護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
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☆☆☆★★★(ちょい甘💧) 原作読了済み。簡単な感想。 予告編を見...
☆☆☆★★★(ちょい甘💧)
原作読了済み。簡単な感想。
予告編を見ていたので、原作からの大きな改変があるのは事前に了承済み。
以前から、この監督だと原作からの改変は必須だろう…との予想は出来ていた。
結論から先に言うと。原作の良い部分は残しつつ、原作では足りない部分を補完してはいた、、、一応は。
「じゃあ良い作品になってるんだよね!」…と言われたなら「まあ…そこそこには」、、、と言わざるを得ないかも💦
この監督作品の場合、以前から(原作の改変を)少しやり過ぎてしまうきらいがあるのを気にはしていたので…
原作では《全ての人は護られる資格がある》との視点から物語は語られる。
しかしながら、映像化された本編で優先されていたのは〝 震災で亡くなった人々への鎮魂歌 〟の意味合いが強く出ていたように思える。
思うに原作者目線では、せっかく社会的弱者を救う制度でありながら、不正受給やヤクザのシノギ(映像化だと千原せいじの場面)等の隠れ蓑となり本当に必要な人には届かない。
その原因として。申請しても上限が決められている為に、より多くの人を振い落とした者が評価されてしまうお役所体質への批判が描かれていた。
しかしながら、映像化された作品で重要視されていたのは【震災】
映画本編は、あくまでも震災に心を押し潰された人達の苦悩に寄り添い、そんな人々の近い将来に訪れて欲しい《希望の光》を描いては、感動作品として描きたい、、、との思いが見て取れる。
それが良いか悪いかは、作品を観た人に委ねられる訳ですが。
とにかく、原作部分の多くで細かな改変があるのですが。1番デカイ改変部分は、やはり最後に明らかになる◯人像でしょうね。
原作だとちょこちょこっと登場するだけに、真相が分かる場面では「ああ、なるほど」…と言った感じではありました。
でもこれを映像化してしまうと、《如何にも◯人感》が強く出てしまい。「なんだかなあ〜」と、文章だと読者の想像の範囲内であるものが、映像化すると映像ではっきりと見えるだけに。大胆な改変が、逆に仇となって(如何にもな2時間ドラマっぽい)薄っぺらく見えてしまうのが本当に勿体ない。
とは言え、映像化には映像化の良さがあったのは書き込んでおきたいと思う。
…とその前に、原作の1番ダメな部分として、連続殺人が起こる時期の都合の良さがある。
何故この時期に?
まあ、そうでなければストーリー的には盛り上がらん訳ではありますが、、、
そしてその順番は1番接触が難しい人物を最後に。
原作にはっきりと書かれていたのが「2人目の殺人が明らかになると(その繋がりがバレてしまい)3人目のターゲットは直ぐに知られてしまう」〝 だから急がなければ 〟とゆう事だった。
読みながら「だったら最後のターゲットを1番先にすれば良かったモノを!」…との感想しか浮かばなくなってしまう。
更には。この事件の発端は、震災による悲劇から生き延びた人達の辛い日々や苦悩があった。
それは事件を追う刑事の笘篠にも言えた。
原作には描かれてはいなかった笘篠の苦悩。
それを前半部分に伏線として映像化し、後半に回収する脚本は、原作での中途半端な描かれ方のモヤモヤを解消してくれていました。
それを映像化だと、ラストの或る人物の告白で【明らかになる真実】から。笘篠の心に澱んでいた苦悩が浄化されるストーリー展開に…
う〜ん!やっぱり少しやり過ぎかなあ〜と。
急に狭い範囲の話になっちゃってるしなあ〜(^^;;
ただ、、、それだけに、原作では震災部分は(詳しく)描かれないだけに。映像化では笘篠の過去の描写を描く事で、映画独自の伏線を生み。それらを後半で回収する事によって、映像化の狙いでもある【家族愛】の物語の側面を描く…とゆう意図はそれなりにしっかりとは伝わって来た。
原作では1番下衆な人物だったターゲットになる人物が、何故か人間味のある人物像として描かれていたのか?は1番の謎。
最後に明らかになる、けいが書いた障子の◯書は原作の方が良い。
(原作だと)けいの死体解剖結果で、胃の中にはティッシュペーパーしかなかった…事実を描かなかったのは、何かに配慮したからだろうか?
2021年10月8日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン4
プロフェッショナルな人たち
弦楽器のBGMが凄く良い。
映像はアングル、構図がとても良い。
林遣都さんと阿部寛さんの刑事コンビが好き。
プロの刑事を感じた。
生活保護のシステムや携わる職員の仕事について考えさせられた。
終盤の「護られなかった人たちへ」と題されたSNS投稿の内容に感動。
ラスト、黄色いパーカーの子どもの話と海の波の音からのエンディングテーマ。その流れが好き。
劇中のプロの仕事だけでなく、原作者にも、監督にも、役者にも、歌手の歌声にも高い技術を感じた。
それは無理がないか?
設定を変更した、小説→映画への改編。
リングを彷彿させる男性と女性の入れ替え。
そこに、新しい視点や必然性を感じられれば
いいのだけど、それは興行的にという理由なら
微妙やなーと。
映画化と映像化は違うと思うけど、
その辺はうまく原作の設定に沿って欲しいな。
理解できなかった者たちへ
ちょっとストーリーに無理矢理感があり過ぎました。本作の見どころは、それぞれの俳優さんたちの名演技、好演技。重いテーマの作品にある緊張感を途切れることなく、維持させています。
とは言え、利根くんやカンちゃんがあのような行為に至ってしまう動機が弱いというか無理矢理というか、個人的には理解できませんでした。不正や杜撰な対応に我慢出来ず、義憤に駆られ犯罪に至る、というのは分かるのですが、あんなに猟奇的でまるでSAWの病的な殺人鬼のような行為に至るって…、本当に理解できませんでした。
震災後のあらゆるトラウマや生活保護、不正受給、そんな重いテーマを真剣に考えさせるためには、ここまでのストーリーにしないと、みんな気づいてくれない、考えてくれない、そんな想いがあったのかもしれません。
原作とは「同名」の完全別作品です。
ここまで酷い原作改変・・・・というより完全別物とは驚きました。
原作では善人面した外道達への復讐だったのに映画では逆恨みの犯行に近い。
特に上崎を善人設定にした意味が分かりません。
原作では震災の悲惨さ、行政の無慈悲さ、家族愛について考えさせられたけど映画ではあまり伝わってこなかった。
役者さんの演技がいいだけに余計に残念です。
決して他人事では無い、重厚なテーマ。アカデミー賞を受賞しても全くおかしくない。
第45回日本アカデミー賞作品賞ノミネート作品。
ドライブマイカーという素晴らしい作品の陰に隠れてしまったかもしれないが、アカデミー賞を受賞しても全く不思議ではない作品。
「人としての生き方とは何か」生活保護という最後のセーフティーネットを通してその意義を問いかけた佳作!
骨太な作品。フィクションでありながらそのテーマはドキュメンタリーなヒューマンミステリドラマ(と言ってもミステリ要素は話を進める要素に過ぎない)。
東日本大震災という未曾有の災害から生き残ったが、時が経ち生活保護を受けなければ餓死をしてしまうまで追い込まれた・時。
そんなギリギリの状況に手を差し伸べた人たちの気持ち、それはごく当たり前の人としての”正義“だった。そして
それは”愛情”でもあった、しかし・・・。
その”正義”は差し伸べられた相手にとって本当の愛情だったのだろうか?
それよりも、たとえ飢えの苦しみがあったとしても生活保護を受けないことに本当の幸せを感じてしまう人もいる、
”矛盾”・”すれ違い”
もどかしくもありその先にあるそれぞれの人たちの愛情のすれ違いに、<しあわせとは、そして人として健康的で文化的最低限の生活とは何なのか>を今一度考えさせられる。そんな作品だった。
生活保護は解決では無い、本来なら少しでも生活保護を必要としない社会になれば良い事だ。しかし、21世紀になってこの20年あまりひたすら右肩上がりを続け増加している生活保護受給世帯の数・・・これは紛れもない社会の悲鳴の数だ、そしてその様な社会の悲鳴の先に何か光明はあるのだろうか。東日本大震災からの復興五輪も終わったが果たして日本は復興できたのか、そう思ってる日本人が多いとは思えない
平均賃金はこの20年ほぼ横ばいなのに手取りは下がり続け暮らしは一向に楽になどならない。超高齢化社会、年金問題、格差社会の増大「日本は素晴らしい国だ」と言う言葉の幻想ばかりが先行している。幻想ではあってもこの国を少しでも「素晴らしい国」と思って人々は救いを求めてる。戦後復興を果たし世界有数の経済大国になったが今置かれている状況はこの国自身餓死する瀬戸際なのでは無いだろうか、20年後に今を振り返りあの時こうしておけば、そんな風にならなければ良いのだが・・・。
映画を観て、何か他人事では無いざわざわした気持ちになった。
そして、佐藤健があまりにも凄い!天皇の料理番で見せた完全な料理人とはひと味どころか全く違う繊細ながらも切れ味鋭い役どころを見事に演じて見せた。
2021/10/14 22:48
震災、生活保護に言及した社会派ドラマ
震災と生活保護、二つの大きな問題に言及している作品。
生活保護という制度はあっても、その制度が適切な人に適切な形で与えられるかは分からないし、そもそも適切な人、適切な形とはどのようなものなのか…そう簡単に現実は上手くいかないということを突きつけられました。
作品の中では震災で一変してしまった人々の生活や心にも触れていて、複数のテーマがあることで奥深さが増していました。
震災で生き残るってことは
東日本大震災の被災者でバラバラになった被災者が片寄せ合って生活していたのに、生活保護が受けられずに、恩人が亡くなったのを端緒に生じた殺人事件。初視聴だが何故か感動も、共感もできなかった。自分は岩手の内陸に在住で、多少は被災地のことを知っているが。
違和感の大きな理由は、被災で生き延びた人は、人を殺したりできないと感じたからだ。被災するか否かは、たまたま、その時間に沿岸にいたかいなかったの運にも左右される。一つ間違えば、誰でも津波にさらわれていたのだ。いただいた命だから、悩みつつも、亡くなっていった人たちのためにも、命を大切にして生きようとする。まして、他人の命を奪うなどなおさらだ。けいに守られて、疑似でも家族として生き始めていただけに、譬え生活保護の受給問題により困窮して亡くなったとしても、制度や役人を恨んで殺人をするようにはならないと思う。
サスペンス要素が多い刑事物だから、こういうストーリーになるのも仕方がないのだろうが、震災で生き残るとはそういうものではない。洋画で「インポッシブル」というスマトラ島沖地震の被災映画があるが、助かっただけで感謝したくなるものなのだと思う。良い俳優が揃っているだけに、ちょっと残念であった。
公務員の人に一見はしてほしい。
ストーリーなどは他の方のレビューがわかりやすいので割愛します。
私は生活保護担当ではないですが、生活に困窮する市民に対応する課に属する公務員です。
本作品を鑑賞する前は、自分の職種への意識などありませんでしたが、ストーリーが進むにあたり、その意識はより強く考えさせられるものへと変わりました。
本作品で出てくる行政業務における原理原則という考え方。これは、公平公正な行政を行うには特に重要な考え方だと思っています。不明確であったり臨機応変であれば、それはかえって、混乱や不平等を生みます。
そして、この考えに従った判断により、対象から外れることもあります。
本作品は、この対象から外れた人達に対して、原理原則だから仕方ないと終わるのか、それとも、終わらすべきではないとするのか、私自身もこの葛藤は業務の中であるので、凄く意味を持った映画となりました。
生活保護制度を通し、本作品のメインとなる対象者以外に、不埒な対象者、同情はできるがルールを破る対象者なども描かれ、原理原則の是非について考えさせられる作品でした。
最後に、終盤に犯人がSNSであげるメッセージがあります。これは本当に重要なことだと思います。
共感できない。公助は崩壊していないでしょ。
まずもって、けいさんは現役時代(理髪店をしているとき)に年金を納めていない。
「そんな余裕なかったよ」で、そのこと(納付)についてなにも触れていない。
サラリーマンは強制的に、そんな余裕があろうとなかろうと徴収されている。
自営業者それぞれの考えのもと、納めないこともできる現制度がそもそも間違いだが、それはさて置き、
サラリーマンが毎月数万円、強制徴収されているお金を、けいさんはその当時に使っていたわけだ。
緒形直人が「きみたちの境遇には理由がある」と言っていたけど、ただただその通りでは?
けれども、その上で、現在困窮状態にあるならば、きちんと申請すれば、生活保護を受け取ることができるのが日本。
公助は崩壊していない。
震災と関連づけているので、琴線に触れたという人がいるのかもしれないけれど、根本、ソコにまったく共感できず。
難しいテーマ 善悪とは?
登場人物、全員が『善人』である。(?)
Amazonプライムで視聴。
お勧めいただき、早速観てみました!
間違いなくいえるのは、良い作品でした!
役者陣がGOOD!
佐藤健、阿部寛は安定の…!ってところです(^^)
この作品は観る人によって解釈が違うと思います。
何が善で、何が悪か?
殺害される人も『善人』で、殺害する人も『善人』でした(?)
この『善人』の基準とは何か。
『この人は良い人、悪い人』の基準は人によって違う。
利害によって違う。
距離感で違う。
主観、客観で違う。
人•時•所で違う。
シチュエーションで違う。
そして、みんながみんな、自分の考えこそが『正義』だと思っている。無意識に。潜在的に。
『弱者は見捨てて構わない』と思う人もいる。
一方で『弱者を虐める、権力者からは搾取しても構わない』と思う人もいる。
さらに、『弱者を虐める者は殺しても構わない』と思う人もいる。
どれも間違いである。
いずれも、ここに欠如しているのは『愛』である。
お互いを『思いやる気持ち』。
本作の登場人物たちも、それぞれが『思いやる気持ち』がある『善人』達である。
しかし、立場によって、利害によって、『憎しみ』が生まれる。
本当に難しい問題だ。
この問題が、民族規模、国家規模の憎しみになると『戦争』になる。
この世界から『憎しみ』が無くなる日を願うばかりです。 『憎悪』を捨てて、『愛』や『許し』に変わる日まで。
映画最高!
阿部寛濃い演技はノーサンキュー
東日本大震災×生活保護
がどんな化学反応起こすのかなと思っていたが
拙的には落ち着いた感じがして
響かなかった良質な作品。
佐藤健もなんかすごくなったね。
うんうん
お前は父親か
60点
イオンシネマ草津 20211016
重いテーマだけど、キャストも素晴らしく良質な映画
震災もテーマにあって、生活保護の闇や問題も織り交ぜながらのサスペンス。
身寄りを失った者同士の支え合いや絆がとても美しくて、佐藤健の演じる主人公が変わっていく様子など全般とても温かい気持ちになる。それを視聴者として感じていたからこその、真実を知ったときに非常に悲しく、何とも言えない気持ちになる。佐藤健の泥水に顔をつけるシーンが印象的。こういう社会派も素晴らしかった。また清原かやちゃんの迫真の延期にはドキッとさせられた。このキャストの中で全く見劣りしない若手女優さん、すごいです。
3.38良作
小説原作、全体的に良作な映画でした。
日本人だから共感できるような生活保護や震災を話題としており、事件はおまけみたいなものです。
この映画を見て思うのは、優しい人間は公務員に向かないのだろうということ。世間は生活保護はもっと削減しろといい。明日は我が身になったら絶望する。昨今では、「生活保護を受けるのは恥ずかしい」という考え方よりも「当然の権利である」という権利論者が増えているので、より条件は厳格化していくことでしょう。
もうこういった判断は人間には酷なので、AI行政にお任せになるのも遠くはないような気がしました。優しい人間はNPOや起業をしたほうがより自分の思うがままに救いやすいのでは、と。
ずっしりと厚い
「主人公は何を守りたかったのか」ということが最後に明かされるが、そこに収束するまでの骨太の背景やテーマと、凝ったストーリーが大変面白かった。阿部寛や佐藤健の演技も素晴らしい。
8-059
震災の悲劇の根深さと社会の闇の根深さ。
阿部寛と佐藤健良かった。
あと倍賞美津子はもはやジブリに出てくるキャラみたいだった。
ストーリーも震災と社会の問題を重ねて良くできてる。
これを観ると生活保護の仕事は自分には出来ないと思った。どこか割りきって仕事しないと精神をやられそう。
また震災から復興して来たなと遠
くで住む自分達は感じていたが、震災関連の作品を見ると計り知れない悲しみは全然癒されてない事に気付かされる。
かんちゃんのSMSの投稿と最後の海辺での話は良かった。
色々刺激のある作品だった。
生きるって大変で尊い
アマプラにて。
最初は3.11の映画かな?と思ったが、そこから発展し、被災者が被災者を相手する限界ギリギリの精神のなか生活保護を承認する側と申請する側の心情、そして殺人事件。
震災で前を向いていける人は本当に強い。
生きるって難しいし、大変。
夫と3.11の時のことを話した。
人ごとでは済まないし、忘れてはいけないできごと。
もう12年か。。
佐藤健の外見は強がっているが、中身は脆く弱く優しさに満ちている演技が素晴らしかった。
生活保護…
不正受給の問題は時々メディアに取り上げられるが、実際の申請→審査→承認までの実情はどうなっているのだろう。原理原則通りだと思うが、特殊なケースの場合、事務所の裁量はあるのだろうか。映画のように助からないと分かって措置しない行為が果たしてあるのだろうか。映画は震災という重しが根底にあり、加害者、被害者のみならず刑事も心に傷を負っている。家族を失った者同士が生きるために寄り添い、助け合う。それさえ失ったのならば。。復讐の仕方が凄く、真犯人は何となく分かってしまった。ラストの刑事の息子を助けられなかったくだりはちょっとやり過ぎな感じがして、不要だったと思う。
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