護られなかった者たちへのレビュー・感想・評価
全456件中、21~40件目を表示
佐藤健君の目つき!
原作は読んでません。
予告編だけはみてました。
前半の佐藤健君の鋭い目つき、怖いくらいでした。
作り手の思惑通り(?)利根が犯人だと思って観ておりました。
えっ!まさかカンちゃんが…
震災と生活保護、テーマは重いです。
生活保護を本当に必要な人に支払われていない現状は、
現実にもあるのでしょう。
でも、正直「けいさん」がなぜ年金を貰えないのか不思議でした。
床屋を営んでいたとき、払ってなかったという設定なんでしょうか?
そんな、ちょっとわからないところもありましたが…
利根が本当は優しく、いい奴ってことは良かったです。
終盤では健君の目つきも柔らかくなっていて、安心しました。
サスペンスと思いきや生活保護について考えさせられる作品
震災と生活保護を題材とした殺人サスペンス
殺人に関してはリアリティがないけれど、生活保護を申請する側、受理する側、どちらも震災で疲弊していた状況は当時現実にあっただろうし、今現在も未来にも起こり得るのだろうと考えながら鑑賞した。
生活保護の不正受給や扶養照会を恐れての辞退など、現実的で根深い問題も扱っているため考えさせられる。
作中では生活支援課の職員が悪役的に描かれているが、一方では被災した墓地の片付けをしていたり、餓死を招いてしまったことを後悔していたり、そう単純ではない。誰しもが護られなかった者、あるいは護れなかった者として、天災および人災の被災者として描かれている。
護られなかった存在として描かれるおばあちゃんだが、震災孤児となった主人公達を護り、生活保護を辞退することで生き別れた娘を護ろうとした事もどこか皮肉的だ。
全てを救うことはできないと悟りつつも、せめて、助けるために声を上げて欲しい、助けてもらうために声を上げて欲しい、この辺りが作品として伝えたいメッセージなのだろう。
利根(佐藤健)は役所に放火して服役していた。 動機は生活保護制度に対する憤りだった。 出所してすぐに工場で働き始めた。 周囲を寄せ付けないヒリヒリするような態度が際立っていた。
動画配信で映画「護られなかった者たちへ」を見た。
2021年製作/134分/G/日本
配給:松竹
劇場公開日:2021年10月1日
佐藤健
阿部寛
清原果耶
林遣都
永山瑛太
緒形直人
吉岡秀隆
岩松了
倍賞美津子
瀬々敬久監督と言えば「楽園」(2019)がよかった。
中山七里原作と言えば「ドクター・デスの遺産 BLACK FILE」(2020)
林民夫脚本と言えば「空飛ぶタイヤ」(2018)、
「白ゆき姫殺人事件」(2014)がある。
利根(佐藤健)は役所に放火して服役していた。
動機は生活保護制度に対する憤りだった。
出所してすぐに工場で働き始めた。
周囲を寄せ付けないヒリヒリするような態度が際立っていた。
そして、生活保護を担当する役人
(永山瑛太、緒形直人)が次々と拉致されて殺された。
捜査の結果、利根が浮上する。
笘篠(阿部寛)と蓮田(林遣都)は利根の仕業と断定し、
その所在を追う。
利根は逮捕されたが、また誘拐事件が起こる。
容疑者は意外な人だった。
なかなかのミステリーでサスペンスだと思う。
満足度は5点満点で4点☆☆☆☆です。
『社会から護られる者と護られない者』
『社会から護られる者は護られない者の差は何なんのか』
当時被災地宮城県では
「特定新興宗教団体関係者だけが優先的に支援を受けている」現実を目撃している。
映画では
支援物資の配給の際主人公の女の子が列に『並べよー』と列の最後尾に追いやられ配給を受けられない状況が描写されている。
それと重なって見えた。
同じ様な事は
市役所の生活保護の手続きや介護保険受給の審査でもあると恩師より聞いている。
日本人の宗教観と倫理観は一体どうなっているのか?
『仲間意識と差別の境界』は何処にあるのかと考えさせられる映画だ。
「地域のため」「公正公平」「世界平和」を声だかだかに謳っても本音は建前でしかなく実際は差別の正当化にしか寄与していない現実。
考えさせられる。
ミステリ的動機
佐藤健の人相の悪さが凄かった。あれ?佐藤健だっけ?となってキャスト検索したら佐藤健だった。
その人相の悪さが真犯人がわかるまで活きていた。いや、それからカンちゃんに優しくするから、そして後にバラされるあの台詞「死んでいい人なんていないんだ」。ギャップ萌え〜。
なんか自分の耳が悪いのかもしれないが、阿部寛が佐藤健とラスト話す前に佐藤健の拘束を解く刑事の台詞が何言ってるのかわからなかったのと、もうホントラストの阿部寛の一言も全く聞き取れなかった。ま、いっか。
声をあげること
☆☆☆★★★(ちょい甘💧) 原作読了済み。簡単な感想。 予告編を見...
☆☆☆★★★(ちょい甘💧)
原作読了済み。簡単な感想。
予告編を見ていたので、原作からの大きな改変があるのは事前に了承済み。
以前から、この監督だと原作からの改変は必須だろう…との予想は出来ていた。
結論から先に言うと。原作の良い部分は残しつつ、原作では足りない部分を補完してはいた、、、一応は。
「じゃあ良い作品になってるんだよね!」…と言われたなら「まあ…そこそこには」、、、と言わざるを得ないかも💦
この監督作品の場合、以前から(原作の改変を)少しやり過ぎてしまうきらいがあるのを気にはしていたので…
原作では《全ての人は護られる資格がある》との視点から物語は語られる。
しかしながら、映像化された本編で優先されていたのは〝 震災で亡くなった人々への鎮魂歌 〟の意味合いが強く出ていたように思える。
思うに原作者目線では、せっかく社会的弱者を救う制度でありながら、不正受給やヤクザのシノギ(映像化だと千原せいじの場面)等の隠れ蓑となり本当に必要な人には届かない。
その原因として。申請しても上限が決められている為に、より多くの人を振い落とした者が評価されてしまうお役所体質への批判が描かれていた。
しかしながら、映像化された作品で重要視されていたのは【震災】
映画本編は、あくまでも震災に心を押し潰された人達の苦悩に寄り添い、そんな人々の近い将来に訪れて欲しい《希望の光》を描いては、感動作品として描きたい、、、との思いが見て取れる。
それが良いか悪いかは、作品を観た人に委ねられる訳ですが。
とにかく、原作部分の多くで細かな改変があるのですが。1番デカイ改変部分は、やはり最後に明らかになる◯人像でしょうね。
原作だとちょこちょこっと登場するだけに、真相が分かる場面では「ああ、なるほど」…と言った感じではありました。
でもこれを映像化してしまうと、《如何にも◯人感》が強く出てしまい。「なんだかなあ〜」と、文章だと読者の想像の範囲内であるものが、映像化すると映像ではっきりと見えるだけに。大胆な改変が、逆に仇となって(如何にもな2時間ドラマっぽい)薄っぺらく見えてしまうのが本当に勿体ない。
とは言え、映像化には映像化の良さがあったのは書き込んでおきたいと思う。
…とその前に、原作の1番ダメな部分として、連続殺人が起こる時期の都合の良さがある。
何故この時期に?
まあ、そうでなければストーリー的には盛り上がらん訳ではありますが、、、
そしてその順番は1番接触が難しい人物を最後に。
原作にはっきりと書かれていたのが「2人目の殺人が明らかになると(その繋がりがバレてしまい)3人目のターゲットは直ぐに知られてしまう」〝 だから急がなければ 〟とゆう事だった。
読みながら「だったら最後のターゲットを1番先にすれば良かったモノを!」…との感想しか浮かばなくなってしまう。
更には。この事件の発端は、震災による悲劇から生き延びた人達の辛い日々や苦悩があった。
それは事件を追う刑事の笘篠にも言えた。
原作には描かれてはいなかった笘篠の苦悩。
それを前半部分に伏線として映像化し、後半に回収する脚本は、原作での中途半端な描かれ方のモヤモヤを解消してくれていました。
それを映像化だと、ラストの或る人物の告白で【明らかになる真実】から。笘篠の心に澱んでいた苦悩が浄化されるストーリー展開に…
う〜ん!やっぱり少しやり過ぎかなあ〜と。
急に狭い範囲の話になっちゃってるしなあ〜(^^;;
ただ、、、それだけに、原作では震災部分は(詳しく)描かれないだけに。映像化では笘篠の過去の描写を描く事で、映画独自の伏線を生み。それらを後半で回収する事によって、映像化の狙いでもある【家族愛】の物語の側面を描く…とゆう意図はそれなりにしっかりとは伝わって来た。
原作では1番下衆な人物だったターゲットになる人物が、何故か人間味のある人物像として描かれていたのか?は1番の謎。
最後に明らかになる、けいが書いた障子の◯書は原作の方が良い。
(原作だと)けいの死体解剖結果で、胃の中にはティッシュペーパーしかなかった…事実を描かなかったのは、何かに配慮したからだろうか?
2021年10月8日 TOHOシネマズ錦糸町オリナス/スクリーン4
プロフェッショナルな人たち
それは無理がないか?
理解できなかった者たちへ
ちょっとストーリーに無理矢理感があり過ぎました。本作の見どころは、それぞれの俳優さんたちの名演技、好演技。重いテーマの作品にある緊張感を途切れることなく、維持させています。
とは言え、利根くんやカンちゃんがあのような行為に至ってしまう動機が弱いというか無理矢理というか、個人的には理解できませんでした。不正や杜撰な対応に我慢出来ず、義憤に駆られ犯罪に至る、というのは分かるのですが、あんなに猟奇的でまるでSAWの病的な殺人鬼のような行為に至るって…、本当に理解できませんでした。
震災後のあらゆるトラウマや生活保護、不正受給、そんな重いテーマを真剣に考えさせるためには、ここまでのストーリーにしないと、みんな気づいてくれない、考えてくれない、そんな想いがあったのかもしれません。
原作とは「同名」の完全別作品です。
決して他人事では無い、重厚なテーマ。アカデミー賞を受賞しても全くおかしくない。
第45回日本アカデミー賞作品賞ノミネート作品。
ドライブマイカーという素晴らしい作品の陰に隠れてしまったかもしれないが、アカデミー賞を受賞しても全く不思議ではない作品。
「人としての生き方とは何か」生活保護という最後のセーフティーネットを通してその意義を問いかけた佳作!
骨太な作品。フィクションでありながらそのテーマはドキュメンタリーなヒューマンミステリドラマ(と言ってもミステリ要素は話を進める要素に過ぎない)。
東日本大震災という未曾有の災害から生き残ったが、時が経ち生活保護を受けなければ餓死をしてしまうまで追い込まれた・時。
そんなギリギリの状況に手を差し伸べた人たちの気持ち、それはごく当たり前の人としての”正義“だった。そして
それは”愛情”でもあった、しかし・・・。
その”正義”は差し伸べられた相手にとって本当の愛情だったのだろうか?
それよりも、たとえ飢えの苦しみがあったとしても生活保護を受けないことに本当の幸せを感じてしまう人もいる、
”矛盾”・”すれ違い”
もどかしくもありその先にあるそれぞれの人たちの愛情のすれ違いに、<しあわせとは、そして人として健康的で文化的最低限の生活とは何なのか>を今一度考えさせられる。そんな作品だった。
生活保護は解決では無い、本来なら少しでも生活保護を必要としない社会になれば良い事だ。しかし、21世紀になってこの20年あまりひたすら右肩上がりを続け増加している生活保護受給世帯の数・・・これは紛れもない社会の悲鳴の数だ、そしてその様な社会の悲鳴の先に何か光明はあるのだろうか。東日本大震災からの復興五輪も終わったが果たして日本は復興できたのか、そう思ってる日本人が多いとは思えない
平均賃金はこの20年ほぼ横ばいなのに手取りは下がり続け暮らしは一向に楽になどならない。超高齢化社会、年金問題、格差社会の増大「日本は素晴らしい国だ」と言う言葉の幻想ばかりが先行している。幻想ではあってもこの国を少しでも「素晴らしい国」と思って人々は救いを求めてる。戦後復興を果たし世界有数の経済大国になったが今置かれている状況はこの国自身餓死する瀬戸際なのでは無いだろうか、20年後に今を振り返りあの時こうしておけば、そんな風にならなければ良いのだが・・・。
映画を観て、何か他人事では無いざわざわした気持ちになった。
そして、佐藤健があまりにも凄い!天皇の料理番で見せた完全な料理人とはひと味どころか全く違う繊細ながらも切れ味鋭い役どころを見事に演じて見せた。
2021/10/14 22:48
震災、生活保護に言及した社会派ドラマ
震災で生き残るってことは
東日本大震災の被災者でバラバラになった被災者が片寄せ合って生活していたのに、生活保護が受けられずに、恩人が亡くなったのを端緒に生じた殺人事件。初視聴だが何故か感動も、共感もできなかった。自分は岩手の内陸に在住で、多少は被災地のことを知っているが。
違和感の大きな理由は、被災で生き延びた人は、人を殺したりできないと感じたからだ。被災するか否かは、たまたま、その時間に沿岸にいたかいなかったの運にも左右される。一つ間違えば、誰でも津波にさらわれていたのだ。いただいた命だから、悩みつつも、亡くなっていった人たちのためにも、命を大切にして生きようとする。まして、他人の命を奪うなどなおさらだ。けいに守られて、疑似でも家族として生き始めていただけに、譬え生活保護の受給問題により困窮して亡くなったとしても、制度や役人を恨んで殺人をするようにはならないと思う。
サスペンス要素が多い刑事物だから、こういうストーリーになるのも仕方がないのだろうが、震災で生き残るとはそういうものではない。洋画で「インポッシブル」というスマトラ島沖地震の被災映画があるが、助かっただけで感謝したくなるものなのだと思う。良い俳優が揃っているだけに、ちょっと残念であった。
全456件中、21~40件目を表示