩近づいていく感覚が何とも切ないです。 そしてエンドロールで流れる、桑田佳祐の月光の聖者達(ミスター・ムーンライト)で涙。涙。 豪華キャストの皆さんも迫真の演技で、引き込まれますが、個人的には永山瑛太。心のこもっていない対応をする職員の役を、見事に演じきっておられます。本当に憤りを感じました。
佐藤健の新たな魅力発見。
原作は中山七里の同名小説。
被災地・仙台を舞台に、生活保護の実態を問う社会派ミステリ。
るろうに剣心主演の佐藤健が、役者として新たな境地を拓いた一作。
あの細面に野太いハスキーボイスというミスマッチを活かした、姿をみせない寡黙な殺人容疑者というキャスティングは見事。
刑事役の阿部寛や生活保護の窓口役ほか、周囲を固める俳優もみな安定感十分。
ただし清原果耶が好演したカンちゃん、この設定のみ、原作とは性別が違ったがゆえに色んな部分で齟齬が出てしまいました。
詳しくは語りませんが、清原さん、可憐で愛らしすぎです。
キャラの演技はよかっただけに、使い方がもったいなく思いました。
それでもリアルかつ魅力十分な人物たちによる、抑制の利いた物語は、社会保障制度の難しい問題を説得力をもって視聴者の心に訴えてきます。
ミステリファンや社会問題に注目する方、なにより佐藤健ファンに、ぜひとも見ていただきたい逸品です。
一言「重厚」。
震災で被災した話と生活保護の話が、過去と今に行き来する内容(9年)。
生活保護の申請や認定が、うまく機能していなかったら?。
その責任は、誰が取るのだ?。
そこに起こった殺人事件。
福祉の盲点や弱点を、うまく突いてます。
主役級の俳優さんたちがゴロゴロ出演しているので。
あれ、誰が一番悪いやつ?がわかりません。
私的には、ええーー!と驚きました。
「護る」ということ、それはどういうこと?。
終盤その意味がわかってきて、胸熱。
144分あったけど、もうお腹いっぱいな展開。
社会に問う内容でした。思っていたほどヘビーではないので機会があれば。
⭐️今日のマーカーワード⭐️
「声をあげてください。そうすれば誰かが助けてくれる」
生活保護を貰うべき人が貰えない現実、曖昧な制度と行政の問題点。 重...
2時間に及ぶプロローグ
国の政策やらは、一度始めたらなかなかやめられない
会社や法人でも、矛盾や根拠の無い事、「なんか違うよなー」と感じる事でも、なかなかやめられないし、変えられないし、変えてくれない
声を上げても聞いて貰えず、国に対しても声を上げようが
何も変わらない
で、結局諦める………
富裕層でも、貧困でも無い私たちは
どうにか稼いでる収入の中で、山ほど税金を払い
年金を払い、失業中に健康保険に加入していないと
口座凍結までされかねない制度の中で(本当の話です(笑))
いずれは迎える年金生活の保証すら危うい現実
我々の税金を湯水のように使っていても、貰える立場になると
「貰えるものは貰っておこう」と思うのがほぼ一般的だ
生活保護なるものは、何十年も前からおかしいものだ
日本全国で、その基準が統一されている訳でも無く
地域性もあり、その地域性の中には差別も存在した
生活保護を貰いながら、外車に乗っていたり
パチンコ屋通いをする輩が存在する一方
僅かなはみ出しを責められたりもするのだ
犯人逮捕迄の経過は、何だか消化不良で
2時間の以上の時間の経過を感じさせない面白さはあるものの
映画として中途半端な感覚を否めなかった
生活保護という制度に斬り込むには浅く
何より、映画という限られた時間の中で
掘り下げる事は不可能だし
ミステリーと言うには、アッサリしていた
が、ラストでその感覚は払拭された
15分程のシーンの為に、2時間のプロローグが
用意されたような感覚だった
清原果耶は、ほんといい女優さんだね
倍賞千恵子さんなら、良かったなぁ
震災被害と生活保護を扱った重厚なサスペンス。 不正受給と共に本当に...
俳優陣の演技に圧倒されました!
水たまりに顔を押し付けられそれでも吠える佐藤健の演技!!凄まじい迫力でした。終始重いムードで進んでいくこのお話ですが、だからこそのカンちゃんとの自転車二人乗りのシーン、とっても美しく儚かった✨
ラストの方まで見ている私もすっかり利根が犯人だと思い込んでいて、ラストのどんでん返し。そして黄色いジャケットの男の子を「護れなかったから護りたかった」と言う利根、もしかしたらその黄色いジャケットを着た男の子は自分の息子だったのでは?と思った時の刑事のなんとも言えない表情…お前が見捨てなかったら俺の子は!となりそうになったのでは?しかし水が怖かった利根、水の音がずっと耳鳴りになっていた利根は何か水に対して怖い過去があったのかもしれない…いろんな複雑な思いを見事に表現されてました。
深い社会問題の提起としても、推理ものとしても一級品
阿部寛が出てると東野圭吾かと思っちゃうよ
生活保護については様々な問題点があると認識してはいる。
日本国民に厳しく在日外国人に甘いとも聞く。
公務員の仕事と言うのは前例あってのもの と聞く。
実際は知らないが、生活保護を受給するという事が簡単に出来て良いはずはないというのはわかる。
給与がほぼ横ばいの日本にあって
僅かな時給で労働する人が
生活保護家庭より年収が少ないのはおかしいと言うのもわかる。
自家用車を持ってはいけない。
分譲マンションを所有するのも変。
死者が出た数年前から改正されたが、昔はエアコンがダメだった。
病気で働けない。
この基準は、はっきりしているようで曖昧でもある。
東日本大震災。
これによって不当に金銭を受け取った人々がある程度いるというのもよく聞く。
津波の力で引き裂かれた家族の
生死もわからぬまま 中途半端な諦めを強いられる人。
そういうあれこれを
まとまってるなあ という感じで見た。
見て直後の感想が 日に日に薄れて
三日たった今 少し薄っぺらに感じている今日ではある。
悪とは何か。
原作未読。
素晴らしい映画でした。
幸いにも私は震災被害をそれほど受けなかったため、
震災を目の当たりにした方々の心の傷は計り知れません。
震災がトラウマになったからといって法を犯してよいのか。
セーフティネットという法を守るため、目の前の
困っている人を助けなくてよいのか。
生活保護を受給しながらする贅沢の線引きはどこにあるのか。
生活保護受給者を非難する社会が悪なのか。
そもそも生活保護を受けるような人は怠惰なのか。
今現在、まだパンデミックは終わっていない。
何兆円もつぎ込んでなぜ終息しないのか。
その税金で利を得ている人は悪ではないのか。
世界も国もマスコミもなぜ事実を隠そうとするのか。
人々はなぜマイノリティを攻撃しようとするのか。
護ろうとしなかった人が悪いのか。
護られなかった人の自己責任なのか。
声を上げれば解決するものなのか。
その小さな声は、もっと大きな声にかき消されないのか。
それでも、小さな声を上げ、手を伸ばし、
護られなかった人を減らしたい。
ぼくにできるのはそれしかない。
自民党の政治運営の失敗
死んでいい人なんて居ないんだ
フィクションからノンフィクションへ
とても良かった。
物語上のフィクション部分である連続殺人事件から
同じような事が多々あったであろう被災者の
生活保護受給のノンフィクションへ
目を向けさせる手法が上手いなと思いました。
手足を縛られ餓死させると言う酷さが、
この問題がいかに酷いものであるか示して、
それでも死んで良い人なんていないと言うメッセージと
ラストに動機の全てが繋がる感じが、
重い映画ではあるけど、気持ち良かった。
佐藤健のヤンチャな感じが残る風貌と、
過去の過ちを引き摺り生きるのがしんどそうな感じや
阿部寛の目がグリっとなった、
家族を失った喪失感と目の前の事件に没頭していないと
生から振り落とされそうな雰囲気も
共に素晴らしかったし、
周りのキャストも過去が透けて見えて各々良かった。
フィクションとしてもラストで始まりと繋がって
とても良かったし、
ノンフィクションとしては幹子の犯行前のSNSの手記が原作者、監督の言いたかった事なのかなと
思います。
社会派サスペンスだが・・
連続殺人とサスペンス調ではあるが舞台になった東北の震災の被災者の状況が生々しいことに加え生活保護給付の瑕疵のような描写が実態の様で関心がそちらにばかり注がれ、事件性が薄れてしまった。
もちろん、原作者の中山さんや脚本・監督の瀬々さんも独自の取材、裏付けはされたと思うが、国や自治体への告発性を込めたメッセージの信憑性については鵜呑みに出来ないのが映画の弱みかも知れません。
厚労省は被災者への支援に関する生活保護適用に関する特別通知を再三出してはいますが実際の運用は現地の福祉事務所に委ねられており実効性は不透明ですし課題も多々あるような一部報道も聞きます、政府やマスコミは震災復興についての総括を今一度して欲しいと感じました。
映画では幹ちゃんは女性に代わっていますがミステリーならではのひねりを強調したかったのでしょうかね、女性だと後味の悪さを感じます。利根も幹ちゃんも性格描写にバイアスがかかり過ぎで不自然、意外性の演出意図が稚拙且つ露骨でした。
ラストの利根と笘篠(とましの)刑事のやりとりも蛇足のように思えました。阿部さんの表情で語る演技が素晴らしいだけに陳腐なセリフは白けます、息子が見殺しにされたと聞いて「ありがとう」はないでしょう、涙するだけで受けとめは観客それぞれに委ねるべきシーンのような気もします。
生活保護について、事件の真相を考えながら学ぶことが出来る作品。
震災というものの重さ
震災を経験した人達がその後の人生で大きく運命が変わっていく姿を見ました。
津波で全てを失われた人達がそれでも寄り添い合いながらお互いを本当の家族ように付き合っていく姿は、とても素敵見えます。
だけど、それも何年か経ち世の中が落ち着いてくると世間からの風辺りが少し変わっていた。
同じ辛い経験をしたもの同士だからこそ気持ちが分かる。
社会弱者に対する考え方が少し変わった。
健康で文化的な最低限度な生活は、一体誰の為にあるのか?
自分が同じように震災で苦しんだ立場でも役場の側でも何が正しいのか?といえる作品だと感じました。
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