空白のレビュー・感想・評価
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生きるとは試練を乗り越えていくこと
生きるとは試練を乗り越えていくことと誰かが言った。出くわした登場人物がとんでもない試練に遭遇する、それはけして必然ではない偶然の悲劇。古田新太さん演じるモンスターファーザーが『みんなどうあって折り合いをつけるのかな』とつぶやく言葉が響く。やるせない悲劇への折り合いは極めて難しい。この映画、古田新太さんの怪演が迫真過ぎて凄い。双璧主演のアカデミー主演男優賞の松坂桃李さんを完璧に影薄くする。『不寛容』が故にG7最低の幸福度、国連国家でも56位と言われる閉塞感の日本の問題作。
ワイドショーの再現ドラマ
本作は、巷間、非常に評価が高いようですが、誠に狡い作品です。
冒頭の漁のシーンからラストまで、終始手持ちカメラで撮られており、映像は常に微妙に揺れ続け、観客を車酔い状態に陥らせます。更に寄せカットの連続、人の顔のアップばかりでカットが割られ、全体を見せる引きカットは殆どないため、アップされた人物の表情と感情のみに視線は引き寄せられざるを得ません。その上、息抜きや気分転換になるBGMが全くないので、映画はドキュメンタリーフィルムのように進行します。
本作で描かれるのは、半径数百メートル圏内での出来事に過ぎず、あまりにも狭域での狭小な事件であり、観衆にとっては、夢のような別世界の話ではなく、ごく身近な風景の中で起きたことです。それゆえに切実でありながら、一方で所詮は他人事ゆえに大いにゴシップ的な興味が煽られることになります。
カメラの視点は、明らかに作中でも頻繁に表れるTVワイドショー目線、即ち世間の野次馬目線、興味本位のみの第三者目線です。いわば、本作は延々107分に亘るワイドショーの再現ドラマといえます。
人は、己とは無関係の、悲惨で凄絶な他人の不幸な出来事や他人同士の揉め事に対して、残念ながら生来持っている下賤でどす黒い好奇心が強烈に、且つ歪に掻き立てられます。
本作は、被写体を古田新太扮する添田充、松坂桃李扮する青柳直人、寺島しのぶ扮する草加部麻子の三人に絞り込み、常に各々の狂気の様をデフォルメして映しており、核となるスジがブレず、従い観客の好奇の眼を集め続け、好奇の心を掴み続けることに見事に成功しました。
ほぼ1時間半の間、観客は息つく間の無いままに異常な忘我と陶酔状態に置かれ、心にずしりと重い充足感を得たのが、本作への高評価になっているのではないかと思います。
尚、映画のキャッチコピーでは、「日本映画史に残る息の止まる感動のラストシーン」とあるのですが、ラスト10分間での明らかな映像の変調、人物の言動の劇的変化は、私には、よく意味が分かりませんでした。
あくまで私見ですが、カメラの動き、寄せカットの多用、身近な狭域世界の深掘り、それらによって醸し出された緊張感等により、テレビで観るには傑作といえますが、そのスケール感、そのシンプル過ぎるカメラワーク等により映画館で観る映画としては、やや疑問を感じるしだいです。
キャスティング
諸悪の根源はお父さんの気質
こういう人いるいるだけど、この映画ではその誰もがそれぞれの個性の度合いが普通を過ぎている感じで、だからこそこのストーリーが出来上がったのだろう。最初からみんなが折り合いをつけられる人なら、ただの交通事故で1人の少女の命が失われた、それだけ。でも行き過ぎた個性のぶつかり合いは関わった人たちの人生を狂わせた。私はずっと、お父さんの激しい気性が諸悪の根源と思って観ていて最後も結局謝らないのかい💦と突っ込んでしまった。もしかして最初に心に折り合いをつけられたのがお父さんとしたらこれも不公平なんじゃないか、とか娘を失い一番辛い人に厳しいことも思ったけど。。。いつ自分に降りかかるかもしれない、或いは巻き込まれるかもしれない災難、これは怖いなと心底思わされたこの映画。重かったけど、強くて柔軟な心を持ちたい、こんなことを考えさせられてこの先の人生の教訓にしたい、見てよかった。
あの日に見た白い雲
それぞれの苦しみ、からの…
父親の成長物語
テーマがハッキリしていて凄い
傑作と言って良いのではないだろうか?テーマが良い。「怒り」からは負の連鎖しか産まない。しかし人間は怒る事をしないと「怒り」がいかに無意味なのか分からないって話だと思った。
スーパーの店長にも父親にも感情移入出来て素晴らしい作品。
元妻の言葉や事故を起こし自殺した娘の母親の考え方が出来れば、争いなと起こらない。出来ないから生きにくいのだと思う。度を越す偽善者として描かれている寺島しのぶの役もこの映画には欠かせない。
戦争、争いがなくならないのは人間として仕方がない。しかし少しでも愚かな事と気づくには時間がかかるかもしれないがいつかは気付ける。
なぜ国際映画祭に出さなかったのが悔やまれます。
ドサクサに紛れてkiss
これが1番の人間の恐怖でしたわ。なんで突然笑笑
今作は古田新太の演技がすさまじい、とにかく似合うんです、鬼気迫る役柄。
他の役者さんもとにかくキャストがピッタリの配役でして皆がいい演技で心が揺さぶられました。
今作はとにかく運が悪い、あんなお父さんがいてママも離婚してれば娘は萎縮する。
そこに万引きからの事故。
そんな店長やる気ない役どころなのにあんな追いかけるか?
マスコミの汚さもよく表現されていた。
事故を起こしてしまった、女の人、悲劇だよね、悲劇は悲劇を生む。スーパーの店長も精神的に追い込まれる。
トラックの運ちゃんはどうした?捕まってるのか?
どう考えても前で事故があったならもう少し止まれたような。
そこはお縄ちょうだいと認識しましたが。
かなり重い話でしたが、絵のシーンとか時折はさむ笑いが面白かった。
古田新太の頑固さは強烈でしたがしだいに少しだけ変化していく様はよかったです。
ホストやるとか言ってた下っぱの兄ちゃんがわりと人としてしっかりしてるのもよかった。
ラストシーンはじーんときました。
個人的には事故をした娘さんの母親にぐっときました。
名演技に引っ張られる…けど…
どこを切り取っても重苦し過ぎる・・・
auマンデー『空白』
予告観てたら松坂くん主演だと思ってましたが・・・・
古田さん主演でした^^;;;
まぁ誰も救われない奈落に突き落とされたままの2時間は、月曜日には重すぎました><;
万引きした女子高生が逃走し・・・交通事故で亡くなるわけですが・・・
追いかけた店長の悲劇・・・
亡くなった女子高生の親父の暴走・・・
急に飛び出してきた女子高生を最初にひいてしまった女性の悲劇・・・
マスコミの切り取り報道・・・
それに立ち向かうパートのオバさん・・・
学校や友達の対応もシラっ〜とリアルで。。。
いやぁ、、、何も書く気にならないってのが本音です。
孤狼の血LEVEL2では、主演男優ノミネートされるであろう松坂桃李くんの助演男優賞
古田さんの主演男優賞ノミネート確定かな!?
予告の印象とだいぶ違う
事故死した女子中学生の父親と事故の原因となったスーパーの店長のお話。予告から受けた印象は悲しみと怒りに狂った父親が店長を追い詰めていくお話で圧倒的強者となった事故被害者側と弱者にされた万引き被害者の逆転現象を描いた社会派な作品なのかな?って感じだった
実際に私もどうにもならない言葉の暴力で追い詰められる覚悟をして観に行ったがこの映画はすごく冷静に観ることができた
予告だと主人公は店長に見えたけど
この映画は事故に関わったために人生が変わってしまった人達を父親の視点で描いたものにみえた
私には救いを描いた映画に思えたけれど消えない罪と苦しみの映画と捉える人もいれば被害者からのパワハラによって人生を狂わされた人の映画と感じた人もいると思う
とても悲しいお話だけどあまり嫌な気分にはならなかった
演者の力量によるものだろうか
なんとも不思議な映画であった
少しはあった嫌な部分
マスゴミの捏造印象操作!店長のインタビュー映像の編集、あれは観ていて怒りを感じました
それとインタビュアーの女!ワザと転んだんじゃないの?(ぷんすか)
余計な一言
予告では娘を失った父親はモンスターに…とありましたが
1番のモンスターは草下部さんだなぁと思いました
二言目
トラックの追撃はいらなかったんじゃないかなぁ
焼き鳥弁当といるか雲
辛いシーンが多くて心が痛くなる前半。
登場人物ひとり一人の想いが伝わってくる。
寺島しのぶの役割も重要だと思う。
最期に主人公の二人に救いがあってよかった。
二人ともホッと肩の荷を下ろしたたラストの演技は素晴らしい。
人の不快な部分を抉り溶かすように導く、圧巻の脚本
グーッと首を締めてくるような序盤に耐えられないと感じていたのだが、ホントに素晴らしく、フッと心が軽くなった。噂通りの良作。
万引き未遂による逃走で事故にあい、娘に興味のなかった父が暴走する。そう聞けば猟奇的でダークな雰囲気を連想する。しかし、実際は倫理観を揺さぶり葛藤する個々のドラマなのである。だから、その中でうごめき回る気味悪さを常に浴びている。その状況に本当に耐えられなく、この映画は何処が良いのか分からなくなりそうだった。
だからといって、じゃあ劇的なモノがあるかと言われるとそれも違う。時間が解決する訳でもなければ、報われる訳でもない。個々が少しずつ向き合っていくだけなのである。しかし、それがいかに難しいかなんて容易に想像が付く。これはその空白と対峙する人たちの物語である。
父親を演じる古田新太は圧巻の一言に付きる。定期的に誰かにキレてるバイト先の商管を思い出すくらい、矢継ぎ早に相手を追い詰めていく様は恐怖そのもの。その中にも不器用なのが滲み出ていて、それがジワーッと広がっていく時に涙が止まらなくなった。松坂桃李の虚無な雰囲気も上手いし、寺島しのぶの気味悪い善人面は初めから耐えられなかった。他の人が言うように藤原季節がいなかったら自分も取り乱すくらい耐えられない映画だったと思う。
最後に思うのは、娘の万引きはやっぱり悪いし、マスコミは相変わらず自己的で面倒。だが、それでも当事者にならないただのニュースでしかない。そんなに他人に興味が無いように。
ひとまず、完走できて良かった。そして、何故かこちらまで救われた気さえしてくる。これからもそれぞれの想いを背負って歩いていく姿を観たくなる。
重たい話、胸が苦しくなりました
松坂桃李をただ観に行っただけでしたが予想以上でした。
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